('A`) 「……え?」

シュール先生が、俺達に突然告げた。
練習が終わってから、突然だった。

(;^ω^)「もうこんな時期から……?」

( ><)「まだ5人揃ったばっかりです……!」

そうだ。
まだ5人が揃ったばかりだ。
チーム練習なんて、微塵もしていない。
  _
( ゚∀゚)「楽しくなってきたな!」

(´・ω・`) 「……データを集める必要がありそうですね」

各々が意見を言う。
そして、もう一度、シュール先生が口を開いた。

lw´‐ _‐ノv 「来週、来週の日曜日に、練習試合を行う」











  ( ^ω^)ばすけっとからバスケットのようです 第十話【試合の準備】










まだ、このチームが出来てから3週間。
メンバーが5人になってから、3日しか経っていなかった。
それなのに、練習試合を受けてしまったのだ。

('A`) 「何考えてるんですか……はぁ……」

lw´‐ _‐ノv 「試合はいいものではないか。何より試合なのだ」

試合は、確かに得られるものが多い。
しかし、まだ、そこのレベルまで達していないのだ。
自分達のチームが、全く出来上がっていないのだ。
  _
( ゚∀゚)「んで、相手はどこだよ!」

lw´‐ _‐ノv 「お隣の『パー速学園』だ」

( ^ω^)「パー速って……バスケ部ありましたかお?」

lw´‐ _‐ノv 「そう。相手もウチと同じ、新設チームなのだよ。これは驚きを隠せない」



( ><)「新設なら勝てそうな気がするんです!」

ビロードの表情が明るくなる。
しかし、それに塩を掛けるものがいた。

(´・ω・`) 「パー速と言えば、この学区一番のマンモス校ですよね。
       存在する部活のほとんどが、全国レベル……。
       新設と言っても、推薦や特待生で集めているのでは?」

(;><)「そういえば、パー速は私立で、めっちゃ部活動に力入れてるんでした……」

(´・ω・`) 「まぁ、今のところ何ともいえませんね。
       今度調べておきます」

そう言っている間にも、体育館に女子バスケ部が入ってきた。
体育館使用の入れ替え時間だ。

('A`) 「一旦着替えて、それから中庭に集合してくれ。
    明日からの練習について、色々決めたいことがあるし」

全員が返事をして、その場は解散した。
部室で着替えを初め、終わったものから中庭へと向いだす。


・・・・・・・・・・
・・・・・


('A`) 「おっし。全員揃ったな」

部員が5人だと、集合するのも時間が掛からなかった。
中庭に5人が揃ったところで、適当に腰を下ろす。
  _
( ゚∀゚)「んで、決めたいことって何だよ」

('A`) 「試合が近いということで……。本格的に、ポジションを決めたいと思う」

( ^ω^)「お?ポジション……?」

('A`) 「個人個人の試合中の役割だ。これを決めておかないと、試合中ゴチャゴチャになるだろ」

( ><)「僕はもちろんガードなんです!」

('A`) 「ちょっと静かにしてくれ。俺も色々考えてるから、それについてのみんなの意見を聞きたいと思ってな」




('A`) 「まずは、それぞれのポジションの説明をしようか。
    バスケットのポジションは、細かくすると、5つに分けられる」


('A`) 「まずは、『ポイントガード』
    これは、ゲーム中のキャプテンって所だ。
    パス回しの起点。ゲーム中の流れを支配する。
    後は、ボール運びなんかも出来ないといけないな」

('A`) 「次に、『シューティングガード』
    これは、外からのシュートを打ってもらったりする。
    速攻を出したり、スリーポイントを打ったりしてもらいたい。
    後は、ポイントガードと同じように、パス回しや、ボール運びもだな」

今言った二つが、ガードというポジションである。
ゴール下でのパワープレイはほとんどしないため、身長が小さくてもやることが出来る。
逆に言えば、小さい選手が生きるには、このポジションしかないのだ。




('A`) 「次は、『スモールフォワード』
    こいつは、簡単に言ったらエースだ。
    ガンガン相手を抜いて、ガンガンシュートを決める。
    一番いい例が、流川だ。スラダンを見てる奴なら分かるな」

