( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです  3部

    第12章






――ダムッ…



('A`)(まさしく正念場、ってとこか…)



第4クォーター。

残り、7分。



今北産大附今北 67 - 64 VIP高校




「この時間帯だってのにたったの3点差…」

「実力は互角ってことかよ!?」

「バスケの試合ではありがちだもんな、最初の数分間や第1クォーター終了時くらいまでは
 そこそこ競ってても…時間が経つにつれてどんどん点差が開いていって、最終的には20点差、とか」

「そうだな。サッカーとかでもそうだが…時間が経てば経つほど両チームの実力差がどんどん浮き彫りに
 なっていく、なんてザラだ」

「それなのに…」


( ・∀・)「終盤に差し掛かった、といっても差し支えない状況で…」


从'ー'从「まさかここまで競ってくるなんて…」


( ><)ノ「はい」


( ・∀・)「発言を許可する」


( ><)「ありがとうございます」


( ><)「試合前の評価では、今北の圧勝というのが真っ当な見解だったと思われます」


( ><)「実際、今北は実力としては同格かと思われていたラウンジ学園を相手におよそ20点差で勝利」


( ><)「バスケットにおいての20点差での勝利とは、相当な実力差があるものと考えられるからです」


( ・∀・)「…ふむ、続けたまえ」


( ><)「ありがとうございます」


( ><)「単純に理屈でいえば、VIP高校はそのラウンジ学園に一度たりとも勝利したことはありません。
      今北が20点差をつけて勝利した、ラウンジ学園に」


( ><)「つまり、今北>>ラウンジ>VIP高。という図式となるはずなんです」


( ><)「しかし現状では今北≧VIP高。といっても過言ではありません」


( ><)「これはいったいどういうことなのでしょうか」


( ><)「わかんないんです!」


( ・∀・)「結局それかよ役立たず」


从'ー'从「死ねばいいのに」


( ><)


( ・∀・)「ダイジェストの役割すら果たすことが出来ないなんて…君のこの作品における価値を疑うよ」


( ><)


( ・∀・)「まあいい、殺してやりたいほど憎いくらいにいい線はいっていたからね」


( ><)(僕ってそんなにウザいんです…?)


( ・∀・)「確かに君の言う、今北>>ラウンジ>VIP高。という構図は間違いではない」


( ・∀・)「だが当然のことながらバスケットはスポーツだ」


( ・∀・)「様々な要素が噛み合うことで、それはいくらでも変動する可能性がある」


( ・∀・)「今北とVIP高校にあって、ラウンジ学園にないもの。それは」


( ・∀・)「ピュアシューターの存在、だ」


( ・∀・)「事実、今北は素直クールというピュアシューター(と呼ぶことができるかはわからないが)が
       加入したことにより、その戦力をさらに向上させた。もともと、ギコというクラッチシューターを
       擁していたうえで、だ」


( ・∀・)「そしてVIP高校。6番イヨウはプレーこそ少々変則的だが、彼のこれまでのスタッツ(個人成績)を
       鑑みれば、ピュアシューターをいってもなんら差し支えない」


( ・∀・)「これは私の個人的な考えになってしまうが、バスケットにおいて一番肝要なものはディフェンスだ」


( ・∀・)「ラウンジ学園のように、試合開始から試合終了まで徹頭徹尾ディフェンスに力を注げるようなチームが、
       一試合通して流れを、いや、試合を作ることが出来るのだと考えている」


( ・∀・)「だが」


( ・∀・)「それすらも崩してしまうものが、ここぞというところで確実に沈められるスリーポイントだと思うんだ。
       まさしく、勝負どころの一発、というやつだね」


( ・∀・)「どのようなスポーツでも、試合の『流れ』というものは必ずあるんだ。こちら側に傾きつつある流れを
       さらに確固たるものに。そして、向こう側になびきかけている流れを一気にたぐりよせる。
       それが、勝負どころでのスリーポイントだ」


( ・∀・)「そして、そのシュートをチームのピュアシューターがきっちりと沈めてくる、ということが持つ意味は大きい」


从'ー'从「そうですね、『なんでこいつが?』って選手より『やっぱりこいつにやられるのか』っていう選手に
     決められたほうが精神的ダメージも大きいです」


( ><)「小暮君よりもミッチー、ってことですか?」


( ・∀・)「そうだね。渡辺の言葉を借りれば、小暮君が『なんでこいつが?』という選手。そしてミッチーが
       『やっぱりこいつにやられるのか』という選手だ」


