( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第二部
第8章 因縁の対決B
――ビーーーーーッ!
審判「インターバル終了!第4クォーターを開始します!!」
―今北産業大学付属今北高校ベンチ―
今北C「ラストクォーターだ。気合い入れて行くぞっ!あの程度のビハインド
なんかすぐに同点にしてやる!」
( ,,゚Д゚)「うぃっすゴルァ」
<ヽ`∀´>「負けないニダよ」
―ラウンジ学園ベンチ―
ミ,,゚Д゚彡「最後まで手を緩めるなよ。徹底的に叩く!」
(´_ゝ`)「把握です!」
(´<_`)「ぶっつぶしましょう!」
池上「さぁディフェンスだ!」
――ダムッ…
( ,,゚Д゚)「(この1-3-1…相当厄介だゴルァ。どうすれば落とせる…?)」
――キュキュキュ!
( ,,゚Д゚)「ぐっ…」
池上の激しいプレッシャーにギコはたじろぐ。
( ,,゚Д゚)「(博打の要素がかなり強いが…こいつらの1-3-1ゾーンの性質を
利用させてもらうぞゴルァ。多分穴はそこしかねぇ)」
( ,,゚Д゚)「ニダー!」
――ビッ…
ミ,,゚Д゚彡「右ハイポスト!」
パスが出た瞬間、ニダーに中段の二人がディフェンスに向かう。
――ばしっ
そしてニダーがパスをキャッチした瞬間、トップの池上もボールマンへの
ディフェンスへ向かう。
( ,,゚Д゚)「囲まれる前に戻せゴルァ!」
<ヽ`∀´>「は…把握ニダ!」
――ビッ
ミ,,゚Д゚彡「トップ!」
――ばしっ
池上「ボールおーけ…」
<ヽ`∀´>「(ギコ、こいつらはトップに戻しても反応が速いニダよ。ちまちまパスを
回しても意味がないんじゃないかニダ…?)」
――ビッ
ミ,,゚Д゚彡「左コーナー!」
――ばしっ
(´_ゝ`)「(今度はあっちか…!)」
( ,,゚Д゚)「先輩、挟まれる前にすぐ戻してくれゴルァ!」
今北D「お…おう!」
――ビッ…ばしっ、ビッ…ばしっ、ビッ…
ギコは様々な方向へパスを出し、ディフェンスに囲まれる前に即、パスを返させ、
帰ってきたボールをまたギコが他のメンバーにパスを回す、ということを繰り返す。
('A`)「確かに3人に潰されることはなくなったけど…」
( ^ω^)「あんなにすぐにパスをトップにリターンするなんて、攻める気がないのかお?」
――ビーーーーーッ!
審判「ショットクロックバイオレーション!白ボール!」
ミ,,゚Д゚彡「よし、ナイスディフェンスだ」
(;´_ゝ`)「はぁっ…はぁっ…」
(´<_`)「どうしたよ兄者?まさかヘバったわけでもあるまい」
(;´_ゝ`)b「偉大な兄を甘く見るでないよ、弟者よ。至って平気だ」
( ゚∀゚)「24秒になっちまったな」
(=゚ω゚)ノ「何を考えてるつもりだヨウ、あのギコって奴はヨウ…?」
(´・ω・`)「…ほんの少しだが…光を見出したかもしれないよ」
( ´∀`)「…?どういうことですかモナ?」
(´・ω・`)「ラウンジ学園の1-3-1ゾーンの特徴を考えてみよう。ゾーン内へ
ボールマンが来た場合は3人がかりで潰しにかかる。そうだね?」
( ゚∀゚)「ボールのある場所に応じて潰しにくる選手も変わりますね」
(´・ω・`)「そう。だがどこへボールを回そうと常にボールのある場所へ動かなければ
ならない選手がいる」
('A`)「…ゾーンの真ん中にいる流石兄弟の兄……!」
(´・ω・`)「正解だ。彼はゾーンの中央を守っている。一歩動くだけで全ての方向の
ヘルプディフェンスに入ることが可能なので必然的にチーム内で運動量が
最も多くなる。要するに9番だけはボールが回っている限り動きっぱなしと
いうわけだ」
( ^ω^)「他のメンバーですらものすごく動いてるのにそれ以上動かなきゃならないって
ことですかお?」