エースという言葉に、ジョルジュが反応する。
まさに、「俺しかいないだろう」という表情だ。

('A`) 「そして、『パワーフォワード』
    こいつは、何ていうかな……。センターの補助的存在だ。
    センターについては、後について説明する。
    ゴール下でのリバウンド、パワープレイ。
    時にはミドルシュートも放ってもらう」


('A`) 「最後に、『センター』
    こいつは、チームの大黒柱だ。
    ゴール下に居座ってもらって、最後の砦になってもらう。
    パワー勝負はもちろん、突っ込んできた選手のブロックも出来たら最高だな」


これで、5つの説明が終わった。
内藤以外のみんなは、中学のときもやっていただけあって、大体理解したようだ。
それに対して、内藤は、未だに不安そうな表情をしている。

('A`) 「内藤、とりあえずは、自分のポジションだけ覚えてくれ。
    それじゃ、今から俺が考えた、それぞれのポジション当てを言うぞ」




('A`) 「内藤。お前はセンターだ」

(;^ω^)「僕が、大黒柱かお?」

('A`) 「身長188cm、89kg、この体型を活かせるのは、やっぱりセンターだ。
    パワー勝負やリバウンドで大変だが、お前じゃないと出来ない仕事だ」

( ^ω^)「僕にしか、できない仕事……」



('A`) 「そして次に……ショボン。パワーフォワードを頼む」

(´・ω・`) 「まぁ、妥当ですね」

('A`) 「得意のディフェンス力を活かして、抜かれた選手のカバーをしてくれ。
    身長だって、177cmある。内藤の援護もしてやってくれ」

(´・ω・`) 「了解」




('A`) 「ビロード。ポイントガードだ」

( ><)「予想はしていたんです!」

('A`) 「このポジションなら、身長は言い訳にならないぞ。
    ゲーム中の指揮者として、全員を引っ張ってくれ。
    お前が乱れたら、全員が乱れるんだからな」

( ><)「パスには自信があります!任せろなんです!」



('A`) 「ジョルジュ……。まぁ、スモールフォワードで文句はないですよね」
  _
( ゚∀゚)「っしゃあ!!エースジョルジュ様の本領発揮だぜ!」

('A`) 「試合までに、シュート練習お願いしますよ?
    抜くことについては完璧なんですから、後は決めてさえくれれば……」
  _
( ゚∀゚)「まーかせとけって」





('A`) 「残りは俺だな。シューティングガードだ」

('A`) 「一応、スリーについては自信がある。
    ボール運びも、そこらへんの奴にはカットされないだろうしな」

全員が頷いた。
どうやら、ポジション割りについて、文句は出ないようだ。

('A`) 「明日からの練習は、それを意識してやってもらいたい。
    試合まで時間がないからな……早めにポジションになれてもらいたいんだ」

( ><)「僕はいつでもそのつもりでやってきました!」

(´・ω・`) 「パワーフォワード……。研究してみます」
  _
( ゚∀゚)「抜いて抜いて抜きまくるぜ!」

( ^ω^)「みんなの足は引っ張らないお!」





全員に意思を告げて、解散をした。
後は、各々で練習ない研究なりしてくるだろう。

('A`) (……たぶん、大丈夫だよな)

このチームは、人材は決して揃っていないわけでは無いだろう。
新設の5人チームにしては、まだマシな方だ。

もちろん、他の学校に通用するレベルではないと思う。
だが、俺やジョルジュの個人技は、恐らく秀でているハズだ。
上手く個人プレーが繋がれば、ソレ相応のチームには勝てるだろう。

('A`) (パー速学園……だっけ)

この時にはあまり知らないので、学校名すら聞いたこともない。
ただ、先ほどの話からするに、恐らく特待生がいてもおかしくはないようだ。

('A`) (……ま、今は相手チームより、自分からだな)

たとえどんな試合でも、負け試合はまっぴらだ。
誰がなんと言おうと、今度の試合は、必ず勝つ。


第十話 終


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