――ビーーーーーーーッ!


審判「第1クォーター終了!クォーターブレイクに入ります!」




今北産大附今北 23-17 VIP高校







  ( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです  3部

第10章  おっぱいもみたい(タイトルについて反省はしていない)









――VIP高ベンチ



(´・ω・`)「よしよし、出だしはいい感じだ。よくくらいついたね。点差は気にせず徐々にエンジンかけていこうか」


(´・ω・`)(とは言ったものの…)


('A`)(なかなか点が取れない…イヨウが1点も取れてないのがやっぱちょっと痛いか…?)


(=゚ω゚)ノ(1点どころか…一本も打ててないヨウ…!くそっ!)


( ^ω^)(奇襲で得た流れを保つのは難しそうだお…だけどワンオンワンに持ち込むことができれば
       そこから得点につなげられるはずだお)



事実、ブーンは第1クォーターの終了した現時点で9得点・2アシストを挙げていた。


  _
( ゚∀゚)(インサイド陣がうめぇ…)


( ´∀`)(なかなか思うように動けないモナ…)



(´・ω・`)「今回は僕も動くよ」


(´・ω・`)「ドクオ君、イヨウ君」


('A`)「はい!」(=゚ω゚)ノ


(´・ω・`)「二人のポジションを部分的に入れ替えるよ」


(´・ω・`)「部分的に、というのはドクオ君に2番(SG)をやりながら1番(PG)を、イヨウ君に
     1番をやりながら2番をやってもらいたい、ということだ」


(´・ω・`)「ドクオ君は積極的にオフェンスに参加してくれ。ワンオンワンを仕掛けながら、空いたスペースを狙う」


('A`)「はい」


(´・ω・`)「イヨウ君はボール運びだ。そして隙あらばシュートを狙ってくれ」


(=゚ω゚)ノ「了解ですヨウ」




(´・ω・`)「ジョルジュ君、モナー君。インサイド陣にもう少し積極性が欲しい。相手のインサイド陣の
     ディフェンスを縮めて欲しいね。そうすればアウトサイドシュートを狙いたいときにかなり楽になる。
     オフェンスリバウンドもがんがん狙ってくれ」

  _
( ゚∀゚)「はい!(モナ!)」(´∀` )


(´・ω・`)「内藤君は、左コーナーを意識しすぎて攻めが単調になりかけているよ。修正していこう」


(´・ω・`)「ひょっとしたらそろそろ今北にも『5番は左コーナーからしかスリーを打てないんじゃないか』と
     勘付かれているかもしれない。だから、外してもかまわない、まったく違う場所からもスリーを
     打ってみてくれ」


(´・ω・`)「『あれ、もしかしたらこいつ左コーナー以外からも普通に打てるんじゃね?』と思わせたいところだ」


( ^ω^)「はいですお!」



(´・ω・`)「よし、行こうか」




――今北産業大学附属今北高校ベンチ



(■_■)「上出来だ」


(■_■)「クーが向こうの6番を完封できているのがでかい。このまま頼むぞ、クー」


川 ゚ -゚)「了解した」


(■_■)(得点源の6番を完封している状態でこの点差というのはあまりよろしくないが…)



(■_■)「6番が使えないとなると、当然だが7番・8番のインサイド勝負。あるいは、4番・5番の
     アウトサイドシュート・ドライブインくらいしかカードはないだろう。各自、細心の注意を払ってくれ」


(,,゚Д゚)「うっす」


今北G(止められるかな、あの5番…)


/ ゚、。 /「はい!(ニダ!)」<ヽ`∀´>


(■_■)「気を抜くな、そして反撃を許すな。叩き潰してやれ」




――ビーーーーーーッ!



