――ビーーーーーーーーッ!!!



審判「第2クォーター終了です!ハーフタイムに入ります!」



――ざわ…ざわ…




( ・∀・)「予想外の展開だ」


( ><)「正直、もっとわかりやすい展開になるものかと思ってたんです…」


从'ー'从「これまでの戦績、そして全国でも明らかに上位に食い込むであろう選手の充実ぶりから鑑みても…」


( ・∀・)「ああ。今北有利、というのが正直な見解だった」


( ・∀・)「それがまさか…」





今北産大附今北 38-44 VIP高校











( ・∀・)(誰が予想しただろうか。この展開を)


( ><)「もしかしたらこのままVIP高が逃げきるかもしれないんです!バスケは先行逃げ切りでの勝ちが多いって
      何かで見たことあるんです!」


( ・∀・)(会場の予想はおそらくビロード君の言っていることと同じだろう)


( ・∀・)(だが…)


( ・∀・)(VIP高のメンバー達は、心中穏やかではないだろうね)






――VIP高校ロッカールーム



('A`)「ちくしょっ…。…まあ、負けてないだけマシか」


(=゚ω゚)ノ(不甲斐ねーヨウ…結局、前半での得点はスリー一本の3得点のみ…)


一年A「なあ、なんで先輩たちは嬉しそうじゃないんだ?6点差で勝ってんだぞ…あの今北に」ボソボソ


一年B「ばっか、おまえそんなのもわかんねぇの?」ボソボソ


一年A「え、お前わかるのか?」ボソボソ


一年B「まずだな、イヨウさんのスリーが結局一本だけに封じ込まれちまったことだろうな。糸口を
   掴めたかと思ったんだけどな」ボソボソ


一年A「確かに…相手の7番のディフェンス、まじでやばいもんな」ボソボソ


一年B「次に、前回投下時のタイムアウト中に、ショボン先生は『速攻メインで突き放したい』ということを
   言ってたよな」ボソボソ


一年A「(投下…?)あ、ああ。そうだな。けど実際、先輩たちは何本かきれいに速攻で決めてたじゃねーか?」ボソボソ


一年B「速攻は速攻さ。だけど…単発だ」ボソボソ


一年B「速攻を決めたことで相手が焦り、ターンオーバー。→そこからさらに速攻…っていう黄金パターンはなかった」ボソボソ


一年A「今北もうちの速攻を超警戒してたんだろうな。決められても慌てている様子がなかった」ボソボソ


一年B「そうだ。だけど、単発での速攻とはいえ、今北からターンオーバーを奪っての速攻も何本かあった」ボソボソ


一年B「第2クォーターで打ったシュートの数は、うちの方が多い」ボソボソ


一年A「それなのに3点差…つまりどういうことだってばよ?」ボソボソ


一年B「だーーーーっ!おまえほんとに試合観てたのか!?あの7番がやたらめったらスリーをぶちこんでくるせいで
   思うように引き離せないんだろ!」ボソボソ


一年A「あっ…そうだったな」ボソボソ


一年B「ったく…。それに加えて、だ」ボソボソ


一年A「まだあるのかよ!?」ボソボソ


一年B「もしかしたらあの7番よりも脅威となる…かもしれない存在。そう、4番のギコだよ。あいつがまだ
   その牙を剥いていない…それが一番の脅威なんだよ」ボソボソ


一年A「確かに…あの4番はやべーよな。一度当たりだしたらうちの先輩たちでも迂闊に手を出せねえ」ボソボソ


一年A「だから…『保険』って言い方は変だけど、できるだけ点差を広げておきたかった、ってことか!」ボソボソ


一年B「そゆこと」ボソボソ






('A`)(第2クォーターのハイライト及び説明、乙。そしてthx、作者的に手間が省けた)


('A`)(だが、あいつらの言うとおりだ)


('A`)(確かに、狙い通りの速攻は何本か決めることができた)


('A`)(今北も、うちの速攻は最大限警戒してきていたはず…にもかかわらず、だ)


('A`)(だけど、『もう一本』がどうしても出なかった)


('A`)(それはやはり速攻をしっかりと警戒されているということ…)


('A`)(とりあえず現段階でただ一つ言えるのは)


('A`)(このままじゃあ、埒が明かないということ)


('A`)(この状況を打破する、『何か』が必要だ…!)



