( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第30章 決着
(´・ω・`)「よしよし、いい感じだよ。4点くらいのビハインドは気にしなくていい。
最終的に勝てればいいんだから焦らなくていいよ。むしろリードして
気が緩むことのほうが危険だからね。この調子で行こう」
一同「はい!!」
――ビーーーーーーッ!!!
審判「第3Qを開始します!!」
(´・ω・`)「さぁ、気を抜かずに行こう。逆転を焦る必要はない」
一同「うぃっす!!」
ニー速監督「うぅむ…まぁ、あれだ。今までの相手とは違うようだから…
その、気を抜かないようにな。頼むぞ八頭身」
(*´Д`)「おおよ、俺に任せとけば全っっ然ヨユーwwwwサーセンww」
――ダムッ…
('A`)「っし、一本!!ブーン!!」
――ビッ…ばしっ
ブーンは左45度でパスを受けすぐに左ハイポストのモナーへパスを出す。
ブーンは今度はストロングサイド、ゴールとは遠い側へパスランをする。
モナーはその状態でジョルジュからスクリーンを受けた右コーナーの
イヨウへパスを出す。
(#´Д`)「(さっきと同じプレーが通用すると思うな!!!またおチビのスリー
だろうが!!)」
八頭身はコーナーのイヨウへと向かう。
(*´Д`)「もう好き勝手させねーぞおチビちゃんwwwお前の出番は前半までだwww
サーセンwwww」
(=゚ω゚)ノ「バーカ」
――ビッ…ばしっ
(*^ω^)「ナイスパスだお!!」
( ´Д`)「(ニヤケ面だと!?)」
モナーはイヨウへパスを出した瞬間にスクリーンとなりブーンをノーマークにしていた。
ブーンはボールサイドカット(逆サイドのハイポスト付近を通り、コート上で
アルファベットの 『C』を描くようにゴールへ向かう動き)でノーマークでパスを受けた。
モナーのマークマンであるニー速Eも対応が間に合わず、ブーンは無人のペイントエリアで
レイアップを沈めた。
50-52。2点ビハインド、ワンゴール差だ。
('A`*)「(…っし!!この1本はでかい!!GJだブーン!!)」
バスケットにおいて重要なものは『序盤』である。試合開始直後、すなわち
第1クォーター序盤での展開、さらにハーフタイムを挟み、ある意味仕切り直しとなる
後半の第3クォーター序盤での展開である。この2つの要所で冷静で確実なプレーを
することがゲーム全体を通して流れを作り、しっかりとした試合展開を行うために
重要になってくるのだ。ゲーム開始直後に八頭身に先制点を許したものの、
第3クォーターでの先制点を取ることが出来たので、流れを引き戻し、ほぼ互角と
なったといえる。
ニー速D「(おいおい、こいつらまだくらいつくのかよ…こっちには八頭身がいるってのによ…)」
――ビッ…ばしっ、ビッ…ばしっ…
ニー速F「八頭身!!」
――ビッ…ばしっ
右ミドルポストでパスを受けた八頭身はターンしてジョルジュの真横に体をいれ、
そのままジョルジュの前に足を伸ばす。
(;゚∀゚)「(まずっ!!足が邪魔でコースに入れねぇ…)カバー!!」
(*´Д`)「無駄無駄wwwwサーセンwww」
八頭身はジョルジュを抜き去りゴール下へ向かう。
モナーのカバーに気付かないまま。
――がしっ!!
(;´∀`)「モナッッ!!」
――どさっ…
八頭身と衝突し、モナーはコートへ倒れる。タイミングは五分五分。どちらの
ファウルになっても不思議ではないだろう。
――ピィッ!!
