( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第24章 速攻




――ちーんぽーんかーんとーん…
その日の授業後。

(*^ω^)「バスケするおー!!!」
('A`;)「(また寝てやがった…こいつは反省ってことを知らないのか…?)」

――体育館

('A`)「VIP高ぉーーーーーーー!ファイッ!」
一同「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」

――ダンッ!ダンッ!ダンッ!

('A`)「フットワーク!」
一同「っしゃあ!」
 ・
 ・
 ・
いつものようにフットワークが終わる頃、ショボンが体育館へやってきた。

('A`)「集合!」

――ダダダダ…キュキュッ!!

('A`)「こんにちは!!」
一同「こんにちは!!」
(´・ω・`)「うん、お疲れさま。ユニフォームとジャージの件だけど教頭先生が
       快く引き受けてくれたよ。チームTシャツまで作ってくれるそうだ」


(*^ω^)「mjdwww教頭GJだおwww」
('A`*)「(教頭って絶対俺らのことよく思ってないはずなのに…しっかり
    説得してくれたんですね…感動ですショボン先生!)」
(=゚ω゚)ノ「届くのが楽しみだヨウ」
( ´∀`)「早くユニフォームで試合したいモナ」
(*゚∀゚)「同じく!バスケのユニフォームってカッコイイんだよな!!」
(´・ω・`)「ユニフォームとジャージは1ヵ月くらいかかるようだけど
      Tシャツは2週間くらいでできるようだ」
一同「ヤターー!!ありがとう、ショボン先生!」

彼らは、何も知らない。
彼らは、何も知らなくていい。

(´・ω・`)「さて、ちょっと話が逸れたけれど、昨日のビッパーズ。
      なかなかに統率のとれた動きだったね?」
('A`)「はい、攻守両面においてチームでの意思の疎通が確かなものとなってました」
(´・ω・`)「その通り。誰か彼らにやられた速攻がどんなものか覚えているかい?」
(=゚ω゚)ノ「リバウンドとった瞬間にみんながごちゃごちゃと走りだしてたヨウ」
( ´∀`)「気付いたら速攻の形を作られてましたモナ」
( ゚∀゚)「んでもって速かったです。迷いがなかったって言うか…」
(´・ω・`)「そうだね。それは実際にやられた君たちが一番よくわかってると思う。
       じゃあうちが何本か決めた速攻はどうだっただろうか?」


(*^ω^)「僕がガンガン走りましたお!」
('A`)「ドリブルで速攻に持ち込んだり誰か一人を走らせることしかしなかった…?」
(´・ω・`)「そう。あの速攻もそれなりに速かったが上に行くにつれて
      通用しなくなる。速攻というものはある程度の『形』が基盤になっているんだ。」
(=゚ω゚)ノ「形…」
(´・ω・`)「スリーメンと言って、3人がパスを出し合いながらオールコートを
       走ってレイアップを打つ練習がある」
( ^ω^)「中学の時やったけどしんどくて大変だったお」
(´・ω・`)「あれはただのシュート練習ではなく速攻の『形』を覚える上で
       非常に重要な練習なんだよ」
('A`)「そういえば『バランス考えろ』ってよく言われたな」
(=゚ω゚)ノ「オールコート走るプレーに関してはサッパリだヨウ
     (ストリートはハーフコートの3on3がメインだったしヨウ)」
(;´∀`)「僕もさっぱりわからないですモナ」
(;゚∀゚)「俺もさっぱりんちょです」
(´・ω・`)「うん、そうだろうと思ってね。今日はまず速攻の『形』について
       説明しようと思う」




(´・ω・`)「とりあえず仮にトップにいる選手を@、左45度をA、右45度をB、
      左ローポストをC、右ローポストをDとするとしよう。字が汚いのは
      許してほしい。」






(´・ω・`)「そしてDがリバウンドをとったとしよう。同じサイドにいるBは
      Dがリバウンドをとった瞬間にコーナーへ走りDからパスを受ける。
      これは『サイドアウト』と呼ばれる。そしてBがコーナーへスタートを
      きるのと同時に@はBの向かったサイドと逆サイドへ走り、
      サイドライン沿いにゴールへ走る。さらにBの逆サイドにいたAは
      @が走ったことで生まれたスペースへ走り込む。
      ちなみに矢印は選手の動きを、点線の矢印はパスの動きを表しているよ。」







(´・ω・`)「そしてDがBへパスを出し、Bは空いたスペースに走り込んできたAへ
      パスを出す。その後Bは真っすぐパスラン。Aは自分を中継としてすぐに
      @へパスを出す。その後Aも真っすぐパスラン。
      ちなみにコート左側に向かって攻めているよ。」






(´・ω・`)「すると@ABの3人で三線速攻の形ができるね?そしてCは少しタイミングを
      ずらしてボールがある側のサイドを、3人を追い掛ける形で走る。
      さらにCよりも少しタイミングをずらし、DもCを追い掛ける形で走る。」






(´・ω・`)「そしてそのまま速攻の先頭にいる@がレイアップ。これをパターン1と
      しようか。
      赤い線はシュートを表しているよ。」






(´・ω・`)「そして大事なのはここからだよ。ディフェンスの戻りが速く、シュートに
      行けなかった場合だ。黒い丸はディフェンスを表しているよ。ここで出番と
      なるのがC。空いているゴール下のスペースへ走り込む。」






