( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです  第二部

第3章 再戦





県大会を順調に勝ち進んだVIP高は再び県ベスト8の世界へと足を踏み入れた。
決勝リーグへと出場することのできる、県ベスト4の座を賭けた試合が次々と
消化されていく。

(阿凡高校の試合内容はあぼーんされました。どうやら阿凡高校が勝ったようです。)

――キュキュッ

( ,,゚Д゚)「もらったぞゴルァ!!」

――シュッ…バシュッ
――ウォォォォォォォ!ありがとー!ありがとー!3点シュートをありがとー!!!

( ,,゚Д゚)「当たるぞ!1-2-1-1だゴルァ!」
今北一同「把握!」

――キュキュキュ!バチッ…

( ,,゚Д゚)「っしゃ!」

――ザシュッ
――ウォォォォォォォ!いーぞっ!いーぞっ!ギ・コ・ちゃーん!いいぞいいぞギコちゃん
  もう一本!

(;,,゚Д゚)「(言い易さの問題もあるから仕方ないだろうが『ギコちゃん』は勘弁して
      欲しいぞゴルァ)」





(■_■*)「よし、いいぞギコちゃん!」
( ,,゚Д゚)「ちょwww」
 ・
 ・
 ・
――ビーーーーーッ!!

審判「試合終了!スコア通り、127-53で白!」

――ウォォォォォォォ!やったぜ今北ー!いいぞいいぞ今北ー!そのまま全国!
  そのまま全国!ウォォォォォォ!!

今北からは以前のようなダーティなオーラが消え、2年のPG、Fギコを中心とした
得点力のあるバランスのよいチームへと変貌を遂げ、ベスト8まで上がってきたチームを
一蹴し、格の違いを見せ付ける。

――ビッ…ばしっ

対戦相手A「双子で来るぞ!」




(´_ゝ`)「フサギコ先輩!」

――ビッ…ばしっ

対戦相手B「違う、4番だ!スリーあるぞ、チェック!」
ミ,,゚Д゚彡「弟者!」

――ビッ…ばしっ

対戦相手C「違う、やっぱり双子だ!?」
(´<_`)「ナイスパスですよフサギコ先輩!」

――シュッ…パスッ
――ウォォォォォォォ!いいぞいいぞ弟者!いいぞいいぞ弟者!もう一本!
  ウォォォォォォォ!
 ・
 ・
 ・
――ビーーーーーッ!

審判「試合終了!スコア通り、109-36で紫!」

――ウォォォォォォォ!ラウンジ!ラウンジ!ラウンジ最高!ラウンジ!ラウンジ!
  ラウンジ最高!ウォォォォォォォ!

池上「ふっ…今日は出番がなかったぜ」




ラウンジ学園は2年の流石兄弟のコンビプレーに3年フサギコとの連携を加え、完成度の
高いプレーで相手を圧倒。全国へ向けての確かな手応えを掴む。

( ・∀・)「ニュー速県はやっぱり今北とラウンジかな…。今北も昔の栄光を取り戻しつつ
    ある、ってとこかな…?10年位前からラウンジ学園が王座を奪ってそのままずるずる
    ここまで来てるんだったよな、確か…」
( ><)「昔のことはよくわかんないんです!!大事なのは今なんです!!」
( ・∀・)「まぁそうなんだけどね。一般的に『古豪』と呼ばれるチームには過去の栄光を
    取り戻さなくちゃいけない、みたいな妙なプレッシャーがかかるからね。今北は
    これまでそのプレッシャーに負けてたけど今年はなんだか違うような気がするよ」


「今北もラウンジも強いなぁ〜…」
「次はニー速工業対VIP高校…か。VIP高って確か結構面白いとこだよな」
「今年はニー速も面白いぞ。あのバカでかいセンターにバカ小さいガードのコンビがな」
「ただの凸凹コンビだと思ってたらきっと痛い目見るよな」
「なんだかんだで面白い試合になりそうだ。見て行こうぜ」




( ・∀・)「VIP高校…?」
( ><)「モララーさん、次の試合のニー速工業ってとこに213cmの選手がいるみたい
      なんです!!見てみたいんです!!」
( ・∀・)「あぁ…じゃ、行こうか」