(=゚ω゚)ノ(『クーを俺以外の誰かに引き付けて俺がパスを受ける』…言うが易し、とはまさにこのことだヨウ)


(=゚ω゚)ノ(タイムアウト明けから、今北の戻りが段違いに速くなった)


(=゚ω゚)ノ(それはつまり、俺がスリーを決めたあのプレーが、今北にとっては是が非でも止めなくちゃならない
     プレーだ、ってことだヨウ)


(=゚ω゚)ノ(…イコール、俺がそのディフェンスの網をかいくぐってスリーを決めることが出来ていれば…もっと
     楽に後半を迎えられたはずなんだヨウ)


(=゚ω゚)ノ(シュートが入らないだけじゃない)


(=゚ω゚)ノ(クーに点を取られすぎている…)


(=゚ω゚)ノ(第2クォーターだけでスリー3本を含めて11得点…他の得点も、ほとんど俺のところから崩されたことが
     原因だヨウ)


(=゚ω゚)ノ(今北の第2クォーターでの得点は18。第1クォーターよりは抑え込めてはいるヨウ…けどうちにとっての
     18失点のうち、一体何点に俺が絡んでいる!?)


(#= ω )ノ(ほとんど…全部だ…!)ギリッ…


(= ω )ノ(こんなんじゃあ、出場している意味が…)


(=゚ω゚)ノ(このままじゃ、ダメだ)


(=゚ω゚)ノ(『なんとかして』流れを変えていかないと…!)





(´・ω・`)(うまくハマれば二桁差くらい開いてくれるかな、なんて思ってたけど…)


(´・ω・`)(いかんせん相手が相手だ。そう上手くはいかないか)


(´・ω・`)(ギコ君がまだ大人しくしている、というのがもっぱらの脅威…)


(´・ω・`)(だがしかし、負けて折り返すよりは随分とマシ)


(´・ω・`)(そして大きく突き放すことに成功していた場合よりも)


(´・ω・`)(もし下手に点差を開けることに成功して…『勝ち』を意識してしまえば…)


(´・ω・`)(そんな状況で、ギコ君がクラッチタイムに入ってしまったら…)


(´・ω・`)(試合はようやく折り返したところ。それこそ修正不可、だっただろう。
      みんなよくがんばってくれている。本当に)


(´・ω・`)(だがこのまま現状維持では意味がない。ジリ貧だ)


(´・ω・`)(『起爆剤』が、必要だね)











  ( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです


第11章 勝利への呼び水


















(´・ω・`)(試合が動くのを待つわけにもいかない。それじゃあ遅すぎるんだ)


(´・ω・`)(酷かもしれないが…こちらから、動く)



(´・ω・`)「エクストくん」


<_プー゚)フ「はっ!はいっ!」


(´・ω・`)「出番だ。後半スタートから行くよ。アップは済んでるね?」


<_;プー゚)フ「お、おいっす!」


(;=゚ω゚)ノ(……俺か?)


(´・ω・`)「流れを変えたい。なんとしても、ね」


(´・ω・`)「エクスト君の機動力で、速い展開に持ち込む。狙いは、今北を焦らせること」


(´・ω・`)「焦れば、必ずミスが出てくる。そのほつれを突くよ」


(=゚ω゚)ノ(…そりゃそっか、ヨウ)


(=゚ω゚)ノ(入らない…いや、打つことすらできないスリーよりも、展開を早くして2点を積み重ねていくほうが
     確実だもんなヨウ)




(´・ω・`)「すまないが、エクスト君と交代だ―――


(=゚ω゚)ノ(いいんだヨウ、先生。気を遣ってくれなくたって。だけど…)


(= ω )ノ(無様だヨウ…みっとも…ねーヨウ…)



(´・ω・`) ―――モナーくん」


(;=゚ω゚)ノ(えっ?)