(´・ω・`)「そしてフリースペースのCへパスを出してCがシュート。
      これをパターン2としよう。」





(´・ω・`)「それじゃあCもディフェンスに止められてしまった場合だ。こういう時は
      どうすればいいだろうか?」





(´・ω・`)「そんな時はCが逆サイドへディフェンスをつれて走り抜ければいい。
      するとCのいたスペースが空くね?あとはもうわかるだろう?」



( ^ω^)「Dが走り込んでシュートですお!」
(´・ω・`)「そういうことだね。これがパターン3だ」
(´・ω・`)「ただし、これは動きを出来る限りわかりやすく説明するためのものだ。
      実際の試合では5人がちょうどこのポジションに居ることなどあまりないし
      誰がリバウンドを取るかもわからない。今説明したのはただの例だ。
      様々な応用があるけれどそれはこれから練習していこう」
(=゚ω゚)ノ「最初の図で@ABの誰かがリバウンドを取ったらどうなるんですかヨウ?」
(´・ω・`)「そうしたら@ABでそのまま三線を作って攻めちゃえばいいよ」
( ゚∀゚)「リバウンドを取ったのが最初の図でのCだったら?」
(´・ω・`)「そうしたら今説明したことと逆に行えばいいんだよ。Aが
      コーナーへ出て…といった具合にね」
(=゚ω゚)ノ「ビッパーズの連中はこんなことをあのスピードでやってたのか…」
(´・ω・`)「いや、同じというわけではないんだ、すまない。」
( ´∀`)「それぞれのチームが違うパターンを持ってるって事ですかモナ?」
(´・ω・`)「そう。そして今説明したものは本当に基本的な形だからね」
( ゚∀゚)「充分難しかったですよ…」
(´・ω・`)「ビッパーズはとてつもない練習をこなしているからね」
(´・ω・`)「例えばだ。内藤君、8×6は?」
( ^ω^)「…?48ですお」
(´・ω・`)「5×3は?」
( ^ω^)「15ですお」
(´・ω・`)「じゃあ9×7は?」
( ^ω^)「53ですお」
一同「………」


(´・ω・`)「…ま、まぁあれだ。内藤君ですら言える九九。みんなも小さい頃
      苦労しただろう?でも今は普通に言える」
( ^ω^)「……?」
(´・ω・`)「勉強で何かを覚えること、泳げるようになること、歩けるようになること…
      何かを『当たり前』にできるようになるにはとてつもない数の反復をこなさなければ
      いけない。それはバスケットにおいても然りなんだよ」
( ^ω^)「僕達もいっぱい練習すればあんな風にきれいな速攻ができるようになれますかお!?」
(´・ω・`)「もちろんだよ。でなければこんな話はしないよ」
( ゚∀゚)「あんなふうにやれたらカッコイイだろうなぁ!おいみんな!早く練習しようぜ!」
一同「やるどーーー!!」


(´・ω・`)「じゃあまずは最初に説明した形をやってみよう。ゆっくりでいいから
      『形』を身につけるんだ」

――キュッ…ビッ…

( ^ω^)「えっと…どっちに出すんだったかお…?」
(=゚ω゚)ノ「走るコースは…ここだったかなヨウ…?」

(´・ω・`)「そう、始めはゆっくり、型にこだわればいいよ。何度も言うけれどこれは
      速攻の基本だからね。この形を覚えておけば応用も容易になる」


( ゚∀゚)「ブーン!真ん中にボールをもらいに来る時の動きが甘くないか??」
( ^ω^)「お?」
(´・ω・`)「そうだね。試合ではディフェンスがいるんだ。特に相手にとっても速攻は
      して欲しくないプレーのひとつだからね。スピードの緩急をつけて相手を振り切る。
      速攻での判断は一瞬だからね。短い間でもノーマークになれればいい」

――キュッ…キュキュッ…パスッ…

(´・ω・`)「うん、今のような感じ。徐々にスピードをつけてやれるようにしようね。
      あと、誰がどこでリバウンドを取ってもこの形に出来るように皆が5箇所全部の練習をすること」
( ^ω^)「結構ハードだおwww」
 ・
 ・
 ・
(´・ω・`)「うん、それじゃあ今日はこの辺にしておこうか」
一同「うぃっす!」

('A`)「VIP高ぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!ファイッ!」
一同「大おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

――ダン!ダン!ダンッ!


('A`)「集合!」

――ダダダダ…キュキュっ

('A`)「ありがとうございました!!」
一同「ありがとうございました!!」
(´・ω・`)「うん、お疲れ様。明日からは基礎練に加えて今日のような
      やや実戦的な練習も行っていこう」

少しずつ学び、着々と力を付けていくVIP高校バスケ部。
まだチームを結成したての彼らにとっては県内公立高校大会までの約3ヶ月間を
どう過ごすかによって県内公立大会での初戦敗退にも、あわよくば優勝にも
変わってくるのだ。
そのためにブーンたちは今日も、走る。

第24章 完


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