( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第二部
第11章 againA
インターハイ出場をかけた決勝リーグ2日目の第2試合、ラウンジ学園対VIP高校。
共に初日の試合で1章を記録した者同士、この試合を制すればインターハイ出場が
ほぼ確実となるため両チームがこの試合にかける意気込みは相当なものであった。
第1クォーターは20-17でラウンジ学園が3点リード。しかしラウンジ学園はディフェンスの
スペシャリスト池上がシューターイヨウのアウトサイドシュートを、キャプテンの
フサギコが司令塔のドクオのドライブインを封じ込めVIP高は不利な展開を強いられることとなった。
――ダムッ…ダムッ…
ミ,,゚Д゚彡「(二人の主力を抑えられながらもよく粘る…)」
――キュ……
('A`)「(今度こそ止めてやるよ…)」
ミ,,゚Д゚彡「(良いディフェンスだが…青いっ!!)」
――ダムッ!!
('A`)「ちぃっ…!!!(まずい、抜かれr…)」
――キュキュキュ!!!!
ミ,,゚Д゚彡「むっ!?」
( ^ω^)「(この4番が中に入ってくるからダメなんだお!なんとしてでも止めてやるお!)」
ミ,,゚Д゚彡「(まさかこのタイミングでカバーに来るとは…しかし弟者がノーマークだ!)」
ミ,,゚Д゚彡「弟者!!…アッー!!!」
フサギコはパスを出した瞬間自らの犯した過ちに気付いた。
ペイントエリアに居たはずのジョルジュが弟者へのパスに反応し、飛び出してきていた
からだ。
( ゚∀゚)「(届け…っ!!!)」
しかし無情にもジョルジュの手はほんの数cm届かない。アウトサイドでノーマークの
状態でパスを受けた弟者はすぐにゴール下で放置され呆然と立ち尽くすラウンジFへ
パスを出す。ラウンジFは確実にゴール下シュートを沈める。
( ゚∀゚)「くっそ!みんな、わりぃ!」
('A`)「ドンマイ、気にするな!惜しかったぞ!ブーンもいいディフェンスだったぞ!」
( ^ω^)「お!」
( ´∀`)「一本取り返してやろうモナ!」
(=゚ω゚)ノ「(点差が開き始めてきたヨウ…どうにかして池上から点を取らなきゃヨウ…)」
( ^ω^)「イヨウ、気負いすぎたらいいプレーできないお!落ち着いていこうだお。僕に
いい考えがあるお。言葉じゃ上手く説明できないからアドリブで上手く対応して
欲しいお」
(=゚ω゚)ノ「えらくアバウトだヨウwwwまぁがんがってみるヨウw」
(=゚ω゚)ノ「(ったく、ホントにいい場面で声かけてくれるヨウ、こいつは…)」
――ダムッ…
ラウンジ学園のボックスワンは完全にイヨウ対策である。アウトサイドでうろちょろ
しているブーンにはほとんどディフェンスが来ないことからも、ブーンはラウンジ学園から
事実上の戦力外通告を受けたようなものである。
(;^ω^)「ちょwwww」
しかし、前回のラウンジ学園との試合で学んだことがあった。シュートが入らなくても
何か出来ることがある。言うなればスラムダンクの山王工業戦の赤木状態である。
――キュ…
('A`)「(ブーンがイヨウへスクリーン…?)」
(=゚ω゚)ノ「(まぁボックスゾーンの連中が外に出てこないから池上さえかわせばいいけどヨウ…)」
池上「(俺はそんなに甘くないぞ…)」
――キュッ
ミ,,゚Д゚彡「池上!スクリーン行ったぞ!!」
池上「わかっている!ファイトオーバーだ!!」
――キュキュッ!