―VIP高ベンチ―

('A`)「今北は変わったな…」
( ´∀`)「もう完全に強豪の仲間入りモナね」
(=゚ω゚)ノ「ラウンジ学園も相変わらずだヨウ」
( ゚∀゚)「池上が不出場なのにこの失点の少なさ…」
( ^ω^)「けど僕たちはこれからあそこに割って入るんだお!ここまで来れたんだお、
     絶対インターハイ行くお!」
('A`*)「いいこと言うじゃねぇかwww」
(=゚ω゚)ノ「まぁその通りだヨウ。ここらでばしっとニー速倒して、決勝リーグへ向けて
     弾みをつけるヨウ」
( ´∀`)「けど一年間でこんな大舞台に昇ることになるなんて未だに信じられないモナwww」
( ゚∀゚)「俺なんてまだバスケ始めて1年しか経ってないのにここまで来ちゃってるぞwww
    いいのかよwww」
('A`)「そういや前ショボン先生が言ってたよな。これは俺たちの力だ、自信を持てばいい、
   って…」
( ^ω^)「こういう時すごく励みになるおwww」




(´・ω・`)「さぁ、感傷に浸ってる時間はない。勝って前回のリベンジ、そして
      決勝リーグ出場だ!」
一同「グリーンダヨー!」
(´・ω・)「……イインダヨー…」
( ^ω^)「志村、逆www逆www」
(*´・ω・)「おめぇらが先に言っちゃっらかららろぉ!?」
(;゚∀゚)「キャラちげぇwww」
(´・ω・`)「まぁおふざけはこの辺にしとこうか。ディフェンスだが、序盤は
       とりあえずマンツーで様子を見る。前回と同じ展開になりそうだったら
       即、ゾーンに変えよう」
一同「はい!」
(´・ω・`)「そして八頭身に簡単にリバウンドをとられないために、スクリーンアウトは
      二人、余裕があれば三人がかりで行う」
( ´∀`)「僕と長岡君ですかモナ?」
(´・ω・`)「いや、今回はゾーンだからね。それは八頭身のとるポジションに応じて
      臨機応変に対応しよう」
( ゚∀゚)b「把握です」
(´・ω・`)「オフェンス面でも今回は積極的に速攻を狙おう。ハイペースな展開で
       八頭身の脚を潰す」
('A`)「今回はとことん八頭身を狙うってわけですね?」
(´・ω・`)「その通りだ」




――ビーーーーーッ!

審判「ニー速工業対VIP高校の試合を行います。両校のスターティングメンバーは
   コート中央へ!」
(´・ω・`)「さぁ、行っておいで」

VIP高校
Cドクオ     169cm56kg PG
D内藤ホライゾン 174cm58kg SF
Eイヨウ     165cm55kg SG
Fモナー     191cm91kg C
Gジョルジュ長岡 178cm77kg PF

ニー速工業高校
C八頭身     213cm101kg C
E名無し           PF
F名無し           SF
H名無し           SG
Mあぷー     159cm52kg PG

コート内、会場内でただ一人、異様な高さを誇る八頭身。彼の長い髪はゴムで一つに
束ねられている。八頭身流の『本気の証』だ。試合開始前から髪を結んでいることが
この試合に対する八頭身の本気を彷彿とさせている。




( ><)「あの人すごく大きいんです!!」
( ・∀・)「実際に見てみると本当に日本人じゃないようだね。思い出したよ。ニー速工業は
    確かあの八頭身の入部で弱小から一気に県レベルへ成り上がったチームだ」
( ><)「VIP高の大きい選手も八頭身の前じゃちびっ子なんです!!」
( ・∀・)「VIP高はぱっと見、平均身長が高いわけでもないからね。機動力があるのか…?
    まぁ高さのバスケと速さのバスケ。どっちが勝つのか興味はあるね」

('A`)「(最初っから本気ってわけか…最後のインターハイだし気合いも入るだろ。
    けど俺たちだって負けねぇ)」
(*´Д`)「(全国大会でモテモテ…うはwww)」

