lw´‐ _‐ノv畳の上に座っているだけのようです 二畳目「キューチャン」


lw´‐ _‐ノv「かーごめー、かごめー」

lw´‐ _‐ノv「かーごのなーかのとーりーはー」

o川*゚ー゚)o「えっ……」

lw´‐ _‐ノv「いーつーいーつー」

lw´‐ _‐ノv「でーやーるー」

o川;゚ー゚)o「ここ、どこ、怖い……」

lw´‐ _‐ノv「おー、次の悩めし者が来たか……」

lw´‐ _‐ノv「よっ」

o川;゚ー゚)o「……」

o川*゚ー゚)o「きゃ……、きゃああああ!」



lw´‐ _‐ノv「えっ……」

o川*゚ー゚)o「わああああああ!!」

lw;´‐ _‐ノv「ちょっと落ち着いて」

o川*゚ー゚)o「余りにも可愛いからっ……」

o川;゚ー゚)o「キューちゃんが、余りにも可愛いから誘拐されちゃったんだああ!!」

lw;´‐ _‐ノv「……」

o川*;ー;)o「お父さん、お母さん、怖いよおお!」

lw´‐ _‐ノv「……ねえ、テレビじゃないんだから」

lw´‐ _‐ノv「会話のインターネットしようよ……」

o川*;ー;)o「……ウッ、グスン」

lw;´‐ _‐ノv「ね?」





o川;゚―゚)o「……」

o川*゚―゚)o「キューちゃんが……、ログインしました……」

lw´‐ _‐ノv「チャットなのか……」

o川;゚―゚)o「うう……」

lw;´‐ _‐ノv「えーと……、こんばんみ」

o川*゚―゚)o「もしもし……」

lw;´‐ _‐ノv「スカイプとかその類かよ、数秒前に言えよ……」

o川*゚―゚)o「キューちゃんの家」

lw´‐ _‐ノv「うん?」

o川*゚―゚)o「お金ないから身代金とか払えません……」

lw´‐ _‐ノv「……ここは、悩みを抱えた人がいざなわれるところ」

o川*゚ー゚)o「えっ?」

o川*゚ー゚)o「……どういうこと?」

lw´‐ _‐ノv「数十分くらいで、元いた場所に戻れるから安心せい」



o川*゚ー゚)o「……じゃあ」

o川*゚ー゚)o「じゃあ、キューちゃんは誘拐されたわけじゃないの!?」

lw´‐ _‐ノv「もちろん」

o川*゚ー゚)o「よ、よかったー! キューちゃん、まだ日本の土を踏める!」

lw;´‐ _‐ノv「それは誘拐というより、もっと禍々しい犯罪に巻き込まれてるよ……」

o川*゚ー゚)o「……でも、ちょっぴり拍子抜けしちゃった!」

lw;´‐ _‐ノv「この不思議現象のほうにも興味を持とうよ……」

o川*゚ー゚)o「なんだか、びっくりして損しちゃった気分ー」

lw´‐ _‐ノv「充分びっくりすること起きてるんだけど……」

o川*゚ー゚)o「よく見たらここ和風だね! 畳なんて久々に座ったよー」

lw;´‐ _‐ノv(会話が噛み合ってない……)



o川*゚ー゚)o「新しい畳のいい匂いがするー」

lw´‐ _‐ノv「おおー、畳の良さが分かるか」

o川*゚ー゚)o「あれっ、どうしてここに歯型がついてるの?」

lw´‐ _‐ノv「えーと」

lw´‐ _‐ノv「クッキーだと思って、かじった人がいるんだ……」

o川*゚ー゚)o「……その人」

o川*゚ー゚)o「心の休養が必要だと思う……」

lw;´‐ _‐ノv「う、うん……、神妙な面持ちで言わないで……」

lw´‐ _‐ノv(心の休養が必要なのか、私……)