右45度付近でブーンのスクリーンを受けたイヨウはストロングサイド、すなわちドクオのいる側に
向かって動く。が、池上はイヨウとブーンの間に割り入り、ファイトオーバーでスクリーンプレー
を止めた。
('A`)「(やっぱダメか…スクリーンへの対処もキッチリしてやがる…ん?)」
ドクオは池上にスクリーンを潜り抜けられたブーンがその場で背後から池上に体を
向けたのを確認した。その瞬間に、ドクオもイヨウもブーンの意思を瞬間的に把握した。
(=゚ω゚)ノ「(頭いいヨウ、ブーン!!)」
イヨウは再び先ほど自分がいた右45度付近へ向かう。そこにはイヨウの意味不明な動きに
思考を巡らす池上にもう1度スクリーンをかけるブーンの姿があった。
――がしっ
池上「(っな…!!)」
(´・ω・`)「ダブルピック!!」
一旦スクリーンをかけてもノーマークになれなかった場合、スクリーナーがその場で
反転して味方にUターンをさせる形で再びスクリーンをかけるダブルピック。
一回目のスクリーンを潜り抜け完全に油断していた池上はダブルピックに気付かなかった。
そしてイヨウは池上を振り切り右コーナーへ。それにあわせてドクオはパスを出す。
――ビッ…ばしっ
(=゚ω゚)ノ「まだまだこっからだヨウ!!」
――シュッ…
「来た!ノーマーク!」
「6番のスリー!!」
――パシュッ
(=゚ω゚)ノ「よーーーーーーっし!!!」
(*^ω^)「やったおーーっwwwwwww」
('A`)「いいぞ、イヨウ、ブーン!!!」
第2クォーター開始1分、22-20。VIP高はワンゴール差に詰め寄る。
池上「(ちっ、俺としたことが…)」
(´・ω・`)「(内藤君…よくやったよ!これでラウンジは内藤君の動きも計算に
入れざるを得ない!)」
前回の試合では弟者に完封され味方のサポートすらできなかったブーン。
ラウンジ学園にとってブーンは「少し足が速いだけ」の選手であったに違いない。
ゆえにラウンジ学園の計算をほんの少しだが狂わせることができるかもしれない…。
ショボンはそう考えた。事実、ラウンジ学園の選手の表情からはほんの僅かではあるが
動揺の色がうかがえる。
――ダムッ…
ミ,,゚Д゚彡「(あの5番…いや、5番だけでなくVIP高の全員が前回よりも上手くなって
きている…)」
ミ,,゚Д゚彡「弟者!」
パスを受けた弟者は左45度でブーンと向き合い、姿勢を低く構える。
ミ,,゚Д゚彡「(そうだ、それでいい…)」
――ダムッ…キュッ!
( ^ω^)「(ワンドリブルで止まって即ミドルシュートかお!速いお…!)」
ワンドリブルでハイポスト付近にまで入り込んだ弟者はシュートを構え跳び上がる。
――ビッ…
( ゚∀゚) ´∀`)モナー「打った!!リバウンd…」
Σ('A`)「…違う!兄の方だ!」
――ばしっ
(´_ゝ`)「いいパスだぞ弟者よ!」
――ガコンッ!
――ウォォォォォォ!アリウープ!アリウープ!我らが流石のアリウープ!ウォォォォォォ!
