( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第二部
第9章 激戦、決着
インターハイ出場をかけた決勝リーグ初日第2試合、ラウンジ学園対
今北産業大学付属今北高校。第1クォーターは互角の展開であったが第2クォーターに
入り、ラウンジ学園はこれまでの3-2型ゾーンから新たに1-3-1ゾーンを展開。
アウトサイドへのディフェンスはマンツー気味に行い、一旦ボールがゾーン内に入れば、
ボールを奪うか相手が攻めあぐねてボールを外に戻すまで3人がかりで執拗にプレッシャーを
かけ続ける変則的なディフェンスに、今北は第3クォーター終了時までに大きなリードを
奪われた。しかし常に脚を全力で動かし続けるラウンジ学園のディフェンスは確実に
ラウンジ学園の選手を蝕む。ゾーンの中心を担うH兄者に疲労が蓄積していた。
第4クォーターが始まり、体力の限界が近いことを悟ったラウンジ学園はディフェンスを
戦況の悪さを改善するためラウンジ学園はタイムアウトをとった。
「す…すげぇ試合…」
「決勝リーグでこんなに盛り上がるなんて…」
「いや、てかインターハイ行くのこいつらで決まりじゃね?」
「わかんねぇぞ、VIP高もいるんだぜ?」
( ・∀・)「大激戦、だね…」
( ><)「すごいんです!興奮して汗ダクダクなんです!」
(;^ω^)「す…すげぇお…」
('A`;)「ギコの野郎……」
(=゚ω゚)ノ「ギコの成長が著しいヨウ。1年も経たず、こうまで伸びるもんなのかヨウ?」
( ´∀`)「6分で10点差…試合はわからなくなってきたモナ」
(*゚∀゚)「兄者のダンクかっけーwww」
ξ゚听)ξ「強い……」
(*゚ー゚)「けどどっちのチームにも隙はあるよ!そこを突けば勝てるはずだよ」
(´・ω・`)「しいさんの言う通りだ。最後までしっかり観ておこう。
(しかし本当に観ておいてよかった…)」
―ラウンジ学園ベンチ―
ミ,,゚Д゚彡「みんな、済まない。7番を完全にノせてしまった…」
(´_ゝ`)「フサギコ先輩が謝ることではありませんよ。それより対策を練らなければ…」
(´<_`)「あのギコという男……流石だ」
監督「池上を7番につけてボックスワンだ。そしてプレスからの連続得点は絶対に防げ。
いざとなったらファウルしても構わん、なんとしてでも相手の波を断ち切れ」
一同「はい!」
監督「そして今北のプレス対策を伝える。しっかり頭にたたき込め……」
―今北産業大学付属今北高校ベンチ―
(;,,゚Д゚)「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
(■_■)「よくやった、ギコ。いいか、全員足を止めるな、一気に畳み掛けろ!
ギコの作った流れで一気に勝つ!」
一同「はい!」
――ビーーーーーッ!
オフィシャル「タイムアウト終了です!」
(´_ゝ`)「フサギコ先輩!」
――ビッ…ばしっ
コート外から兄者がフサギコへパスを入れ、試合が再開される。フサギコへパスが
入った瞬間にラウンジ学園の選手はフロントコートへ走りだした。
状況はラウンジ学園側のフロントコートに8人が、バックコートにはギコとフサギコの
ゾーンプレスとは違い、人が人を守るディフェンスである。
オフェンスがフロントコートに走ればディフェンスはそれについてフロントコートへ
走らざるを得ない。意識がボールに向きすぎて自分のマークマンを見失えば簡単に
ノーマークが生まれてしまうからだ。
ラウンジ学園の4人が今北のディフェンスを引き付けてフロントコートに留まることで
バックコートでは1対1の状況が生まれ、バックコートでダブルチームをかけられ、
即得点されるということは防がれた。
(■_■)「ガードのスキル勝負というわけか…」
バックコートにガード同士が残されているこの状況は純粋に両チームのポイントガード
同士の対決となる。オフェンス側がボールを運びきってセットオフェンスを展開するか、
ディフェンス側がボールを運ばせずにターンオーバーを導くか…。
以上を踏まえた上で、フサギコの実力を信じたラウンジ学園はこの作戦に出たのだった。
(´・ω・`)「ある意味賭けだね。常に安定した力を出すフサギコか、現在爆発的な力を
見せるギコか…」
( ,,゚Д゚)「(俺にかかってるってわけか…)」
ミ,,゚Д゚彡「(本当の…真っ向勝負だな)」
――ダムッ!
