( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第二部
第35章 動き始めた歯車
年が明け、新しい一年が始まりを告げていた。
VIP高校バスケ部の歯車は再び動き始めた。
イヨウの退部によって抜け落ちた歯車は彼らの全てを狂わせた。
しかしそれはブーンを中心としたメンバーの尽力によって修正された。
一度狂った歯車は簡単には元には戻らないかもしれない。
だが彼らはそれを少しでもかつての状態に戻そうと日々努力を積んでいる。
すぐには戻らないかもしれない。しかし時の流れがそれを修正してくれるはずだ。
そして新たな歯車は彼ら以外のところでも動き始めていた。
―ラウンジ学園―
私立ラウンジ学園。ウィンターカップ県予選では決勝戦で今北の猛追に
苦しみながらも終盤にフサギコの粘り強いプレーで流れを一気に引き込み、
僅差で優勝を飾った。そして迎えたウィンターカップ本戦。
初戦を見事に突破し、2回戦も快勝を飾った彼らだったが、3回戦で全国大会常連校の
強豪・さいたま商業と対戦した。
どちらかといえばディフェンスに重点を置くラウンジ学園。
対するは全国でも五指に入るであろう、正真正銘のディフェンシブチーム。
彼らもまた1-3-1ゾーンディフェンスを得意とするチームだったがラウンジ学園の攻撃的な
それとは違い、徹底的にしつこく時間を費やさせるそのディフェンスにラウンジ学園は
攻めあぐねる。流石兄弟にフサギコを加えた3人のコンビネーションをもってしても
その牙城を崩す事は難しく、ロースコアな展開で守り勝ちされ、涙をのんだ。
ミ,,゚Д゚彡「俺たち3年は今日で引退だ。先輩達が越えられなかった全国ベスト4の壁は
越えられなかった。悔しいとは思う。だが……不安はない。お前達がいるからな」
(´_ゝ`)「(フサギコ先輩……)」
引退を迎える3年生部員達の周りに集う1、2年生部員は静かにフサギコの話に耳を傾けている。
おそらく泣き腫らしたのであろう、目の周りがこすられて赤くなったフサギコの表情を見れば、
彼がどれだけこの3年間にかけていたかが容易に窺える。
ミ,,゚Д゚彡「俺たちは信じている。お前達ならば俺たちが越えられなかった壁を越えてくれると。
来年の今頃には俺たちを越えたお前達が笑顔でこの場に立っている事を」
(´<_`)「(そうだ…もう先輩達はいない。俺たちがこのチームを引っ張っていかなくてはならないんだ…)」
ミ,,゚Д゚彡「来年のニュー速県は間違いなく激戦区になる。この間は何とか今北に勝てたがやつらは
現2年生メイン。来年はさらに強くなるだろう。そして……VIP高校。
奴らも…もう格下なんてレベルじゃない。気の抜けない相手だ。これから先、簡単には
勝てないかもしれない。辛いこともたくさんあるかもしれない。それでも…頂点に立つ事を目指して
頑張って欲しい」
淡々と、それでいて力強く自らの思いを告げるフサギコ。
彼の意思はきっと十二分に部員達に伝わっているはずだろう。目にうっすらと涙を浮かべている部員も
ちらほらと見てとれる。
ミ,,゚Д゚彡「来年こそは…お前らが…」
徐々に涙をこぼし始めるフサギコ。次第に言葉を発することもままならなくなってゆく。
ミ,,;Д;彡「ぜん……ぜん…」
ミ,,;Д;彡「ダメだ……タッチ」
池上「来年こそはお前らが全国への切符を手に入れてくれ!!!」
ミ,,;Д;彡「あっさり……!!」
(´_ゝ`)「池上先輩、俺たちが狙うのは全国優勝ですよwww」
池上「おっといけない。なんだかどうしてもこう言わなければならないような気がしたんだ」
(´<_`)「というか来年ではなく今年です、先輩。最後の最後まで先輩らしいですよww」
ミ,,;Д;彡「全くだwwこの馬鹿野郎ww」
池上「フハハハハハ!!ずっと俺のターン!!!」
ラウンジ一同「バーローwwwww」
たすきは確かに次の世代に渡された。
フサギコを始めとした3年生たち(池上を除く)の思いをしかと受け止めた
部員達は確固たる想いを胸に、全国優勝を誓い合った。
―今北産業大学附属今北高校―