若干違った。

(*ノωノ)「…………」
( ^ω^)「(去年はベンチにいて出てなかった子だお。ちっちゃいおwww可愛いおwww)」

審判「試合中のコールはニー速工業を黒、VIP高を白とします。互いに礼!」

    「「お願いします!」」




――キュキュ…

センターサークルにはジョルジュと八頭身。審判がボールを投げ上げ、ジャンプボールで
試合が始まる。

(#゚∀゚)「うがぁぁぁぁぁ!」
( ´Д`)「うらぁっ!」

( ・∀・)「(どちらも高い…!!)」

ジャンプボールを制したのは八頭身。小柄な14番のあぷーへとボールを弾く。

('A`)「マンツー!14番いいぞ!」
( ^ω^)「7番おkだお!!」
(=゚ω゚)ノ「9番いいヨウ!!」
( ´∀`)「6番おkモナ!!長岡君、任せたモナよ!!」
( ゚∀゚)「っしゃ、任せろ!!4番オッケーだ!!」

――ダム…ダムッ…

(*ノωノ)「あぷー」
('A`*)「………(可愛いじゃねぇかこの野郎www)」




――ダムッ!

('A`)「!!(結構速いな…。けど甘い)」

――キュキュッ!!

(*ノωノ)「あぷっ…」

あぷーの突然のドライブだったがドクオはあぷーの前に入り込み、きっちりと止める。

(*ノωノ)「あぷっ!」

――ビッ…ダムッ…

('A`)「(ちょwwwそこはいやーんwww)」

ドクオがコースに入り、あぷーに密着したことで生まれた死角から、あぷーはドクオの
足の間を通し、バウンズパスを出す。その先にはハイポストでポジションをとる八頭身。




――ばしっ
――ダムッ…キュキュッ

八頭身のポストプレー。パワードリブルを一度つき、ジョルジュを押し込む。ゴールに
背を向けたままドリブルをやめ、右へ体をひねる。右からモナーがカバーに入ろうと
試みるが八頭身はそのまま素早く体を逆方向へ切り返し、モナーのカバーから逃れる。
ミドルポスト付近から放たれた八頭身のジャンプシュート。ジョルジュが必死に跳ぶが
届かない。シュートはボードに当たり、ネットを潜る。

( ´Д`)b「ナイスパスだあぷー」
(*ノωノ)「あぷー!」
(*´Д`)「(こいつ女だったら良かったのにwww)」
('A`)「(ちっ、やられた…)」

( ><)「ニー速の14番が可愛いんです!!」
( ・∀・)「(へぇ…まぁ、まだまだDランク…ってとこだろうけどね…)」

( ^ω^)「ドンマイだお!こっちも速攻だお!」
('A`)「お…おう!(そうだ、展開を速く……!!)」

('A`)「イヨウ!」

――ビッ…ばしっ

(=゚ω゚)ノ「ブーン!」

――ビッ…ばしっ

( ^ω^)「おっ!!」




「つながった!」
「速ぇ!!」

――ザシュッ

VIP高はコート外からわずか2回のパスで速攻を展開。八頭身がディフェンスに戻ろうと
ハーフラインを少し越えた頃にはスコアは同点となっていた。

( ><)「速いんです!!」
( ・∀・)「望みどおり、高さ対速さの展開になってくれそうだね」

(;´Д`)「(…前回とは違うみたいだな…)」
(*ノωノ)「あぷー…」
( ´Д`)「あぷー、攻めっぞ!」
(*ノωノ)「あぷー!」

――ダムッ…ダムダム…

(*ノωノ)「あぷー……」
('A`)「……」

――キュ…

ニー速F「あぷー、こっちだ!」
(*ノωノ)「あぷっ!」




――ビッ…ばしっ

ドクオの隙のないディフェンスにパスを回すことしかできなかったあぷーは左45度の
ニー速Fにパスを出し、そのままスクリーンをかける。

('A`)「ブーン、スクリーン行ったぞ!」
( ^ω^)「おk!ファイトオーバーだお!」

ブーンはマークマンとの距離を開けずにスクリーンをかわす。

ニー速F「うぉっ!?」

思わずドリブルを止めたニー速Fにブーンは容赦なく詰め寄ってプレッシャーをかける。

( ^ω^)ノシ「おー!おーおーおーおー!」
ニー速F「くっそ……」

――ピィッ!