審判「第2クォーター、始めます!」



('A`)「……イヨウ」


(=゚ω゚)ノ「ん?」


('A`)「ボール運び、任せたぜ」


(=゚ω゚)ノ「おうヨウ!」


('A`)「それと…どんな形でもいい、一本だけでもいい、とにかく、決めてくれ」


(=゚ω゚)ノ「んなアバウトなwwwだけど…わかってるヨウ、必ずなんとかしてやるヨウ」



――ダムッ…



(,,゚Д゚)「一本!行くぞゴルァ!」



今北ボールで第2クォーターが始まる。



<ヽ`∀´>「ギコ!」


(,,゚Д゚)「おう!」



――びゅっ…ばしっ



ドクオの上を通すパスでギコからハイポストのニダーへボールがわたる。



――キュッ!



ニダーはその場で反転し、ゴールの方向へ体を向ける。ワンオンワンの体勢だ。



( ´∀`)(『あれ』モナか…!?)


<ヽ`∀´>「勝負っ!」



――ダムッ…!


ニダーは数回のフェイクをいれ、右側にワンドリブル。
そして床に跳ね返ったボールをすぐさま両手で持ち、ボールの勢いも利用して左側へ大きく両足でステップ。



( ´∀`)(読み通りモナ!パワーステップばっかじゃねーかこのワンパターン糞キムチ野郎が!モナ)



しかし…



(;´∀`)「ふんぐっ…」



体つきが一回りほど大きくなったニダーのの力に加え、パワーステップで進行方向も変わっている。



(;´∀`)(押しこまれる…!これは…正面に入りきってないと無理だモナ!)



パワーステップ中に無理に手を出せば即刻ファウルの笛が鳴る。
モナーは迂闊に手を出すことが出来ず、ニダーのペイントエリア内への進入を許してしまう。





  _
( ゚∀゚)(ここでカバーに出たら…間違いなくゴール下のノッポにパスを出されちまう!)

  _
( ゚∀゚)(だけどこのままこのチョンをノーマークで自由にさせるわけにはいかねえ!)

  _
( ゚∀゚)(ヘルプに出るしかない…!)



ペイントエリア内でノーマークでジャンプシュートを放とうとするニダー。
ジョルジュはそのカバーのため、ヘルプディフェンスを行う。



<ヽ`∀´>「ホッ!」



――びゅっ…ダンッ



しかし当然というべきか、ジョルジュはダイオードに対するマークを外してニダーのヘルプに出ている。
その結果。




――ばしっ



/ ゚、。 /「ナイスパスです!」



ゴール下のダイオードはノーマークでニダーからのバウンズパスを受けることとなり。



/ ゚、。#/「っせぁっ!」



――ガコンッ!



「ダ…ダンクだっ!」

「今北インサイド、強えーーーーーっ!!!」




今北産大附今北 25-17 VIP高校


  _
(;゚∀゚)(くっそ、やっぱそーなるよな…)


(;´∀`)「ご…ごめんモナ長岡くん!僕が抜かれたから…」

  _
( ゚∀゚)「気にすんな!やり返すぞ相棒!!」


( ´∀`)「……モナっ!」



――ダムッ…



川 ゚ -゚)「む」


(=゚ω゚)ノ「一本!しまっていこーヨウ!」


(,,゚Д゚)(6番がボール運び…?ってことは…)




――ダムダムッ…ダダダダダダダダダッ…



「な…なんだあの6番!すげぇドリブルだ!」

「でも抜こうとしてねぇぞ!」

「ばか!今北の7番のディフェンスがやばいからなんもできないんだよ!」

「確かに…VIP高の6番は第1クォーター、今北の7番相手に何も出来てなかったもんな…」



川 ゚ -゚)「小細工は効かんぞ。その程度で私を抜けるとでも?」


(=゚ω゚)ノ「お前こそ何言ってんだヨウ!俺の仕事は…」



――ダムッ!



川 ゚ -゚)(真正面だと?)



細かくすばやいキープドリブルを中断したイヨウが突如取った行動は、真正面にいるクーにそのまま
ドライブをしかけるというもの。



(,,゚Д゚)(バカかあいつは!?なんでわざわざ自分からオフェンスファウルを…!?)


クーもギコと同じことを考えた。
オフェンスファウルをより確実に取るために、「自分は何も手を出していないぞ」というモーションを取り、
イヨウとの正面衝突に備える。



(=゚ω゚)ノ(全部見透かしたかのような態度が…プレーにも出てるヨウ!)



