( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第二部
第20章 make a wish
( `ω´)「僕が、ギコにつきますお」
('A`)「ぶ…ブーン…?」
(=゚ω゚)ノ「ブーンが…ギコを…?」
ξ゚听)ξ「ば…あんたバカ!?ドクオですら無理なのよ!?あんたなんかには…!」
(´・ω・`)「内藤君、君には申し訳ないがツンさんの言う通りだと思う。
君の実力は認めるさ。だけど…波に乗ってしまった今のギコは…
次元が、違う」
('A`)「スリーだけは打たれないように守るからさ、ブーンはフォローを…」
( `ω´)「過去に縛られたドクオじゃ、ギコにはきっと勝てないお」
('A`)「!!」
確かにブーンの言う通り、ドクオはこの試合で『あの試合』の決着を
つけようと思っていた。
しかしそれは自分自身で決めたこと。
チーム内の誰にも話さなかったし、それが原因で迷惑をかけたつもりもなかった。
今日の試合も、この点差は自分がギコに実力で負けていたからだ。
なぜ気付かれたのだろうか。
考え込むドクオをよそに、ブーンは続ける。
( `ω´)「っていうか今日のドクオ全然楽しそうじゃないお」
('A`)「……!」
( `ω´)「あんな固い表情じゃいいプレーできないお。少し頭冷やすお」
('A`)「ブーン…」
(´・ω・`)「内藤君…」
確かに、脚力だけならばドクオよりもブーンだ。
スキル抜きで考えればブーンの脚力はギコよりも優れている。
しかしそのスキルの差をどう埋めるつもりなのだろうか。
ショボンはブーンに問い掛けた。
( `ω´)「何も考えてませんお」
('A`;)「へっ?」
(=゚ω゚)ノ「え?」
(;´∀`)「冗談モナ?」
(;゚∀゚)「待て待て待て!それはさすがにまずいだろ!」
ξ#゚听)ξ「このバカたれっ!」
(´・ω・`)「……いや、あるいは…」
以前のラウンジ対今北を観た時にもなんとなく感じたことが…。
(´・ω・`)「前言撤回だ。内藤君に、全てを託そう」
ξ;゚听)ξ「しょ…ショボン先生っ!?」
(´・ω・`)「今ギコを止めることのできる可能性が一番高いのは…恐らく内藤君だ」
ξ;゚听)ξ「え、ちょ、ちょ、ちょ……」
――ビーーーーーーーッ!
審判「タイムアウト終了です!」
( `ω´)「…行くお」
ξ゚听)ξ「あっ、ちょっ、ブーン!」
( `ω´)「お?」
――ドボッ!
( ゚ω゚)「おぶぇっ!?」
突如放たれたツンのボディブロー。
まさかいきなり殴られるとは予想だにしていなかったブーンの無防備な鳩尾に決まり
嫌な音が聞こえた。
幸い審判が見ていなかったので大事には至らなかった。
('A`)「ちょwwwツンwwwいきなりどうしたwww」
ξ゚听)ξ「肩に力入りすぎてんのよバカ」
( `ω´)「?」
ξ゚听)ξ「あんたが熱くなってどうすんの!はい、スマイル!」
( `ω´)「ツン…」
(^ω^)「……」ニコーッ…
――デュクシッ!
ξ#゚听)ξ「 こ っ ち 見 ん な 」
(*゚ー゚)「つ…ツンちゃ…」
ξ゚听)ξb「気合い注入完了」
( ^ω^)「ツン…ありがとだお。行ってくるお」
少し伸びた身長。
引き締まった後ろ姿。
歩くたびに筋肉が浮き出るまでに鍛え込まれた脚。
ξ゚听)ξ「(月日が流れるのも早いもんよね…)」
ξ///)ξ「(って何考えてんのよ私。ババくさい…)」
審判「ワンスロー!」
('A`)「(外せ…)」
( ゚∀゚)´∀`)(外せ…リバウンドとって速攻で1本返す…)」
――パシュッ
('A`)「ちっ…」
(#´∀`)「ブーン君!」
ベースラインからモナーがブーンへロングパスを送る。
モナーはギコのフリースローが入った瞬間にボールをとってボールを投げた。
まだ誰もいないフロントコートに向かって。
( ,,゚Д゚)「(けっ…パスミスか。焦りすぎだバーカ)
⊂二二( ^ω^)二⊃「おおおぉぉぉっ!」
( ,, Д )゚ ゚「(……は?)」
ギコの目に、届くはずのないパスをキャッチするブーンの姿が。
続いてブーンがそのままレイアップを決める姿がスローモーションのように映った。
「あの5番やっぱ速ぇなーwww」
「走り方キメェけどなwww」
(*´∀`)「ナイッシューモナ、ブーン君!」
(*^ω^)「おっおっwwwモナーのパスがよかったからだおwww」
('A`)「っしゃあディフェンス!ここ連続でとらなきゃ意味ないぞ!」
VIP高一同「把握した!」
('A`)「ブーン…頼むぞ」
( ^ω^)「お」
――ダムッ…
( ,,゚Д゚)「(はぁっ……?)」
突然目の前に現われたのはニコニコとした顔の5番、ブーン。
ギコは困惑を隠せない。
どうしてこの男が?このチームにドクオ以上のディフェンスが出来る選手が
居るはずがないというのに。
( ,,゚Д゚)「はっ!逃げやがったなドクオ!」
( ^ω^)「わざわざドクオがつくまでもないお。お前なんて僕でももったいないくらいだお」
(#,,゚Д゚)「あん…?ナメてんのかゴルァ!」
( ^ω^)「滅相もないお」
( ,,゚Д゚)「(思い知らせてやろうかマヌケ面ぁ!)」
――ダムッ!