審判「オフェンスファウル!!黒4番!!」
(;´Д`)「なっ…」
(*´∀`)「やったモナ…!!!」
('A`*)「モナー!!!」
(*^ω^)「ナイスディフェンスだおwwww」
(=゚ω゚)ノ「このまま流れもらっちまおうヨウ!!」
( ゚∀゚)「ナイスカバー!!サンキューだ!!」
VIP高メンバーの盛り上がりは今のワンプレーで最高潮に達する。
( ´Д`)「この俺が…3つめだと…」
八頭身は今のオフェンスファウルで3ファウルとなった。前半の間にも
オフェンスファウルを一つとられているのでもうこれまでのような強引なオフェンスを
することは難しいだろう。
( ´Д`)「…VIP高校…か…」
突如つぶやく八頭身。ベンチにいる選手になにやら声をかける。
ベンチの選手は八頭身にヘアゴムを渡す。それを受け取った八頭身は
長い髪を前髪ごと後ろで一つに束ねた。
(#´Д`)「正直なめていた。本気で相手してやるよ…」
(=゚ω゚)ノ「今更何をわけわかんない事を言い出したんだヨウ?壊れちまったかヨウ?
戦隊ヒーローじゃあるまいしヨウwww」
('A`)「イヨウ、油断するな。まだクロスゲームであることに変わりはないんだ」
(=゚ω゚)ノ「悪い、把握だヨウ」
('A`)「っしゃ、マイボールからだ。一本!!ここでまず同点にするぞ!!」
('A`)「(さて、3ファウル直後とはいえいきなりインサイド狙いでファウルをとれるか
どうか…意外とディフェンスはしっかりしてるからインサイドでファウルとるのは
難しいか…?)」
ニー速D「(こいつは完全にパスオンリーのガードっぽいな…もう少しきつく守って
パスを封じれば…)」
('A`)「(…ってなイメージがそろそろ相手に植え付けられてるはず…そろそろ…行くか!)」
――ダムッ!!
ドクオの突然のドライブにニー速Dは全く反応できなかった。
ニー速D「(…うそ……くそ速ぇじゃねーか…)」
カバーにきたニー速Eも素早いフロントチェンジで抜き去る。八頭身がカバーに来る。
八頭身との1on1。
('A`)「(さぁ、どうだ八頭身!?2対1での選択肢はパスかシュートしかないが迷うだろう!?)」
ドクオがそのままゴール下へ突っ込みレイアップのシュート体勢に入る。
八頭身は跳ばずに両手を上げてプレッシャーをかけることしかできない。
('A`)「(今おまえが一番恐れているのは接触プレーだろう!?)」
ドクオはレイアップが八頭身の腕でブロックされないよう、一旦ボールを下げる。
そしてボールを逆の手に持ちかえ、そのままリングの逆側へボールを持った手を伸ばす。
(=゚ω゚)ノ「(うひょうwwwダブルクラッチかヨウwww)」
('A`)「(こいつで同点だ!くらえ!)」
(#´Д`)「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
――バコォン!!!!
ドクオのダブルクラッチは八頭身のブロックに仕留められ、ボードに当たって
大きく跳ね返る。
('A`;)「(読まれてた!?)ディフェンス頼む!まずい、!」
ニー速Dとニー速Fの速攻はブーンとイヨウが辛うじて止めた。…のだが…。
ニー速D「行けっ!八頭身!」
――ビッ…ばしっ
八頭身のセカンドブレイク。完全に予想外だった。会場内の誰が、あの八頭身が
速攻に参加し、フルコートを全力でダッシュする姿を予想できただろうか。
(#´Д`)「おらああぁぁぁぁぁ!!!!」
――ガコンッ!
八頭身のワンハンドダンク。リングが大きくしなる。50-54。VIP高4点ビハインド。
(;^ω^)「……お…」
(;゚ω゚)ノ「な……」
(・ω・`;)「(…雰囲気が変わった…?)」
('A`;)「お、おk!一本確実に行こう!」
一同「お…おう!」
――ダムッ…ダムッ…
('A`)「イヨウ!!パス回すぞ!」
――ビッ…ばしっ
(=゚ω゚)ノ「了解だヨウ!!モナー!」
――ビッ…
( ´∀`)「(イヨウ君がパスランしてきたモナ!パスを受けたら…イヨウ君に…)」
――バチッ!
