( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第3章――イヨウ





ブーン達は体育館に到着した。
ボールの音の主が果たしてそこにいた。
ブーンは体育館を覗く。
( ゚ω゚)「ヒップホッパーがいるお…」
('A`)「はぁ?ブーンお前一体何言って…」

いきなり意味のわからないことをつぶやいた
ブーンに疑問を投げ掛けながらドクオも体育館を覗く。

('A`;)「…うん、ヒップホッパーだ…」

続いてショボンも

(´・ω・`)「どうやらヒップホッパーのようだね」

とつぶやく。彼らがヒップホッパーと呼ぶ彼は
オーバーサイズのハーフパンツに同じくオーバーサイズの
白いTシャツ、その上からやはりオーバーサイズの
NBAレプリカジャージを着ている。
俗に言う「B系ファッション」だ。


( ^ω^)「…ところでドクオ、あの人めちゃくちゃ上手くないかお?」
('A`)「あぁ…でも見慣れない動きだな……」
(´・ω・`)「(ストリートボーラーか…)」
「彼」のドリブルはボールと手がまるで一体化した
生きものであるかのように不規則に動いている。
フリースタイルドリブル。ストリートバスケで多用されるテクニックだ。
しばらくして「彼」はブーン達の視線に気付き、
ドリブルをやめた。

(=゚ω゚)ノ「イヨウ!なんだお前らは?」
( ^ω^)「僕は内藤ホライゾンだお!
    ブーンって呼ぶお!君、すごくバスケ
    上手いお!」
(;゚ω゚)ノ「お…おう、サンキュ(なんだコイツ変な話し方だな)」

('A`)「少し見ただけだがあんたただものじゃないね…
   どうやりゃあんなのできるんだい?」
(=゚ω゚)ノ「嬉しいこと言ってくれるじゃん?一緒にやるかヨウ?」
( ^ω^)「ホントかお!?やりたいお!
    さっきやってたドリブル教えて欲しいお!」
(=゚ω゚)ノ「いいヨウ。そっちの人も一緒にどうだい?」
('A`)「いいのかい?悪いな。おっと自己紹介が
   まだだったな。俺はドクオ。よろしく頼むよ」
(=゚ω゚)ノ「俺はイヨウだヨウ」

――1時間後


( ^ω^)「ほっ、ほっ…いよっと…」
( `ω´)「ほわちゃあっ!!」
(;^ω^)「…あ、すっぽ抜けちゃったお」

1時間たってもブーンにはあの吸い付くような
ドリブルはできなかった。しかしドクオには
変化があったようだ。

('A`)「よっ…と、こうかな?」
(=゚ω゚)ノ「……!!……お、なかなか筋が
    いいじゃない、ドクオ君」
('A`*)「へへへ……」
(´・ω・`)「ちょっといいかい?」
( ^ω^)「へっ?」
('A`)「ん?」
(=゚ω゚)ノ「?」
(´・ω・`)「君たち僕らが何のためにここにきたか覚えてるかい?」
( ^ω^)「あ…忘れてたお。ごめんなさいお」
('A`)「おいおいやべぇな、あと3時間しかないぞ…」
(´・ω・`*)「ぶち殺しちゃうぞ♪♪」
(=?ω?)ノ「??どういうことだ?」
( ^ω^)「実はかくかくしかじかしこしこぴゅっ…なんだお」


(=゚ω゚)ノ「そうだったのか…大変なときに
     邪魔しちゃったみたいだな。悪かったヨウ」
('A`)「いーや、気にしなくていいさ、
   ここに一人見つかったたわけだし
   バスケ部は始動さ」
(=゚ω゚)ノ「このスーツの兄ちゃんかヨウ?」
('A`)「違うって!ショボン先生は顧問をやってくれるんだ。
   部員はお前だよ、イヨウ。入ってくれるだろ?」
( ^ω^)「もっと一緒にやりたいお!入ってほしいお!」
(=゚ω゚)ノ「俺が…?」
(´・ω・`)「君のような選手が入ってくれればきっと
      いいチームができると思うんだがね。」
(= ω )ノ「………」