( ´∀`)「了解ですモナ」


( ´∀`)「先生ww気を遣わなくていいですモナwww適材適所、ってのはわかってますモナww」


( ´∀`)「正直、僕は足が遅いですモナ、だから僕も、エクストを出すべきなんじゃないか、って言おうかと
       思ってましたモナ」


(´・ω・`)「そうかい。すまないね」





(´・ω・`)「そういうことだ、しんどいとは思うけど…頼むよイヨウくん」


(=゚ω゚)ノ「えっ?」


( ´∀`)「展開を早くできれば、イヨウ君にシュートチャンスが生まれる確率が上がるモナ!」


(;´∀`)「もちろん、展開が速いのは素直クールにとっても得意分野だろうから…君が難儀するのも
       わかってるんだけど、モナ」


(=゚ω゚)ノ「……任せとくヨウwwwww」


( ^ω^)「おっおっwww頼むお、イヨウwwwwこのままじゃVIP高のスリーポイントシューター内藤ホライゾンが
       誕生してしまうおwwww」


(=゚ω゚)ノ「てめっ!wwwwww」


( ^ω^)「おっおっおっwwwwww」

  _
( ゚∀゚)「インサイドもしっかり頼むぜ、エクスト!マッチアップはどーする?かわるか?」


<_プー゚)フ「いえ、大丈夫っす!鈴木ダイオード、初見ではないですし!」

  _
( ゚∀゚)「把握!ノッポは任せたぜ!」


<_プー゚)フ「うぃっす!」



(;=-ω-)ノ(よかったヨウ、交代じゃなくて……)


(=゚ω゚)ノ(なんとかしてスリーを…)




……ちょっと待て。









(#=゚ω゚)ノ( 俺 は 何 を 『 ホ ッ と し て い る 』 ん だ ! ? )


















(#=゚ω゚)ノ(…カッコ悪すぎだろーがっ…!)


(=゚ω゚)ノ(…いや)



八つ当たりはよそう。たとえその対象が、自分であっても(それを八つ当たりというのかどうかは置いといて)。



(=゚ω゚)ノ(受け止めるんだ)



過酷な現実を。
非力で矮小な自分を。


全てはそこから始まるのだ。


そして、信じよう。



(=゚ω゚)ノ(クーを…倒す!!!!)





(´・ω・`)「そろそろ5分前だ。フロアに戻って、シューティングしよう」


――ビーーーーーーーーーーーッ!!!




審判「ハーフタイム終了!第3クォーターを始めます!」



('A`)「っし、行こう」


( ^ω^)「このまま突っ走る!お!」

  _
( ゚∀゚)「集中!いこーぜっ!」


(=゚ω゚)ノ「…おうヨウ!」


<_プー゚)フ「おいっす!」


<_プー゚)フ「内藤さん」


<_プー゚)フ「パス、出しますから!」


( ^ω^)「おっ!頼んだお!」







――ダムッ…



<_プー゚)フ「いっぽーん!いきまっしょい!」


( ・∀・)「彼は…!」


从'ー'从「15番、エクストプラズマン…ポジションは、ポイントセンター!」


( ><)「VIP高も攻めの采配なんです!」





(,,゚Д゚)(このタイミングでルーキーを…)


(,,゚Д゚)(あの15番はビデオで観た程度の情報しかないが…なかなかの腕だというのはわかってる)


(,,゚Д゚)(190cm近い長身。ポイントガードをこなしながら、中からも外からも攻撃に参加してくる。
     かと思えば普通にポストプレーもしてくる。ある意味、オールラウンダーの究極型…)


(,,゚Д゚)(だが)



――きゅっ



/ ゚、。 /「ボールおkです!」



「今北のセンターが…!?」

「VIP高のポイントガードにマッチアップ!?」



(,,゚Д゚)(ダイオードがあの15番と面識がある、ってのはラッキーだったぜゴルァ)










