( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第33章 トップレベル




―ニュー速県市民スポーツセンター―

今日は日曜日。ウィンターカップ県予選の決勝の試合が行われる日である。
対戦カードはショボンの言ったとおり、今北産業大学付属今北高校とラウンジ学園。
両校とも決勝までの試合を全て100点ゲームにしている。夏の決勝リーグでは
今北が勝ったが3年メインだった今北は新チームの強さが落ちたと噂されていた。

( ^ω^)「(ラウンジ学園…前、晴れバスに載ってた、1年コンビの流石兄弟が
     いるとこだお…一体どんなバスケをするんだお…)」
('A`)「(『あいつ』が今北ねぇ…)」
(=゚ω゚)ノ「ショボン先生、実力的にはほぼ互角ですかヨウ?」
(´・ω・`)「うーん…微妙だね。正直わからない。両校とも黄金世代の3年生が
       引退してしまったみたいだからね」
(;´∀`)「ラウンジ学園って頭もめちゃくちゃいいのに全国ベスト8なんてすごいモナ」
( ゚∀゚)「今北の方は全国的にどうなんだ?」
ξ゚听)ξ「組み合わせが悪くて2回戦で負けたらしいわ。ラウンジ学園も今回は
     ベスト8以には行けなかったみたい。」
(*゚ー゚)「あ、みんな、始まるよ!」


スポーツセンターの照明に照らされ、周りを観客席に囲まれたコートに
今北とラウンジ学園の選手が整列していた。

審判「試合中のコールは今北を白、ラウンジを紫とします!互いに礼!」

「「っしゃす!」」

(´・ω・`)「始まるね。見所はラウンジのHとIの流石兄弟。センターの兄者と
      スモールフォワードの弟者。さらに今北のセンター、Lニダー。
      …そして今北の特待生のポイントガード、Fギコ。彼らは全員一年だ」
(;^ω^)「ちょwwwmjdwww」
(´・ω・`)「ちなみに今北の1年生2人は県優勝校のVIP中央中学のメンバーだそうだ」
('A`)「(…………)」

観客席から両校応援団による統制のとれた盛大な応援が始まる。

――ガンガンガンガン!!イ・マ・キ・タ!!
      ガンガンガンガン!!イ・マ・キ・タ!!

――ドン!ドン!ドン!行ーけー、我らーが、ラウンジ学園ー!
        ドン!ドン!ドン!

(;´∀`)「す…すごい応援モナ…」
(;゚∀゚)「こんなとこで試合なんて気が狂いそうだwww」
(´・ω・`)「応援で話し声はかき消されそうだね。各自試合に集中しよう」
一同「はい!」


ジャンプボールはラウンジ学園が勝ったようだ。4番をつけたガードと思しき選手が
トップでボールを持っている。

――キュキュッ

(´<_`)「フサギコ先輩!こっちです!」
ミ,,゚Д゚彡「っし行け、弟者!先制点とるぞ!」

――ビッ…

弟者が左45度でパスを受ける瞬間を見計らって兄者が左ハイポストへ入る。
弟者はそのままパスを兄者に弾き、その瞬間にディフェンスの裏をとりパスラン。
兄者は体をゴールに背を向けたままでボールを後ろへダイレクトに弾く。
そのパスはゴール下へノーマークで走り込んできた弟者がキャッチし、悠々と
レイアップを沈める。

('A`;)「(バックドア!…速い!)」

――ウオオオオォォォ!いいぞいいぞサ・ス・ガ !もう一本!


ミ,,゚Д゚彡「っしゃ、ナイス!3ー2ゾーン行くぞ!」
(=゚ω゚)ノ「(ゾーンで確実に仕留めて流石兄弟で攻める…ってとこかヨウ?)」

( ,,゚Д゚)「…一本行くぞゴルァ!」

――ダム…ダム…

( ,,゚Д゚)「(3-2かゴルァ。中が薄くなろうが上で奪って速攻行ける自信でもあるのか
      ゴルァ)」
ミ,,゚Д゚彡「ディフェンス!裏とられるなよ!全員カバー意識しよう!」
(#,,゚Д゚)「(黙れやゴルァ!てめーキャラかぶってんだよゴルァ)」

――シュッ

ミ,,゚Д゚彡「(オフェンスを組み立てる前にスリーだと!?)」
(´<_`)「兄者、リバウンドだ!」
(´_ゝ`)「おk。任せろ弟者」

――バシュッ!
――ウオオオオオオオォォ!!いいぞいいぞギーコ!ナイススリー!!