その時だった。

ξ゚听)ξ「ブーン!」
( ^ω^)「ツンに…しぃも?女子バスケは
    どうしたんだお?行かなかったのかお?」
ξ゚听)ξ「何よあんな部活!吐き気がするわ!ねぇしぃ!?」
(*゚ー゚)「うん…」
('A`)「何かあったのか?」


ξ゚听)ξ「もぅ〜〜〜、聞いてよ!私たちが
     見学させてもらおうと思って部室に入ったら……」
( ^ω^)「みんな男だったのかお?」
ξ゚听)ξ「違う、馬鹿!もうホントありえないわ!
     部室でタバコ吸って化粧して酒飲んで…挙げ句の果てには
     『新入生?ちょうどよかったー、タバコきらしちゃったから
     買ってきて』よ!?呆れてものも言えないわ!
     思いっきり毒吐いてきてやったわ!ったく!!」

喋りきるとツンは肩で息をする。かなり興奮しているようだ。

( ^ω^)))「(女子バスケはDQNなのかお…怖いお。
     でもDQNに啖呵切ってきたツンも十分怖いお)」
( ^ω^)「じゃあどうするんだお?
    女子バスケに入るつもりだったんだお?」

(*゚ー゚)「だからね…私とツンちゃん、話し合ったんだけど
    男子のマネージャーやろうか、って決まったの。
    いいかな…?」
(*^ω^)「マネージャーフラグktkr」
('A`)「こっちとしては願ったり叶ったりだ。ぜひ頼むよ」
(´・ω・`)「規則ではマネージャーも部員として数えることが
      できるみたいだしね。これで部員は5人かな?
      ひとまずバスケ部始動だね」



(=゚ω゚)ノ「悪い。俺はやめとくヨウ」

イヨウは立ち上がって帰り支度を始める。

( ゚ω゚)「な…なんでだお!?」
(=゚ω゚)ノ「マネージャー入って頭数は揃ったんだ。
     わざわざ俺を入れなくてもバスケ部できたんだから
     いいじゃないかヨウ」
('A`)「ちょっと待ってくれよ、選手が2人じゃ
   試合どころか練習すらできないんだぜ?
   頼むから考え直してくれよ!」
(=゚ω゚)ノ「それは3人だったとしても同じことだと思うヨウ。
     何か間違ってるかヨウ?」
('A`;)「それは…」
(=゚ω゚)ノ「ま、部員が試合ができるくらい集まったら
     考え直さないこともないヨウ。
     それじゃあ部員集め頑張ってくれヨウ。」

そう言ってイヨウは体育館を後にした。

(;^ω^)「困ったお…」
('A`)「どうしたもんかね…」
( ;ω;)「イヨウは僕達のことキライなのかお…?」
('A`)「そういうわけじゃないと思うぜ。
   誘われたとき何だか考え込んでたみたいだったし…」
(´・ω・`)「断られてしまったものは仕方がない。
      僕らには彼に入部を強制する権利なんてないしね。
      とりあえず部活動登録を申請しようか。
      今後を考えるのはそれからだ。」
( ^ω^)「はいですお…」


(´・ω・`)「手続きは僕が行ってくるから君たちは
      待っててくれ。もう君たちはバスケ部員だ。
      ボールも使ってくれて構わない。」

――職員室

教頭「ん?部員は集まったのかね」
(´・ω・`)「ええ。部員2名、マネージャー2名。
      文句はありませんよね?」
教頭「ははははっ!なんとも滑稽だね!それじゃあ
   練習もままならないんじゃないのかね?」
(´・ω・`)「ご心配なく。部員はすぐに集められるでしょう」
教頭「ふん、そうかね」

二人の間にしばらくの沈黙が流れる。

(´・ω・`)「では、僕は忙しいので失礼します。
      部室の鍵はいただきますね」

ガラガラ…ピシャッ

教頭「……(チッ)」

ショボンは体育館までの廊下を一人、考えながら歩いていた。



(´・ω・`)「(あの身のこなしは…間違いなく
      ストリートボーラーのものだった…でも徹底して技を磨く 
      彼らとはと違って彼には基礎がしっかりと
      染み込んでいるようだった…学校でやってたけど辞めて
      ストリートに移行したのか?でもなぜ……)」
(´・ω・`)「…なんだか腑に落ちないね。調べてみるかな」