( ,,゚Д゚)「(左!)」
――キュキュッ!
フサギコの初動を抑えたギコ。しかしフサギコはそれを予測していたかのように逆方向へ
ロールで切り返す。フサギコの体がちょうど半分ほど回り背中をギコに向けた頃、ギコは
ロールに反応すべく右へ重心を移す。その瞬間、フサギコはさらに逆方向にロールを
入れる。見事に左右に振られたギコはその動きに反応できず、フサギコはギコを抜き去った。
「抜いた!」
「す…すげぇ!」
( ・∀・)「たいしたボディバランスだ…」
( ,,゚Д゚)「くっそ…」
寄せ付けぬかのように中へ切り込んでゆく。
<ヽ`∀´>「(流石兄弟にパス出すニダか!?いや、このスピードなら間違いなく
シュートニダ!)」
――ダムッ!
<*ヽ`∀´>「(馬鹿みたいに突っ込んできたニダwww流れが悪くて焦ってるニダかwww)」
――ビッ…
<ヽ゚∀゚>「ほぉぉうっ!?(パスニダか!?)」
――ばしっ
(´_ゝ`)「ナイスパスですよフサギコ先輩っ!」
――ザシュッ
( ・∀・)「流石だね…多少強引だったとはいえ追撃を許さないラウンジ学園…!
…おや?」
池上「7番任せろ!」
ミ,,゚Д゚彡「頼むぞ池上!」
「ボックスワンだ!」
「大当たり中の7番をディフェンスのスペシャリストで抑えにきた!」
――キキュキュッ
( ,,゚Д゚)「(くそっ!この場面でそう来るかゴルァ…!)」
「すげぇディフェンスだ!」
「7番は前に進めないぞ!」
( ,,゚Д゚)「くそっ…!」
苦し紛れにギコが出したパスはフサギコ達のボックスの餌食となる。前線を一人で走る
池上に、フサギコは一瞬だけ躊躇したがロングパスを送る。
――ばしっ
池上「ナイスパスだ!」
ミ,,゚Д゚彡「池上!レイアップだぞ、外すなよ!落ち着いてうt…」
――がつっ
池上「おっといけない」
ミ,, Д 彡「………………」
(´_ゝ`)「………………」
(´<_`)「………………」
( ,,゚Д゚)「(な…なんだか知らんがラッキーだぞゴルァ)」
床を転がるルーズボールはギコが獲得し、今北のカウンター。池上を残し、5対4の
アウトナンバーが生まれた。
ミ,,゚Д゚彡「(池上の戻りが遅れてる…!どうする…!)」
ラウンジ学園の現在のディフェンスはボックスワン、マンツーマンでディフェンスを
行うのはまだディフェンスに戻れていない池上である。ボックスゾーンを放棄して
インサイドを危険にさらしながらもギコを止めるべきか、ボックスゾーンを維持しつつ
ギコにはアウトサイドシュートを打たせない程度に守るのか…。
フサギコがその判断を一瞬迷った時、ギコはスリーポイントを放った。
――バシュッ
――ウォォォォォォォォッ!!!!!!