イヨウからのパスはモナーに渡る前に何者かに奪われる。
(;´∀`)「(…誰!?ちゃんとポジションはとってるはずモナ…!?)」
('A`;)「……八頭身っ!!」
ボールを奪ったのは八頭身。ローポスト付近から飛び出してイヨウからモナーへの
パスを奪い取る。
――ビュッ…ばしっ
八頭身からのパスを受け、ニー速Dが一人、ドリブルでハーフラインを越える。
('A`;)「(しまった……!!)」
ニー速D「(っし…誰も来てないな。このまま一人で…)」
ニー速Dの独走。フロントコートには誰もいない。
(=゚ω゚)ノ「(まずいヨウ…!!速攻の連発は相手を波に乗せちまうヨウ…!!)」
⊂( #^ω^)⊃「おおおぉぉぉぉぉ!!!!」
――キュキュキュキュ!!!
ニー速D「(5番!?いつの間に…!?)」
ブーンが猛烈なスピードで追い付き速攻を止めた。
「は……速ぇ……」
「なんだあいつのダッシュ力…?」
( ^ω^)「みんなはやく戻るお!速攻は決めさせちゃダメだお!」
('A`)「お…おう!ナイスディフェンスだ、ブーン!!」
(=゚ω゚)ノ「サンキュウだヨウ、ブーン!」
ニー速D「(ちっ…速攻は無理か、セットで八頭身を使うか…)」
――ビッ…ばしっ
ローポストの八頭身にパスが入る。八頭身はジョルジュに背中を向けたまま上半身を
左にひねる。
( ゚∀゚)「何回も同じプレーばかり…!!お前は猿かと小一時間(ry」
――キュッ…ダムッ!
その直後、八頭身は体を右へロールし、ジョルジュを抜き去り、ゴール下へ入る。
(;゚∀゚)「(しまった、フェイク!?…鋭い…!)モナー、カバー頼む!」
( ´∀`)「任せるモナ!」
――キュキュッ!!
八頭身は急ストップし、ジャンプシュートの構えをとる。
( ´∀`)「(シュートモナ!!)」
('A`;)「モナー、跳ぶなっ!!!」
(;´∀`)「(しまったモナ…)」
八頭身はポンプフェイクでモナーをひっかけ、フリーフット(軸足でない方の足)を
体の前でクロスさせ、体を前に入れてモナーをかわす。
(;゚∀゚)「(まずい…これは絶対に止めなくちゃならねぇ!!連続で
得点されることだけは…!!)」
ジョルジュは後ろから八頭身を追い掛け、すでにジャンプした八頭身へ向かって跳ぶ。
(;゚ω゚)「ジョルジュ、ダメだお!こらえるお!ここでファウルしたら…」
(#´Д`)「お前じゃ届かねぇよ!!屑野郎!!!」
――がしっ
ジョルジュの腕が八頭身の二の腕に絡み、審判が笛を吹く。八頭身はそのまま豪快に
ダンクをたたき込んだ。
――ピィッ!
審判「ファウル!白8番、イリーガルユースオブハンズ!カウントワンスロー!」
(;゚∀゚)「………(しまった…)」
('A`;)「ジョルジュ…」
(・ω・`;)「(まずい……!!)」
「おいおい、VIPの8番も3つめだぞ…」
「ヤバくね?VIPは代わりがいないだろ…?」
――ビーーーーーーッ!!!