私立今北産業大学附属今北高等学校。ウィンターカップ県予選決勝では惜しくもラウンジ学園に敗れ
全国大会出場を逃した。彼らもまた、大きな夢に向かい、そして志半ばでリタイアを余儀なくされた
者達だった。
今北C「今日で俺たちも引退する事になる。思わしい結果を出せなかった事は残念だ。だけど
お前たちとこの体育館で過ごした思い出は一生消えないだろう。辛く、苦しい3年間だったかもしれない。
途中で何度諦めようかと思ったかわからない。けど、今は本当に満ち足りた気分だ。
このチームでバスケが出来て…俺は本当に幸せだった。心から例を言いたい。ありがとう」
( ,,゚Д゚)「(先輩……ゴルァ)」
<ヽ`∀´>「(いざいなくなるとなると案外寂しいものニダ…)」
川 ゚ -゚)「(まぁ私は彼らとはほとんど関わりがなかったわけだが。結局去年はコートに立てなかったしな)」
今北C「ギコ」
( ,,゚Д゚)「は、はいっ」
今北C「お前に…任せるぞ。このチームを。俺には随分と荷が重かったがお前ならやれる。
このユニフォームを受け取ってくれ。お前が…キャプテンだ」
( ,,゚Д゚)「……はいっ!!!ヴァン師匠(師匠と書いてせんせいと読む)…ありがとうございましたっ!!」
ヴァン「ルーク…」
こっちは結構あっけなく世代交代した。
同じように、全国の高校で想いは受け継がれていた。
FOX学院ではジエンが、ひろゆき高校では荒巻がそれぞれチームを支え、一方は挑戦者として、
もう一方は王者として、自らの更なる向上を誓った。
そして数週間の時が経ち、戦士達は2度目の新人戦を翌日に控えていた。
―体育館―
(´・ω・`)「みんな今日もお疲れさま。さぁ、いよいよ明日は新人戦だ。今回はラウンジも
今北もぶち殺すぞ。おっと、1年生は初めてだね」
( ^ω^)「イェア!!」
('A`)「今回こそは…負けませんよ」
(=゚ω゚)ノ「絶対に…ぶっつぶしてやるヨウ」
( ´∀`)「地方大会は県外のチームとも試合できるモナ。県を制して地方大会に出て…
それでもって地方大会でも優勝してやろうモナ!!」
( ゚∀゚)「ラウンジのやつらにも今北のやつらにも一潮吹かせてやろうぜ!!」
練習後、各々の自主練習に取り組む。試合の前日と言う事もあり、今日はみな普段よりも
少し早めに練習を切り上げた。
―ブーンの家―
( ^ω^)「ふぃーっ…今日も疲れたお…」
明日の初戦の相手は海馬コーポレーション高校。
初めて聞く名前のチームだが、油断はできない。順当に勝ち上がれば準決勝で今北と、
決勝で逆ブロックのラウンジ学園と対戦する事になっている。
今北にもラウンジにもこれまでの借りを返し、一気に駆け上ってやる…ブーンはそう考えていた。
そしてブーンに限ったことではなく、ニュー速県のバスケ部全てにとって、ある大きな歯車が
今北に組み込まれていたなどとは知る由も無かった。
翌日、VIP市立体育館。現在は試合前のアップを終え、試合前の最終ミーティングに
入っているところだ。
――ざわざわざわ……
「今日はVIP高校の試合があるな…どうする、見てくか?」
「んー…どうしよ、あいつら前回クソだったことね?見る価値ねーだろ」
「だなー…」
「俺は一応見てこーかなー…」
「ていうかVIP高校の対戦相手の海馬コーポレーション高校…ここどういうチームなんだ?」
「ワカンネ…海馬コーポレーション高校だけでも見てくか…」
試合会場は、現在のVIP高校を興味半分で観る者、海馬コーポレーション高校などという不思議な
校名に興味を持った者たちが訪れていた。
(´・ω・`)「いいかい?相手がどんなチームだろうと関係ない。とにかくぶち殺す。それだけさ」
('A`)「つぅか相手まだ来てねぇじゃん…」
( ^ω^)「こりゃ不戦勝かもわからんね…」
ブーンがそう言った時だった。
コート入り口から真っ白なユニフォームに身を包んだ海馬コーポレーション高校の部員と思わしき
者たちが現れた。なぜかはわからないが、その全員が、襟が不自然に大きく立った真っ白なコートを
身に着けている。
( ^ω^)「こりゃパナウェーブ研究所の参加の組織かもしれんね…」
――バババババババ……!!!