――試合のおよそ1週間前。今北産業大学附属今北高校バスケ部寮 ギコ&ニダーの部屋



(,,゚Д゚)『監督からVIP高の試合のビデオを借りてきたわけだが』


(,,゚Д゚)『この15番がなあ…なんでもできるってレベルじゃねーぞゴルァ!』


<ヽ`∀´>『身長的には十分センターで通用する高さニダね、だけどインサイドプレーヤーがマッチアップすると
      外に引きずり出されることになるニダ…』


(,,゚Д゚)『かといって普通のガードがマッチアップしてもえらいミスマッチになるな。そのミスマッチをインサイドに
     持ち込まれると、ちと辛い』



――コンコン



(,,゚Д゚)『?はーい!』


『ダイオードです。今、大丈夫ですかー?』


(,,゚Д゚)『鍵開いてるぞー!入ってくれゴルァ!』


『はい。失礼します』



/ ゚、。 /『お疲れさまです』


<ヽ`∀´>『どうしたニダ?』


/ ゚、。 /『あ、いえ、洗濯終わったので。洗濯物を届けにきました』


(,,゚Д゚)『おっと、もうそんな時間だったのか。すまんなゴルァ』



/ ゚、。 /『ベランダに干しておけばいいですか?』


<ヽ`∀´>『そ…そこまでしなくていいニダよ!』


/ ゚、。 /『いえ、そんな…。でもニダーさんがそんなこと言うなんて珍しいですね』


<ヽ`∀´>『どういうことニダ?』


/ ゚、。 /『こういう雑用、誰よりも人にやらせたがるタイプだと思っていたので』








<;ヽ`Д´>




<;ヽ`Д´>『ウリのことをなんだと思っているニダ…』


<ヽ`∀´>『とりあえず、干すのはウリがやるニダ!』


/ ゚、。 /『わ、わかりました…でもいいんですか?やりますよ?』


(,,゚Д゚)『いーんだよ、ダイオード』


(,,゚Д゚)『こいつ今日、俺とのフリースロー対決負けたからな、洗濯当番だったんだよ』


(,,-Д-)『まさか取りに行くのを忘れてたとは……』


<ヽ`∀´>『そ…それもそうなんだけどニダ!』


(,,゚Д゚)『ん?』


<;ヽ`Д´>『2m近い大男が嬉々として家事をやる姿…なんか怖いんだニダ…』


/ ゚、。;/『何気にひどいこと言ってますよ、気づいてます?』



(,,゚Д゚)『ま、干すのはニダーに任せとけゴルァ』


(,,゚Д゚)『あ、そうだ。ダイオードも観てくか?』


/ ゚、。 /『これは…ラウンジ学園ですか?』


(,,゚Д゚)『いんや、VIP高』


/ ゚、。 /『把握』


(,,゚Д゚)『おっと、なんか飲むか?わざわざ洗濯物も届けてもらったことだし』


(,,^Д^)『まあ、水かお茶かポカリしかねーんだけどな!遠慮すんな!ギコハハハハ!』


/ ゚、。 /『あ、ありがとうございます。じゃあ、お茶を』


(,,゚Д゚)「ポカリじゃなくていいのか?うまいのに」


/ ゚、。 /『むし歯になるといけないので…』


(;,,゚Д゚)『そ…そうか(やっぱ変わってんなこいつ…)』




(,,゚Д゚)『ほい、お茶』


/ ゚、。 /『いただきます』


/ ゚、。 /『しかしなぜこんなビデオが?』


(,,゚Д゚)『次の全体ミーティングのときにみんなで観る予定だったんだがな、暇だったし監督に借りてきた』


/ ゚、。 /『なるほど。…どうしてラウンジ学園ではなくVIP高の試合を?』


/ ゚、。 /『どちらかと言えば、対策を練るべきはラウンジ学園では?』


(,,゚Д゚)『まあ…こいつらには一度ギリギリまで追い詰められたことあるし…な』


/ ゚、。 /『…それだけですか?』


(;,,゚Д゚)(…鋭いな…ほんとに15歳かこいつ?)