o川*゚ー゚)o「それにしても畳いいなー……、前転してもいい?」

lw´‐ _‐ノv「え? いいけど、なんにも楽しくないと思うよ?」

o川*゚ー゚)o「キューちゃん、畳の上で前転したいお年頃なの」

lw´‐ _‐ノv「私には、その年頃は訪れなかったよ……」

o川*゚ー゚)o「人は人だもん、お婆ちゃんになってから訪れるかもしれないでしょ?」

lw´‐ _‐ノv「そしたら私は舞台に出演するの目指そうかな」

o川*゚ー゚)o「えいっ!」

lw´‐ _‐ノv「……」

o川*゚ー゚)o「……」

lw´‐ _‐ノv「……どうだった?」

o川*゚ー゚)o「まあまあ」

lw´‐ _‐ノv「まあまあ、か……」

o川*゚ー゚)o「うん」

lw´‐ _‐ノv「私も後で、まあまあな気持ちを確かめてみよう……」



o川*゚ー゚)o「ところで、ここはどこなの?」

lw;´‐ _‐ノv「さっきも説明したんだけど……」

lw´‐ _‐ノv「キューちゃん、何か悩みがあるでしょ? そういう人がここに呼び寄せられるの」

o川*゚ー゚)o「ふーん……」

o川*゚ー゚)o「じゃあ、お姉さんは占い師さんなんだ!」

lw´‐ _‐ノv「ちがいます」

o川*゚ー゚)o「えー、そんな即答しなくてもいいじゃん」

o川*゚ー゚)o「うーん、……それは違うでしょう、とか!」

lw;´‐ _‐ノv「自分のことなのにどこに戸惑う要素があるんだよ、自明の理だよ……」

o川*゚ー゚)o「ねー、キューちゃんのこと、何か占ってみてー?」

lw´‐ _‐ノv「占いなんて、星座に見立てた占星術の殺人事件くらいしか知らないよ」

o川*゚ー゚)o「えー、占いの才能があるかも知れないでしょ?」

lw´‐ _‐ノv「凄い才能だとは思うけど、私には必要ないかなー」



o川*゚ー゚)o「一度だけでいいからお願い!」

lw´‐ _‐ノv「……一度だけね」

o川*゚ー゚)o「わああ! ありがとー」

lw´‐ _‐ノv「うーん……」

o川*゚ー゚)o「どうでしょー?」

lw´‐ _‐ノv「私たちは前世で会ったことがあるでしょう……」

o川*゚ー゚)o「それで、それで?」

lw;´‐ _‐ノv「えっ、それだけだけど……」

o川*゚ー゚)o「……」

lw;´‐ _‐ノv「……」

o川;゚ー゚)o「ええー、そんな占いじゃ、場末の路上で手相見られないよ!」

lw;´‐ _‐ノv「期待に添えなくてごめんね……」



lw´‐ _‐ノv「そういえば悩みがあるんでしょ、キューちゃん」

o川*゚ー゚)o「あっ、そうそう!」

o川*゚ー゚)o「キューちゃんね、良い人すぎるの」

lw´‐ _‐ノv「……」

o川*゚ー゚)o「……」

lw´‐ _‐ノv「えっ?」

o川*゚ー゚)o「うん?」

lw´‐ _‐ノv「多分聞き間違えたと思うから、もう一度言ってみて……」

o川*゚ー゚)o「いいよー」

o川*゚ー゚)o「キューちゃんね、良い人すぎるの」

lw´‐ _‐ノv(一字一句聞き違えてなかった……)

lw´‐ _‐ノv「そ、そう……」



o川*゚ー゚)o「困ってる人を見かけたら、放っておけないしー」

lw;´‐ _‐ノv「うん……」

o川*゚ー゚)o「図書館の本も借りパクしないし……って、あっ!」

o川*゚ー゚)o「これは別に悩みじゃなかった!」

lw;´‐ _‐ノv「えぇ……」

o川*゚ー゚)o「手首の外側のでっぱりのとこなんだけど……」

lw;´‐ _‐ノv「え? 始めから別の話しだったの?」

o川*゚ー゚)o「あ、ここのとこ」

lw;´‐ _‐ノv「う、うん、手くるぶしのとこね……」

lw´‐ _‐ノv「そこがどうしたの?」

o川*゚ー゚)o「最近気づいたんだけど」

o川*゚ー゚)o「キューちゃんのは人のに比べて、やけにとがってるの……」



lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」

o川*゚ー゚)o「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

o川*゚ー゚)o「……」

lw´‐ _‐ノv「……え?」

lw;´‐ _‐ノv「悩みってまさか、……それ?」

o川#゚ー゚)o「それってどういうこと!? キューちゃん、本当に悩んでるんだよ!」

lw;´‐ _‐ノv「そ、そう……」

o川*゚ー゚)o「手首のここのとこを見てると、どうしてなんだろうって考え込んじゃうし」

o川*゚ー゚)o「私は人類とは違うのかもって不安になるし」

lw;´‐ _‐ノv「規模でけえな……」



lw´‐ _‐ノv「言われてみればって程度だから、気にしなくてもいいよ」

o川*゚ー゚)o「ううん」

o川*゚ー゚)o「この気持ちを整理するには、ここ整形しなくちゃなんないのかなって思っちゃう……」

lw´‐ _‐ノv「……」

lw;´‐ _‐ノv「それより、自分でキューちゃん言うのを変えた方がいいと思うけど……」

o川*゚ー゚)o「手首のでっぱりが丸い人には言われたくない!」

lw;´‐ _‐ノv「キューちゃんに誰も意見できねえよ……」

o川*゚ー゚)o「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´‐ _‐ノv「そうだなー……」



lw´‐ _‐ノv「ここに来たときキューちゃんは、はじめどう思った?」

o川*゚ー゚)o「え? ここに来たとき?」

o川*゚ー゚)o「うーん、不気味なところって思った」

lw´‐ _‐ノv「そっか……」

lw´‐ _‐ノv「私には、ここは落ち着く和室に思えるな」

o川*゚ー゚)o「言われてみれば……」

lw´‐ _‐ノv「うん」

lw´‐ _‐ノv「今キューちゃんが悩んでるのは、そういう種類の悩みだと思う」

o川*゚ー`)o(あれっ、なんだか、眠い……)

lw´‐ _‐ノv「時間が経てば、変わる考えもあるから」

o川*´ー`)o

lw´‐ _‐ノv「悩みだって同じことで」

o川*´-:*:。.・'

o川 :。:・'

:・’



lw´‐ _‐ノv「気長に気楽に向き合っていったらいいと思う」

lw´‐ _‐ノv「ね?」

lw´‐ _‐ノv「……」

lw;´‐ _‐ノv「って、いねえ……」

lw´‐ _‐ノv「……」

lw;´‐ _‐ノv「なんで、いいこと言ってる途中で消えるんだよ……」

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´‐ _‐ノv「……もう言わないし、金輪際いいことなんて言わないし」

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´‐ _‐ノv「というかあの子」

lw;´‐ _‐ノv「最初から最後まで、私の話し聞いてなかったな……」

lw´‐ _‐ノv「まあいいや……」


終わり
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