ブーンがそう言った時だった。突如、耳をつんざくような騒音が体育館内を覆う。
(=゚ω゚)ノ「うおっ…うるせぇヨウ…なんだヨウ、この音…?」
( ゚∀゚)「な…なんだぁ!?この音!?」
( ´∀`)「この音は…ヘリコプターだモナ!!」
('A`)「な…なんでヘリコプターがこんなとこに来るんだよ!?」
( ^ω^)「テロかお!?新手のテロなのかお!?」
会場内は一瞬にして混乱に包まれた。そして、会場内に満ち溢れる混乱を逃がすかのように…
会場の天井がドームの野球場の天井のようにゆっくりと開き、日の光が差し込んできた。
ξ゚听)ξ「な…何よ、何なわけ!?ここってこんなビックリ仕掛けがあったわけ!?」
(*゚ー゚)「こんなの初めて見るんだけどー!!どうなってるのー!?」
天井が完全に開ききるまでも、騒音は続いていた。そして会場内の人間の目に飛び込んできたのは、
ヘリコプターからおろされた縄梯子にぶらさがっている一人の男の姿だった。
「ワハハハハハハー!ようこそ諸君!!この俺こそが海馬コーポレーション高校の
創設者であり理事長でありバスケ部の監督でありキャプテンでもある……」
, ´ ̄`Y´  ̄`ヽ
/ \
/ ヽ
,' / , / , i | i ヽ
| i ! / / イ ! | / / | |/
i | //∠/| / //_|∠| /i/
〉-、 |`‐゙='-`| //-゙='‐1‐v' 海馬瀬人だ!!!!
!f`i i| ィ '〈!' ,|f リ ワハハハハハハハ!!!
.ヽニ/ .! iニニニ'7 /ァ'
レ | v−y //-‐ 1
/ o |\ ` ̄ .イ/ |
d ,. -‐┴i ヽ- ' ! _, ―┴ァ
‐┴' o | ̄ ̄ ̄「 /
言うまでもないが会場内は凍りついた。
観客席に居る観客達、VIP高校のメンバー達、審判、テーブルオフィシャルズ…。
突然の出来事に、反対側のコートで行われていた試合も一時中断され、全員があっけに取られていた。
そんな中、海馬コーポレーション高校の部員達だけがにやにやしている。
見ると、彼ら全員の腕にはデュエルディスクが装備されていた。
海馬「とうっ!!」
突如、縄梯子からコートに飛び降りてきた海馬瀬人。お前、土足でコートに…と咎めようとも
咎めようがなかった。なぜなら海馬は律儀にもバッシュをはいて飛び降りてきたからだ。
海馬「時間だ。始めろ!!」
( ^ω^)「ちょ…ちょっと待つお!!」
海馬「なんだ貴様は!!こんなレアカード、俺は36枚持っているわ!!」
( ^ω^)「お…お前は一体何者なんだお!!」
ムサシ「なんだかんだと聞かれたら」
コジロウ「答えてあげるが世の情け」
ムサシ「世界の破壊を防ぐため」
コジロウ「世界の平和を守るため」
ムサシ「愛と真実の悪を貫く」
コジロウ「ラブリー・チャーミーな敵役」
ムサシ「ムサシ!」
コジロウ「コジロウ!」
ムサシ「銀河をかけるロケット団のふたりには…」
コジロウ「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!」
ぶちスライム「にゃーんてな!!」
海馬「…というわけだ。俺は海馬コーポレーション総帥。
そしてこの海馬コーポレーション高校の創設者であり理事長であり
バスケ部の監督でありキャプテンであり…そして…孤高の決闘者(デュエリスト)…」
, ´ ̄`Y´  ̄`ヽ
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/ ヽ
,' / , / , i | i ヽ
| i ! / / イ ! | / / | |/
i | //∠/| / //_|∠| /i/
〉-、 |`‐゙='-`| //-゙='‐1‐v'
!f`i i| ィ '〈!' ,|f リ 海馬瀬人だ!!!覚えておけ愚民ども!!フハハハハハ!!!!
.ヽニ/ .! iニニニ'7 /ァ'
レ | v−y //-‐ 1
/ o |\ ` ̄ .イ/ |
d ,. -‐┴i ヽ- ' ! _, ―┴ァ
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( ^ω^)「さ…さっきいた2人と1匹はなんなんだお!?」
海馬「あれはバイトさんだ」
('A`;)「…こ、こいつ…イカれてやがるぜ…」
海馬「さぁデュエルを始めるぞ!!この日のためだけにわざわざこの体育館を改造したのだからな!!」
(=゚ω゚)ノ「んなっ…!?」
( ´∀`)「勝手にそんなことしちゃダメなんだモナよ!!」
海馬「フハハハ!!心配するな!!今日の試合が終わったらまた元通りにしておいてやるからな!!フハハハハ!!!」
ξ゚听)ξ「なんてもったいないことを…」
(*゚ー゚)「っていうか基地g…」
海馬「さぁ、審判よ!!吹き鳴らせ、デュエルの始まりを告げる笛をな!!」
審判「こちらとしてもそうしたいのですが……腕につけている『それ』、外してくれないと…」
海馬「貴様!!デュエリストに向かってデュエルディスクを外せだと!?愚弄しているのか豚野郎!!」
審判「失格にしちゃうよん」
海馬「許せ…ブルーアイズ……」
審判「それではVIP高校対海馬コーポレーション高校の試合を始めます!!!」
・
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・
・
・
審判「試合終了!!!!」
VIP高校204-12海馬コーポレーション高校
(;^ω^)「……」
('A`;)「……」
(´・ω・)「なんだろね、これ。とってもやるせないよ」
海馬「俺たちのバトルシティは終わらない!!さらばだ!!!!!!」
(=゚ω゚)ノ「…帰りは歩きなのかヨウ…」
( ´∀`)「これは…夢モナか…?w」
( ゚∀゚)「んだよ、張り合いねぇな……」
同時刻、別会場――
――ウォォォォォォ!!!!今北今北今北今北!!!