(=゚ω゚)ノ「流石兄弟の兄には相当な負担がかかるはずだヨウ」
( ´∀`)「ギコ君はそれを見抜いて…?」
( ゚∀゚)「だけど成功するかどうかはわからなくねぇか?相手は全国のラウンジだぞ?」
(´・ω・`)「だが実際に9番の動きも鈍ってきているよ。一人だけ半端なく消耗している
ように見える。激しく動いた故にだが…」
(;;´_ゝ`)「…………」
( ,,゚Д゚)「(この調子でパスを回しまくって9番を動かしまくっていれば…9番の脚は崩れる
はずだゴルァ)」
<ヽ`∀´>「(ギコは何考えてるニダ…?わざわざ24秒で相手にボールを与えて…今は
18点差ニダ。一本一本が大事なはずなのに…)」
( ,,゚Д゚)「ニダー!!ごにょごにょごにょ…」
<ヽ`∀´>「…………?」
――ダムッ
ミ,,゚Д゚彡「よし、一本行こう!!」
――キュッ…キュキュ…
<ヽ`∀´>「(さっきギコはウリに『ボールが9番に渡るようにディフェンスしろ』と
言ったニダ…わけがわからないニダよ…)」
( ,,゚Д゚)「ニダー、不安なのはわかるが俺を信じろゴルァ!!」
<ヽ`∀´>「……把握ニダ!!!」
ミ,,゚Д゚彡「弟者!!」
――ビッ…ばしっ
弟者は右45度でパスを受けると今北Dに1on1を仕掛ける。今北Dを抜き去った弟者は
単身、ゴール下へ。
<ヽ`∀´>「(ここでカバーに行ったら間違いなく9番にパスが出るニダ…けどギコは…)」
<ヽ`∀´>「(……ギコを信じるニダ!!!)」
ニダーはシュートのステップを踏み始めた弟者のカバーに入る。
ニダーが弟者のカバーに向かったことを確認した兄者はニダーとは逆方向の、
無人のゴール下へ走る。
――ズダッ…
弟者はニダーを引きずりながらクローズアップシュートの体勢をとる。
<ヽ`∀´>「くそっ……」
ニダーはシュートコースを妨害するために跳び上がり必死に手を伸ばす。
そのせいか、ゴール下付近で放たれた弟者のクローズアップシュートはリングの横へ。
<ヽ`∀´>「(コースがずれたニダww兄弟揃ってウリのブロックにびびってるのかニダwww)」
――ばしっ
ニダーが着地してリバウンドに入ろうとリングへ振り向いた時、ニダーは悪夢を見たような気がした。
彼の視界に移るのは弟者のシュートに見せかけたパスを空中でキャッチし、今まさに
ダンクをしようとしている兄者の姿だった。
――ガコンッ!!…ダンッ…
(;;´_ゝ`)「…………ッッ!?」
アリウープが成功し、リングから手を離し着地した瞬間、兄者は脚に違和感を覚えた。
(;;´_ゝ`)「(脚の感覚が…!?)」
――ウォォォォォォォォォォ!!!!アリウープ!!!アリウープ!!我らが流石のアリウープ!!!
ウォォォォォォォォォォ!!!
兄者の心境とは裏腹に、応援席は大盛り上がりを見せる。
(´<_`)「ふっ…やるじゃないか、兄者よ。ここでしっかり決めてくれるとはな。
まぁ決められなかったら許さんがな……ってどうかしたか、兄者?」
(;;´_ゝ`)「いや…なんでもない。ナイスパスだったぞ弟者」
ミ,,゚Д゚彡「(兄者…?杞憂だといいが…)」
人間がジャンプし、着地する時、体には体重の何倍もの負担がかかることが解明されている。
バスケットボールは走ったり跳んだり、足にかかる負担が大きい。
特に体の大きい選手はそれに比例して体重も重い。脚にかかる負担も大きなものとなる。
それが脚を酷使した状態で、蓄積されたダメージに止めを刺すようなものであれば尚更である。
ミ,,゚Д゚彡「ディフェンス!!」
ラウンジ一同「おう!!」
(;;´_ゝ`)「(…とは言ったものの結構きついかもしれんな…)」
――ダムッ…
( ,,゚Д゚)「(チャンス到来、ってとこかゴルァ…。チームメイトすら気付いていないぞゴルァ)」
――ダムッ!!