オフィシャル「タイムアウト、白!」
ショボンはタイムアウトをとる。今のシュートでニー速は連続ゴール。
そして2本目はまさかのバスケットカウント。…ジョルジュの3ファウルという重い枷を
伴うバスケットカウント。歯車のズレは、会場内の誰から見ても明らかだった。
(;゚∀゚)「み…みんな、悪い…」
(´・ω・`)「やってしまったことを嘆いても意味がない。大切なのはこれからだ。
わかるね?ジョルジュ君。いま君が抜けてしまうわけには行かないんだ」
( ゚∀゚)「…はい」
(´・ω・`)「マッチアップをかえよう。八頭身にはモナー君が、6番にはジョルジュ君が
つこう。」
(;´∀`)「(自身ないモナ…)」
(´・ω・`)「不安な気持ちはわかる。だけど君以外にはできないんだ。
ドクオ君、内藤君、イヨウ君のうち誰かが隙を見て八頭身にダブルチームを
かけよう。とにかく楽にシュートを打たせないようプレッシャーを
かけ続けるんだ」
一同「はい!」
(´・ω・`)「いいかい?まだ6点差だ。ワンスローを決められたとしても7点差。
焦る点差ではない。今一番恐れなければならないのは焦ってミスをし、
相手をさらに波に乗せてしまうことだ。落ち着いていこう」
一同「うぃっす!」
――ビーーーーーーッ!
オフィシャル「タイムアウト終了です!」
(´・ω・`)「さぁ、正念場だ。頑張ろう」
審判「ワンスロー!」
――シュッ…
( ´∀`)「(強い…!これは落ちるモナ!)」
――ガツッ
ボールはリングの奥に当たり、真上に上がる。
(;´∀`)「リバウn……!?」
――ばしっ
リバウンドをとったのは八頭身。シュートがリングに当たった瞬間にゴール下へ
詰めて来ていた。
(;´∀`)「(や…ヤバいモナ!!)」
(#´Д`)「くたばれや雑魚共!!!」
――ガコンッ!!!
八頭身は空中でつかんだボールをそのままダンクに持っていった。
――ピィッ!
審判「白7番プッシング!!カウントワンスロー!」
(;´∀`)「そんな…」
('A`;)「(やっべぇ…)」
審判「ワンスロー!」
――シュッ…パスッ
「い…一気に5点追加…」
「ニー速の4番がやべぇぞ…段々真剣になってきた」
('A`;)「(ほんの数分で一気に9点差まで…やばい…)」
(=゚ω゚)ノ「ドクオ!くれヨウ!!」
('A`)「(どうにかして点差を詰めなきゃ…どうにか…!!)イヨウ!回すぞ!」
――ビッ…ばしっ
(=゚ω゚)ノ「(少しでも点差を縮めるにはスリーしか…!!)」
――ダダダダダダダッ!
イヨウは高速レッグスルーで相手を揺さぶり強引にスリーポイントを放つ。
('A`;)「イヨウ!待て、早い!まだ24秒は6秒しか経って…!!」
――ゴンッ…ばしっ
シュートは外れ、リバウンドは八頭身。ドクオとブーンが二人でセーフティに入り
速攻はなんとか出されなかったものの、ニー速のセットオフェンスでまたもや八頭身に
パスが入る。
('A`)「俺が行く!」
ドクオはモナーと二人で八頭身へダブルチーム。ニー速Dはこの試合では速攻からの
レイアップしか決めていない。アウトサイドを打つ素振りも見せなかったため、
ドクオは『外はない』と判断した。
――ビッ…ばしっ
Σ('A`;)「(リターン!?)」
外はないと判断したニー速Dが今ノーマークでスリーポイントを打とうとしている。
ドクオは深くまでダブルチームに行っていたので間に合わない。イヨウがカバーに来て
必死に跳んで手を伸ばす…が、届かない。
――シュッ…
('A`;)「(落ちろ落ちろ落ちろ落ちろっ!!頼む、落ちてくれぇっ!!)」
――バシュッ
シュートはドクオの思いとは裏腹に無情にリングを通り抜ける。
タイムアウトというものは基本的に、一時的に試合を中断することで相手に傾きかけた
流れを断ち切るために使うものだ。ゆえにタイムアウト直後にどのようなプレーを
するかで流れを取り戻すのか、はたまた相手に再び流れを譲ってしまうのかが