( ・∀・)「別に小暮君を批判しているわけでは断じてない。あれはあれで確かに流れを呼び込むプレーなんだからね。
       ただ、最初に言ったようにこれは私の個人的な意見だからね、どうか誤解しないでいただきたい」


( ・∀・)「さて、話を戻そうか」


从'ー'从「ピュアシューターについての話でしたね」


( ・∀・)「ああ、そうだったね」


( ・∀・)「(プレースタイルは問わず)今北の素直クール、そしてVIP高のイヨウ。どちらのチームも
       ピュアシューターと呼ぶにふさわしい選手を擁してはいたものの…」


从'ー'从「…両者の実力差は圧倒的だった」


( ・∀・)「そうだ。事実、イヨウ君は途中まで素直クールに完封されていた」


( ・∀・)「しかし奇跡的にというべきか…イヨウ君が素直クールを突破し始めた」


( ・∀・)「これは今北にとっては大きな誤算だったことだろう。このニュー速県に、まさか彼を崩すことの出来る
       選手が存在するだなんて」


( ・∀・)「そして一番動揺していたのは素直クール本人だろうね。その動揺が、イヨウ君にとっての突破口となり、そして
       傷口を抉っていくかのようにじわじわと…」


从'ー'从「…でも、今北の選手も、VIP高の選手も、やはり高校生」


从'ー'从「この速い展開でのシーソーゲームにかなり消耗させられているようですね」


( ・∀・)「ああ。どちらのチームもメンバーチェンジを多用してくるわけでもないからね。とりわけ…」






「コート上で誰よりも疲れているのは、おそらくイヨウ君だろうね」





.


――ダムッ…



('A`)(残り6分…3点差!)


('A`)「ジョルジュっ!」

  _
( ゚∀゚)「おうっ!」



――びゅっ…ばしっ



トップ付近のドクオから、フラッシュしてきたジョルジュへのパスが通る。
ジョルジュがパスを受けたのはハイポストよりも少々外側。インサイドプレーヤーがすぐさま勝負を仕掛けられる場所ではない。



――きゅっ



(,,゚Д゚)(パスラン…行かせるか!)



ドクオにべったりと張り付いたまま並走し、ギコは、ジョルジュからのパスを防ぐ。



( ^ω^)(ここだおっ!)



左45度付近でポジションを取っていたブーンが逆サイド、すなわちイヨウのいる右45度付近へと駆ける。
その際に、ハイポスト付近でボールを持っているジョルジュのすぐそばを通っていくことを忘れない。



今北G(手渡しパスが出るか…?)



ブーンのこの動きは、ジョルジュから手渡しパスを受け、そのままシュート、あるいはドライブするのだ、というパターンもあるぞ…。
と、今北Gを警戒させるためである。
しかしそれも完全なるフリ。
ボールを持っているジョルジュをあえてスクリーンに使い(本来であればスクリーンはボールを持っている選手を動きやすく
してやるために、あるいはボールを持っていない選手同士がボールを受けやすい体勢になるために行う。)、鋭く右45度付近へカット。
クーへのスクリーンを試みる。



セッツ!!( ^ω^川 ゚ -゚)


今北G「スクリーンだ!」


ブーンのスクリーンを確認したイヨウは、ブーンのすぐそば――肩と肩が軽くぶつかる程度にスレスレの――を通り抜け、初めにドクオが
パスランを行ったことで空いた、トップ付近のスペースへと走る。




川 ゚ -゚)(ファイトオーバーはきついか…?)


川 ゚ -゚)「問題ない、このままスライドする!」


今北G「おう!」


  _
( ゚∀゚)「イヨウっ!」



――ダンッ…



ここでようやくジョルジュがボールを放す。
トップ付近に駆け込んできたイヨウへとバウンズパスを送り――



――ばしっ



(=゚ω゚)ノ「ナイスプレーだヨウっ、みんな!」


川 ゚ -゚)「ちっ…!」



(´・ω・`)(あれだけタフだった二線のディフェンスが緩みつつある…?いや、間違いない。その証拠に、序盤と比べて
      イヨウ君がボールを持つ回数が格段に増えた)


(´・ω・`)(トリッキーなプレーを、本能でも理屈でも警戒しているというのももちろんあるだろう…)


(´・ω・`)(だが…僕の目に間違いがなければ…素直クール、)


(´・ω・`)(彼もまた、かなり消耗している)


――キュッ!



川 ゚ -゚)「行かせん」


(=゚ω゚)ノ「何度でも勝負してやるヨウ!」


(=゚ω゚)ノ(…おっ)



――びゅっ



川 ゚ -゚)「…っち、パスか…」



イヨウは勢いよくオーバーヘッドパスを出す。
ボールの行く先は…



――ばしっ



('A`)「ナイスパス、っと」



(;,,゚Д゚)(左コーナーへ抜けられた…!)