ギコは池上を抜いて再びインサイドへ。フサギコがカバーに、タイミング一つ遅れて
兄者もカバーに来る。
( ,,゚Д゚)「(見逃さねぇぞゴルァ!!)」
兄者の一瞬の遅れから生じたフサギコと兄者の間の狭い隙間にギコは強引に割り入る。
(;;´_ゝ`)「(失策…!!)」
兄者がギコを追おうと手を伸ばした時、兄者の手は彼の目の前でジャンプシュートを放とうとした
ギコに直撃した。
( ,,゚Д゚)「いてっ!!」
ギコはバランスを崩し、そのまま強引な体勢でシュートを放ったが、シュートは外れる。
――ピィッ!!
審判「ファウル!白9番!!ツースロー!!」
(;;´_ゝ`)「不覚…。申し訳ない」
(´<_`)「フサギコ先輩、ディフェンスを1-2-2に変えましょう」
(;;´_ゝ`)「弟者!?」
(´<_`)「気付いていないとでも思っていたのか、兄者。何年一緒にいると思っている?」
(´<_`)「それでも1-3-1をやろうというのならあえて黙っていようと思ったが…。チームの足を
引っ張るようならディフェンスシステムを変更せざるを得ない」
(;;´_ゝ`)「…そうだな。すまない、弟者よ」
ミ,,゚Д゚彡「お前に無理はさせられない。1-2-2に変更しよう」
ギコはフリースロー2本を両方とも冷静に沈めた。
――ダムッ…
ミ,,゚Д゚彡「(兄者を引っ込めるのは…危険だな。ペースダウンして確実に逃げ切ろう)」
――ダム…ダム…
( ,,゚Д゚)「(やっぱりそう来たかゴルァ…)…ケッ、臆病者が」
ミ,,゚Д゚彡「勝利主義者と呼んでくれ。勝たなきゃ意味が無い」
( ,,゚Д゚)「ちげぇねぇっ!!!」
――キュキュキュ!!
ミ,,゚Д゚彡「(その程度のディフェンスで…)」
今北C「うおおぉっ!!!」
――キュキュキュ!!
今北Cが池上のマークを外し、ギコと2人でフサギコへダブルチームをかける。
池上「(ディフェンスのスペシャリストだからシュートはさっぱりだと…ノーマークに
しても平気だと…そう言いたいのか…?)」
池上「フサギコ!こっちだ!!」
ミ,,゚Д゚彡「…………」
池上「フサギコ!!何をしてる、パスを出せ!ノーマークだ!」
ミ,,゚Д゚彡「くっ…」
――ばちっ
ミ,,゚Д゚彡「…!!」
今北Cがボールを弾き、ボールはコート上を転がる。フサギコは素早くルーズボールに
反応し、かろうじてターンオーバーを防ぐ。しかしギコと今北Cのディフェンスが
緩まる気配は無い。ルーズボールをとった瞬間に2人に距離を詰められたため
ドリブルコースも無い。
池上「フサギコ、早くしろ!!ショットクロックが…!!」
ミ,,゚Д゚彡「くそ…仕方ない…池上っ!!」
フサギコはその場でジャンプし、強引な体勢で池上へパスを出す。高さを活かされ、ギコも
今北Cもパスには届かなかった。池上はスリーポイントライン上でパスを受け、シュートを放った。
ミ,,゚Д゚彡「あ…馬鹿っ!!2点でいい…!!」
フサギコがそういうか言わないかのうちに……
池上のシュートはリングへ当たらずコート外へ出た。
池上「おっといけない」
――ピッ!!
審判「アウトオブバウンズ!!水色ボール!!」
ミ,, Д 彡「……………」
池上「ははは、すまん、手元が狂ったよ」
ミ;,,゚Д゚彡「……ディフェンス…行こうか…」
(;´_ゝ`)「…ですね…」
(´<_`;)「ディ…ディフェンスいっぽぉーん…」
池上「(何だこの空気は)」
――ダムッ!!
( ,,゚Д゚)「速攻だゴルァ!!!」
ミ,,゚Д゚彡「しまっt…」
――キュッ…
「止まった!!」
「速攻でスリー打つ気だ!!」
「そりゃぁ10分で18点返すためには普通にやってちゃ厳しいけど…」
――シュッ
ミ,,゚Д゚彡「(油断した…!!!)」
――ガツッ…
ギコのスリーポイントシュートはリングの奥に当たり、真上へ跳ねる。
( ,,゚Д゚)「(くそっ…入れやゴルァ!!)」
――ガツッ…ゴン…ゴン…ザシュ…
落下してきたボールはリングのふちに当たり数度跳ねた後リングを潜る。
――ウォォォォォォォォ!!!いいぞ!!いいぞ!!!ギーーーーーーコォッ!!!
