教師「…つまりここでバルキスの定理が使えるわけだな」
('A`)「ふああ…・・・」
('A`)(最近は朝練もハードにやってるから眠いな…ちょっとだけ寝ちまおうかなあ…)
('A`)(ブーンのやつは…あれ、そういや最近あいつ居眠りしてないな)
(◎^ω^)「…………ブツブツ」
('A`)(イヤホンに…携帯か。音楽でも聴いてんのか?授業聞けよなまったく…)
(◎^ω^)(右、左、右、右…わかりやすいのだけでこんなにフェイクを…あっ、なるほど、斜め後ろに
ステップバックするのもありだおね…)
(◎^ω^)(文明の進歩はすばらしいものだおね、こうやって携帯で動画サイトも観られて…)
ブーンが見ていたのは動画共有サイト。
ワンオンワンのイメージトレーニングのために、いろいろな選手のプレーを何度も何度も見返していたのだった。
教師「内藤くん」
(◎^ω^)(おおっ!このドライブインは使えそうだお!)
教師「……内藤くん?」
(◎^ω^)(しかしずっと動画再生してるから電池がすぐなくなるお…)
教師「ナイトオオオオオオオオオッ!!!」
(◎;^ω^)「はあああああああああああああいっ!?」
教師「…携帯、没収ね。放課後、職員室に取りに来なさい」
( ^ω^)「ごめんなさいですお……」
('A`)(あーあ、あのばかww)
教師「鬱田ぁ!お前もよそ見してるんじゃあないっ!」
('A`)「フヒヒwwwwサーセンwwwwwコポォwwwww」
教師「きめぇ…」
第8章
内藤ホライゾン強化週間−2
――放課後。
('A`)「っし、いったん締めるぞ!個人練習に入ってくれ!」
・
・
・
・
・
( ^ω^)「ふっ!」
――しゅっ…
( ^ω^)(これはいい感じだお!)
――がしゅっ
( ^ω^)(おっし!)
ξ゚听)ξ ピピピッ!
ξ゚听)ξ「アーチが低い!リングの奥側に当たってるじゃないの!あれじゃあちょっとズレただけで
リングに嫌われるわよ!スリーポイントはあんたが思ってる以上に繊細なんだからね!」
( ^ω^)「おっ…すまんお…もう一本!」
( ^ω^)「ほっ!(アーチを高く!)」
――しゅっ
(;^ω^)(あっ…)
――がつっ
ξ゚听)ξ ピピピッ!
ξ゚听)ξ「今度はジャンプが低い!それに体が流れてる!そんなんで入ると思ってんの!?」
( ^ω^)「うっ…すまんお」
現在ブーンの行っているシューティングは少々特殊なものだ。
きたるべき今北戦に備えた作戦は、「最初の一本を速攻に持ち込み、ブーンが左コーナーからスリーポイントを放つ」というもの。
よって、そのための練習を考えた結果、このような形式で行うことにした。
( ^ω^)「もう一本だお!」
ハーフライン付近でスタンバイ。
ξ゚听)ξ ピッ!
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「ゴーーーーッ!」
ホイッスルを合図に、スタート。
試合開始直後の速攻をイメージしたものだ。
一年「内藤さん!」
そして速攻のタイミングでパスを出し…
( ^ω^)「おっ!」
――ばしっ
左コーナーでキャッチ。そのままシュートを放つ。
可能な限り試合と同じ状況を作ろうという試みだ。
そして……。
ξ゚听)ξ ピピピッ!
ξ゚听)ξ「あんたバカ!?今のが速攻のダッシュ!?ちんたら走ってんじゃないわよ!」
(;^ω^)「おっ…」
ξ゚听)ξ「それから!速攻なんだからちゃんとサイドラインまで広がって走りなさい!疲れてるのはわかってる!
だけどここで手を抜いてたらなんにも身につかないわよ!」
( ^ω^)「了解だおっ!」
シュートのフォーム、ボールの軌道。
そして走る際のスピードやライン取りにまで厳しくチェックが入る。
ξ゚听)ξ「さあ!もう一本!」
ξ゚听)ξ ピッ!
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおっ!」
一年「内藤さん!」
――びっ…
( ^ω^)「おっ!」
――ばしっ
( ^ω^)(スピードがついているせいで体が流れていきそうになっている…そのベクトルを!…膝を使って全て下へ!)
ξ゚听)ξ(よっし!いい感じ!膝もよく曲がって…)
( ^ω^)(溜めた力を…伸び上がる力も利用して一気に上へ!そしてその勢いをそのままボールに伝えて…!)