(,,゚Д゚)『この4番がな、腐れ縁みたいなもんでよ』



(,,゚Д゚)『中学時代の総体、県決勝。勝てば名門今北の推薦がほぼ確実』


(,,゚Д゚)『とにかく名を挙げたかった。少なからず自信もあったしな』


(,,゚Д゚)『だがこの4番…ドクオ率いるVIP北中学は強かった』


(,,゚Д゚)『ここで負けたら推薦がもらえない――そんな理由で、俺はこいつを壊した』


(,,-Д-)『……味を占めちまったんだろうな』


(,,゚Д゚)『晴れて県優勝。全中ではすぐに負けちまったが、俺は名門への切符を手にした』


(,,゚Д゚)『しばらくはそのやり方でいた。だけど、すぐに思い知らされた』


(,,゚Д゚)『高校入学直後のインターハイで、な』




(・∀・)










(,,゚Д゚)『FOX学院、ジエン』


(,,゚Д゚)『手も足も出なかった。同じ一年だったのに、な』


(,,゚Д゚)『だけどそのFOX学院も、決勝では、ひろゆき高校に惨敗』


/ ゚、。 /『ひろゆき高校はまあ…正直、次元が違いますもんね』


(;,,゚Д゚)『言うなよ…気が遠くなるだろw』


(,,゚Д゚)『目がさ、覚めた気がした』


(,,゚Д゚)『あんなやり方じゃ、勝てねえ。気持ちよくねえ、って』


(,,゚Д゚)『そしてVIP高は上がってきた』


(,,゚Д゚)『ドクオと共に、な』


(,,゚Д゚)『自分がやってきたことを「反省してまーす、これからは心を入れ替えて
     一生懸命がんばりまーす」なんて、美談にするつもりも、ましてや正当化するつもりもない』


(,,゚Д゚)『ただ、あいつと…ドクオと闘いたい』


(,,゚Д゚)『自分の悪行を棚に上げてるのは、わかってんだけどな』


/ ゚、。 /『ギコさん…』


(,,゚Д゚)『オフレコで頼むわw』


<ヽ`∀´>『干し終わったニダ〜』


(,,゚Д゚)『乙』


/ ゚、。 /『乙です』


<ヽ`∀´>『さ、ビデオの続きでも観るニダ』


(,,゚Д゚)『そーだな、この15番をどーするか…』


/ ゚、。 /『…あれっ』


(,,゚Д゚)『?』


/ ゚、。 /『僕、こいつ知ってます』


<ヽ`∀´>『なぬっ』


(,,゚Д゚)『全中か?』


/ ゚、。 /『はい』


<ヽ`∀´>『ダイオードの中学は確か全中ベスト4だったニダね』


/ ゚、。 /『ええ』



(,,゚Д゚)『こいつと…対戦したことあるのか?』


/ ゚、。 /『いえ、対戦したことはないです。ただ、やたらと絡まれましたね』



――<_プー゚)フ「おいっ!お前より俺のほうが上手いんだぜ!」

――<_プー゚)フ「俺のプレー観に来いよ!度肝抜かさしてやっからさ!」

――<_プー゚)フ「おーっ!初戦突破したか!さすが俺のライバル!」



/ ゚、。 /『…てな具合に』


(;,,゚Д゚)『見た目どおりのウザさだな…』


<ヽ`∀´>『で、こいつ…この、エクストってやつのチームはどうだったんだニダ?』


/ ゚、。 /『えーっと確か…』



――<_プー゚)フ「ありえねえ!この俺が2回戦ごときで負けるなんて!」

――<_プー゚)フ「言っとくけどな!これが俺の実力に直結するわけじゃねえ!あいつらだ!
         あいつらがまともに動かないから――」



/ ゚、。;/『…だったかなあ』




/ ゚、。 /『やたらと絡まれるし、気になってもいたのでちょうどその2回戦の試合を観ていたんです』


(;,,゚Д゚)『「気になってた」って…お前まさかウホッ。か?』


/ ゚、。;/『違いますよ!!!!』


<ヽ`∀´>(全力の否定……)