審判「ファウル!!白5番プッシング!!」
( ゚ω゚)「おおっ!?まじかお!?」
('A`)「ドンマイ、ナイスディフェンスだったぞブーン!その調子でガンガン当たれ!
    手は使わずにな!!」
( ^ω^)「おっ。把握だお」




( ´Д`)「いいか、今のはたまたまファウル取れたけど危ない所だ!!むやみにボールを
     止めるな!!」
(*ノωノ)「あぷー…」
( ´Д`)「ボール運びはあぷーに任せろ!お前らはとにかくゴールを狙え!」
ニー速一同「おう!」
('A`)「(前とは随分雰囲気が違うな…まとまってきてる…)」

――ダム…ダムッ…

('A`)「(さぁ、どう来る…?)」
(*ノωノ)「あぷっ!」

――ダムッ!

('A`)「(さっきと同じか!無駄だ!)」

――キュッ…

('A`)「(よし止めた、今度はさっきみたいなパスは出させな…)」
(*ノωノ)「あぷーっ!」

――ダムッ!!

('A`;)「(しまった!!)」

ドライブを急ストップし、相手がそれに合わせて止まった瞬間に再び急スタート。
あぷーの緩急を活かしたドリブルにドクオは翻弄されてしまう。




( ゚∀゚)「(つっこんできた!カバーに出るべきか?いや、今はマンツーだから迂闊に
     カバーに出たら八頭身にパスが…)」
(*ノωノ)「あぷっ!」

――シュッ

( ゚∀゚)「うあっ…(速ぇ!?)」

――バシュッ

(*ノωノ)「あぷー♪♪」
( ´Д`)「よく決めた、あぷー!」

小さな体から生み出される、緩急を活かしたあぷーのプレー。スピードもそこそこあるだけに
「緩」から「急」に移り変わる瞬間がとてつもなく速く感じられる。

――これほどまでに緩急の使い方が上手いプレーヤーはそうそういないだろう

ドクオがそう感じるほどに、あぷーはドクオにとって未知の領域に君臨するプレーヤーだった。
何故これほどのプレーヤーが昨年は出場していなかったのだろうか。




それはニー速工業の監督の無能さゆえである。ニー速工業の監督の指導方針では
現在2年生のあぷーにとってチャンスが訪れるのは八頭身たち、現3年生が引退してからである。
あぷーの実力を認めた八頭身は監督にあぷーをメンバーに入れることを進言し今に至る。

(*´Д`)「(まさにプレイングマネージャーwww)」
('A`)「(前回よりはもちろん…今回のニー速は阿凡高校よりも遥かに強い…!!)」
(´・ω・`)「みんなドンマイだ。次からディフェンス変えるよ」
VIP一同「把握!」

ショボンもドクオと同じことを考えたのか、序盤からディフェンスシステムの変更を
指示した。八頭身ばかりに気をとられていては恐らく曲者のあぷーに足元を
すくわれてしまうからだろう。

( ><)「ニー速の14番は可愛いだけじゃなくて上手いんです!!」
( ・∀・)「ガードのレベルの差が試合結果に響きそうだね…」

――ダムッ…

('A`)「っしゃ、気を取り直して一本行こう!!」
( ^ω^)「ドクオ、こっちだお!!」
('A`)「っしゃ!」

――ビッ…ばしっ

( ^ω^)「…………」




――キュ…

ニー速F「…(こいつは確か結構速かったからな…ドライブに気を付けなくちゃ)」

――シュッ

ニー速F「うっ!?(ミドルシュート!?)」

――パシュッ

(*^ω^)「おっww」
('A`*)「おk、ナイスブーン!!練習の成果出てるじゃねぇかww」
( ^ω^)「おっっw最高の褒め言葉だおww」
('A`)「っしゃ、ディフェンスも気張っていこう!!2-3ゾーン!!」
VIP高一同「っしゃ!ハンズアップだ!!行くぞーいww」
( ´Д`)「ゾーンなんぞ俺が蹴散らしてやる!!いくぞあぷー!!」
(*ノωノ)「あぷっ♪」

第3章 完



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