(=゚ω゚)ノ「でいっふぇーんす、だヨウ」ピョン
(;^ω^)「んおおおおっ!?」
――がつっ…
(;^ω^)「イイイイイイイイヨウ!?いきなりなんなんだお!?邪魔しないでくれおー!!」
(=゚ω゚)ノ「本番じゃあ相手がチェックに入ってくることだって十分にあり得るヨウ?そういうこともイメージしてやんなきゃヨウ」
( ^ω^)「おっ…(そうだったお…)」
・
・
・
・
・
・
・
・
(;^ω^)ゼーッゼーッ
――PM9:12
(;^ω^)「なんとか…300本終わったお」
ξ゚听)ξ「お疲れさま、はい。ポーション」
( ^ω^)「ポーションうめえwwwwwww」
一年「お疲れさまでした!お先に失礼します!」
( ^ω^)「お疲れさまだお!付き合ってくれてありがとうだお!」
ξ゚听)ξ「この後はショボン先生とワンオンワンの練習ね」
( ^ω^)「だおー…。何時に帰れることやら…」
ξ゚听)ξ「ショボン先生は残った仕事を済ませてから来るって言ってたわね」
( ^ω^)「そうかお。んじゃそれまでストレッチでもしておくかお」
ξ゚听)ξ「付き合うわよ」
( ^ω^)「ありがとだお」
( ^ω^)「しっかしなかなかハードなシューティングだお…」
ξ゚听)ξ「そうねえ…でも『一発目を作戦通りに決める』ことに関しては最適な練習だと思うわよ」
( ^ω^)「もう試合まで数日しかないのに…課題は山積みだお」
ξ--)ξ「大変ねえ…ヘタクソなのも」
( ^ω^)「…だお」
ξ;゚听)ξ「いっ!今のは違うのよ!?ブーンがヘタクソって言いたいんじゃなくて!このチームの中では
ヘタクソって意味よ!?ドクオはほんとにすごい選手だしイヨウのスリーはすごいしモナーの
ポストプレーは安定感があるしジョルジュの身体能力だってすごいしヒッキーやトラオは
燻し銀的な選手だしエクストに至ってはルーキーだなんて思えないし!
チームのメンバーの中ではイマイチだけど県ベスト4のチームのメンバーなんだから!
中の上的な実力は持っていると思うわよ!?」
( ^ω^)「結局ヘタクソって言ってるじゃないかおwww」
ξ;゚听)ξ「いっいやっだからそういう意味じゃなくて!えっとえっと…!」
( ^ω^)「…いいんだお」
ξ゚听)ξ「…え?」
( ^ω^)「今回の作戦は…何度考えてもやっぱり僕が一番適任なんだお」
( ^ω^)「今北がイヨウのスリーを警戒してくるのは考えなくてもわかるお。
ドクオもあまりスリーを打つタイプじゃないけど、ギコにマッチアップされたら簡単には狙えないお」
ξ゚听)ξ「…だから、ブーンが打つことになったんでしょ?」
( ^ω^)「『イヨウ以外の選手がスリーを打つ』…という条件だけでなら、エクストでもよかったはずだお。
むしろ…エクストの方が僕よりスリーが入るんだからピシャリなはずだお」
( ^ω^)「だけど、エクストが全国大会を経験している選手だってことは今北も調べてあるだろうし…
今までの試合のビデオなんかを観ても、エクストが只者じゃないってことは一目瞭然だお」
( ^ω^)「エクストを今までスタートで起用した試合はないお。そんな中、いきなりエクストがスターティングで
出てきたら…『何かやってくるのかもしれない』って警戒されちゃうお」
ξ゚听)ξ「……『かもしれない』の可能性すらも消すために、ってことね」
( ^ω^)「だお」
( ^ω^)「今回の作戦では…スターティング5人の中で一番へたっぴな僕が、初めてみんなの力になれる試合に
なるかもしれないんだお」
ξ゚听)ξ「確かに、今北のディフェンスにブーンを意識させることができれば、だいぶ攻めやすくなるでしょうね」
( ^ω^)「だお!僕はいつもいつもみんなに助けられてばかりだったお!これで最後の夏だお…最後くらい!」
( ;ω;)「最後くらい…一回くらい…僕は…みんなの力に……エグッ」
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっといきなり泣かないでよ…!」
ξ゚-゚)ξ「……ふぅ」
ξ゚听)ξ「ブーン、聞いて」
( ;ω;)「お?」
ξ゚听)ξ「あんたは、自分を役立たずだと思ってるようだけど、それは違うわよ」
ξ゚听)ξ「あんまりダラダラ長ったらしく言うのも嫌いだから、率直に言うわね」
ξ゚听)ξ「このバスケ部がこうしてインターハイをかけて戦っているこの状況。そう、私たちに今があるのは
全部。ぜーんぶ。あんたのおかげなんだからね」
ξ゚听)ξ「何度も何度もバラバラになりかけて。ケンカして。揉めに揉めて。それでもみんながバラバラにならなかったのは、
あんたがいたからよ」
ξ゚ー゚)ξ「これだけは胸を張って言えるわ。ブーンがいなかったら…今のVIP高バスケ部はなかった、って」
( ;ω;)「ツン……」
( ^ω^)「技術的な点については一切触れられていない件について」
ξ;゚ー゚)ξ ギクリ