/ ゚、。 /『彼のいた中学は、大会前の下馬評ではかなり上位に食い込んでくるであろうと
      予想される名門だったんです』


/ ゚、。 /『勝ち上がっていけばいずれ当たるかもしれませんでしたからね、偵察も兼ねて』


(,,゚Д゚)『…どうだったんだ?』


/ ゚、。 /『ひどいもんでしたよ。なぜこんなチームが全中に出ているのだ、ってくらいに』


(,,゚Д゚)『……ほう』


/ ゚、。 /『決して弱いチームではなかったんです。むしろ、非常にバランスが取れていていいチームでした』


/ ゚、。 /『ですが、彼――エクストは己の才能に溺れていた』


/ ゚、。 /『なまじセンスがあるだけに、全中に出場できたのは自分のおかげだ、とでも思っていたのでしょうか』


/ ゚、。 /『味方を顧ない身勝手なスタンドプレーに流れを無視した強引なシュート…』


/ ゚、。 /『負けて当然のチームでしたね』




/ ゚、。 /『そして見る限り、そのスタンスは変わっていないようです』


/ ゚、。 /『「ポイントセンター」だかなんだか知りませんが、おそらく彼は自分に酔いたいだけです』


/ ゚、。 /『シュートも決め、アシストも決める…。そんな、試合の中心にいる、という自分に』


(,,゚Д゚)『どーしよーもないナルシストってことか』


<ヽ`∀´>『でもナルシストとは似たようなもので…バスケは自信や強気がけっこう重要なスポーツじゃないかニダ?』


/ ゚、。 /『それはそうなんですが…エクストはちょっと個性が…いや、アクが強すぎますね』


/ ゚、。 /『アクをよっぽどうまく、こまめにすくえるようなチームじゃないと…そんなチームあるかどうかわかりませんけど』


(,,゚Д゚)『なるほど、な』





――同時刻・クーの部屋


川;゚ -゚)『………』


□ <ドガガガガガガガガガガッ!!!!!


川;゚ -゚)『スネーク!スネーーーーーーク!!!!!!』




―――――――――――――


<_プー゚)フ「久しぶりだなっ!!!!」


/ ゚、。 /「試合中だよ…」


<_プー゚)フ「お得意のエリア(インサイド)で戦うか!?!」


/ ゚、。 /「やめとくよ。普通にやろ」


<_プー゚)フ「俺のすごさ!とくと見せつけてやるぜっ!」



――ダムッ!


/ ゚、。 /(なかなかに速い…!僕がガードのディフェンスに不慣れなのを別としても、だ!)


<ヽ`∀´>「中入ってくるニダ!」


(,,゚Д゚)「ちっ…観るのとやるのじゃ大違い、ってか!」



――きゅっ



ダイオードを抜ききれてはいないものの、インサイドへ侵入してこようとするエクスト。
完全にカバーに出るわけではないが、一歩、エクストの方へと踏み出すギコ。

その瞬間を見逃さないのがドクオだ。
ギコの死角を取り、ノーマークとなる。


<_プー゚)フ「ドクオさん!」


――びゅっ



('A`)「おう!」



――ばしっ



('A`)「見せ場はまだまだこんなもんじゃないんだけどな、っと!」



――しゅっ



ドクオのミドルシュート。
入るか入らないか―いまだボールは空中にあるにもかかわらず。



('A`)「ディフェンスだ、戻れ!」



――パシュッ



('A`)「どーよ、うちのルーキーは。手ごわいだろ」


(,,゚Д゚)「けっ。言ってろ」




今北産大附今北 38-46 VIP高校





(*゚ー゚)「ナイッシュー!」


(-_-)「後半先手だ!」



――ダムッ…



川 ゚ -゚)(8点差、か)


川 ゚ -゚)(手を抜いているつもりはないのだが…。ここまで強くなっているとは)


川 ゚ -゚)(だが不安材料は多いだろう、徹底的に突かせてもらう)


(=゚ω゚)ノ(打ってくるのか…!?)



――ダムッ!