クーの体勢は、通常のディフェンススタンスよりも上体を起こし、両腕を上げている状態で、ごく一般的な
テイクチャージの体勢だ。



――キュッ



イヨウはクーと正面衝突を起こす寸前でしっかりと踏ん張る。
そして密着した状態でクーの顔面と左腕の間のスペースを狙ってパスを出そうと試みる。



川 ゚ -゚)(当然それも予測済みさ)



ボールが通過するであろうスペースをしっかりとふさぐクー。そして、あわよくばボールを奪おうと逆側の腕をボールへと伸ばす。
その瞬間、イヨウはボールを持っていた右腕の手首を手前に返し、自信も後方へ移動する。



川 ゚ -゚)(あえて密着してのパスフェイク、から…ステップバックか)



少々予想外ではあったが、まだまだ十分に対応できる範囲のプレーだ。
ステップバックしたイヨウとの距離を詰めるために、一歩、前へ出る。



(=゚ω゚)ノ(ここだっ!)



――ダムッ!



クーが一歩詰めようとしたその瞬間、重心がほんのわずかに前へと向いたその瞬間を狙って、イヨウは鋭くドライブする。
そのドライブは、身長が160cmにも満たないクーのディフェンススタンスよりも低いものだった。



川 ゚ -゚)(ちっ…行かせるものか)


(=゚ω゚)ノ(俺の今の仕事は…!)


(=゚ω゚)ノ「仲間にパスを繋ぐことだヨウ!」



――びゅっ



トップ付近のイヨウから右45度へのパス。それを受け取ったのは…



――ばしっ



('A`)「っしゃ」


(,,゚Д゚)(6番がボールをまわすなら…当然お前が2番ってことだよなあ!)




――きゅっ、きゅっ



ボールを持ったドクオはギコと相対する。ボールを左右に振りながら、大きめのステップでいくつかのフェイクを入れる。



(,,゚Д゚)「行かせねえよ」


('A`)「だーから」


('A`)「今はお前と勝負するつもりはないっての」



――びゅっ…



(,,゚Д゚)(またトップに…6番に戻してスリー狙いか!?)



――ばしっ



( ^ω^)「おっ!」


(,,゚Д゚)「5番!?」




川 ゚ -゚)(ちっ)



トップのイヨウがパスを出したサイドの45度付近(この場合は右45度付近のドクオ)とは逆サイドの
ウイングプレーヤー(つまり左サイドのブーン)の方向へパスランを行い、スクリーンをかける。
スクリーンを受けたウィングプレーヤー(ブーン)はイヨウがパスランを行ったことによって生まれたトップのスペースに
向かい、パスを受ける。

VIP高はガード陣やフォワード間で動き回りながらスムーズなパス回しを行いたい。

しかし今回はトップのイヨウをクーがマークしているため、簡単にパス回しを行うことが少々難しい。
それだけでなく、


――(´・ω・`)「ひょっとしたらそろそろ今北にも『5番は左コーナーからしかスリーを打てないんじゃないか』と
       勘付かれているかもしれない。だから、外してもかまわない、まったく違う場所からもスリーを
       打ってみてくれ」

――(´・ω・`)「『あれ、もしかしたらこいつ左コーナー以外からも普通に打てるんじゃね?』と思わせたいところだ」



というショボンの指示もあり、左コーナー以外でのスリーポイントエリアでブーンにボールを持たせる必要があった。
そのため、この状況でブーンのポジションを移動させつつボールを回すには、この選択は最適だったといえる。





( ^ω^))クイッ


((^ω^ )クイッ


(^ω^)チラッ



左右に振るフェイクを入れながらリングへの視線も絶やさない。
時折、インサイドの選手に目を配ることも忘れない。



今北G(なんだ…何をしてくる気だ…?まだ外でパスを回すつもりなのかそれともポストへパスを…?)


今北G(可能性は低いがこのエリアからスリーを打ってくるということもあり得る…)



( ^ω^)「おおっ!」



――ダムッ!



