( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです  第二部

第7章 因縁の対決A





(´・ω・`)「第1クォーターはワンゴール差でラウンジ学園…か。今北はインサイド陣が
      弱いながらよくやったと思うよ」
(=゚ω゚)ノ「今北の7番のギコってやつ、侮れねーヨウ。冬に観た頃とは大違いだヨウ」
ξ゚听)ξ「速いというよりも鋭いわね」
(*゚ー゚)「あと、出だしが速いね。最初の反応が大事かも」

―ラウンジ学園ベンチ―

(´_ゝ`)「あの7番、なかなか…」
(´<_`)「キレが増してるな。フサギコ先輩と渡り合うとは…」
ミ,,゚Д゚彡「あぁ、予想以上だ。パワーならこちらが上だがおそらくスピードは
     向こうの方が上だ…」

―今北産業大学付属今北高校ベンチ―

(■_■)「……つまりポイントガードは今の所ほぼ互角と見ていいだろう。だから他の
    メンバーの動きが試合に影響してくると思え。集中しろ」
<ヽ`∀´>「はいニダ!」
(■_■)「(向こうは十中八九、こちらの弱点のインサイドを流石兄弟で攻めてくる
     だろうな…。4番もまだまだ力を隠していると見える。どうしたものか…)」




―ラウンジ学園ベンチ―

監督「基本的には前半までと変わらん。今北の弱点はインサイド。徹底的にインサイドを
   突け、兄者、弟者!まだまだあんまり目立ってないぞ?」
(´_ゝ`)「なぁに、これからですから無問題ですよ監督!」
(´<_`)「そろそろ突き放しにかかりますからね」
ミ,,゚Д゚彡「監督。池上を投入してディフェンスを変更しましょう」
監督「…だな。勝負を決めよう。ここまで来て隠す必要はない。池上、準備はいいな?」
池上「もちろんです。最後のインターハイ予選…全力で行きます」

――ビーーーーーッ!

審判「インターバル終了!第3クォーターを開始します!」

池上「(決勝リーグでは2勝すればインターハイ出場がほぼ揺るぎないものになる。
    なんとしてでも初戦を制して勢いをつけなくては)」

「おい、見ろよラウンジの5番が…」
「三年の池上だ!」
「ディフェンスに定評のある池上がコートに…!」
「ラウンジは勝負を決めるつもりだ!」




(´・ω・`)「ラウンジはおそらくインサイドを中心に攻めてくるだろうね」
('A`)「今北のインサイドはあまりよくないみたいですしね」
(´・ω・`)「鍵を握るのはおそらく…」
('A`;)「…ギコ…ですか?」
(´・ω・`)「うん。突破力に磨きがかけられてるし…センスも感じられる」
( ^ω^)「でもラフプレーするひきょーもんですお!」
(´・ω・`)「この前観た時とは多分違うよ…。今北とやる時もその気持ちだと
       きっと痛い目にあうよ」
(;^ω^)「把握ですお」
(´・ω・`)「ラウンジだけを観るんじゃなく、ラウンジが今北をどう攻めるか、も
       しっかり観ておこう。今北対策にもつながるからね」
一同「はい!」

――キュキュキュ

ミ,,゚Д゚彡「兄者!」

――ビッ…ばしっ

(´_ゝ`)「ナイスパスです!」

――ダムッ…キュキュッ

兄者が右ミドルポストからポストプレーに持ち込む。




<ヽ`∀´>「(この9番、単独のポストプレーも上手いニダ!?)」

――ズダッ

<ヽ`∀´>「(くそっ…打たせんニダ!!)」

ニダーを2、3歩押し込んだ兄者はターンシュートを放とうとジャンプする。ニダーは
それに必死に食らい付きながら跳び上がる。

――ビッ…

<ヽ`∀´>「(コースがずれたニダ!こいつ、ウリのシュートチェックにびびったニダww)」

――ばしっ

(´<_`)「ナイスパスだ兄者!」
<ヽ゚∀゚>「ホォゥッ!?」

コースがずれたシュート…に見せかけたパスを弟者が空中でキャッチ。
そのままタップシュートを放つ。

――バスッ
――ウォォォォォォォォ!いいぞっ!いいぞっ!さすが我らの流石兄弟!
  ウォォォォォォォォ!




