やあ(´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このスレタイを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、このスレを立てたんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。
……ん?僕の昔話かい?うーん…まぁ構わないけどね。暇だったしさ。
第2部もgdgdになりながらも完結させられたし、第3部までのつなぎと
思って僕の話を聞いてくれれば嬉しいな。準備はいいかい?そろそろ始めるよ。
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
Side Story 〜his way 前編〜
もの心つく頃には僕の家族は僕のほかに一人しかいないということを理解していた。
そしてそれが周りとは異なった状況であるという事も。その家族というのは
双子の兄貴のシャキン。僕とは瓜二つの顔を持つ兄貴だったんだ。
そして僕達二人は小さい頃から孤児院で暮らしていた。けど僕たちはそれに
違和感を感じなかったしそれどころか孤児院での暮らしを幸せだと感じていた。
小学校の頃は何事も無く過ごした。それなりに楽しく遊ぶ友達もいた。
だけど、『それ』は中学に入学してしばらく経ってから起こった。
DQN1「おい、ショボ。お前んちとーちゃんかーちゃんいないらしいな」
DQN2「カズっち、こいつボロっちい孤児院に住んでるらしいぜwwwトシキが見たって
言ってたぜww」
DQN1「マジかよwwwだっせーなww汚ぇなマジでてめぇはよwww」
双子の僕たち。顔つきは本当にそっくりだった。
ただ、性格だけは何故か似なかった。兄貴は物事をハキハキ言うタイプ。
対して僕はどちらかといえば内気で自分を上手く表現できなかった。
そしてこれはあとづけの要因かもしれないけど、気弱そうに八の字に垂れ下がった眉。
これだけで他人に与える印象が兄貴とは随分違ったんじゃないかな。
中学に入って周りの影響を大いに受け、とにかく色々な人間にちょっかいをかけたがる
DQNたちにとって、僕はきっと絶好のターゲットだったんだと思う。
(´・ω・`)「や…やめろよ…!!」
DQN1「あー?聞こえねーよwwww」
DQN2「カズっち、なんかウザくね?やっちまうかwwww」
DQN1「おう、ショボ!!俺のハイキック喰らったら中耳炎くらいは覚悟しろよwww」
今思えばどうしようもないほどにしょうもない連中だったと思う。
けど、そのときの僕にはそういった連中に絡まれることが何よりも恐怖だった。
(`・ω・´) < まてい!!
.ノ^ yヽ、
ヽ,,ノ==l ノ
/ 匿|
"""~""""""~"""~"""~"
(´・ω・`)「シャキ兄ぃ…!!」
DQN2「やべっ…シャキンだ!!」
DQN1「お…おいマイケル!!俺を置いてどこに…ってうわっ!?シャキン…いや、そのこれは…」
(`・ω・´)「これは…何だよ?言ってみろ」
DQN1「えと…その…」
(`・ω・´)「ぶち殺すぞ」
(⌒\
\ヽ(`・ω・´)
(m ⌒\
ノ / /
( ∧ ∧
ミヘ丿 ∩Д` )←カズっち
(ヽ_ノゝ _ノ
(`・ω・´)「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラぁぁぁぁぁ!!!!!!」
DQN1もといカズっち「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!!!」
〜数分後〜
(`・ω・´)「あーすっきりした」
(´・ω・`)「シャ…シャキ兄ぃ…」
(`・ω・´)「なに、これくらい気にするな。ほどよいエクササイズさ。
だけどお前もこんな奴ら程度ぶち殺せるようになれ。今度教えてやるから」
(´・ω・`)「…うん。ありがとう」
兄貴はいつも僕を助けてくれた。兄貴自己流の護身術みたいなものを教わったけど
当時の僕はとにかく臆病で手が出せないまま何度も何度も絡まれてたんだ。恥ずかしい話だけどね。
そして僕らが中学1年の秋…。僕たちはバスケットボールと出会った。
あれは運命だったのかもしれない。今ならそう言える気がする。
始まりは本当に単純なものだった。そう、体育のバスケ。レイアップどころかドリブルも
ままならない僕だったけど、何故か無性にバスケットボールというスポーツに引き込まれた。