ショボンが体育館に着くと、ちょうどブーンとドクオの
1on1の真っ最中だった。

( ^ω^)「今日こそ1本決めてやるお!」
('A`)「おっし、来やがれ!」
ξ゚听)ξ「ブーン、ドクオに勝てるわけないでしょ。
     あんたはまず基礎練からやり直しなさい」
(*゚ー゚)「二人とも頑張って!」
(´・ω・`)「(ドクオ君は…相当できるみたいだな。
      170cmもないだろうに、足がよく動く…)」
(´・ω・`)「(内藤君は……コメントしがたいな。
      まだ原石…か?これからを見ないとなんとも言えないな)」

――ザシュッ
――パァンッ!
――パスッ
――バチッ!

ドクオのシュートが決まる音と
ブーンのボールがはたかれる音が延々と響く。


( ^ω^)「くっそ〜だお…
    あ、ショボン先生おかえりなさいだお」
('A`)「あ、ご苦労さんです。どうでしたか?」
(´・ω・`)「あぁ、すまない。部登録は無事完了したよ。」
( ^ω^)「なんで謝るんですかお?」
(´・ω・`)「あぁ、すまない。どうやら口癖のようでね。
      無意識に言っちゃうことがあるけど気にしないで欲しい」
('A`)「ショボン先生おもしれーなwwwwww」
(´・ω・`)「掘っちゃうぞコラ」
('A`)「フヒヒ、すみません」
(´・ω・`)「じゃあ今日はひとまず解散としようか。
      明日はまず部室の掃除から取り掛かろう。
      授業後部室前に集合。」
ξ゚听)ξ「もう終わりですか?まだ5時過ぎたばかりじゃ…」
(´・ω・`)「うん、僕も仕事があるからね。
      そろそろ引き上げなくちゃいけないんだ。すまない。
      代わりというわけではないけど
      内藤君とドクオ君には自主練の時間を
      与えようと思う。今日中にこれをこなすように。
      ツンさんとしぃさんは二人がサボらないように見張ること。」

ショボンは二人に小さなメモ用紙を手渡す。

('A`)「…これマジですか?」
(´・ω・`)「それマジですよ」
( ^ω^)「ちょwwwwww信じられなすwwwwww」
ξ゚听)ξ「どれどれ、ちょっと見せてごらn…」
ξ゚听)ξ「えええぇぇぇ!?」



(´・ω・`)「何を驚いているんだい?高校バスケは基礎体力が命だ。
     最低でも夏休みまでは脚を鍛えるメニュー中心で行く」
('A`)「それにしてもいきなりシャトル150本ダッシュ150本を3セットは…」
(´・ω・`)「文句があるなら掘っちゃうぞ」
(;^ω^)「フヒヒ、ちょうど走りたかった気分だから
    ちょうどいいですお」
(´・ω・`)「そうかい?じゃあ内藤君は1セット追加だ」
( ;ω;)「…」
(´・ω・`)「それじゃあ頑張ってくれ。健闘を祈る」

ショボンが体育館を出た後ドクオがつぶやいた。

('A`)「初日から容赦ねぇなぁ…」
( ^ω^)「試合に勝つためだお、頑張るお!」
('A`)「(まだ試合どころかメンバーすら集まってないのに
   ポジティブな野郎だぜ、まったく…)」

数時間後、ブーンとドクオがショボンから与えられた
メニューをこなした頃、日はとっぷりと暮れていた。



――帰り道

(;゚ω゚)「ひゅーっ、ひゅーっ…か…鞄が鉄の塊のように感じるお…
    歩くのがきついお…」
ξ゚听)ξ「だらしないわね、中学で基礎練サボってたからよ」
('A`)「はっはっは」
(*゚ー゚)「くすくす」
( ^ω^)「ドクオはなんともないのかお?」
('A`)「んー、中学の時はこれくらいやってたしな」
( ^ω^)「まじかお…名門校はやっぱちg…」

(ダムッ…ダンダンダン…ダダムっ…)