( ^ω^)「核心を突かれたからであろうか、あからさまな動揺を見せている件について」
ξ;゚听)ξ「な、なんのことかしら…そ、そういえばショボン先生遅いわね…」
( ^ω^)「論点のすり替えが行われようとしている件について」
ξ゚。゚)ξ
( ^ω^)「…ツンを言葉責めにできたのって、何年ぶりかおねwwwww」
ξ*゚听)ξ「なっ…うるさいわねっ!」
( ^ω^)「…ツン」
ξ*゚听)ξ「…な、なによ!」
( ^ω^)「僕は…今北戦までに。絶対に、絶対に。うまくなってみせるお」
( ^ω^)「一緒に、インターハイに(´・ω・`)「ふー、ごめんごめんお待たせ」
ξ--)ξ=3「…はあ。お約束ね……」
(´・ω・`)「…ん?なんか邪魔しちゃったかな…?」
ξ*゚听)ξ「そっそんなことナイデスヨ!お先に失礼シマッス!!!!オツカレサマデシタ!!!!」
( ^ω^)「おっ…!ツーン!おつかれだおー!気をつけて帰るんだおー!」
(´・ω・`)「なんか…すまないねw」
( ^ω^)「?何がですかお?」
(;´・ω・`)「いや、なんでもないよ…」
(´・ω・`)「さて、シューティングは終わっているかい?」
( ^ω^)「なんとか終わりましたお」
(´・ω・`)「そうかい。じゃあ早速だが…」
(´・ω・`)「左コーナーっ!」
突然ボールを拾い、左コーナーへ山なりのパスを出すショボン。
( ^ω^)「っ!……おっ!」
すぐさまショボンの意図を察し、ボールを追うブーン。
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおおおっ!」
――ばしっ
( ^ω^)(練習どおりのフォームで…!ディフェンスのチェックも想定して…!)
――しゅっ
(´・ω・`)「………!」
( ^ω^)「いい感じ…だおっ!」
――ぱしゅっ!
(´・ω・`)(……驚いたね)
(´・ω・`)「ナイスシュート。練習の成果も見せてもらったことだし、早速ワンオンワンだ」
( ^ω^)「はいですお!」
(´・ω・`)「今日からは亀甲縛りも解除だ。オフェンス・ディフェンスは交互にやろう。…僕からでいいかい?」
( ^ω^)「はいですお!よろしくお願いしますお!」
(´゚ω゚`)
(;^ω^)「!?」
(´・ω・`)「…どうしたの?内藤くん」
(;^ω^)「(気のせいかお…?)な、なんでもないですお!」
(´・ω・`)「じゃあ…行くよ?」
――ダムッ!
(´゚ω゚`)「シャアッ!!!!」
( ^ω^)「ちょっ…(はやすぎ…)」
(´゚ω゚`)「遅いわぁぁっ!!!!!」
(;^ω^)「んな…(どっから跳んd…!?)」
(´゚ω゚`)「カァッ!!!!!!!」
――ガコォッ!
(;^ω^)「ボースハンドダンク…!?」
(´・ω・`)「ディフェンスの一歩目が遅いよ。最初の一歩目が出るか出ないかは非常に重要だ」
(´・ω・`)(……内藤くん。)
――( ^ω^)「一緒に、インターハイに(´・ω・`)「ふー、ごめんごめんお待たせ」
(´゚ω゚`)(あんなタイミングよくたまたま出てくるとでも思ったかい!?)
(´゚ω゚`)(あの状況はね……こういうことだったのさ!)
――回想(´゚ω゚`)――
【壁】
――(;^ω^)「なんとか…300本終わったお」
――ξ゚听)ξ「お疲れさま、はい。ポーション」
【壁】`)
――( ^ω^)「ポーションうめえwwwwwww」
―― 一年「お疲れさまでした!お先に失礼します!」
( ^ω^)「お疲れさまだお!付き合ってくれてありがとうだお!」
【壁】゚`)
――ξ゚听)ξ「この後はショボン先生とワンオンワンの練習ね」
――( ^ω^)「だおー…。何時に帰れることやら…」
【壁】ω゚`)
――ξ゚听)ξ「ショボン先生は残った仕事を済ませてから来るって言ってたわね」
――( ^ω^)「そうかお。んじゃそれまでストレッチでもしておくかお」
【壁】´゚ω゚`)
――ξ゚听)ξ「付き合うわよ」
――( ^ω^)「ありがとだお」
――(´゚ω゚`)回想終了――
(´゚ω゚`)(ぜーーーんぶ丸聞こえだったってことさァァァァァァーーーーッ!!!!)
(´゚ω゚`)(嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬)
(´゚ω゚`)(ShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShit)
(´゚ω゚`)(嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬)
(´゚ω゚`)(内藤くん…今夜は…容赦しないッッ!!!!!)
( ;ω;)「なんかよくわからないけどショボン先生が怖いおーーーーーーーんっ!!!!!!」
第8章 完
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