初めはただ面白かったから。それだけだと思っていたけどどうやら違ったみたいだ。
どんどんバスケットボールというスポーツにのめりこんでいった。
それは兄貴も同じだったようで、しばらくの間はリングもない公園で拾いもののゴムまりで
バスケの真似事をした。それからしばらく経って、僕たちはバスケ部への入部を決めた。
自覚はしてなかったけど僕たちは二人ともそれなりに身体能力があり器用だったらしく、
教えられた事をどんどん吸収していって周りの人間を驚かせた。だけどそれよりも
さらに周りを驚かせた事が一つあった。
打ち合わせをしたかのように息の合ったコンビプレー。
持ち前の身体能力とコンビプレーで僕たちはあっという間にレギュラーの座を獲得した。
楽しかった。バスケットボールというスポーツに出会えて、本当に良かったと思えた。
だけど、そんな日々にも当然終わりというものは訪れる。
(`・ω・´)「受験……か」
(´・ω・`)「僕たちは就職するんじゃないの?さすがに高校に行くようなお金は…」
(`・ω・´)「うーん…だけどもっとバスケしたいんだよなー…」
(´・ω・`)「それは僕も同じさ。けど仕方ないよ…。割り切るしかない」
高校受験の推薦受験の一つに「環境推薦」というものがある。
成績が優秀である事を前提に、恵まれない家庭の子供をなんとか高校へ通わせてやろう、
みたいな感じの推薦だったかな。昔の事だしあまり覚えてないや。とにかく、僕たちは
その環境推薦の枠に当てはまる可能性があった。
幸いなことに二人とも勉強はトップクラスだったしね。
だけど、僕はそれに反対した。自分達を養ってくれる人間がいないこの状況に甘えるような
ことをしたくなかったから。今思えば一種の厨二病だったのかもしれないね。
とにかく、僕たちは学力での推薦を勝ち取ろうと決心したわけさ。
…とまぁ、思いのほか楽々と合格したわけで。奨学金のおまけつき。
面接試験もあったんだけど、面接官が熱血おじいちゃんみたいな人で、中学校から
送られた書類を見て僕たちの家庭環境(家庭があるわけでもないのに家庭という言葉を
使うのはおかしい気もするけど)を知ったらしく、終始男泣き。いや、むしろ漢泣き。
結局面接なんてものは成り立たず、規定時間を過ぎた頃…
「感動した!!このくそみそ高校で思う存分学んでくれ!!!」
そう叫ばれて面接が終わった。兄貴も同じ面接官だったらしく、困惑した表情を浮かべていたっけな。
えてして僕たちは高校生となり、くそみそ高校での新しい生活を送る事になる。
くそみそ高校は県内でも、私立に劣らない進学率を誇る進学校。更に部活動も活発で
県ベスト4レベルの運動部なんてザラだったし、文化部でも色々な部活が新学期の式ではよく表彰
されていたのを覚えている。文化部のことは当時目にもくれなかったから全く覚えてないけど。
そんな中、一つだけ落ちぶれている部活があった。
…男子バスケ部。対して女子バスケ部は県3位の実力を持つ強豪。だから体育館のバスケ部用の
スペースはほとんど女子に占領されてて僕たちは外を走りこむ日々が続いた。
僕と兄貴は小・中・高の12年間、ずっと同じクラスだった。当時はそれを「奇跡だ!!」って
騒ぎあったけど今思えば先生方が気を遣ってくれていたんだろうなぁ…。それに気付いたのは
高校に入ってから。その頃から漠然とだけど教師に憧れるようになった気がするね。
そうそう、くそみそ高校は僕にとって大きな出会いがあった場所でもあったんだ。
…そして大きな別れのあった場所でもあった。
高校に入学してからも兄貴は相変わらずテンポよいトークと万人受けする性格で
場を賑わせる、クラスの中心人物。いわばAグループのエース。
そして僕も相変わらず。中学のときよりはいくらかましになったけど内向的な性格のままだった。
気を利かせた兄貴が何度も僕に話題を振ってくれるんだけど何人ものクラスメイトたちに
囲まれた状態では生返事しか出来ないような…わかるだろう?この気持ち。
けどそれを変えてくれたのが……ハインリッヒ高岡だった。
高校に入って数回目の席替えで隣になったのが高岡だった。
彼女は入学当初から常にはっちゃけバースト。僕はそういうタイプの女性が苦手だったから
高岡にも苦手意識を持っていた。だけど……高岡は違ったんだ。
从 ゚∀从「おー!!!!ショボ!!!!!おはよーーーーーーーっす!!!!!」
从 ゚∀从「ショボーーーーーー!!!!!弁当作ってきてやったぞwww食えー!!!!」
从 ゚∀从「ショボー!!!!0円だけどケータイ買ってやったからメールしよーぜ!!!!!
