(;^ω^)「残り5秒だお!」

内藤が叫んだ。
ボールを持つドクオは、慌ててリングを見る。
そして、そのまま腕を上げた。

(;゚д゚ )「くっ……!」

残り五秒で、スリーポイントだけは封じなければいけない。
そう考えたミルナは、素早く右腕をドクオに向けた。

(;^Д^)「ミルナさんッ!」

プギャーが叫んだことに気付いた時には、既に遅かった。
ドクオは瞬時にボールを下げ、ミルナの右脇を抜く。
右腕を上げたせいで生まれた"隙"を、綺麗に通り抜けて行った。

('A`) (決める……!!)

2,3ドリブルをついて、そこからのジャンプシュート。
放たれたボールは──


──リングに吸い込まれた。








  ( ^ω^)ばすけっとからバスケットのようです 第十五話【逆転の内容】










審判「第3クォーター終了!2分休憩の後、最終クォーターに入ります」

審判がそう言うのを聞きながら、俺は大きく息を吐いた。
肩の力を抜き、ゆっくりと得点板を見る。

('A`) 「22-26か……」

まだ4点差で負けているが、このクォーターだけで6点は縮めた。
相手の体力も、恐らくそう長くは続かないだろう。
この調子なら……。

(*><)「ドクオ君流石なんです!」

自分の後ろから、ビロードが顔を出した。
暑さのせいか、それとも興奮しているせいか。
彼の顔は少し赤くなっていた。

( ><)「一人でほとんど決めちゃったんです!」


確かに、このクォーターは俺が一人で決めたようなものだった。
途中、内藤を中継に使ったりもしたが、シュートを決めたのは俺だけだ。
相手がスピードに着いていけなかったから良かったものの、
第4クォーターはこうも上手くはいかないだろう。

('A`) 「……みんな、聞いてくれ」

静かに言う。
だが、静寂に包まれた体育館の中では、その声はメンバー全員に行き届いた。

('A`) 「第4クォーター……絶対に逆転するために、この作戦、聞いてくれないか?」
  _
( ゚∀゚)「作戦……?」

('A`) 「ああ、相手の裏をかくためにも、だ」

全員が顔を近づけて、小声で話す。
この作戦は、第3クォーターの途中で思いついた。
本当はそこで使いたかったのだが、初心者を含むこのチームでは、
時間を掛けて説明する必要があると感じたのだ。



(;^ω^)「その作戦……」

内藤が心配そうに呟いた。
他の全員も、あまりいい表情とは言えない。

('A`) 「大丈夫だ。もし失敗するようなら、作戦は途中で中止する」

一言を付け加えた。
だが、本当は中止するつもりはない。
この試合のためだけでなく、これからのためにも。


審判「では、最終クォーター始めます!」

('A`) 「っしゃ!!行くぞ!!」

全員が声を出す。
いける、気持ちで負けてはいない。
何より、負けたくない。





第4クォーターが開始された。
VIPのオフェンスからで、ビロードがボールを手にしていた。

( ><)「一本、行くんです!」

安定したドリブルを着きながら、ビロードが言う。
そして、不意にブーンにパスを出した。

( ^ω^)「おっ!」

しっかりとそれをキャッチし、後ろを確認する。
後ろにはブーンのマークである、またんきがどっしりと構えていた。

('A`) 「内藤!」

気付けば、ドクオがブーンの元に走りこんでいた。
その横には、必死に離されまいとする、ミルナとプギャー。
いくら2人がかりでも、全国一位の選手を止めることは容易くは無かったのだ。




( ^ω^)「ドクオ!」

内藤が横にボールを出す。
それをドクオは、しっかりと両手で受け取った。
もちろん、スピードは一切落としていない。

(・∀ ・)「そー何度もやらすかよ」

ドクオの正面に、突然またんきが現われた。
第3クォーター、既に同じ手段で点を決められていたため、この行動を読んでいたのだ。

(;'A`) 「!!」

ドクオが慌てて停止する。
それでも止まりきれずに、ドクオは崩れた体制のまま、ドリブルを着いた。

(・∀ ・)(慌てたなwwwwバカめwwwww)

崩れた体制のままドリブルを着いたドクオは、手先の感覚が狂ったのだろうか。
するりとボールが手から離れ、そのままありもしない方向へと飛んでいく。


──バシッ!