( ;・∀・)「……上手い…!!」
(;><)「す…すごいんです!」
( ・∀・)「試合の流れの中で狙ったわけでもなく自然とああいうプレーが出てくるというのは厄介だね…」
「第1クォーターから一進一退だ!」
「けどVIP高も全国レベルに全然ひけをとってねぇ!」
「こりゃあもしかすると…もしかするんじゃねぇか?」
――パシュッ
池上「…………!」
「6番の連続スリーーー!」
「とうとう池上を突破し始めたぞ!」
池上「(くそっ、ダブルピックを警戒していたら普通のスクリーンにかかってしまうとは…)」
池上のディフェンス力ならば多少タイミングがズレようがノーマルなスクリーンにならば
充分反応できるはずである。しかしそれを阻んだのはイヨウの瞬発力だった。
池上はこれまでずっとイヨウを完璧なタイミングで抑えてきた。故に池上は、ほんの
一瞬のタイミングのズレが生まれた時、それが命取りになるほどの瞬発力をイヨウが
持っていたことに気付なかったのだ。
――ダムッ…ダムッ…
ミ,,゚Д゚彡「(まさか池上からスリーを…しかも連続で決めてくるとは…)」
――…ダムッ…
ミ,,゚Д゚彡「(だが池上ならばあの程度は自力で修正できる。まだタイムアウトを
とるほどでは…)」
――バチッ
ミ,,゚Д゚彡「!?」
(=゚ω゚)ノ「(今北のディフェンスを参考にさせてもらったヨウ!)」
イヨウが池上のマークを外しフサギコにダブルチームをかけ、ボールをはたく。
コートに落ちたルーズボールはドクオが獲得。しかしフサギコは素早くドクオの前に
回り込む。
ミ,,゚Д゚彡「(速攻は出させん!!)」
('A`)「(……へっ…)」
――ビッ…
ドクオはフサギコのプレッシャーをかわし、誰もいないフロントコートへ向かって
やや山なりにパスを出す。イヨウも前に走ってはいるがいくらイヨウでも遥か前方に
出されたパスはキャッチすることはできないだろう。
「げっwwwあいつどこにパス出してんだよwww」
「あんな前に出したら誰もとれないってのwww」
ラウンジ監督「(ふむ。同点のチャンスを得て気が焦ったか。いやー、危なかっt…)」
ベンチで一息つきかけたラウンジ学園の監督の目の前を風が通り抜けていった。
ラウンジ監督「……ん?」
⊂二二二二( ^ω^)二二⊃「うおおおおお!だおーっ!」
――ばしっ
――ざわざわざわ…!
「あ…あのパスをとった!?」
ラウンジ監督「………!?!?!?!?」
ミ,,゚Д゚彡「バカな…!」
('A`)「あいつをナメてたあんたらが悪いんだぜ」
――ザシュッ
「な…なんだあの5番の走り…」
「腕広げてよくあんなに速く走れるな…」
「てか速いなんて次元じゃねぇよありゃ…」
「なんであんなに前に出されたパスをノーバウンドで取れるんだ…?」
(´<_`;)「………!!」
――ダムッ…
ミ,,゚Д゚彡「(タイムアウトは…まだ…大丈夫だ。ここで相手に連続で決められたら
まずいかもな…)」
――キュキュキュッ!
ミ,,゚Д゚彡「(また6番がダブルチームか…!!)」
ミ,,゚Д゚彡「池上!パス回せ!」
( ゚∀゚)「(リカバー!)」
しかし、フサギコは池上に出しかけたパスのモーションを途中で止める。ジョルジュは
池上へのパスを奪うために飛び出したためラウンジFがゴール下でノーマークに。
ドクオもイヨウもフサギコとは15cmほどのミスマッチがあるためフサギコが頭上から
サッカーのスローインのように両手を振り下ろして投げるオーバーヘッドパスを
止めることはできなかった。
――ばしっ
ラウンジF「(よっしゃ、ノーマークだ!おいしい役回りばっかでありがたいぜ…)」
――がしっ
ラウンジF「やば…」
( ;´∀`)「痛いモナっ!」
――どさっ…
――ピイッ!
審判「オフェンスファウル!紫7番!」
('A`)「ナイスディフェンスだモナー!」
ミ,,゚Д゚彡「(まずいな……ここは絶対に止めなくては…)」
( ・∀・)「いいカバーリングだね。VIP高の全員がカバー、リカバーに出るために
生まれる穴を次々と埋めていく…」
――ダムッ…
('A`)「(ここをとれれば流れを一気に掴めるはず…どうやってとるか…)」
コート全体を見ると、イヨウとブーンのスクリーンプレーに対応するためなのか
ボックスゾーンのイヨウがいるサイドのディフェンスの間隔が少し広がっている。
('A`)「(やっぱり俺はあんまり警戒されてない…。やるならここか)」
――ダムッ!