あたしゃお小遣いたくさんもらってるから気にするな!!おせっかいだと思って
受け取りな!!」
从 ゚∀从「ショボー!!!!ショボー!!!!カラオケいこーーーぜーーwww」
从 ゚∀从「ショボー!!!!!ウノ持ってきたから二人で遊ぼうぜー!!!!」
从 ゚∀从「ショボー!!!!今日はツイスターゲーム持って来たぞーー!!!!」
从 ゚∀从「ショボー!!!!くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
もうね、なんていうか…小宇宙(コスモ)だったよ、彼女は。いや、ブラックホール?
けど僕も鈍感だったよね…。皆も思うだろ?「それなんてフラグ?」って。
小さい頃から内気で兄貴以外の人間とは満足のいくコミュニケーションのとれなかった僕。
そんな僕だったけど、彼女とはなんとか人並みにコミュニケーションをとることが出来たんだ。
…まぁ半分以上はあっちのペースに引き込まれてたんだけどね。
僕がそんな彼女を好きになるのに、たいして時間はかからなかった。
(´・ω・`)「まんこみせい」
从 ゚∀从「ちんこみせい」
(*´・ω・)「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!」从*゚∀从
(`・ω・´)「(……授業中なのに…)」
*(‘‘)*「まぁまぁシャキン君、あんまり怖い顔しないでさ。ショボン君も最近すごく
明るくて楽しそうだしいいじゃない」
(`・ω・´)「…まぁな」
兄貴と仲が良かったこの女性はヘリカル沢近。今となっては知る由も無いけれど、
高校時代は兄貴にそりゃぁもうベタベタのボレボレだったらしい。
女子バスケ部員だった彼女は兄貴の為に、という気持ち故に体育館の練習スペースに
ついて女子バスケ部内で真剣に話し合ってくれていたとかなんとか。
そんな彼女も兄貴の数あるストックの一人に過ぎなかったんだけどね。
こればかりはヘリカルには内緒だ。まだ言ってない。っていうか言えない。言うなよ!?絶対だぞ!?
もしかしたらヘリカルはまだ兄貴の事が好きなのかもしれないね。最近は兄貴もまんざらじゃなさそうだし。
あんなにブイブイ言わせてズコズコ腰振ってた人間が何年間も彼女すら作らなかったら…
そりゃあ何かあると思うだろうさ。
そしてこの頃から奇妙な事が起こり始めた。
おかしいと思い始めたのは高2の定期試験の時。定期試験が終了してから何日か経った後、
僕たちは職員室に呼び出された。原因?カンニング疑惑だってさ。1000点満点の試験で
僕と兄貴は共に941点。うん、まぁ秀才と呼んでも差し支えは…無いよね。
だけど問題はそこじゃなかったんだ。
僕も兄貴も全く同じところを間違えていたんだ。それが数箇所ならともかく、全て同じだった。
記号の並び替えの間違え方も、文章記述型の解答も。
カンニングを疑われるのは当然の事だったのかもしれない。誓って言うけど、僕も兄貴も
カンニングなんて一度もしていない。それを必死に主張したところ、僕たち二人を
別室に分けて監視つきで再試験、ということになった。その結果は……
やっぱり同じ。二人とも同じ点数、同じ間違い。僕たちも教師も首を傾げるしかなかった。
「こんな偶然が存在するとは」と。
うん、偶然じゃなかったんだ。すまない。
その奇妙な現象は次第にその頭角を現していった。お互いに携帯電話(兄貴はプリペイドだった)で
連絡を取り合おうとする。ところが何回かけても話し中でつながらない。仕方ないからメールを打つ。
するとメールを送信した瞬間に兄貴からのメールを受信する。そしていざ会ったときの第一声は
「お前ずっと話し中だったぞ」。
まずますわけがわからなくなっていった。だけどそんなこと、当時の僕たちにはどうでも良かった。
あの練習スペースすらなかった男子バスケ部が地区1位で県大会への進出を果たしたのだから。
くそみそ高校のシューティングガード、スモールフォワード。コートの両翼から生み出される
機械のように息のあったコンビプレーはもう並の相手じゃ止められなくなっていた。
当時はくそみそ高校のくそみそブラザーズといえばちょっとした有名人だったんだよ?