( ゚ω゚)「げふっ…!」
ギコの肩がブーンの胸とぶつかる。空気が漏れて苦しいし、やっぱり痛い。
ドクオは…こんなのを20分以上守っていたのか。
ギコは揺らいだブーンを抜き去る。
('A`)「カバー…!」
( ^ω^)「(安心して見てるお、ドクオ!)」
( ,,゚Д゚)「!?」
抜いたと思っていたはずのブーンが…いや、確かに抜いたはずのブーンが…
いつのまにかギコの正面にいた。面食らったギコは思わずドライブを途中で
止めてしまう。
( ^ω^)ノシ「おー!おーおーおー!おー!」
( ,,゚Д゚)「(ちっ…)ニダー!」
ブーンの予想外のディフェンスにギコはたじろぐ。
攻めきれずに右ハイポストのニダーにパスを入れるギコ。
そのままゴールに向かってパスランするギコをブーンは追う。
ニダーがパスランしてきたギコへの手渡しパスを出すような素振りを見せたため
モナーはギコに警戒をおく。
しかしニダーのそれはフェイクでギコがニダーのすぐそばを通り抜けると同時に
ニダーがハイポストからターンシュートを放つ。
ボールはボード内側の白枠の右上にあたり、リングをくぐった。
――ウォォォォォォッ!いいぞいいぞニダー!いいぞいいぞニダー!
いいぞいいぞテポドン!いいぞいいぞニダー!ウォォォォォォッ!
<ヽ`∀´>「ギコ、ナイスパスニダよ」
( ,,゚Д゚)「……おう」
<ヽ`∀´>「…どうかしたニダ?」
( ,,゚Д゚)「…なんでもねぇよゴルァ…」
( ,,゚Д゚)「(何がどうなってやがるんだゴルァ…何で追いつかれてたんだ…)」
(;^ω^)「お…(いきなり決められたお)」
('A`)「ブーン、あの程度気にするなよ、ナイスディフェンスだ!走るぞ!」
( ^ω^)「お!」
――ダムッ…
('A`)「(14点ビハインド…か。っつーかディフェンスうぜぇwww来んなwww)」
ディフェンスにも一片の気の緩みを見せないギコ。
ドクオはそんなギコのディフェンスからボールを守ることだけで精一杯だ。
( ,,゚Д゚)「おら、どうした抜いてみろやゴルァ!」
('A`)「挑発には…乗らねぇよっ!」
ドクオはステップバックでギコから離れて距離をとる。
その瞬間に右45度のイヨウへパスを捌く。
(=゚ω゚)ノ「っしゃ…」
今北C「(スリーか…?)」
(=゚ω゚)ノ「(違うヨウ)」
スリーポイントライン上でシュートフェイクからのドライブ。
イヨウにだけはスリーポイントを打たせてはいけないため、今北Cの意識も
必然的にスリーポイントへ向き、ドライブへの対応がやや遅れる。
イヨウは小柄な体を低く構えたドライブと強力なクイックネスで今北Cを
完全に抜き去る。
今北C「(こいつ……っ!)」
今北Cを抜き去ったイヨウはそのままインサイドへ。
<ヽ`∀´>「(そのまま突っ込んでくるニダか…?)」
ニダーが判断を迷うと、イヨウは即、ストップしてミドルシュートを放つ。
<;ヽ`∀´>「ホォウッ!?」
ニダーの予想を完全に外したが、シュートは外れた。
インサイド陣がリバウンドポジションを保持するためにスクリーンアウトをする。
( ´∀`( ゚∀゚)「リバウンドぉっ!」
今北E「っぐ……!」
<ヽ`∀´>「(前に回り込めないニダ…こいつら上手いニダ…!)」
空中のボールにインサイドプレーヤーたちが一斉に飛びつく。
リバウンドを獲得したのはモナー。
ニダーが完全に自分の背後にいたので目の前には敵がいない状態だ。
モナーはそのまま着地してすぐにジャンプシュート。
ノーマークで与えられたシュートチャンスは確実にものにする。
――ダムッ…
( ^ω^)ノシ「おー!おーおーおー!おー!」
( ,,゚Д゚)「(けっ…お前じゃ役不足だぞゴルァ)」
もう一度ブーンを抜くギコ。
しかし体をぶつけて抜いたはずのブーンが気付いた時には前にいる。
( ,,゚Д゚)「(どうなってやがるんだゴルァ!?)」
ξ゚听)ξ「ショボン先生……?」
(´・ω・`)「ギコ…。彼はプレーが直線的すぎるんだよ」
ξ゚听)ξ「それはなんとなくわかりますけど…だからってなんでブーンが
止められるんですか?」
(´・ω・`)「脚力ならば内藤君はドクオ君よりもギコよりも優れている。
そしてドクオ君はおそらく頭の中で、少なからず過去のギコを