(=゚ω゚)ノ(ドライブかっ!いい加減…)


('A`;)「イヨウっ!」



(=゚ω゚(゚Д゚,,)がしっ



(=゚ω゚)ノ「しまtt…(この位置でスクリーン!?完全に油断してたヨウ…!)」


('A`)「7番は俺が行く!イヨウはギコを!」


(=゚ω゚)ノ「おおっ!」



――ダムッ



(,,゚Д゚)「スイッチしてきたか」


(=゚ω゚)ノ「点はやんねえヨウ!」


(,,゚Д゚)「クーに意識が向きすぎてるのかは知らねえけどな」


(,,゚Д゚)「これでも、名門今北のキャプテン張ってんだわ」



――ダムッ!



(,,゚Д゚)「あまりナメないでくれ」


(;=゚ω゚)ノ「ぐうっ!」



ギコの激しいドライブ。
多少の接触なら厭わないプレーがギコの持ち味だ。



華麗で無駄のないクーのプレーとはまた違う。

ギコもクーも、それぞれの長所を活かしたプレーを行っている。
クーはその体格のため、可能な限り無駄な接触を避ける。
だが、ギコは――



(=゚ω゚)ノ(当たりが…つええっ!)



ディフェンスポジションに入ろうとするイヨウであるが、ギコに弾き飛ばされ、体勢を崩す。



「突破した!」

「またVIP高の6番のところからだ――!」

「替えなくてよかったのか!?『剛』の4番に『柔』の7番!VIP高の6番にはきついんじゃないか!?」



<_プー゚)フ「カバーおkっす!」



強引にインサイドに侵入してきたギコ。
それを阻むためにエクストがカバーに出るが、ギコはそれでも強引に突っ込んできた。



<_プー゚)フ(身長差は10cmちょい…!そのまま来るか!?クラッチ入れてくるか!?)



ギコが一旦、ボールを下げる。



<_プー゚)フ(クラッチ…!?いや、パスか!?)



ダブルクラッチからのシュートか、それともボールを一旦下げてのパスなのか。
そのどちらにも対応できるよう、片方の腕でシュートコースを防ぎ、もう片方の腕と足でパスコースを塞ぐ。
アルファベットの『K』のような体勢だ。

足も出しておけば、キックボールのヴァイオレーションとはなるが、とりあえずは相手の攻撃を止めることが出来る。
そのために片足を広げたエクストであったが、それが仇となった。



――ダンッ!



<_;プー゚)フ(股下にパスを…!?くっそ俺がシャケだったらこのまんま精子ぶっかけてやんのに…!)



――ばしっ



そのパスを受け取ったのは当然――



/ ゚、。 /「っ!しっ」



――ガコンッ!


ダイオードだ。余裕を持ってのボースハンド(両腕の)ダンク。



今北産大附今北 40-46 VIP高校


――ダムッ…



<_プー゚)フ「くっそ、すんませんっした!一本、いきましょ!」



「なあ、今気付いたんだけどさ」

「おう?」

「VIP高の15番…あんだけでかいのにガードにまわってきてるってことはさ、もしかしてスリーもあんのか?」

「わっかんねえ…それがどうかしたか?」

「いや、もしそうならさ、VIP高はインサイドの8番のマッチョ以外の全員がシューターってことになるよな…?」

「うわ、ほんとだ、やべえ…」



<_プー゚)フ(そう、そうやって思わせ…俺がこの鈴木ダイオードを引き付けつつインサイドに侵入して…ディフェンスが中に寄ったところで
       外にいる先輩たちに捌く!)


<_プー゚)フ(それが、俺が出ているときのベストなパターン)


<_プー゚)フ(だけどそれは、『インサイドが脅威だ』という前提があってこその話)


<_プー゚)フ(素敵なスリーポイントショー開催の前に…俺もインサイドでしっかり得点する必要がある)


<_プー゚)フ(だが相手は全中ベスト4…身長も約2m。簡単にはいかねえ)


<_プー゚)フ(ポストアップからのワンオンワンじゃあ、正直勝算は低い…そもそもの場数が違うし!)


<_プー゚)フ(だったら…ドライブからのワンオンワン!これしかねえ!)


<_プー゚)フ(そうと決まれば…)



――ダムッ…ダムッ…



「お!VIP高の15番、ワンオンワンを仕掛ける気か!?」

「VS今北14番!ルーキー対決だ!」

「ポジション的にはVIP高の15番が有利か!?アウトサイドだし!」



<_プー゚)フ「行くぜ、鈴木ダイオードっ!」



――ダムッ!