ミ,,゚Д゚彡「二人ともナイスプレーだ!」
(*´_ゝ`)「弟者よ、どうせならダンクかましてアリウープにしたまえよ」
(´<_`#)「俺にダンクができないことを知っていての嫌味か?スカイプレイで充分だ」
(´_ゝ`)「ふっ、負け惜しみか弟者よ」
(´<_`#)「黙れよ機械音痴」
(´_ゝ`)「申し訳ないです」

ミ,,゚Д゚彡「ディフェンス!行くぞ!」
ラウンジ一同「把握!」

――キュキュッ

( ・∀・)「1-3-1ゾーンか…」
( ><)「モララーさん、1-3-1ゾーンってどんなディフェンスなんですか?
      わかんないんです!」
( ・∀・)「一言で言ってしまえば万能ゾーン…みたいな感じかな。インサイドへも
     アウトサイドへも柔軟に対応できる」
( ><)「そんなにすごいゾーンなのになんで最初から使わないんですか?
      わかんないんです!」
( ・∀・)「頭と脚を相当使うゾーンだからさ。これまでのラウンジ学園が用いてきた
    3-2型よりも一人一人が守るべきスペースが広い。相当な練習を積んでいないと
    ボールの回し方次第で、ゾーンなのにゴール下で1対1になってる…なんてことが
    ありえるんだ」
(;><)「難しそうなんです!」
( ・∀・)「実際難しいと思うよ。もともとゾーンはゴール下を固めるためのものだ。
     ゾーンディフェンス本来の役割に加え、アウトサイドではマンツーに近い
     ディフェンスを必要とするんだ」
( <●><●>) 「わかってます」
( ・∀・)「いや、君絶対わかってないでしょ」




ミ,,゚Д゚彡「ハンズアップだ!気合い入れて行こう!」
ラウンジ一同「っしゃ!」
池上「よし、ボール任せろ!」

( ,,゚Д゚)「(トップはフサギコじゃねぇのかゴルァ…?こいつ何様のつもりだゴルァ)」

――キュキュキュキュ!!!!

( ,,゚Д゚)「うぉっ!?(な…なんだこいつのディフェンスはゴルァ!?)」
<ヽ`∀´>「(この5番は馬鹿かニダ?ゾーンで一人だけあんな前に出てディフェンスする
      なんて自殺行為ニダよwww)」
<ヽ`∀´>「ギコ、こっちニダ!!」
( ,,゚Д゚)「に…ニダー、任せたぞゴル…」

――バチッ

ギコからニダーへのパスを、池上はボールがギコの手から離れる前に抑える。

( ,,゚Д゚)「………!!!!」
池上「バレバレだ」
ミ,,゚Д゚彡(´<_`)「速攻!!!」

――ザシュッ




(;^ω^)「速いお…」
('A`)「トップの池上でボールの動きを制限して甘いパスしか出させなくする…」
(=゚ω゚)ノ「奪ったボールは弟者、フサギコ、池上で3線速攻…かヨウ」
( ´∀`)「もしそれがダメでも兄者のセカンドブレイクモナね」
( ゚∀゚)「さらに、もしそれがダメでもセットオフェンスで流石兄弟…」
(´・ω・`)「ボールを奪った後の展開までしっかりと考えてあるね。型破りな守り方に
      見えるが全て計算された上でのことというわけか…」
('A`;)「(…ってかこのディフェンス死角なくね?www)」

――ダムッ…

( ,,゚Д゚)「くそっ…(なんだあの5番は!?)」
ミ,,゚Д゚彡「さぁディフェンスもう一本!!」
池上「さぁ来い!!」
( ,,゚Д゚)「(あんまり調子に乗るんじゃねぇぞゴルァ!!)」

――ダムッ!!

