( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第二部
第5章 get a glory
――ビーーーーーーッ!!!
審判「ハーフタイム終了です。第3クォーターを開始します!!」
(´・ω・`)「さぁ、いっておいで。新しい君たちを、をベンチの僕たちに見せて欲しい」
( ^ω^)「もうあんな思いは二度とごめんですお」
――ダムッ
(*ノωノ)「あぷー…」
(;´Д`)「(くっそ…全然体力回復できなかったぞ。ってか逆に疲労が増えちまった…)」
( ・∀・)「(ニー速の4番は結構キてるね…VIP高のメンバーは見抜けるかな…?)」
――キュキュッ!!キュキュキュ!!
('A`)「………ッ!!!!」
(*ノωノ)「あぷぅ……」
あぷーにはドクオのディフェンスが激しくなったように感じられた。
ニー速工業とVIP高の練習量には雲泥の差があるだろう。それによって得られるスタミナ
もまた、雲泥の差である。前回よりもはるかに多いスタミナを備えたVIP高に比べ、
ニー速工業は八頭身が全開だったこともあり第3クォーター開始の時点で既に失速気味だった。
以前ニー速工業と対戦した時のVIP高が終盤で陥ったガス欠に近いものである。
――バチッ!!
Σ(*ノωノ)「あぷっ!?」
('A`)「とったぞ、速攻!!!」
(*ノωノ)「あ…あぷっ…」
あぷーはドクオを必死に追う。しかしドリブルしながら走るドクオにすら届かない。
ドクオがそのままワンマン速攻でレイアップに持ち込もうとした瞬間にあぷーの足が
もつれ、あぷーは転倒した。ドクオのレイアップが決まり36-37。VIP高1点リード。
(*ノωノ)「…あぷー…」
――がしっ
Σ(*ノωノ)「あぷっ!?」
( ´Д`)「ドンマイ!!気にするな!!まだ1点差だ!!」
八頭身はあぷーの頭をわしゃわしゃとなでつける。
(´・ω・`)「(前回とは本当に見違えたチームになってるね…。八頭身が孤立していた
チームから八頭身を中心にまとまったチームへ…。それだけインターハイへ
かける情熱が大きいんだろうな…)」
――ダムッ
(*ノωノ)「あぷっ、あぷーっ!!」
――ダム…ダムッダムッ…ダム…ダム…
('A`)「……?(ペースダウン…?なんでだ?)」
あぷーは八頭身の限界が近いことを悟り、八頭身の体力の消費を少しでも抑えるために
オフェンス側に与えられた24秒の攻撃時間を少しでも多く使うためキープドリブルで
時間を稼ぎ始める。
(´・ω・`)「ひょっとすると…」
ξ゚听)ξ「八頭身がもう限界かも知れませんね」
(*゚ー゚)「あの体であんなに走ってたら相当脚にキてますよね」
(´・ω・`)「(どうする…?ここで勝負をかけるか…?)」
( ´Д`)「あぷー、心配はいらん、よこせっ!!」
(*ノωノ)「………」
( ´Д`)「あぷー、何してる!?よこせっ!!」
(*ノωノ)「……」
あぷーはふるふると首を横に振る。八頭身のことを気遣ってのことだった。
ニー速D「あぷー、八頭身に出せ!!」
(*ノωノ)「あぷっ!?」
ニー速D「八頭身のおかげで俺達はここまで来たんだ!!あいつを信じろ!!パスを出し続けろ!!」
(*ノωノ)「あ…あぷー…」
( ´Д`)「あぷー、早くしろぉっ!!ショットクロックはあと4秒だ!!早く!!」
(*ノωノ)「……あぷっ!!」
――ビッ…ばしっ
('A`)「中入った!!つぶs…」
(#´Д`)「うらぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
――ガコンッ!!
――ピィッ!!