ギコのスリーポイントシュートが決まり9点差。このプレーで、観客席は今北の応援団の
応援だけでなく一般客の声援も混ざり、これまでにないほどの盛り上がりを見せる。
あまりの大歓声に会場内がびりびりと震える。
('A`;)「とうとう一桁差……!!」
(;^ω^)「し…信じられんお…」
(=゚ω゚)ノ「残り5分ちょいで9点差なんて完全に射程距離だヨウ…!」
(;´∀`)「そ…想定の範囲外モナ……」
( ゚∀゚)「てかあいつ第4クォーターに入ってからまだ一本もシュート外してねぇぞ…」
(;´・ω・)「すさまじい爆発力だね…」
――ダムッ…
ラウンジ学園は再びギコとフサギコを残し、4人がフロントコートへ上がる。
ミ,,゚Д゚彡「(さっきまで完全にうちが優勢だったのに今の状況は完全にアウェーじゃないか……!)」
――ダムッ!
( ,,゚Д゚)「くっ…(ダメだ、止めれねぇ…!)」
今北D「か…カバーいいぞ!」
( ,,゚Д゚)「だ…ダメだゴルァ!10番がノーマークに…」
――ビッ…ばしっ
(´<_`)「行くぞ兄者!」
(´_ゝ`)「…おうっ!」
――ダムッ!
フロントコートでノーマークでパスを受けた弟者は単身、ゴールへ向かう。今北の
選手は中途半端なヘルプにしか出ることができず、易々と弟者のペイントエリアへの
侵入を許す。
<ヽ`∀´>「(シュートを構えたニダ…パス?シュート?どっちニダ…!?)」
ニダーが弟者のカバーに向かおうと、弟者へ一歩詰めた時、弟者はシュートの構えから
一転、パスの構えをとる。
<ヽ`∀´>「(ウリがこのまま前に出たらゴール下の9番にパスを出すつもりニダ!
バレバレニダよwww)」
――シュッ…ザシュッ
――ウォォォォォォォォッ!いいぞいいぞ弟者!いいぞいいぞ弟者っ!ウォォォォォォォォッ!
<#ヽ`∀´>「パスフェイク……!」
( ・∀・)「点差は再び二桁差…!」
( ><)「展開が全く読めないんです!」
・
・
・
しかしその後、ラウンジのシュート成功率がほぼ50%、残りの50%は今北がターンオーバー
からの速攻でギコが確実に点を稼ぎ今北の得点、と互角の展開を繰り広げた。
点差が開いている状態で互角の展開ということは点差が縮まらないこととイコールであった。
そして…
「3!」
「2!」
「1!」
――ビーーーーーッ!
審判「試合終了!スコア通り、71-62で白!」
――ウォォォォォォォォッ!ラウンジ!ラウンジ!ラウンジ!ラウンジ!ウォォォォォォォォッ!
( ,,゚Д゚)「はぁっ…はぁっ…ちくしょう…」
ミ,,゚Д゚彡「いい試合だった。また…今度は全国でやろう」
( ,,゚Д゚)「けっ…余裕ぶっこいてて途中で足元すくわれるんじゃねぇぞゴルァ」
ミ,,゚Д゚彡「ふふっ…そうだな。一戦一戦を全力で行くさ」
ギコとフサギコ、二人の固い握手で決勝リーグ初日は幕を閉じた。
('A`)「今北の爆発から逃げ切ったか…」
( ^ω^)「ラウンジは物凄く強いお。けど…今回こそは負けないお!」
(´・ω・`)「付け入る隙は充分ある。帰ったら部室でミーティングだ。ラウンジの
ゾーン対策を頭に叩き込もう」
一同「うぃっす!」
('A`)「(ギコがあそこまで上手くなってるなんて…そしてそれを抑えきったラウンジの
ディフェンス…)」
( ^ω^)「(1-3-1ゾーンテラヤバスwww)」
(=゚ω゚)ノ「(個人能力では俺らも引けをとらないはずだヨウ。あとはそれをどう活かすか…)」
( ´∀`)「(はわわわわ…どっちもめちゃくちゃ強いモナよ。僕なんかが出ていいのかモナ…?)」
(*゚∀゚)「(今度は兄者相手にダンクかましてやるwww)」
・
・
・
―部室―
(´・ω・`)「…とまぁこんなとこかな。相手の1-3-1ゾーンは体力の消耗がかなり
激しいからフルタイム使ってくることはおそらくないだろう。
対策としては今日の今北のように素早いパス回しで疲労を溜めさせる…みたいな感じかな」
('A`)「理屈ではわかったけどいざやられたらどうだろうな…」
( ´∀`)「想像していたよりも攻略しづらいものだったらパニくる可能性が高いモナね」
(´・ω・`)「さ、今日はこの辺で解散だ。みんな早く寝るんだよ」
一同「アイーンダヨー」
(´・ω・`)「イインダヨー?」
一同+(*´・ω・)ノ「グリーンダヨー!」
ξ;゚听)ξ「(…何この宗教)」
―帰り道―
('A`)「じゃあまた明日なー」
(*゚ー゚)「頑張ろうね!おやすみ」
(*^ω^)ノシ「おっおっwwwぱいぱいだお」
ξ#゚听)ξ「ファーック!」
――デュクシッ!