( ^ω^)「…!池上が抜かれたお!!」
('A`)「…いや、トラップだ」




(´_ゝ`)(´<_`)「ヘルプ!!」

――キュキュッ

中段中央の兄者と中段左の弟者が中にドライブしてきたギコに2人がかりでカバーに来る。

( ・∀・)「ヘルプが速い…」
( ><)「今北の7番が危ないんです!!」

――バチッ

( ,,゚Д゚)「!!!!(後ろ!?)」
ミ,,゚Д゚彡「ナイスディフェンスだ、池上!!」
池上「フサギコ、速攻だ!!」

――ビュッ…ばしっ

ミ,,゚Д゚彡「おしっ!!」

――ザシュッ

( ´∀`)「3人がかりモナか…?」
( ゚∀゚)「俺たちが八頭身を相手にやったのとは違うのか?俺たちも2人がかりや
    3人がかりで八頭身を潰したじゃんか?」
(´・ω・`)「おそらくこのディフェンスはゾーンの包囲網に入り込んできたボールマンには
      誰であろうと3人がかりのディフェンスが来る」
( ^ω^)「僕たちが八頭身一人にやっていたことを…相手5人全員にやるんですかお?」
('A`)「でもそれじゃヘルプディフェンスが来た瞬間にパスを捌かれたら…」




――ダムッ!

池上「(またか…学習能力の無い奴だ)」
( ,,゚Д゚)「(あまりなめるんじゃねぇぞゴルァ!!)」
(´_ゝ`)ミ,,゚Д゚彡「ヘルプ!!」 

ギコは再び池上を抜いてインサイドへ。右にドライブすると中段中央の兄者と中段右の
フサギコの2人がカバーに入る。

( ,,゚Д゚)「(残りの2人はおそらく俺からのパスをカットするために備えてるはずだゴルァ…。
      だったらその2人ですら追いつけない場所にパスを出せばノーマークになるぞゴルァ)」

――ビュッ…

ギコは兄者とフサギコにコースを完全に塞がれる前に右コーナーの今北Dへパスを出す。

ミ,,゚Д゚彡「右コーナー!!」

――キュキュキュキュッ!!!
――ばしっ

今北D「うっ!?」

( ><)「は…速いんです!!!」
( ・∀・)「パスが出た瞬間にそのパスがどこへ行くのか判断し、レシーバーがパスを受ける頃には
    その場所へ再び3人で…」

ラウンジ学園は右ハイポストのギコから右コーナーの今北Dへのパスが出た瞬間にフサギコの
合図で下段のラウンジF、中段中央の兄者、中段右のフサギコの3人で再度プレッシャーをかける。




(;´・ω・)「………………………」
('A`;)「ボールがゾーンの中にある限りラウンジ学園の1-3-1ゾーンは延々と3人がかりでボールを
   追い続けるのか…?」
( ^ω^)「そ…それは無謀すぎるお…!!ずっと足動かしっぱなしじゃないかお…」
(=゚ω゚)ノ「パスが出た瞬間に誰がディフェンスにつくべきかを瞬時に判断しなくちゃいけないしなヨウ」
( ´∀`)「確かにこれは相当な脚力と判断力が必要モナね…」
( ゚∀゚)「じゃあゾーンの外からぽんぽこ打っちゃえばいいんじゃね?」
(´・ω・`)「そういうわけにもいかないよ。前回のように池上にボックスワンされたら
      現段階では正直厳しい」
(=゚ω゚)ノ「(池上……!!!)」
(´・ω・`)「月並みなことしか言えないがやっぱりいつも通り、パスランで崩すしかないと思うよ」
('A`)「俺たちのやり方…ですか」
(´・ω・`)「(確かに、アウトサイドが勝負の鍵を握ることにはなってくると思うが…。
       イヨウ君のスリーはラウンジ学園も警戒しているはず…どうする…?)」




 ・
 ・
 ・
ビーーーーーーーーーッ!!!!

審判「第3クォーター集終了!!インターバルに入ります!!!」


ドライブでインサイドに切り込むことから始まる今北とは相性が最悪で点差は大きく開いた。
アウトサイドからの決定的な得点力が存在しない今北がラウンジ学園に勝つ要素は
あるのだろうか。決勝リーグ初日第2戦、ラウンジ学園対今北産業大学付属今北高校の
試合は佳境の第4クォーターへと突入していく…。

第7章 完



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