…ちゃんっ!!!
(*,,゚Д゚)「(だからやめろっつーのゴルァ!!ったく、誰だ変な事吹き込んだ奴はゴルァ…)」
(■_■)←こいつ
( ^ω^)「残り8分で15点差…」
(=゚ω゚)ノ「まだまだラウンジ優勢だけどヨウ…」
('A`)「スタミナ面では今北のほうが上か…」
( ´∀`)「どう転ぶかわからないモナね」
( ゚∀゚)「しかしよく粘るな…」
(■_■)「当たれ!!!」
今北一同「うっす!!!!」
――キュキュキュ!!!!
( ・∀・)「この局面で仕掛けに来るか…。今北はまだ試合を捨ててないね」
( ><)「この点差で今北にも勝つチャンスはあるんですか?」
( ・∀・)「可能性はまだある。バスケットは何が起こるかわからないからね」
――キュキュキュキュ!!!
ミ,,゚Д゚彡「チッ…!!!(プレスに磨きがかけられてる…!!!)」
(■_■)「そうだ!!裏を取らせるな!ラクにパスを出させるな!!じわじわとなぶれ!!」
――キュキュッ!!!キュキュキュッ!!!
「なんか…粘り強いディフェンスだな」
「気迫のこもったディフェンスだな。今北のディフェンス力をなめてた…」
――ピィッ!!
審判「8秒バイオレーション!!水色ボール!!」
――ウォォォォォォォッ!!!いいぞっ!!いいぞっ!!いーまーきたっ!!!
――ダムッ…ダムッ…
ミ,,゚Д゚彡「(こちらのミスから確実に加点…セオリーだな…なんとしてでも止めなくては)」
――シュッ
「また7番のスリー!?」
「普通ここは確実に2点で一本取るべきところだろ!?」
「強引過ぎる!!あのプレーは自分勝手だ!!」
――バシュッ
――ウォォォォォォォ!!!!やったやった!!やったぞギコちゃん!!!
( ・∀・)「ほう……」
('A`;)「………」
(´・ω・`)「一旦ノってしまったら止まらないようだね…」
――バチッ
「また7番だ!!」
「うおっ…またスリー打つつもりか!?」
「ここで決めれれば一気に点差が一桁に行くぞ!!」
ミ,,゚Д゚彡「打たせるか!!(自分のミスでチームを窮地に立たせるわけには…!!!)」
(´<_`)「フサギコ先輩、跳んではいけn…」
――ダムッ!!!
ミ,,゚Д゚彡「しまった……!!!」
( ・∀・)「フェイク…!!ラウンジの4番は今北7番の連続スリーで完全にひっかかった…」
(´<_`)「そう簡単には行かせんよ!!」
フサギコを抜いてゴール下へ突っ込もうとするギコに弟者がヘルプに入る。
( ,,゚Д゚)「(遅ぇぞゴルァ!!!)」
――ギュッ…
(´<_`;)「ッ…!!(姿勢が低いっ…!!!)」
「二人抜いた!!」
「すげぇ!!」
「ゴール下で9番と1対1だ!!」
(´_ゝ`)「打たせn…」
――ビッ…ばしっ
<ヽ`∀´>「ナイスパスニダ!!」
(;´_ゝ`)「しまっt…」
――バスッ
――ウォォォォォォォォォ!!!いいぞいいぞニダー!いいぞいいぞニダー!!!
( ・∀・)「ハイテンポな展開で熱くなったかと思いきや頭は冷静…!いいガードだ、
あのフサギコが完全に翻弄されている」
( ><)「一気に点差が縮まったんです!!10点差なんです!!」
――ビーーーーーーーーーーーーッ!!!!
オフィシャル「タイムアウト!!白!!」
第4クォーター残り6分、54-44。ラウンジ学園リード。ラウンジ学園のスタミナが切れかけた所を
ギコの爆発が襲う。一気に10点差まで詰め寄った今北に勝機はあるのだろうか。
第8章 完
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