(;,,゚Д゚)(こいつが8番のマッチョのすぐそばを走っていったとき、俺は8番からドクオにパスが出るものだとふんでいた)


(;,,゚Д゚)(しかしそうじゃなかった…!妙に簡単にとめることができた、とふと思った瞬間に15番のスクリーン…!)


(;,,゚Д゚)(おかげで、左サイドへきれていったドクオとの間にタイムラグが…!)


(;,,゚Д゚)(俺がワンテンポ遅れている今の状況で、あいつはボールを持った!つまりノーマーク…!)


(;,,゚Д゚)(点差は…3点。こいつだったら絶対にスリーを打ってくる…!)



('A`)「……っ」


(,,゚Д゚)(やはり!シュートを構えた…打たせるかっ…!)


(,,゚Д゚)「チェkk…」


('A`)「ほっ」


(;,,゚Д゚)(フェイク!?)



――ダムッ!



(,,゚Д゚)「ちぃっ…!」



「抜いた!」

「いや、まだだ!」



――キュキュキュキュっ!



(#,,゚Д゚)「ゴルァァァ!」


('A`;)「んなっ!?」


('A`;)(完璧抜いてただろ今!?チェックに来ようとしていたから体勢も崩れていたはず…)
 

('A`;)(それなのになんでこのタイミングで追いついてくるんだよ!?)



(■_■)「…いい集中力だ…」



「VIP高の4番攻めきれない!」

「ミドルレンジで今北の4番が食い止めた――!!」



('A`)「……っくそ」



――ダダムッ



背中の後ろでボールを左右に切り返し、呼吸を整える。



('A`)(…行くか)


(,,゚Д゚)(…来る!)



――ダムッ!



(-_-)「ワンオンワンだ!」


(・▽・)「いけぇーーードクオさんっ!」




――キュキュっ!



(,,゚Д゚)「ゴルァ!」



初動を見切っていたギコは、ドクオのドライブをワンドリブルで受け止める。



('A`)「くっ…」



ギコの胴体の正面で受け止められるドクオ。互いの体が作用・反作用の法則でふらつく。
しかし、ギコはすぐさま姿勢を修正する。
ドクオも、決してドリブルを止めない。



('A`)(…難儀だねえ、まったく)



――ダムッ!



「また行った!」



('A`)(一発じゃお前を抜けないのはわかった。これまでにないくらい集中してる、ってこともな)


('A`)(だったらちまちまと何発でも仕掛けるだけさ!)


――ダムッ…キュキュッ、ダダムッ!



細かいドリブルから様々なドリブルチェンジやロール、チェンジオブペースを駆使するドクオ。
少しずつではあるが、ゴールに近づいていく。



/ ゚、。 /(なんて選手だあの4番…)


/ ゚、。 /(彼がいるのはもはや僕たちインサイドプレーヤーの仕事場といっても過言ではないエリア…)


/ ゚、。 /(事実、彼が攻め込んで来ようものなら僕やニダーさんは一歩でヘルプに飛んでいける距離だ)


/ ゚、。 /(だけど、彼にじらされているように錯覚してしまうのもまた事実だ)


/ ゚、。 /(『ヘルプに飛び込めそうで飛び込めない』。そんな絶妙な距離に何度も何度も、まるでエサを
      撒くかのように…)


/ ゚、。 /(…まさか、それも狙っている…?)


/ ゚、。 /(何度も何度も僕らを焦らし…我慢できなくなって飛び込んできたところを狙っているのか?ギコさんの
      ディフェンスからボールを守りながら?あんなに器用なドリブルを続けながら?)


/ ゚、。;/(VIP高校、いいチームだとは思っていた!だが完全にスイッチの入ったギコさんを相手にここまで…!
      まさかこれほどだなんて…!)



('A`#)「どげんかせんとかああああああんっ!!」



――ダムッ!



「とうとう抜いた!?」

「だけど…!」



(#,,゚Д゚)「カバーーーーーーーーーっ!!」



――キュキュキュ!



/ ゚、。 /「おおおっ!」



「一瞬でカバーが…!」

「そりゃそうだ!あんだけの密集地帯じゃあすぐにカバーが来ちまう!」



――キュキュッ!



<#ヽ`∀´>「もう一枚ニダ!」



「囲まれた!!」

「三枚で潰しにかかった!」



/ ゚、。;/(三人に挟まれてもドリブルが止まらない!?なんてスキルだ…!?)