審判「ファウル!!白7番プッシング!!カウントワンスロー!!」
( ´∀`)「しまったモナ…」
審判「ワンスロー!!」
――シュッ…パシュン
(#´Д`)「っしゃあ!!」
八頭身の執念のスリーポイントプレイが決まり38-37ニー速工業1点リード。
('A`)「イヨウ、行けっ、速攻だ!!」
(=゚ω゚)ノ「把握だヨウ!!」
――ザシュッ
( ><)「スピードが全然落ちてないんです!すごいんです!!」
( ・∀・)「(流れは今の所VIP高かぁ…。ニー速はどう盛り返す…?)」
時間を限界まで稼いで着実に点をとろうとし始めたニー速工業に対し、VIP高は最初の
作戦通り、八頭身の足を潰すために速攻を連発する。
第3クォーターが残り3分に差し掛かった頃、八頭身の足に異変が起き始めた。
( ´Д`)「……!!!(踏ん張れねぇっ…!?)」
('A`)「(…とうとう限界か!?)」
('A`)「ジョルジュ!!」
( ゚∀゚)「むっ…?」
ドクオは右手でキープドリブルをしながら左腕を振る。
('A`*)「(おっぱい!おっぱい!…きめぇww)」
( ゚∀゚)「は…把握だ!!(マジでやるのか…?)」
ジョルジュは右ハイポストにポジションを取る。八頭身もそれについて右ハイポストへ。
逆サイドのローポストにいたモナーが八頭身へスクリーン。ジョルジュはモナーの
スクリーンを利用して、ついさっきまでモナーがいた無人のゴール下へ走る。
('A`)「(頼むぞ!!)ジョルジュっ!!!」
――ビッ…
ドクオはジョルジュが向かうリングの左、やや上へ山なりのパスを出す。
( ・∀・)「まさか…」
( ´Д`)「(ゴール下に俺がいる限りそんな勝手はさせるか!!んな緩いパスとってやる…)」
(#´Д`)「カバーは必要ねぇ!!俺一人で止めてやる!!」
八頭身はスクリーンを潜り抜けジョルジュを追う。しかし八頭身は極度の足の疲労からか、
パスに反応することは出来なかった。
――ばしっ
ジョルジュが上空で、両手でパスをキャッチする。八頭身の眼にはこの一連のプレーが
スローモーションで映る。
(#´Д`)「くそがぁぁっ!!!」
震える足で必死に跳び、空中でジョルジュの前に立ちふさがる八頭身。
(#゚∀゚)「うらぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
――がしっ!!!!
( ゚∀゚( ´Д`)「うぁっ!!」
両者は空中で激しく接触する。
その瞬間に八頭身の全身に重い衝撃が走る
(;´Д`)「(な…なんだこいつのパワーは…!?)」
――ガコンッ!!!!…どすんっ
ジョルジュは両手でボールをりんぐへ力の限り叩き込む。ジョルジュとぶつかった
八頭身は吹っ飛ばされ、床へ尻餅をついた。
(;゚∀゚)「………」
――ピィッ!!
審判「ファウル!!黒4番プッシング!!カウントワンスロー!!」
('A`)「よぉーーーーーしっ!!!!(うひょwwwアリウープ初めて体験しちゃったww)」
(*゚∀゚)「き…決まったぞ…!!!よっしゃぁぁぁ!!!」
(-__-)「す…すごい…!!」
(・▽・)「僕達とはレベルが…違う…!!!」
( ・∀・)「213cmを吹っ飛ばしてアリウープでバスケットカウント…!?」
( ><)「す…すごいんです!!!!!!」
「す…すげぇ…アリウープだ…」
「は…はじめて見たぞ俺…」
「っていうか180cmないやつが2mオーバー吹っ飛ばしてバスカンだぞ…!?」
「すげぇ…頑張れVIP高!!!」
「そ…そうだ、お前らがインターハイでどこまでやれるか見せてくれよ!!」
「VIP高がんばれー!!!」
――V・I・P!!!V・I・P!!V・I・P!!
ジョルジュのアリウープ成功は観客を味方につけた。観客席からはVIP高を応援する声が
聞こえる。
(-__-)「(赤の他人をここまで感動させて応援させてしまうなんて…やっぱりドクオさんはすごい!!)」
(・▽・)「みんな、俺達も負けるな!!応援しまくるぞ!!!」
――V・I・P!!V・I・P!!V・I・P!!
(*^ω^)「ジョルジュ、ナイスプレーだおwwwwすごいおwwwww」
( ゚∀゚)「まだ試合は終わりじゃないぜ、喜ぶのは今じゃない。そうだろ?」
( ^ω^)「…そうだったお。まだ第4クォーターも残ってるお」
('A`)「ワンスローもキッチリ決めようぜ」
( ゚∀゚)「おk。自信はないがな」
( ´∀`)「ちょwww」
(=゚ω゚)ノ「せめて自信持って打てヨウww」
審判「ワンスロー!!」
( ゚∀゚)「(落ち着いて…力を抜いて…)」
――シュッ…ガコガコッ…ザシュッ
(*゚∀゚)「(っしゃ!あぶねぇ…w!)」
(*ノωノ)「あぷっ…」
(;´Д`)「(完全にやられた…。今のは認めざるを得ないな…)」
ニー速F「や…やべぇよ、点差が…」
ニー速D「とうとう2桁になっちまった…」
八頭身の動きが鈍ってきていたがそれがとうとう決定的なものに。
ジョルジュのファインプレーで勢いに乗るVIP高は第3クォーター終了までにさらに11点を
加点し、68-52とリードを広げる。
――ビーーーーーーッ!!!
審判「第3クォーター終了!!インターバルに入ります!!」
―VIP高ベンチ―
('A`)「いいか?大事なのはここからだ!!この10分で何が起こるかわからない!!