決まってくる。今は後者の状況でまさに絶体絶命である。
・
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・
VIP高はその後、何本かシュートを決めるものの、流れをたぐり寄せる術を見出だす
ことができずニー速工業ペースでそのまま第3クォーターが終了した。
61-77。VIP高は16点ビハインドで最終クォーターを迎える。
(・ω・`;)「(完全に誤算だった…前半の強引なパワープレーだけで県ベスト8なんて
行けるわけないじゃないか…どうしてもっと早く気付けなかったんだ…)」
('A`;)「あれが…八頭身の本気…」
(´・ω・`)「みんな、聞いてほしい。ラストクォーターで16点差。ここまでの
試合展開を考えて、普通にやって勝てる可能性は限りなく低い。この
状況でうちが勝つには博打に出るしかない」
('A`)「博打……プレスですか?」
(;^ω^)「プレスなんて練習してないし動きわかんないですお…」
(=゚ω゚)ノ「練習してないものを実戦で試すのはヨウ…」
(;゚∀゚)「待て待て、プレスってなんだ??さっぱりわからないぞ…」
(´・ω・`)「プレスをかけられることが一番勝つ可能性が高いが練習していない今、
プレスをかけることは無謀だ。オールコートマンツーで行こう。
プレスよりはやりやすいはずだ」
( ゚∀゚)「今までやってたディフェンスをオールコートでやるんですか?」
(´・ω・`)「そう。しかしオールコートマンツーはハーフコートマンツーより
ずっと重労働だ。特にドクオ君、内藤君、イヨウ君への負担が格段に増える」
(*^ω^)「それでも…それでも、勝つためにそれしかないならやるしかないですお!」
('A`)「たっぷり走り込んできたおかげでまだまだ行けますしね」
(=゚ω゚)ノ「勝つために試合してるんですヨウ。後のことなんて気にしてる場合じゃないですヨウ」
(´・ω・`)「よし、わかった。とにかく足を動かそう。そして八頭身にパスが入る前にボールを
奪い、八頭身がディフェンスに戻る前にシュートを決める。これを徹底しよう」
(*^ω^)「わかりしたですお!ガンガン速攻行きますお!」
(´・ω・`)「その意気だ、内藤君。そしてモナー君とジョルジュ君はバックコートから
苦し紛れに出されるパスを必ず奪おう。ニー速をバックコートで封じ込める」
( ´∀`)「わかりましたモナ!」
( ゚∀゚)「把握です!」
('A`)「っし、円陣組もうか」
5人は肩を組み円陣を組んだ。
('A`)「合宿を思い出せ!ぶっ倒れるまで走って、絶対逆転するぞ!」
一同「っしゃああ!」
('A`)「VIP高ぉーーーー!ファイッ!」
一同「おおおぉぉぉぉぉ!!」
――ダン!ダン!ダンッ!
ξ゚ー゚)ξ「ブーン!!」
( ^ω^)「…お?」
ツンは胸の前で握り拳を作る。ブーンもそれに応えるかのように胸の前で握り拳を作った。
「まず当たってくるだろうな」
「だな。4番にパスが入る前に奪えれば勝機はあるよ」
――ダムッ…ダムッ…
('A`)「っし、まずは1本!落ち着いて行こう!イヨウ!」
――ビッ…ばしっ
イヨウはパスを受けドライブ。それにあわせてドクオがハイポストでモナーのスクリーンを受け、
ノーマークになる。イヨウはそれを見逃さずドクオにパスを出し逆サイドへ走り抜ける。
ニー速Eがスイッチしてドクオを追う。まだパスをキャッチすらしていないドクオの前に
八頭身が立ち塞がる。
('A`)「モナー、ロール!!」
ドクオは後ろを全く見ずに、イヨウからのパスを肩越しでダイレクトに後ろへ弾く。
会場から歓声が沸き起こる。
――ばしっ
パスは最高のタイミングで反転してきたモナーの手中へ。ドクオが八頭身の壁と
なり八頭身をゴール下で封じ込める。
――シュッ…バスッ
ペイントエリアよりやや内側のハイポスト付近からモナーがバンクシュートを決める。
――キュキュキュキュ!!