今北G(右!!またワンオンワンか…!行かせんぞ!)




( ^ω^)「…ふっ!」



――ぎゅっ



今北G「なっ…(ステップバック!?ちょっと待てそこは…!)」


(,,゚Д゚)(またスリーポイントライン上…!)


(,,゚Д゚)(しかも一旦スリーポイントライン内に入ってからステップバック…!)


(,,゚Д゚)(そんなプレー、よっぽど自信のあるときか、意地でも3点が欲しいときくらいにしかやんねえ!)


(,,゚Д゚)(そして今はそうまでして3点を取りに行くような状況じゃない!ってことはこいつ…そんなに
     スリーに自信があるのか!?)



――しゅっ



「打ったぁ!」

「スリーだっ!」

「VIP高はひたすら5番で攻めてくるつもりか!?」






( ^ω^)(『外しても構わない』…かお)


( ^ω^)(そう言われると随分気楽なもんだお)






――ザシュッ



('A`;)「うお」



「「「「「!!!!!」」」」」



ξ;゚听)ξ「入っちゃった!!」


(-_-)「左コーナーじゃないのに…!」


(´・ω・`)「正直マグレかもしれない、だけど…嬉しい誤算だ」


(*゚ー゚)「左コーナーで打ちまくった成果は他の箇所にも出てる!いけるよ!」




今北産大附今北 25-20 VIP高校




(;^ω^)(…入っちゃったお……)


(;,,゚Д゚)(まじかよ…一体どうなってやがんだゴルァ!?)

  _
( ゚∀゚)「やるじゃねーかブーン!」


( ´∀`)「ナイッシュ、モナ!ディフェンスしまっていこうモナ!」



――ダムッ…



(,,゚Д゚)(…どうする…!あのスピードにワンオンワンの強さ…スリーもある…!
     正直、今北Gじゃあ荷が重いか…?だがドクオや6番を空けるわけにも…)



――ばちっ



('A`)「上の空じゃねーか。そんなにブーンが怖いかよ」


(;,,゚Д゚)「しまっt……!」



「ターンオーバーだ!」

「やっぱVIP高の4番うめぇーー!!」

「VIP高は速攻くるか!?」

「いや……!」



――きゅきゅっ



川 ゚ -゚)





('A`)(ちぃっ…戻りが早い…!いや違う、セーフティーが深いんだ)


('A`)(この7番はシュートエリアが馬鹿みたいに広い…だからギコがパスを回す場所より後ろで
   ボールを持ったとしても攻めてくる可能性は十分ある)


('A`)(それはつまり逆に言えば、攻めている側のチームの中で誰よりも近い場所で自陣のゴールを守れる、ということ)


('A`)(カウンター速攻に対するセーフティーをとると同時にオフェンスにもしっかりと参加してくる…
   厄介以外の何者でもないな)


('A`)(さっきのうちのオフェンスのときもそうだ。イヨウはただ俺にパスを出すだけなのにあれだけタイトに
    ディフェンスされていた…)


('A`)(正直なところ、俺たちとあの7番じゃあ、選手としての格が違う)


('A`)(だけど……)


( ^ω^)ヘイパス!ヘイパス!ヘイパs…




('A`)「ジョルジュっ!」



――びっ…ダンッ



ハイポストのジョルジュへドクオからバウンズパスが通る。



――ばしっ


  _
( ゚∀゚)「しゃっ!」


/ ゚、。 /「っ!」キュキュッ

  _
( ゚∀゚)「っ…!(うまいこと体ぶつけてきやがるな…!)」



――きゅっ



/ ゚、。 /(…ハイポストからワンオンワンをしかけてくるつもりか)


( ^ω^)ヘイパス!ヘイパス!ヘイパs…


  _
( ゚∀゚)「おらっ!」



――ダムッ!



/ ゚、。;(´∀` ) がしっ



/ ゚、。;/(スクリーン…!ニダーさん、声かけて教えてくれなきゃさすがにわからないですよ…!)