('A`)「そこおおおおおおおおおおおっ!」



   \やあっ!/
/ ゚、。 /'A`<ヽ`∀´>



<;ヽ`∀´>(バカな!?)


/ ゚、。;/(僕たちの間を強引に割って…!?)



(;・∀・)「三人がかりで、しかも挟み込んだことで一瞬気が緩んだか!?」



とは言っても、ニダーとダイオードの間に人一人通れるほどの大きなスペースなど空くわけがない。
まさにこじ開けるかのように、接触するのも厭わず、強引に体をねじ込ませたのだ。




('A`;)(めっちゃ痛え…!)



ドクオ自身、とうぜん並以上には体を鍛えこんではいるが、骨格的にみてもインサイドプレーヤーのそれと比べるとやはり劣る。

スピードに乗った状態で彼らの肉体と接触することは、当然ながら大きなダメージを意味する。



('A`;)(さあ…見せ場だ)



驚異のトリプルチーム突破。すなわち三人抜き。



('A`)(おかげでゴール下はがら空きだ)



ドクオの進行方向、つまり『前』は無人のゴール下。
しかしすぐ『後』には3人の今北選手。うち2人は大型プレーヤーだ。



('A`)(ストップしてジャンプシュート打ってるような時間はない!止まった瞬間にまた潰しにかかられる)


('A`)(パスを出そうにも3人に囲まれてたおかげで周りが一切見えなくなっちまってた!正直誰がどこにいるか
    正確には把握できていない!)


('A`)(けど目の前には無人のゴール!俺がこのまま決めるのがベストだ)


('A`)(このままレイアップで…)



一瞬。
ほんの一瞬のうちに1秒後の状況を予測する。


無人のゴール下でレイアップを試みるドクオ。
一歩、二歩とステップを踏み、跳躍。
ジャンプの最高到達点でボールをリリース、ナイスシュート。

今まで何度も何度も繰り返してきた動作だ。イメージするのは容易い。


だが、そのイメージに突如として割り込んできたものがあった。

自分のすぐ後ろにいる大型プレイヤーたちだ。

ジャンプした滞空時間のコンマ数秒のタイムラグが―――


ドクオとニダー・ダイオードの身長差は約20cm。腕の長さも含めればさらに大きなミスマッチとなってしまう。



('A`)(そりゃブロックされるのは誰だって嫌だ。だけどいまさらそんな泣き言いえるか!)


('A`)(そもそもこの切迫した状況でそんな後ろ向きなプレーは絶対に許されない)



/ ゚、。 /(後ろからいくのはかなり危険だけど…この身長差だ、冷静に腕を伸ばせばいい。下手したら跳ぶ必要もないんだ)


('A`)(ええい…ままよ!)




――ひょい



/ ゚、。;/「!?もう!?」


(,,゚Д゚)(跳ばずに…!しかもステップのタイミングもずらして…!)


(■_■)(レイアップのステップを踏みながら…!?)


(´・ω・`)(傍から見たら歩きながらひょい、とボールを投げたようにしか見えないだろうな…巧い!)



/ ゚、。 /(無理にいかなくてよかった…あのタイミングで打たれていたら確実にファウルに…)


<;ヽ`∀´>「な、なんでもう打つニダ!?」


/ ゚、。;/(ニダーさん…!?しかも跳んじゃtt…)


(,,゚Д゚)「ニダー、ファウルするな!こらえろォォォォ!」


<;ヽ`∀´>「む…無理ニダーーーー!!!」



――ずしっ…



('A`;)「むおっ…(痛っ…重っ…)」


ダイオードは跳ぶことを躊躇うことができたが、ニダーはブロックを狙いにいってしまった。
通常のタイミングでのレイアップならばおそらくブロックは成功していただろう。
ドクオも狙ってタイミングを外したわけではない。ギャンブル要素も含まれたワンプレーであったが、それが良い方向へ転んだ。



――どさっ


――ピィッ!



もつれ合い、倒れこむドクオとニダー。すぐさま鳴り響くホイッスル。
そして、ふらっ、と放られたボールは、リングの手前の縁で二度ほど力なく跳ね、ゆっくりとネットへ吸い込まれていった。



審判「ファウル、白5番!バスケットカウント!ワンスロー!」



うおお、と、観客席からも思わず声が上がる。
それにつられてか、審判のジェスチャーも心なしか熱がこもっているように見えなくもない。



( ^ω^)「ナイショーッ、だお!ドクオ!」


<_プー゚)フ「ケガはないっすか?」



ブーンとエクストに称えられながら、それぞれに腕を引っ張られ起き上がるドクオ。



('A`)「大丈夫、サンキュな」


('A`)「14番をひっかけられたらラッキーだったんだけどな…」


( ^ω^)「確かに…。14番からファウルとれてたら4つ目にできてたとこだったおね」


<_プー゚)フ「だけど5番もこれで3つ目です!」



('A`)「まあ、な。っしゃ、きっちり決めてくるわ」




/ ゚、。;/「……」


<;ヽ`∀´>「……」




思わずぴくりと反応するニダーとダイオード。

まさか今の会話は自分たちに聞こえるようにわざと?