ニー速D「(プレス…?オールコートマンツーか!!)」
ニー速F「おい、早く出せ!!5秒になるぞ!!」
ニー速D「お…おう!」
―ービッ…バチッ!!
ξ゚听)ξ「とった!!!」
(*゚ー゚)「ブーン君…!!」
( ^ω^)「おおおおおお!!!」
ブーンはパスを奪いドリブルでリングへ向かう。ニー速Dがカバーに来たところを
すかさずドクオへパス。
('A`)「ナイスパス!!」
――バスッ
(=゚ω゚)ノ「ナイッシューだヨウ!!このままガンガン突っ切るヨウ!!」
・
・
・
('A`)「おりゃぁっ!!」
バスッ
第4クォーター残り8分、69-77。オールコートマンツーが成功しVIP高は瞬く間に一桁差にまで詰め寄る。
VIP高はなお手を緩めることなくプレッシャーをかけ続ける。
( ^ω^)「おー!おーおーおーおーおー!!おー!!」
ニー速F「くっそ…(どれだけ足動かしてんだよこいつら!?プレッシャーも衰えてねぇ…)」
( ^ω^)「(これは…行けるお!この調子でどんどんプレッシャーかけ…て…あれ…?)」
突如ブーンの足元がふらつき、ブーンは床へ尻餅をついた。
ニー速Fはそのままドリブル突破。ブーンがディフェンスに戻るのが遅れ、アウトナンバーの状態となった。
ニー速F「八頭身!!こいつで勝負決めてやれ!!」
――ビッ…ばしっ
(#´Д`)「らああぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!」
――ガコンッ!!!
八頭身のダンクシュート。VIP高の追随を許さないニー速の攻撃。点差が再び2桁に戻る。
(;^ω^)「(脚の感覚が…なくなってきたお…?宙に浮いてるみたいだお…)」
(#´Д`)「おおい、当たれ!!!!!」
――キュキュキュキュ!!!
「プレスの掛け合い!?」
「ニー速は勝負を決める気だ!!」
「VIPはフルタイム足動かしっぱなしだろ!?そろそろやべぇんじゃ…?」
('A`)「上等っ…切り崩してやるy…(…あれ…?)」
ドリブルを始めたドクオの足がもつれる。
('A`;)「(嘘だろ…?冗談だろ…?さっきまでなんともなかったのに…)」
――バチッ!!!
ニー速Dがドクオのドリブルを奪う。
('A`;)「しまっt…」
ニー速D「もらった!!」
('A`;)「(くっそ…ここで決められるわけには…)」
――がしっ…バスッ
審判「白4番!!プッシング!!カウントワンスロー!!」
('A`;)「……しまった…」
審判「ワンスロー!!!」
――パスッ
(´・ω・`)「(脚が…限界に来てしまったか…)」
バスケットにおいて『試合慣れ』というものは非常に重要である。
どれだけ練習を積んでいたとしても実戦経験があるかないかは雲泥の差である。
八頭身は県大会、幾度にもわたる練習試合を通じ『勝負所』というものをしっかりと体で把握している。
他のメンバーも去年殆ど出場していなかったとはいえ何度も練習試合を経験している。何度も試合を
経験していると体が体力配分のペースを覚えてくるのだ。
対してVIP高は今日が3試合目。そのうちの2試合の相手はいくら上手いとはいえ中学生。さらに試合時間も
中学生に合わせていたため40分フルの試合は今日が初となる。
序盤から全開で挑んだVIP高と勝負所を見据え淡々とした試合運びを行うニー速工業。
そして…
――ビーーーーーーーーッ!!!
審判「試合終了!!!スコア通り、98-74で黒!!!」
『経験の差』が露呈された試合はニー速工業の圧勝だった。
第30章 完
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