('A`)「…ん?」
( ^ω^)「誰かがバスケしてるみたいだお。VIP公園かお?」
ξ゚听)ξ「本当だわ。こんな時間に感心だわ。
    ブーンも少しは見習うといいわ。」
('A`)「いや…それよりこのドリブルのリズムは確か…」
( ^ω^)「イヨウ…かお?」
('A`)「多分そうだな」
( ^ω^)「もう一回勧誘に行くお!」
⊂( ^ω^)⊃「ブーーーーーーーーーーーン!!!」
('A`)「だからはえぇよ!さっきまでヘバってたくせしやがって…
   待てよブーン!」
ξ゚听)ξ「しぃ、私達も行ってみましょう」
(*゚ー゚)「うん、いいよ」


――VIP公園

(;^ω^)「(ちょっと無理しすぎたおw足の細胞がばらばらになりそうだおw
    まぁ最後の方のダッシュはちょっとサボったからいいおww)」
( ^ω^)「イヨウ!!!」
(=゚ω゚)ノ「!?ブーン!?お前何してんだこんな時間に…
    うおっ、つーか汗くせっ!!!www」
( ^ω^)「ひどいおwwww練習してたんだおwww」
(=゚ω゚)ノ「部員が2人だけなのに…か?」
( ^ω^)「もちろんだお!イヨウが入ってきても
    恥ずかしくないようにしたいんだお!」
(=゚ω゚)ノ「(こいつ…)」
('A`)「ぶはーっ、やっと追いついた」
(=゚ω゚)ノ「(ドクオ…)」
('A`)「はぁっ…はぁっ…あの練習の後走るのはしんどいな…」
('A`)「なぁイヨウ、さっきの話…考え直しちゃくれないのか?」
(=゚ω゚)ノ「(なんだろうこの感じ…イライラするような…
     焦りのような…妙な感じだ…)」
(= ω )ノ「…だ」
( ^ω^)「お?」
(=゚ω゚)ノ「1on1で勝負して勝てたら考え直してもいいヨウ」
('A`)「おいおい、こっちはみっちり走りこんできて疲r…」
(=゚ω゚)ノ「やるのか?やらないのか?」
('A`#)「………」
( ^ω^)「なら僕がやるお!!!」
('A`)「ブーン、お前は見てろ。俺が相手してやるよ」


(=゚ω゚)ノ「それでいいヨウ」
('A`)「悪いがはっきり言わせてもらう。
   お前みたいにもごもごしてハッキリしないやつ見てると
   イライラしてくるんだ」
(=゚ω゚)ノ「バスケやる以上は言葉じゃなくプレーで示すのが
     普通だヨウ?何をgdgd言ってんだヨウ」
('A`#)「……」
(=゚ω゚)ノ「オマイのオフェンスからでいいヨウ。ほい」
(;^ω^)「なんか険悪だお…」
ξ゚听)ξ「やっと着いた…ってドクオとイヨウ何してるの!?」
(*゚ー゚)「勝負するの?」
( ^ω^)「かくかくしかじかまんまん…」
ξ゚听)ξ「もぉ〜…さっぱり意味わかんないよ…」
(*゚ー゚)「男の子だししょうがないよ」
( ^ω^)「だお。何か意地の張り合いみたいな感じだったお。
    それにしてもなんで2人とも来るの遅かったお?」
ξ゚听)ξ「私が走れないの!忘れた!?」
(;^ω^)「そうだったお。ごめんお…」
(*゚ー゚)「あ…」

しいがつぶやいた瞬間…それは本当に一瞬だった。
ドクオはブーンと対戦した時よりもはるかに速いであろう
スピードでイヨウを抜き去っていた。あまりの速さに
対応できなかったイヨウは上半身のみで
ドクオを捉えようと腕を伸ばす。
しかし人間の体はそんな状態で動けるほど
器用に作られてはいない。
バランスを崩したイヨウは
その場で尻餅をつくこととなった。


('A`)「……」

ドクオは無言でイヨウにボールを渡す。
ブーン達もドクオが昨日は本気でなかったことを知り
言葉が出ずにいた。
月明かりに照らされる公園に暫くの間
風で木の葉が揺れる音だけが響いた。

第3章 完


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