接触の多いインサイドで、かつ、第4クォーターも残り半分を指そうとしている。 
交代していた時間も、ほぼないといっていい。
その時間帯でファウルの数が3つであるというのは至極当然、むしろよい方である。



/ ゚、。 /(だけど…)



まさかここまで競った展開になるとは思ってもいなかった。
一気に突き放すことのできるような算段も、正直なところ、見当たらないような気がする。
つまり、この試合は最後の最後まで競った展開となる可能性が高い。

延長戦となることも視野に入れておくべきだろう。
と、なると、この時間でインサイドの二人が3ファウルというのは少々心許ない。

無論、VIP高校も同じようなことを考えてくるはず。
確実に、堅実に、そしてファウルを狙いつつ自分たちに有利となるよう試合を進めようとしてくるはずだ。




(■_■)(…ということは、だ。ここらでそろそろ…)



――ビーーーーーッ!



審判「メンバーチェンジ、緑!15番アウトで7番インです!」


(´・ω・`)「頼んだよ、モナーくん」


( ´∀`)「はい!」


(■_■)(ちっ…やはりか)


<_プー゚)フ「頼みます、モナーさん!」


( ´∀`)「任せておくモナ!」



――ごつっ



すれ違いざまに、互いの腰の辺りで軽く拳をぶつけ合う。



<_プー゚)フ「っしたっ!」



コートを出た直後、コートのほうに向き直り、礼。
そしてエクストはベンチへ戻る。



(´・ω・`)「よくがんばってくれた」


<_プー゚)フ「っす!あとは正規インサイド陣にお任せっす!」



/ ゚、。 /(やっぱり…インサイドを充実させてきた)




( ´∀`)「さ、外れてもリバウンドは絶対に取るから安心してくれモナ!」

  _
( ゚∀゚)「ばっか、ドクオは外さねえよww…なっ?ド・ク・オ?」


('A`)「応援してんのかプレッシャーかけてきてんのかどっちなんだよww」



――ぱしゅっ



今北産大附今北 67 - 67 VIP高校



当然、といわんばかりに堂々とワンショットも決めるドクオ。
これで、何度目かわからないが、また同点。



('A`)「よーっし、ディフェンス!気合入れてくぞ!」


(=゚ω゚)ノ「絶対楽には打たせねえ!だから、リバウンド頼むヨウ!」

  _
( ゚∀゚)「ああ、任せろ!」


( ´∀`)「そのために出てきたんだモナ!!」


( ^ω^)「ディフェンスいっぽぉーんっ(←セリフ思い浮かばなかったけど何も言わないのも無粋かなあ、という
       考えゆえに)」



――ダムッ…



(,,゚Д゚)(一本一本がでかいこの状況でドクオに同点のスリーポイントプレーを許したのは完全にうちのミスだ…)


(,,゚Д゚)「クー、回すぞ!」



――びっ…ばしっ



川 ゚ -゚)「ああ、わかっていr」


(=゚ω゚)ノニヤリ


川 ゚ -゚)ピクッ



(=゚ω゚)ノ「…どうした?とっととパス回せヨウ」


川 ゚ -゚)「イヨウくん…まさかあの程度で私より上だとでも勘違いしていないか?」


(=゚ω゚)ノ「いーんや、全然、だヨウテヘペロ」


(,,゚Д゚)(??何をモタモタしている、クー!?)


川 ゚ -゚)「…随分と馬鹿にしてくれるじゃないか。挑発のつもりか?」


(=゚ω゚)ノ「だから違うってばヨウテヘペロ」


川 ゚ -゚)「…ならば、気の済むまで…」



――キュキュキュ!


  _
( ゚∀゚)「おらああああああ!飛び出し気味に俺登場ーーー!モナー、中は任せたぞ!」


(;´∀`)「ちょwwそんな無茶苦茶なwwww」




川 ゚ -゚)(8番が飛び出してきてダブルチーム?その程度で…)


(,,゚Д゚)「クーーーーーっ!!!」


川 ゚ -゚)「っ!?」



――キュキュキュ



('A`)「全日本イケメン代表の俺も登場ーーー!」



('A`)+



「今北の7番に…」

「3人がかり!?」



川 ゚ -゚)「このっ…!」



――ダダダムッ、キュキュッ!