最後まで気を抜かずに行こう!!」
( ^ω^)「もちろんだお!!このまま最後まで走りまくるお!!」
(=゚ω゚)ノ「八頭身ももう限界にきてるヨウ!ニー速には悪いが徹底的に八頭身を狙うヨウ!!」
( ´∀`)「ポストは任せて欲しいモナ。ガンガン走ってくれモナ」
(*゚∀゚)「(ダンク決めたダンク決めたダンク決めたダンク決めたwwww
八頭身をふっとばしてバスカンでダンク決めたwwww)」
(´・ω・`)「いい感じだ。ラストクォーターも…全力だ。手を抜かずに、徹底的に
ニー速を叩こう」
一同「はい!!」
―ニー速工業ベンチ―
(;´Д`)「はぁっ…はぁっ…はぁっ…!!!!」
ニー速工業の誰もが気付いていなかったことだが、昨年のVIP高対ニー速工業の試合の
第4クォーターも16点差で始まっていた。もっとも今とは立場が逆であるのだが。
(*ノωノ)「あぷー…」
( ´Д`)「…プレスをかけるぞ」
ニー速D「勝つにはそれしかないだろうな…けど八頭身、お前脚は大丈夫なのか…?」
ニー速F「相当負担かかってるんじゃないか?そんな脚でプレスなんて…」
( ´Д`)「…決めたんだ。…絶対に勝つって」
ニー速一同「八頭身…!!!」
これまで常に敵を、チームメイトすら見下してきた八頭身。その八頭身の口から
今紡がれているのは意地もプライドも、自らの将来さえもかなぐり捨てた勝利への
ひたすらな執念。勝利への渇望だった。
( ´Д`)「俺たちなら…やれる。絶対にインターハイに行くんだ…」
八頭身はこれまでずっと不純な動機でバスケットをしてきた。だけど今は違う。
脚の疲労も何故だか心地よい。少しでも長くこの時間の中にいたい。
少しでも長くバスケットがしたい。少しでも長く、この仲間達と…。
ニー速D「…やろう。俺たちの、全てを賭けたバスケット」
ニー速F「絶対に…インターハイへ!!!」
( ´Д`)「よし、行くぞ!!ニー速ーーーーっファイッ!!!」
一同「っしゃぁぁぁぁぁ!!!」
――ビーーーーーーーッ!!
審判「インターバル終了!第4クォーターを開始します!!」
( ´Д`)「っしゃ、行くぞぉ!!」
ニー速一同「おう!!!」
('A`)「みんな、ニー速はまだ試合を捨ててない。絶対に油断するな」
VIP一同「把握!!」
――ダムッ…
('A`)「一本!きっちりとろう!!」
――キュキュ…
( ´Д`)「(火がつくのが遅すぎたのかな…)」
――キュッ…
( ´Д`)「(バスケットってこんなに楽しかったんだな…)」
('A`)「ブーン!!」
( ^ω^)「おっ!!」
――ザシュッ
( ´Д`)「(ははっ…もう脚が言うこと聞かねぇや。情けねぇ)」
――バチッ
(=゚ω゚)ノ「とったヨウ、速攻!!」
( ´Д`)「(もっとはやくに気付いてればもっとたくさんバスケットできたのにな…)」
('A`)「っし、ナイスパス!!」
――ザシュッ
( ´Д`)「(負けたくねぇ…負けたくねぇよ!!!)」
・
・
・
しかしニー速工業の奮起も虚しく、速攻を連発するVIP高はどんどん点差を広げていく。
そして…
――ビーーーーーーーッ!!!!!
審判「試合終了!!スコア通り、89-64で白!!」
「「ありがとうございました!!」」
('A`*)「勝った!!ニー速に勝ったぞ!!!」
(*^ω^)「やったお!!練習してきた甲斐があったお!!」
(=゚ω゚)ノ「いよいよ県ベスト4…」
( ´∀`)「ここから先はさらにレベルが上がるモナね…」
( ゚∀゚)「誰が相手だろうとぶっ潰すのみ!!」
( ´Д`)「(終わっちまった…か…あっけなかったな、俺の3年間…)」
ゆっくりと天を仰ぐ八頭身。その視界が霞み始めた。
( ;Д;)「(本当に…終わっちまったんだな…)」
(*ノωノ)「あぷー…あぷぅー…」
( ;Д;)「あぷー、頼むぞ…来年は俺らの分もお前らがインターハイへ…」
(*ノωノ)「…あぷー…」
その後、八頭身の引退したニー速工業があぷーを中心としたスピードのあるチームへ
生まれ変わり、新生VIP高の良きライバルとなるのは、また別の話である。
( ・∀・)「面白い…」
( <●><●>) 「……」
モララーは携帯電話を取り出し電話をかけ始める。
( ・∀・)「もしもし、編集長ですか?今ニー速県のベスト4が出揃いましたが…今年はおそらく
荒れますよ…。楽しみです。はい…ええ、はい…」
ニー速工業に完勝し、見事雪辱を果たしたVIP高校。
これから挑むのは県ベスト4の世界。インターハイ出場を決める決勝リーグである。
決勝リーグはラウンジ学園、今北産業大学付属今北、阿凡高校、そしてVIP高の4校で争う
こととなった。
第5章 完
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