ドクオは単身ペイントエリアへ。フサギコと弟者の間を突破する。僅かではあるが
広がったディフェンスの穴を、ドクオは針に糸を通すかのように正確なドライブで貫く。
フサギコと弟者を抜くと兄者とラウンジFがカバーに来た。ドクオはバックチェンジで
ドリブルを切り返し、兄者のいるサイドへ向かう。
(´_ゝ`)「(何を考えているつもりだ…?味方はゴール下までフォローに来ているわけでも
ないし…シュートにしてもミスマッチがありすぎだぞ…)」
ドクオは兄者のすぐそばでストップ。体を横に向け、兄者に体を預けながら跳び、兄者から
ボールを遠ざけながら素早くフックシュートを放つ。
――パスッ
(;´_ゝ`)「…ベビーフック…!?」
もともとは背の低いセンターが自分よりも背の高い相手に対抗すべく編み出した
ベビーフック。ガードながらも自分より大きな選手と対戦することが度々あった
ドクオがベビーフックを習得していたのは必然とも言えよう。
ドクオのシュートが決まり、3連続でVIP高の得点。第2クォーター開始3分で22-27と
VIP高が一気に逆転し5点差をつけたところでラウンジ学園はタイムアウトをとった。
――ざわざわざわざわ…
「おいおいマジかよ…」
「ラウンジが苦戦してるな…」
「いや、ラウンジもこのまま黙っちゃいないだろうよ…」
―VIP高ベンチ―
(´・ω・`)「みんないいじゃないか。だが本当の勝負はここからだ。恐らくそろそろ…」
('A`)「1-3-1ゾーン、ですか…」
(´・ω・`)「ラウンジ学園はこのまま手をこまねいているほど甘いチームじゃないからね…
昨日話したことを思い出せば大丈夫さ」
―ラウンジ学園―
ラウンジ監督「いつのまにか随分とレベルを上げてきているな。私も含めて心のどこかに
慢心があったのだろう。向こうの実力を認めて、そしてその上で全力で
戦おう」
ラウンジ一同「はい!」
ミ,,゚Д゚彡「彼らは強い。だが俺たちはそれ以上に強い。気合い入れていこう!」
ラウンジ一同「っしゃあ!」
ラウンジ監督「ディフェンスを変更しよう。全国で勝つチームの戦い方を見せつけてやれ」
――ビーーーーーッ!
オフィシャル「タイムアウト終了です!」
――ダム…ダムッ…
ミ,,゚Д゚彡「兄者っ!」
――ビッ…ばしっ
(´_ゝ`)「ナイスパスです!」
――ダムッ…キュキュッ、ズダッ…
( ´∀`)「(ポストプレー!またベビーフックモナか…!)」
( ゚∀゚)「カバー任せろ!(このシュートは跳びながら打ってるから打点は低い!
多少距離が離れてても充分届くぞ!)」
(´_ゝ`)「先輩っ!」
――ビッ…ばしっ
(;゚∀゚)「くっ…!」
ラウンジF「っしゃ!」
――バスッ
(;゚∀゚)「(シュートかと思ったらパス…。俺がカバーに出てきて7番がフリーになるのを
待ってたのか…)」
(´_ゝ`)「流石ですよ先輩☆彡」
ラウンジF「きめぇwww」
ミ,,゚Д゚彡「さぁディフェンスだ。ハンズアップ!」
ラウンジ一同「おう!」
――キュキュキュッ
「ラウンジ学園がディフェンス変えたぞ!」
「切り札の1-3-1ゾーンだ!」
「とうとうラウンジを怒らせちまったぞこいつら!」
('A`)「(来たな…絶対に攻略してやる!)」
( ^ω^)「(かき回しまくってやるお!)」
('A`)「一本!行くぞ!」
第11章 完
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