「うおおおおっ!三人に囲まれてるのに強引にかわそうとするぞ!?」

「VIP高の4番がやったことをやり返そうってのか!?」

「パスを捌くつもりがないのか!?えらい熱くなってきたじゃねーか今北の7番!」



(,,゚Д゚)(何を熱くなっている!?そんなプレーお前らしく…)

  _
( ゚∀゚)「うりゃっ」



――びしっ



川 ゚ -゚)「ふっ!」



――ダムダムダムッ、ダダムッ


  _
( ゚∀゚)(くっ…ちょっとだけボール触れたのに一瞬で立て直されちまった…)

  _
( ゚∀゚)(だがこうやってプレッシャーをかけ続ければ…!)

  _
( ゚∀゚)「………あれっ」

  _
( ゚∀゚)(ボールがない。なんで?)


(;^ω^)「みんな、リバウンドだおーーーー!」

  _
( ゚∀゚)(シュート…いつの間に…!?タイミングがまったく掴めねえ…)

  _
(;゚∀゚)「…って!」

  _
(;゚∀゚)(やべえ!今はインサイドにモナー一人しか…!)




/ ゚、。 /;´∀`<ヽ`∀´>がしっ




川 ゚ -゚)「…ちっ、落ちるぞ!」


<ヽ`∀´>「任せとくニダ!」


/ ゚、。 /「跳ばせませんよ…!」


(;´∀`)「うぐっ…」


(;´∀`)(この二人に同時に抑え込まれたら…身動きすらできないモナ…!)

  _
(;゚∀゚)(くっ…俺が無責任に飛び出したばっかりに…!)



――がつっ



「外れた!」

「今北の7番もシュートの精度が落ちてきてるか!?」

「バカ、3人に囲まれてる状況で打ったシュートだから当たり前だろ!」




  _
(;゚∀゚)「うおおおぉぉぉぉっ!」



あわててゴール下へと走るジョルジュ。



('A`;)「ジョルジュ、待て、強引だ!」



/ ゚、。 /「リバウンドっ!」<ヽ`∀´>

  _
(;゚∀゚)「させるかぁーーーーーっ!」


('A`;)「ジョルジュ!」



「お前も、3つなんだぞ!!!」






――ピィッ!



審判「ファウル、緑8番!」

  _
(;゚∀゚)「…あ……」



(■_■#)「よぉっし!」



「VIP高の8番が…」

「4ファウルになったぞ!」

「せっかくインサイドからゴリゴリ攻めていくために7番を投入したのに…!」

「VIP高の監督はどうするつもりだ!?」



――ビーーーーーーッ!



審判「メンバーチェンジ、緑!8番アウトで15番インです!」



(´・ω・`)「残り3分でジョルジュ君をコートに戻す。すまないが、それまでの間、インサイドに専念してくれ」


<_;プー゚)フ「…はいっ!」


  _
( ゚∀゚)「………」


「……ん!…ル…ん!」


<_;プー゚)フ「ジョルジュさんっ!」

  _
(;゚∀゚)「お、おう!?あれ、え?エクスト…?」


<_;プー゚)フ「メンバーチェンジっす」

  _
( ゚∀゚)「そ、そうか…そりゃそーだよな…」

  _
(  ∀ )「……悪い…」


( ・∀・)「…今のは手痛いね」


从'ー'从「そうですね、インサイドを固める作戦に出て、二枚敷いた瞬間、一枚が離脱…」



  _
( ゚∀゚)「………」



どかり、とベンチに腰を下ろす。
顎をつたった汗がぼたぼたと床へ落ちる。
その息は荒い。しかし、目は虚ろだ。



(´・ω・`)「ジョルジュくん。今のプレーはいただけないな」


(´・ω・`)「ボールのあるところに思わず群がる…体育のバスケのレベルだ」

  _
( ゚∀゚)「…すんませんっ…くそっ…」


(´・ω・`)「…放って、おけなかったんだろう?イヨウくんを」


(´・ω・`)「わざとじゃない。それがわかってるから誰も何も言わないんだ」


(´・ω・`)「だが、君をファウルアウトさせるわけにはいかない。だから、ひっこめた。」



そして、一息。



(´・ω・`)「残り3分になったら君をコートに戻す。」



(´・ω・`)「ただし」


(´・ω・`)「休憩とは何もしないことじゃない。全力で回復に務めることだ」


(´・ω・`)「そして、試合を外から客観的に捉えよう。無駄にしていい時間などないからね」

  _
( ゚∀゚)「…はい…」


(´・ω・`)「もちろん、気持ちの切り替えも、だよ?」

  _
( ゚∀゚)「……はいっ!」





/ ゚、。 /「やあ、ピンチヒッター」


<_プー゚)フ「…黙ってろ」


<_プー゚)フ(ジョルジュさんが戻るまで全力でここを守る…!)