ミ,,゚Д゚彡「…な……」
( ,,゚Д゚)「甘いんだよゴルァ。もっとしっかり当たった方がいいぞゴルァ」


ミ,,゚Д゚彡「なめやがって一年坊が…」
(;´∀`)「な…なんつー強気なプレーモナ…」

ミ,,゚Д゚彡「すまん油断した、悪い!一本行こう」

――ダム…ダムッ

( ,,゚Д゚)「HI徹底マークだゴルァ!こいつらはHIしか攻め場がねぇぞゴル…」
<ヽ`∀´>「ギコ、前見るニダ!」
( ,,゚Д゚)「…ァ……?」

――パスッ!

( ゚∀゚)「4番のスリー…!!」

――ウオオオオォォォ!いいぞいいぞフ・サ・ギ・コ!もう一本!

ミ,,゚Д゚彡p「お返しだ」
( ,,゚Д゚)「おもしれぇじゃねぇかゴルァ!」

――ダムッ…ダム

<ヽ`∀´>「先輩、ローポストくれニダ!」
今北C「おう、行け!ニダー!」


――ビッ…ばしっ

(´<_`)「兄者!7番が中入ってきたぞ!」
(´_ゝ`)「任せろ弟者!」
<ヽ`∀´>「ギコ、行くニダ!」

――ビッ…ばしっ

( ,,゚Д゚)「っしゃ、行くぞゴルァ!」
( ^ω^)「(あの7番のカット、鋭いお…)」

――ダムッ!

(´_ゝ`)「(抜かせん!)」

――ダムッ!キュキュ!

(´_ゝ`)「(ストップ…ジャンプシュートか!?)」
今北D「兄者、飛び出しすぎだ!ローポストがスカスカに…」
<ヽ`∀´>「もう遅いニダよ」

兄者が飛び出したスペースにニダーがノーマークで飛び込む。

( ,,゚Д゚)「(いくら双子の実力がすごくてもチームでのディフェンスシステムに
      馴染めてなけりゃ意味ねーぞゴルァ!)
      ニダー、行けゴルァ!」


――ビッ……ばちっ

( ,,゚Д゚)「(上にいたはずのIだとゴルァ!?)」
(´_ゝ`)b「GJ。ナイスカットだ弟者」
d(´<_`)「兄者がやられることくらい想定内さ」
(#´_ゝ`)「ぶっ殺」
(´<_`;)「おk、試合中だ。落ち着こう兄者」

――ダムッ

ミ,,゚Д゚彡「兄者、ハイポストだ!」

フサギコがハイポストの兄者へパスを出す。兄者はジャンプしてパスをキャッチ。
着地せずにそのまま空中で体をゴールへ反転させ、またもや相手の裏を取り
走り込んできた弟者へパスを出す。

( ,,゚Д゚)「ニダー!カバーだゴルァ!」
<ヽ`∀´>「把握ニダ!」

兄者のマッチアップのニダーがゴール下の弟者のカバーへ向かう。



(´<_`)「甘いぞ」

ニダーが弟者のカバーに来たため兄者がノーマークに。ハイポストから走り込んで来る
兄者に弟者は素早くリターンパスを出す。ニダーが兄者を止めるために兄者へ
向き直った瞬間にさらに兄者が弟者へリターンパスを出す。弟者はゴール下シュートを
ノーマークで沈めた。

(=゚ω゚)ノ「なんつーパス回しだヨウ…!!」

( ,,゚Д゚)「…ちっ!行くぞゴルァ!」

――ダキュッ!

ミ,,゚Д゚彡「(1年にしてはスピードもパワーもなかなかのものだがゾーンに一人で
      突っ込むなんて自殺行為だぞ!)」

――キュキュ!キュキュッ

(;,,゚Д゚)「くっ…!!(囲まれたぞゴルァ…!!)」

――バチッ

(´<_`)「GJだ兄者!ナイスカット!速攻出せるぞ!」
(´_ゝ`)「よし、行ってしまえ弟者!速攻を許可しよう」

――ザシュッ


――ビーーーーーッ!