/ ゚、。 /「スイッチ!」


<ヽ`∀´>「任せるニダッ!」


( ^ω^)ヘイパs…

  _
( ゚∀゚)「てめーに用はねぇよクソチョンっ!!」



――ズダッ



/ ゚、。 /(跳ん…いや、飛んだ…?)


( ^ω^)ヘイパs…!

  _
(#゚∀゚)「どっ……かーーーんっ!!!!!」



――ガコォッ!




「今度はVIP高がダンクだぁーーーー!」

「あの8番どんだけ跳べんだよ!?」

「180cmくらいしかないじゃねーか!身体能力がエグすぎる!」


  _
( ゚∀゚)「相棒の借りは返すぜノッポ!」


/ ゚、。 /(強いなあインサイド…アウトサイドもバランスいいし…結構強いじゃん、VIP高校)




( ^ω^)ナイッシュー





今北産大附今北 25-22 VIP高校








――ダムッ…



川 ゚ -゚)「ギコ、かわろう」


(,,゚Д゚)「?」


川 ゚ -゚)「ポジションを、だ。2番にまわって無心で点を取れ。どうもすぐ考え込む癖があるみたいだなお前は」


(,,゚Д゚)「うっ、すまん…把握。頼んだぜゴルァ」


川 ゚ -゚)(それだけキャプテンとしての自覚が出てきてる、ってことなんだろうがな。そんなものお前には重荷でしか
     ないだろうに)



――ダムッ…



川 ゚ -゚)「次はポイントガード同士で戦ってみるか?」


(=゚ω゚)ノ「この…!」




(*゚ー゚)「イヨウ君にひたすら素直君が…」


<_プー゚)フ「これはまさか…イヨウさんが狙われてる…?」


(´・ω・`)「悔しいが、そういうことかもしれない。イヨウ君とクール君とでの実力差は正直なところ、否めない。
     …今のところは、ね」


(´・ω・`)(君がそこから一本でも決められたら…流れは動くはずなんだ。耐えてくれ、イヨウ君…!)



――ダムッ!



(=゚ω゚)ノ「くっ…(止められない!)」


('A`)「突っ込んでくるぞ!ジョルジュ、モナー!カバーだっ!」



――きゅっ



(,,゚Д゚)「人のこと気にしてる場合かよ」


('A`;)(くっ…中じゃなくてお前があわせてくるのかよ!?)



一旦はインサイドに切り込んできたクーだが、ドクオの視線がインサイドに向いた瞬間にギコはドクオの裏をとる。
そしてクーはそれを見逃さず、すぐさまギコへパスを捌く。






(,,゚Д゚)「おおっ!」



――ダムッ!



( ´∀`)「カバーっ!」



ゴール下へと切り込むギコ。
カバーに出てくるモナー。
よって、ニダーのマークが空く。



(,,゚Д゚)「ニダー!」



――びゅっ…ばしっ



<ヽ`∀´>「ニダッ!」



――キュキュキュ!


  _
( ゚∀゚)「行かすかっ!」



ノーマークになったニダーにボールが渡るが、今度はジョルジュがそれをカバーする。





<ヽ`∀´>「だったらこっちがノーマークニダッ!」



――びっ


  _
(;゚∀゚)(だーーっくそ、またノッポにパスが…!?)


/ ゚、。;/「ニダーさん、待tt…」



――ばちんっ



('A`)「走れっ!!!」


<;ヽ`∀´>「ファビョーーーーン!!4番!?」



ジョルジュがニダーのカバーに向かったことで、当然ダイオードがノーマークとなった。
ニダーはセオリー通り、ノーマークのダイオードへパスを出したが、ディフェンスを上手く
ローテーションさせたドクオがこれをインターセプト。

そのまま一気に速攻に持ち込むべく、ダイオードの膝元を低く鋭いドライブで突破する。

ドクオの独走でハーフラインに差し掛かる。
しかしハーフライン付近にはやはりと言うべきか、番人が待ち受けていた。





川 ゚ -゚)「行かせん」


('A`)「いやいやせっかくの速攻だし行かなきゃさ」



――ダムッ!