<_プー゚)フ(それが今の俺にできること。…全力で、やってやる!!)



川 ゚ -゚)「ふっ」



――しゅっ



「また今北の7番!?」



(;=゚ω゚)ノ「くっ…そぉっ…!」


(=゚ω゚)ノ「リバウンドーーーーーーーっ!」


<_#プー゚)フ「うおおおおぉぉぉぉぉっ!」


/ ゚、。 /「っ…!(こいつ…!?)」



――がつっ



川 ゚ -゚)「ちぃっ…!」



「また外した――!?」

「どうしたんだよ今北の7番!?」



川 ゚ -゚(=゚ω゚)ノ「スクリーンアウト―!、だヨウ!!」


川 ゚ -゚)(腕にほとんど力が入ってない…?ヘロヘロじゃないか…!)


川 ゚ -゚)(冷静にかわせばまったく問題にならないというのに…!焦っているというのか、私は!?)



<_プー゚)フ「リバウンドぉぉぉぉぉっ!!!!!」/ ゚、。 /


<_#プー゚)フ「らあああぁぁぁっ!」



――ばしっ



「VIP高の15番が…!取った!」



<_プー゚)フ「どうだコラぁーっ!」


/ ゚、。 /「いや、そっちがディフェンスリバウンドなんだからそっちの方が有利に決まってるでしょ」


<_プー゚)フ「うるせ、見てろよっ!」




('A`)「よくやった、エクスト!こっちだ!」


<_プー゚)フ「うっす!」



すかさずサイドアウトをしてきたドクオにエクストが素早くパスを送り、VIP高のオフェンスが始まる。
シュートこそ打たれたものの、ファウル前のプレーも含めれば、連続で今北のオフェンスは失敗したことになる。



('A`)(素直クールも、間違いなく疲れてきてるはずだ…)


('A`)(だが…それ以上に、イヨウがヘロヘロなのが辛い…)


('A`)(イヨウを休ませたいところだが…踏ん張ってもらうしか…)



(=゚ω゚)ノ「ドクオっ!」


(=゚ω゚)ノ「心配いらねーヨウ、俺は大丈夫だ!よこせヨウっ!」


('A`)「……!ああ!頼むぞ!」



――びゅっ…ばしっ



――ダダムッ…ダダダダムッ…



(=゚ω゚)ノ「ヨウ、なんやかんやでヘバってきてるんじゃねーかヨウ?」


川 ゚ -゚)「…ふん、ぬかせ。疲れているとしても君ほどじゃあ、ない」


(゚ω゚)ノチラリ


川 ゚ -゚)(私の顔を見ている…?いやそれ以前にこっちみんな)



鋭く、それでいて低いドリブルを続けながら、その流れで掌をボールの下へ。



川 ゚ -゚)(最初に私が騙されたプレーか…馬鹿が、聖闘士に同じ技は…)


川 ゚ -゚)(…いや、パスか!?…いや、そう思わせておいてあえて一度出したプレーをもう一度、ということも…)



川 ゚ -゚)(…待てよ)


川 ゚ -゚)(彼は一体どこを見ていた?)



――――(゚ω゚)ノチラリ



川 ゚ -゚)(そうだ、間違いはない。私の顔だ…)


川 ゚ -゚)(だがあの目…)


川 ゚ -゚)(『少し焦点が合っていない』と思わなかったか!?)


川 ゚ -゚)(…わかったぞ)


川 ゚ -゚)(彼が見ていたのは『私の顔』ではない、『私の額』だ)


川 ゚ -゚)(ストリートボールのDVDで観たことはある。ボールを相手の額に軽くぶつけ、虚を突いたところで跳ね返ってきたボールを
     持ってプレーに転じる…)


川 ゚ -゚)(だがこれは公式戦だぞ!?故意に相手の額にボールをぶつけることになるが故に、テクニカルや…アンスポを
     吹かれる可能性だってある!)


川 ゚ -゚)(…違う、それじゃ駄目だ。彼を常識に当てはめてはいけない)


川 ゚ -゚)(笛を吹かれようと恐れず実行してくるかもしれない。はたまた、審判の死角も把握しているのかもしれない)


川 ゚ -゚)(全ての可能性を考えろ、素直クール!)