まぁ、誇るべき通り名なのかどうかは置いといて、さ。
そして彼女と迎えた2度目の冬。
僕が選択を誤った冬。
彼女と過ごした最後の冬のことだった。
从 ゚∀从「なー、ショボー」
(´・ω・`)「どうしたの、ハイン」
从 ゚∀从「なんで試合観に行っちゃいけねぇんだよー」
(´・ω・`)「なんでって…まだまだハインに見せられるようなレベルじゃないから、かな」
彼女は無類のバスケ好きだった。運動神経も抜群。球技大会や体育祭では男子顔負けの大活躍。
そんな彼女を見て僕は当然バスケ部への入部を勧めた。好きならやればいいじゃないか、
もったいないじゃないか、って。「だってめんどくせぇもん」の一言で一蹴されたけどね。
从 ゚∀从「バスケは観てるときが一番こーふんすんだよ!!わかるか、ショボ?」
(´・ω・`)「んー…僕はやってる時が一番楽しいんだけど……」
从 ゚∀从「まーこういう人種もいるってことだ」
(´・ω・`)「ふふっ……そうだねw」
(´・ω・`)「……ねぇ、ハイン」
从 ゚∀从「どーしたー?」
(´・ω・`)「…来年の夏まで待っててね」
从 ゚∀从「何を?」
(´・ω・`)「……インターハイ。きっと出てみせる。全国大会なら胸を張ってハインを呼べる」
从 ゚∀从「…ショボがそうしてほしいんならそうするよ。けど」
(´・ω・`)「……けど?」
从 ゚∀从「あたしゃ勝ち負けなんか気にしないさ!楽しそうにしてるショボを見たいだけなんだよ!」
(´・ω・`)「そ…そっか。悪いこと言ったかもね。やっぱり今度の新人戦でも構わな…」
从 ゚∀从「いーや、我慢して我慢して我慢して…たまりまくった後のセックスがとんでもない
充実感をもたらすのと同じようにショボのバスケ観るのも我慢しまくった後なら
きっとすげー楽しいんだよ!!きっとそうだ!!」
(´・ω・`)「……僕はセックスと同じかい…」
从 ゚∀从「セックスとか言ってんじゃねーよwwww」
(´・ω・`)「ちょwwwハインが言ったんじゃないかww」
从 ゚∀从「あん?ぶち殺すぞ」
(´・ω・`)「なんだと、ぶち殺すぞ」
从 ゚∀从「悪い子にはお仕置きが必要なようだな……」
(´・ω・`)「いや、ほんとすいません」
从 ゚∀从「決定!!!今日は『アナル記念日』!!!オラァケツ出せー!!」
(´・ω・`)「ちょっとハイン、ここは外…アッー」
(*´・ω・)「……いい」
从*゚∀从「だろ?」
能天気で破天荒で…とにかくめちゃくちゃな彼女。
だけど僕はそんな彼女を…愛していた。本当に、愛していたんだ。
(`・ω・´)「いよいよ明日か……」
(´・ω・`)「緊張するね、シャキ兄ぃ」
(`・ω・´)「まさか俺たちが全国大会とはな…。未だに実感がわかないよ」
(´・ω・`)「ここまで来たらやるしかないじゃない。くそみそブラザーズ、全国デビューさ」
(`・ω・´)「うーん……雑誌に俺たちの顔写真と『くそみそブラザーズ』の文字が載せられている
のを想像したら…」
(´・ω・`)「赤飯5杯はいけるね」
(`・ω・´)「待て待てwww」
生まれて初めての全国大会。ずっと夢見ていた全国大会。
僕はとうとうその夢の舞台へと足を踏み入れた。
試合会場まで飛行機で行くことを決め、「生まれて初めて飛行機に乗るんだ」と
はしゃいでいた彼女。きっともう観客席にいて一人で3席分くらい陣取っているんだろう。
それならコートからでも一瞬で見つけられそうだな。試合前の緊張と高揚が入り混じった
独特の快感を噛みしめながら僕はそんな事を考えていた。
そんな事を考えていた。
彼女はもう、観客席はおろか僕の隣にいることすらは叶わないとも知らずに――
ハインが、死んだ。
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
Side Story 〜his way 前編〜 終
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