( ^ω^)「ナイスパスだおっ!!」

(;・∀ ・)「!!!」

そのありもしない方向へと飛んでいったボールをキャッチしたのは、
ゴール下で待ち構えていたブーンだった。
そして、そのままボールをゴールへと向ける。

(;^ω^)(絶対決めるお絶対決める絶対決めるお)

手からは汗が流れ出ている。
汗で滑って、ボールが手から滑り落ちそうだ。
このままでは……。



ξ゚听)ξ 「ブーーーン!!」

( ^ω^)「!」

彼の元に、一つの声が届いた。
そして、その直後にボールは手から離れていく。
空中へ一直線に飛んでいったそのボールは
リングへと、吸い込まれた。

('A`) 「っしゃぁ!!」

(*^ω^)「や、やったお!」

喜びを隠せないでいるVIPメンバー。
ブーンがシュートを決めたこと、そして、残り2点差となったこと。

それと対照に、パー速のメンバーは意気消沈としていた。
第4クォーターが始まった直後に、また点差を縮められたのだ。
ひょっとして……。という考えが、メンバーに浮かんでいた。


(゚∠゚)「NOOOO!!!!!!」

相手チームのパワーフォワードが、急に叫びだした。
かと思うと、無理矢理なパワープレイで、ショボンをゴール下へと押し込んでいる。

( ゚д゚ )「ガ、ガイジソ!無理をするな!」

(゚∠゚)「MEは負けたくないNE!負けるなんてありえないYO!」

どうやら相手にとっては想定外の行動らしい。
ミルナがとめるのも聞かずに、ガイジソはパワードリブルを着き続けた。

(´・ω・`) 「力まかせじゃ、バスケはできないでしょ」

(゚∠゚)「!!」

ショボンが上手くガイジソを回避して、ボールを狙った。
一度は上手くかわしたガイジソだが、もう一回できた隙をショボンは見逃さない。

──パンッッ!

ショボンの手が、ガイジソのボールをはたいた。


(´・ω・`) 「速攻!!」

ショボンは叫びながら前を見る。
そして、自分の視界の中にドクオがいるのを発見した。

('A`) 「こっちだ!!」

……俺が叫ぶと同時に、ショボンがパスを出してきた。
誰に触れられることもなく、そのボールは俺の元へと届く。

そのまま速攻──かと思っていたときだった。


(;^Д^)「はぁ……はぁ……!!」

目の前に、一人の男がいた。
パー速学園一年、プギャー。

( ^Д^)「絶対同点にはさせねぇ……!!」




('A`) 「ッッ!」

右にドリブルを付くと見せて、左に身体を揺らした。
だが、相手は一歩も動かない。
俺の動きが、よく見えている。

('A`) (なら……!)

今度は、正直に左にドリブルを着いた。
それにも、綺麗に反応してくるプギャー。

俺の攻撃は、ここでは止まらない。
左手でついていたボールを、瞬時に右に移す。
そのまま右へと抜こうとした。

(;^Д^)「ぐっ……」

それにも奴は、着いてきた。
奴の顔からは、必死に食いついているという感じがにじみ出ている。



俺は、笑った。


──ダムッ

今までとは対照的に、一歩後ろにドリブルを着いた。
そして、もう一回、後ろに下がる。

(;^Д^)(おい……まさか……)

プギャーの足は、もう動くことはない。
無理に距離を縮めたら、抜かれることは必至だ。

(;^Д^)(まさか……速攻で……?)

足元を見る。
白色の線、この場所は──

(;^Д^)「スリーポイント……!!」


──パスッ!




('A`) 「っしゃああああああ!!!」

得点板を見た。27-26。
同点ではない。
……VIPの、一点リードだ。

(*^ω^)「ドクオオオ!!」
  _
( ゚∀゚)「っしゃぁ!」

メンバーはもちろん、ドクオも大声を上げた。
それほど、それほどまでに、貴重な3点だったのだ。

('A`) 「よしっ!ディフェンス、ディフェンスするぞ!!」

急いで戻る。
だが、相手チームはそれとは正反対に、ゆっくりとドリブルをついていた。




(;゚д゚ )「慌てるな。まだ、まだ大丈夫だ」

( ^Д^)「……ぇ」

(;゚д゚ )「ん……?」

(#^Д^)「ぜってー負けねぇ……」

はっきりと、確かにプギャーはそう言った。
ミルナが何かを言うのも聞かずに、プギャーは一人でドリブルを着く。
そして、今までゆっくりと着いていたドリブルのスピードを急激に速くした。