(#)ω^)「お…」
ξ゚听)ξ「いつまでもたもたしてんのよマヌケ!帰るわよ!」
( ^ω^)「は…把握だお…」
――てくてくてくてく…
(*^ω^)「しかし全国大会まであと一歩なんて自分でも信じられないおwww」
ξ゚听)ξ「あんたは特にね」
(;^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「明日勝って、戦績を2勝にできればインターハイ出場したも同然なわけよね、うん」
( ^ω^)「そうだお。…当たり前のことだお?」
ξ゚听)ξ「ってことは明日の試合がものすごく大事ってことよね!なんとしても
勝たなくちゃね!」
( ^ω^)「……?」
ξ///)ξ「こ…ここまで来たら神頼みでもなんでもありよね!そういうわけではい、これあげる!」
( ^ω^)「…ミサンガかお?」
ξ///)ξ「こ…これはマネージャーとして…!」
(*^ω^)「ありがとうだお!切れないように大事にとっておくお!」
ξ゚听)ξ「…それじゃ意味ないんですけど」
( ^ω^)「…お?」
ξ゚听)ξ「ミサンガは結ぶものなの!常識でしょ!?」
( ^ω^)「そんなこと言われても僕、付け方知らないおwww」
ξ゚听)ξ「あー、もう仕方ないわね!手出しなさい!」
(*^ω^)「おwww」
ξ゚听)ξ「(インターハイに…行けますように…)」
(*^ω^)「(おっおっwww谷間見えるおwww)」
ξ#゚听)ξ「何ニヤニヤしてんのよ!」
――デュクシッ!
(#)ω^)「あぴゃっ…」
ξ゚听)ξ「じゃ…じゃあねおやすみまた明日ね!」
(#)ω^)ノシ「ばいぶーだお」
――タタタタタ…
( ^ω^)「…このミサンガ、ぐちゃぐちゃだおwww」
―ドクオ・しぃ側―
(*゚ー゚)「あの、ドクオ君!」
Σ('A`*)「ナ…ナァニ?」
(*゚ー゚)「これ…あげる!また明日ね!」
――タタタタタ…
('A`*)「本命ミサンガktkrwwwきれいに作ってあるなぁ…」
―その他―
( ´∀`)「そういえばツンちゃんとしぃちゃんからこれ預かってるモナ」
(=゚ω゚)ノ「ミサンガ…白と緑で作ってあるヨウ。器用に作ってあるヨウwww」
( ´∀`)「そっちは多分しぃちゃんが作ったやつモナね。僕のは多分ツンちゃんの
作ったやつモナwwwぐちゃぐちゃモナwww」
( ゚∀゚)「うわっwww俺のもぐちゃぐちゃだwwwあんの貧乳娘……!!」
・
・
(=゚ω゚)ノ「じゃ、俺こっちだからヨウ、また明日なヨウ!」
( ´∀`)「ばいばいモナ。頑張ろうモナ!」
(*゚∀゚)「ラウンジぶっつぶーす!」
第9章 完
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