川 ゚ -゚)(狙うのは一瞬だ。彼が私の額に向けてボールを投げたその瞬間。それをキャッチしてカウンターに繋げる)


川 ゚ -゚)(この至近距離だが…ボールが来る、ということとボールが来る場所さえわかっていればなんら恐れることはない)



川 ゚ -゚)(さあ来いイヨウ君!そのままボールを私に投げてみせr…)



一瞬のうちに様々な考えをめぐらせ、その考えがまとまりきる前に体は勝手に反応する。
飛んできたボールをいつでも取ることが出来るよう、額に右手をあて、少々のけ反るような体勢だ。



(=゚ω゚)ノ「…なんか難しいこと考えてんじゃねーかヨウ?」



イヨウはそのままボールを持った掌を下から返し、
ボールは投げずに遠心力を利用して、ぐりん、とそのまま上へ。



川;゚ -゚)「!?」



そしてそのまま少々強引にシュートフォームへと繋げ、シュートを放つ。
打点が低くなるというデメリットこそあるものの、最小限の動きで打つことができる、ジャンピングシュートで。



――パシュッ




(=゚ω゚)ノ「また騙されたな」


川 ゚ -゚)「ちっ…」


(=゚ω゚)ノ「これぞ奥義、暇をもてあました神々の遊び、だヨウ」


川 ゚ -゚)「…すぐに泣かせてやる!」



今北産大附今北 67 - 70 VIP高校



「VIP高が逆転だー!」

「あの6番!まじですげぇよ!今北の7番を手玉に取ってる!?」




――バシュッ



(,,゚Д゚)「しゃあぁっ!!!」


('A`;)「くっそ…」



今北産大附今北 70 - 70 VIP高校



「こ…今度は今北の4番がスリー…!?」

「外さねえ!外さねえぞあの4番!!」

「スリーをスリーで決め返すだなんて強気なプレー…!」

「しかも決して多くない残り時間!一回一回の攻撃を大事にしていきたい場面だってのに…!」

「もし外してたら…」

「バカ、そういうシュートをあっさり決めちまうからこその4番なんだよあいつは!!」



('A`)(くっそ、まじで外さねえなこの野郎…思いっきりチェックに入ったのに楽々決められるのも辛いぜまったく)



その後数分間、一進一退の攻防が続く。
そしてショボンがジョルジュをコートに戻すと宣言した残り3分は、徐々に近づいてくる。



――ダムッ…



今北産大附今北 77 - 75 VIP高校



('A`)(残り…3分20秒、とちょっと)


('A`)(点差はうちが2点を追いかけている状況)


('A`)(オーケイ、俺。冷静だぞ)


('A`)(思考は冷静だ。だけど…)


('A`)(どう、攻める…?)



('A`)(イヨウはかなり疲れてる…加えて、素直クールのマークがこれまで以上に厳しくなってる…執念、か?もはや)


('A`)(エクスト…は、正直なところエクストには悪いが14番と正面からタメ張って勝てる可能性が高いとは考えづらい…
    向こうのほうが格上、と見るのがリアルなところだ…)


('A`)(モナーなら…あのチョンに勝てるか…?)


('A`)(くっ…どこから…誰を起点にすれば楽に点を取れる…!?)


('A`)(こいつら…まじで目が死んでねえ!)


('A`)(『いつだってとってやる』…そんなギラギラした感じが体にまとわりつくみてえに…!)



「ドクオッ!!!」


( ^ω^)「くれおっ!」


('A`)「…!いけえっ!」



――びゅっ…ばしっ



( ^ω^)「おおおおおおおっ!」


('A`)(頼もしくなったもんだぜ、まったく!)



――ダムッ!



( ^ω^)「いくおおおおおおおっ!」


今北G「どう考えても俺のとこから攻めるしかねえよな!悔しいが、この中で一番攻めやすいんだからなああ!」


今北G「だけどなめんなよ!楽にはいかせねえええええ!」




(´・ω・`)「…内藤くんの現時点での得点は?」


(*゚ー゚)「はい!えっと…にじゅ…25点です!」


ξ゚听)ξ「そ…そんなに!?」


<_プー゚)フ(付け焼刃といっても過言ではない今回のスリーポイント作戦…それが功を奏した結果、相手は完全に内藤さんに
       転がされてる、ってことか?)


(´・ω・`)「ということは、だ」


(´・ω・`)「とにもかくにも、内藤くんはスコアラー(大量得点をしてくる選手)である、と今北から認識されているはずだ」


(´・ω・`)「そして彼は終盤である今でこそ、より驚異をまず存在となるはずだ」




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