思い描いていたはずだ」
(*゚ー゚)「あ…なんとなくわかるかもしれないです」
(´・ω・`)「そして過去と現在とのギャップのために、判断が一瞬遅れる。
ギコはそのスキを突いてくる。その繰り返しさ」
ξ゚听)ξ「ギコと初めてマッチアップするブーンには…」
(*゚ー゚)「余計な考えがない…?」
(´・ω・`)「そういうことかな。加えてギコの直線的な動きに内藤君の脚力。
いくつかの条件が上手く重なり合ったために今の状況がある」
ξ゚听)ξ「ブーンなら抜かれてからでも追い付ける余裕がある…?」
(´・ω・`)「実力的にはギコの方が上かもしれないがそれを瞬発力と脚力でカバーしてる…
って感じかな」
ξ゚听)ξ「ってことはもし相手が縦横無尽に動き回って、かつ緩急も
活かしてくるようなタイプなら…」
(´・ω・`)「まぁまったく歯がたたないだろうね」
ξ;゚听)ξ「……(ハッキリ言うわねw)」
「おいおい今北の7番が攻めきれねぇぞ!?」
「VIP高には4番よりもディフェンスが上手いやつがいたのか!?」
( ^ω^)ノシ「おー!おーおーおー!おー!」
( ,,゚Д゚)「(くそっ…やかましい奴だなゴルァ…)」
思い通りに攻められないギコには次第にイライラが募ってゆく。
( ,,゚Д゚)「(こいつ、俺にはドライブしかないとでも思ってんのかゴルァ!?)」
ギコにそう思わせるほどにブーンのディフェンスはギコのドライブを
ことごとく止めていた。それならば、とギコはステップバックしてスリーポイントを
放つ。しかし、そのステップバックにもブーンは素早く反応し
シュートチェックをする。
( ^ω^)「(かすった…はずだお!)」
シュートはブーンの指先をかすめ、軌道をわずかに上へ逸らす。
――ガツッ
( ,,゚Д゚)「!?(外れた!?)」
( ^ω^)「(やったお!)リバウンドだおっ!」
( ゚∀゚)「任せろっ!」
ボールがリングに当たって跳ね上がる。ジョルジュはボールが落下を始める前に
リバウンドする。そして着地する前に空中で体をひねってドクオへパスを出す。
ドクオはそのまま速攻に走るブーンへパスを出す。
( ^ω^)「ナイスパスだお!!」
( ,,゚Д゚)「な…(なんであんなに前にいやがんだゴルァ!?)」
「は…はやっ…」
「てか8番のリバウンドやばすぎだろ…リングよりも上でとってたぞ」
――ザシュッ
('A`)「よーし、ナイスだぞブーン!!」
(■_■)「………」
流れが変わり始めている。
ギコが波に乗っている状態だというのに…。
どうなっている?
田守は戸惑いを隠せない。
(■_■)「あの5番…か…?」
――ダムッ…
( ,,゚Д゚)「くっ…(何で抜ききれないんだゴルァ…!?)」
もう一度ドライブ。今度こそ抜いたはずだ。
しかしこの男は何度体が接触しても、何度抜いても気付いた時には前にいる。
( ^ω^)ノシ「おー!おーおーおー!おー!」
( ,,゚Д゚)「(クソ野郎……!!)」
ギコはワンドリブルからブーンを振り切れて居ない状態のまま
強引にジャンプシュートに持ち込もうとする。
しかしギコがシュートモーションに入る頃にはブーンはやはりギコの正面に居た。
ギコがボールを頭上に持っていこうとした瞬間を狙ってブーンはボールをはたき落とした。
ボールはそのまま床に当たってワンバウンドする。ブーンはそれをキャッチし、走り出す。
('A`)「(ブーン……最高だ…!!)」
( ,,゚Д゚)「(この俺がこんな奴に…!!)」
自らの凡ミスに腹を立てるギコ。
ブーンを追いかけようとしたその時、自分が止められていた原因を悟った。
ほんの2,3歩のステップだけでブーンに1m近くも差をつけられていたのだ。
( ,,゚Д゚)「(なんなんだこいつの脚力は!?)」
(■_■)「ギコと5番の相性が最悪だな…」
ブーンのレイアップが決まると同時にオフィシャルのブザーが鳴った。
オフィシャル「タイムアウト!水色!!」
第3クォーター残り3分。
VIP高58-64今北産大附今北。
VIP高の反撃が始まろうとしていた。
第20章 完
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