(#^Д^)「相手が全国一位だろうと、負けねぇ!!」

プギャーが叫んだ。
そのディフェンス、ジョルジュが守りの構えを取る。
だが、それは遅かった。

(#^Д^)「うぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ!!!!!」
  _
(;゚∀゚)「!!」


ジョルジュの右を、プギャーが抜いた。
テクニックではない、完全なるスピードだ。
ジョルジュが反応できない程のスピードで、プギャーがジョルジュを抜いたのだ。

(;^ω^)「カb……」

内藤がカバーに向おうとした瞬間には、プギャーはジャンルシュートを放っていた。
速く、そして綺麗なシュート。

──パシュッ

( ^Д^)9m「プギャーwwwwwwwwwwwwwww」

入ったと同時に、プギャーが叫んだ。
人差し指を出し、それを俺へと向けている。

('A`) 「こんにゃろ……」


27-28、パー速の逆転だった。


('A`) 「貸せッ!」

ビロードからボールをもらい、そのまま相手ゴールへと突っ込む。
ディフェンスは相変わらず2人だが、ミルナの方は既にスピードがない。
前半から俺に着いているだけあって、かなり体力が奪われているようだった。

('A`) 「うおおおおぉぉぉぉ!!」

突っ込む。
止まらない。
横にはプギャーがいるが、それでも俺を止めれていない。

……そうなると、次に来るのは……。

(・∀ ・)「カバー!!」

こいつだ。


('A`) 「内藤ッ!」

またんきがコッチに来るのを見計らって、内藤にパスを出した。
だが、そのまま簡単に責めることは出来ない。

(・∀ ・)「もいっちょ!」

またんきが、内藤の方に戻ったのだ。
完全にこちらに来ていたのに、すぐに内藤に戻っている。
並々ならぬ、またんきの脚力でこそできたことだ。



……だが、それも、俺の予想通りだった。



  _
( ゚∀゚)「ブーーーーン!!!」

俺の左。
そこに現われたのは、ジョルジュだ。




(;゚д゚ )「だ、誰かカバー!」

(;^Д^)「……!」

本来のマークであるのはプギャーだが、奴は俺についている。
またんきは、内藤へのディフェンス。
ガードの距離からじゃ、追いつけないだろう。

そう、本当に、本当にフリーな状況を作り出したのだ。

('A`) (ぜってー決めろよ……!)
  _
( ゚∀゚)「ひゃっほーーーーー!!!!」


ジョルジュが、飛ぶ。




(;'A`) (これは……)

低い。
ジョルジュの手の位置が、あまりに低い。
これでは、ボールを放っても届かない。

ここで外したら、かなりやばい状況になる。
こっちは全員がゴール下にいる。
すぐに速攻を出されてしまうだろう。

決めてくれ。
どうにかして、決めてくれ。



  _
( ゚∀゚)「フォオオオオオ!!」



(*゚∀゚)「ジョルジュー!あんた外したらぶち殺す!!!!」


  _
(;゚∀゚)「つ、つー!?」



彼女の声に反応したジョルジュ。

その手が、かすかに揺れる。




───パスッ……。




  _
( ゚∀゚)「……」

  _
( ゚∀゚)「はいった……」

  _
( ゚∀゚)「はいったああああああああ!!!!!!」


喜ぶジョルジュ。
その場でハイジャンプをして、ガッツポーズ。
さらには、2階のつーに向って、ピースさえした。



( ゚д゚ )「速攻!」

( ^Д^)「おう!」

──パシュッ

( ^Д^)9m「プギャーwwwwwwwwwwwwww」






('A`) 「……」
  _
(;゚∀゚)「……」

(*゚∀゚)「死ねばいいのに……」


ジョルジュが喜んでいる間に、プギャーが速攻を決めた。
得点は、またもや逆転。
パー速のリードだ。


('A`) 「しゃーねぇ……行くぞ!」


──……・・・。

逆転の逆転。
それは、この先も続いていく──


第十五話 終


48 名前: ◆PL34tlmoTI :2007/10/17(水) 22:11:01.55 ID:l7vvghwI0
〜用語〜

・カバー
抜かれた選手の代わりにディフェンスをすること。

・パワープレイ
力で相手を押し込むこと。
ゴール下まで押し込めば、後はシュートを決めるだけになる。
ただし、3秒以上してはいけない。
(端的説明)

・パワードリブル
相手を押し込むときにつかう、勢いの強いドリブル。

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