オフィシャル「タイムアウト!白!」

(;゚ω゚)「す…すごいお…」
('A`;)「これが全国レベルの試合…」
(;゚ω゚)ノ「流石兄弟……同じ1年とは思えないヨウ」
(´・ω・`)「ラウンジ学園が奨学金と称して裏金を渡してまで他県から呼び寄せる
      ほどだからね」
( ´∀`)「ちょwww」
(´・ω・`)「まぁこれはかなりトップシークレットなわけなんだが」
(;゚∀゚)「(なんでそんなこと知ってんだよwww)」
(´・ω・`)「まぁ彼らにはそれだけの価値があるということだよ」
('A`)「ラウンジはPGも上手いですね」
(´・ω・`)「そうだね。あのフサギコが上手くチームをコントロールしてオフェンスが
       流石兄弟に偏りすぎないようにしている。自らのシュート力も
       なかなかのものだ」
( ^ω^)「今北はどうですかお?」
(´・ω・`)「まだ動きに固さがあるね。今挙げたラウンジの3人はインハイ予選から
      スターティングとして出場しているが今北の二人は今大会が初の
      スターティング入りのようだからね」
( ´∀`)「ってことは現在のチーム力としてはラウンジ学園の方が上ですかモナ?」
(´・ω・`)「今のところは…ね。ただ今北の田守監督はなかなかの腕だからね」


(■_■)「どーしたギコ?緊張しちゃったか?だったら代えちゃうよ?」
( ,,゚Д゚)「すみませんゴルァ!」
(■_■#)「だったらもっとチーム全体を考えてプレーしろ。少しは向こうの4番を
     見習ったらどうだ?」
( ,,゚Д゚)「……はいゴルァ」

しかし今北はタイムアウトをとって立て直しを図ったにも拘らず、いざ流石兄弟に
ボールが渡ると反応できない。新チームとなり意思の疎通もままならない状態で、
カバーに出てきたディフェンス同士がお見合いするなど次々とラウンジ学園に
穴をつかれる。そして第1クォーターは31-14とラウンジが大きなリードを奪った。

( ,, Д)「…ニダー」
<ヽ`∀´>「そろそろやるかニダ?」
( ,,゚Д゚)「おうゴルァ。俺は4番、お前は9番だ」
<ヽ`∀´>「把握ニダ。何が何でも勝ちはもらうニダ」



――ビーーーーーッ!
審判「第2クォーターを開始します!」

――ダム…ダムダムッ!

ミ,,゚Д゚彡「(抜いてくる!右か!)」
(#,,゚Д゚)「止めてみろやゴルァ!」

――ダムッ!

ミ,,゚Д゚彡「(読みどおり!右だ!)」

――がしっ!

ミ,,゚Д゚彡「(うっ…!!!)」

――ピィッ!

審判「オフェンスファウル!白7番!」
(´<_`)「フサギコ先輩、ナイスディフェンスです!さぁ一本行きましょう!」
ミ,,゚Д゚彡「お…おう…」

フサギコは腹部を手で押さえながら力なく答える。


ミ,,゚Д゚彡「(今の肘はわざとか…?いや、こんな大舞台でそんなわけないか…)」

――ダムッ

ミ,,゚Д゚彡「っし、いっぽ……!?」

――キュキュキュキュ!!!!!!

ハーフライン付近からギコがフサギコに強烈なプレッシャーをかける。

( ,,゚Д゚)「ゴルァゴルァゴルァゴルァゴルァ!」
ミ,,゚Д゚彡「(な……!!つーか手ぇ当たってるだろ、審判はなんで吹かない!?)」

――バチッ

ミ,,゚Д゚彡「痛ぅっ……」
( ,,゚Д゚)「速攻だゴルァ!」

――ザシュッ

ミ,,゚Д゚彡「(…冷静になれ…あの程度のラフプレーで熱くなるな…)」



――キュキュキュ!キュキュッ!

フサギコの体中にギコの肘や膝が何度も当たる。

ミ,,゚Д゚彡「(この程度の当たり…あの荒巻と比べたらミジンコ以下だ!)」

――ダムッ!

フサギコは強引にギコの激しいディフェンスを突破する。フサギコのパワーに押され、
ギコは吹っ飛ぶ。

( ,,゚Д゚)「(こいつ……!!)」
('A`)「(お前じゃあのガードは止められないっつの)」
<ヽ`∀´>「HIにパス出るニダ!」
ミ,,゚Д゚彡「(残念だったな。ハズレだ)」

――ビッ…ばしっ

ラウンジD「っしゃ!ナイスパス!」

――シュッ…パシュン
――ウオオオオォォォ!!ありがとーっ!ありがとーっ!3点シュートをありがとーっ!

( ,,゚Д゚)「(…これが全国レベルかゴルァ。中学とは桁違いだなゴルァ)」
<ヽ`∀´>「気負いすぎるなニダ。ギコはギコのやり方でやればいいニダ」
( ,, Д)「…おおよ」

第2クォーター残り5分。42-24。ラウンジ学園、18点リード。

第33章 完


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