( ・∀・)「ワンフェイクから一発で抜いた!」


从'ー'从「やっぱりインサイドプレーヤーのダイオード君には分が悪いでしょうか…」


( ><)「そうかもしれません…けど!」



<ヽ`∀´>「カバー!ニダ!」


<_プー゚)フ(そりゃそーくる、っしょ!)



カバーに来たニダーの目の前でバックチェンジ。右腕にあったボールを、背中側を通して左側へ。
一瞬も止まることなく、エクストはスムーズにゴール下付近へ。



<_プー゚)フ(もらった…!)







/ ゚、。 /ぬっ



<_;プー゚)フ「な!?」



――ばちぃっ



「ブロック――――!!!」

「ルーキー対決、第1ラウンドは今北が制した!!」



<_;プー゚)フ(なんで!?)


<_プー゚)フ(なんで…抜いてたはずだったのにしっかり併走されてたんだ!?)



<ヽ`∀´>「ルーズ取ったニダ!」


('A`)「エクスト、ぼーっとすんな!速攻出るぞ戻れっ!」



――ダムッ!



(,,゚Д゚)「おおおお!」



ドクオとギコの、走りながらの1対1。



('A`)(こいつならここいらで体を強引に割り込ませてくるはずだ!)


(,,゚Д゚)「おらあっ!」


('A`)(読み的ちゅ…!?)



――ごりっ



('A`;)「ぐっ…(強さとキレが…増した!?)」



強引にレイアップの体勢に入るギコ。
そして、思わず反射的に手を出してしまうドクオ。



――ザシュッ



('A`;)(しまった…)



――ピィッ!



審判「ファウル、緑4番!バスケットカウント、ワンスロー!」


(,,゚Д゚)「しゃあっ!」



今北産大附今北 42-46 VIP高校



(;^ω^)「ドクオ…」


('A`)「すまん、つい手を出しちまった」


('A`)(さっきのキレ…まさか…)




――ダムッ…



フリースローライン上で数度ドリブルをつき、呼吸を整えるギコ。



(,,゚Д゚)「ふーーー…」


(,,゚Д゚)(気持ちいいな)


(,,゚Д゚)(俺の時間が、来そうだ)



――しゅっ…



フリースローが放たれる。
その瞬間、言いようのない違和感を覚えた男がいた。



('A`)(フォームが…いつもと若干違う!?)


('A`)(それにあの軌道…)


('A`;)(!!…まずい!)


('A`;)(あの野郎…『置き』にきやがった!)


('A`;)「気をつけろ!!」



「わざと外してくるぞ」――その一言が出る前に。



――がつっ



フリースローは外れる。
そして。



――ばしっ



/ ゚、。 /「ナイスパスですね」


(,,゚Д゚)「…さすがだぜゴルァ」


<_;プー゚)フ「―――――!!!」



外れはしたものの、思いのほか跳ね上がらなかったボール。
そのため、ジョルジュとエクストはほんの僅かではあるがタイミングを外された形となる。
だがそのイレギュラーなタイミングにも対応してきたのがダイオードだった。
幸か不幸か、外れたボールはダイオードにとって絶好の位置へ。
そしてそのまま……



/ ゚、。 /「よいしょ、っと」



――がしゃんっ



……叩き込んだ。
リバウンドを取ろうと跳び上がったエクストの両腕と絡みながら。


――ピィッ!


審判「ファウル!緑15番!バスケットカウント、ワンスロー!」


<_;プー゚)フ「まじかよ…!」


「リバウンドをダイレクトで押し込みやがった!」

「すげえぞ今北の14番!」

「3点プレーが…5点プレーになるぞ!?」



('A`)(やられた…この野郎…)


(,,゚Д゚)「狙い通りに外すのも技術のうち、ってな」



ダイオードは冷静にワンスローを沈める。



今北産大附今北 45-46 VIP高校


「今度は今北が一気に詰めてきたぞ!」

「第2ラウンドも、ルーキー対決は今北だ――!!」




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