さらにドリブルをし、クーを引き離そうとするドクオと、それに併走するクー。



('A`;)(脚はえーってのまじで!このままじゃ止められちまう…)


('A`)「おりゃっ!」



――ダムッ



クーはドクオの右側を併走し、今にも前に回りこまん勢いだ。
ドクオは、ボールを右前に大きく放り投げるようなドリブルをする。
手を伸ばしても届かない距離だ。だがボールを持っていない分、身軽に、素早く動ける。

自分よりも数歩前にあるボールを追うように、自らも右前に向かってカットする。
ボールを追いながらクーの進行方向に体をいれ、妨害する形となる。





川 ゚ -゚)(その程度のプレー、ボールを右前に放った時点で予測済みさ)


(゚- ゚川 ぎゅっ



クーはすぐさま進路を変える。
右側からドクオに追いつこうとするのではなく、一旦ドクオの後ろを通って左側へ。
もちろんこれは大きな遠回りとなる。
数歩の遅れが致命的な距離差を生むはずではあるのだが……



――キュッ!



('A`;)(嘘だろ!?)




(;・∀・)「後ろから回り込んだのに捉えただって!?」


从'ー';从「なんってデタラメな…」






('A`)(…けど行くしかねえ!ここで決められることができれば1点差なんだ!
    せっかくの速攻を無駄にするわけにはいかない!)



ドクオがレイアップのステップを踏み始める。スティールを避けるためにボールは右手に持っている。



('A`)(このままバックシュートに持ち込めばいけるか…?)



「ドクオ!」





('A`)「…あっ」





そして気付く。クーの馬鹿げた身体能力にばかり意識が行ってしまっていたことに。
冷静に考えたら、すぐにわかる事実に。



――ダァンッ!



ドクオの選択したプレーはレイアップではなかった。
右手に持っていたボールを、ボードに勢いよく叩きつける。
当然、ボールは叩きつけられた角度と強さに応じて跳ね返り、導かれる。


そう――



「珍しく雑なパスじゃねーかヨウ」




(=゚ω゚)ノ「キャプテンっ!!」



――沈黙を保っていた獅子の手元へと。



川 ;゚ -゚)「!」




――しゅっ



(=゚ω゚)ノ(よし)



完璧な軌道。
これまで溜め込み続けた鬱憤に対する当てつけであるかのように、見事なアーチを描いたスリーポイントシュートが放たれた。



(  =)クルッ



入るか外れるか。そんなもの、見るまでもない。
リバウンドに飛び込む必要すらない。


彼が、そのシュートの成功を確信したのだから。



――ぱしゅんっ




今北産大附今北 25-25 VIP高校










(´・ω・`)「――――――ッ!!!」



ベンチで声にならない叫び声を上げ、強く拳を固めるショボン。



「ど…同点だぁ――――!」

「一気に詰めてきた!!!」

「VIP高の6番がとうとう…!今北の7番から直接決めたわけじゃないけどこれはでかい!!」




――ビーーーーーーーーーーーーーッ!



審判「タイムアウト、白!」


(´・ω・`)(…ちぇ、そりゃそうか)