( ,,゚Д゚)「ソォォォォォォォッ!!!!!」
今北一同「おおおぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
「お、今北がアップしてる」
「次は今北か。見ていこうぜ」
「ん…?今北ってマネージャーいたのか?」
「は?お前何言ってんの?」
「ほら、あれ…」
観客の一人が指差す先には肩にかからほどにまで伸ばされたツヤのある黒髪を持つ人物。
そしてその人物は背中に、制服姿の某SOS団団長がでかでかとプリントされたTシャツを着て
アップに参加していた。さらにその頭には某SOS団団長とお揃いの黄色いカチューシャをしている。
なんと言うか、いかにも場違いだった。
「今北って男子校だろ?ってことはあれ男??wwwwきめぇwww」
「ハルヒ厨wwwwっうぇwww」
「しかも試合前にとかwww公衆の面前でwwwねーよwwwww」
( ,,゚Д゚)「集合!!!」
程なくして試合が始まった。
相手は決して弱くはないチーム。だがしかし、今北は序盤から完全に試合の主導権を握り、
第3クォーター残り3分ですでに120点以上の得点を叩き出している。そして迎えた第4クォーターで…。
(■_■)「クー。行くぞ」
川 ゚ -゚)「把握した」
オフィシャルのブザーが鳴り響き、交替が告げられる。コート脇に立っているのは黄色いカチューシャと
背番号10番を身につけた長髪で華奢な、女顔の少年。
「ちょwwwハルヒ厨出てきたぞwwww」
「やべwwwwwウケるwwwwww」
川 ゚ -゚)「(やれやれ…レベルの低いやつらだなまったく)」
審判「あー…キミキミ」
川 ゚ -゚)「む?」
審判「カチャーシャは危険だから外してくれないと…出場を許可できないよ」
川 ゚ -゚)「これはカチューシャに似せたヘアバンドだ。私が改造した。
カチューシャは部屋に飾ってあるぞ」
審判「いや、けどさぁ…プンッ、もう知らないんだからっ」
( ,,゚Д゚)「クー、緊張しなくて良いからな。勝ちももう決まったようなものだ。
好きにやればいいぞゴルァ」
川 ゚ -゚)「お言葉に甘えて…好きにやらせてもらうぞ」
対戦相手A「く…くそっ、来てみろよこのオカマ!!!」
川#゚ -゚)「ほおう…言ってくれるじゃないか。カスが」
対戦相手A「カスだとぅ!?そんなことはこの俺をぬいてから言ってみやがれってんだ!!」
川 ゚ -゚)「ギコっ!!!」
( ,,゚Д゚)「っしゃ!」
スリーポイントライン付近でマークマンを振り切ってパスを受けようとするクー。
クーのマークマンは、あまりにも早いクーのVカットに反応できず、やすやすとボールを与えてしまう。
そしてクーはパスミートを行う。ボールに向かって1歩ほどの距離を動き…。
パスを受けるか受けないかのその刹那、パスをキャッチしたら軸足となるであろう足を素早く
リングの方向へと向けてパスをキャッチする。さらにその瞬間に軸足を中心に尋常でない
スピードで体をリングの方向へ向ける。体がリングの方を向いた頃にはクーは既にドライブの体勢に
入っており、Vカットにも反応できていなかったマークマンは完全にクーを見失っていた。
スリーポイントライン付近からワンドリブルのみでゴール下まで攻め込んだクー。
相手のインサイドプレーヤーがカバーに入ることを判断する頃には、クーはらくらくとレイアップを
沈めていた。
対戦相手A「へ…?どうなってんの…?」
<;ヽ`∀´>「な…何ニダか、今のドライブ…?」
(;,,゚Д゚)「は…速すぎる……」
天才だ…と田守はベンチでボソリと呟いた。
試合はその後もクーがインサイド・アウトサイド問わずに得点を量産し第4クォーターのみで
今北は52得点もの得点を叩き出し、圧勝した。ギコを始めとした主力メンバーはベンチに引っ込み、
出場しているのは2軍の選手がメインだったにもかかわらず、だ。
初めはクーをバカにして野次を飛ばしていた観客達も、今となっては
自分達のすぐ側にいるクールな怪物の姿を見て、自らの愚かな行為を
恥じてただただ縮こまるしかなかった。
第35章 完
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