「あぁーーーーっ!?んだよいいとこだってのに!」

「セオリーだよ!流れは完全にVIP高だ!今北はそれを切らざるを得ない!」


――VIP高校ベンチ


  _
( ゚∀゚)「イヨウ!よく決めてくれた!」


('A`)「イヨウのポジショニングとかろくに考えずにとっさにパス出しちまったけど…さすがだよ」


( ^ω^)「一気に同点だお!すごいお!」


(=゚ω゚)ノ「勝負所はまだここじゃねぇ…喜ぶにはまだ早い。そうだヨウ?先生」


(´・ω・`)「その通り」


(´・ω・`)「だが、今のは素直に褒めてあげたいところさ。本当に、よく決めてくれた」


(´・ω・`)「それから、内藤くんも」


( ^ω^)「…お?」


(´・ω・`)「『外しても構わない』って言ったじゃないかww」


( ^ω^)「おっおっおっwwww外してもいいんだ、って考えたら急に気持ちが楽になってwww
       なんか入っちゃいましたおwwサーセンwwwww」






(´・ω・`)「ここからが勝負だよ。今北を、突き放す」





( ´∀`)「突き放す…?」


(´・ω・`)「道はたった今、イヨウ君が示してくれた。長い苦しみの末に、ね」


(´・ω・`)「7番、素直クール。オフェンスでもディフェンスでも最大の難所だ。確かに彼はとんでもないプレーヤーさ」


(´・ω・`)「だが、自分のマッチアップでない選手にまで干渉することは難しい」


(´・ω・`)「ついさっきのプレーのように、他の選手が素直クールをひきつけることが出来れば」


( ^ω^)「イヨウにスリーを打たせられますお…!」


('A`)「クーは常にセーフティーに行ける状況だ。それを逆手に取る、ってことか」

  _
( ゚∀゚)「どういうことだ?」


('A`)「さっきのプレーを思い出してみてくれ。俺が今北のオフェンスからターンオーバーを奪っただろ?」


('A`)「そしてそのままワンマンで速攻に持ち込んだ」


('A`)「普通の相手だったら、あのまま俺一人で得点まで漕ぎ着けられたはずだ」




( ^ω^)「だけど素直クールが出てきたおね…馬鹿っ広いシュートエリアを持つおかげで、常に
       セーフティーを確保できるから」


('A`)「そうだ。そしてそのまま走りながら俺と1対1になっていた」


('A`)「おかげで、イヨウが空いたんだ」

  _
( ゚∀゚)「まさしく、『逆に』ってやつだな。素直クールを引きつけておくことさえ出来れば、イヨウにも
     シュートチャンスが生まれるってことか」


(=゚ω゚)ノ「俺一人の力でなんとかできないのが心苦しいヨウww」


( ´∀`)「だけどそれこそチームプレイモナ!」


(´・ω・`)「その通りだ。そして、イヨウ君に渡すことばかりを考えるのではなく…」


('A`)「隙あらば速攻、もしくは他の選手にも打たせる。いま俺たちがベンチで話していることを、向こうも
   警戒してくるはずですもんね。今のプレーの残像は間違いなく今北の頭の中に焼き付いてる」


(´゚ω゚`)「いかにも」


<('A`<;)(またやっちまったァーーーーーーーー!)



(´・ω・`)「素直クールをひきつけるためには速攻が必要だ。そして速攻を行いやすくするには、ディフェンスだ。
     当然のことなんだけどね」


(´・ω・`)(4番、ギコ。彼のクラッチタイムが来る前にできるだけ引き離しておきたい…)


(´・ω・`)(だが、そう簡単に行くかどうか…でも、やるしかないね)





――今北産業大学付属今北高校ベンチ



(■_■)「…てなわけで。VIP高はクーにあえて仕事をさせるために速攻…カウンターを狙ってくるはずだ。
     各自でセーフティーの意識をしっかりと持て。派手なプレーをしようとするなよ、迂闊なパスは厳禁だ。
     奴らに付け入る隙があるとすれば、それしかないからだ」


(■_■)「オフェンスは、絶対にシュートで終われ。ギコもクーも自分の前が空いたら迷わず打て。リバウンド勝負に
     なったとしても、うちももはや負けてはいない」


(■_■)「腕の見せ所だぞ、ニダー、ダイオード」



――ビーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!




審判「タイムアウト終了です!」



(´・ω・`)(勝負だ!)(■_■)




343 : ◆HJkAGxFZpI:2011/11/21(月) 01:44:18 ID:lsjAN3Ss0


('A`)「あれ、ブーン。今回のオチは?」


( ^ω^)「…え?」


('A`)「作者が復活してからさ、やたらとお前のオチが多いじゃん。今回もあるんだろ?」


(;^ω^)「…えっ?えっ?」


('A`)「いや、『えっ?』とかそういうのいらないからさ。オチはないの?」





('∀`)「オチは?ねえねえオチは?」





(#^ω^)「しつけええええええっ!」




第10章  完





前のページへ] 戻る [次のページへ] [コメント