( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第34章 因縁
――ビーーーーーッ!!
審判「第2クォーター終了!ハーフタイムに入ります!」
「ひゃあー…ラウンジ強ぇな…」
「流石兄弟もめちゃくちゃ上手いけどラウンジは4番もかなり上手いぞ」
「今北にもこれと言って目立った動きはないしこのまま行っちゃうかもな」
前半を終えて52-33。ラウンジ学園19点リードである。ラウンジ学園は、
Cフサギコから様々な方向へ捌かれるパスで今北を翻弄。ボールが流石兄弟の
どちらかに渡れば、9割以上の確率でコンビプレーを決めている。
対する今北はFギコからのやや強引なドライブを攻撃の起点としており、
そのドライブをラウンジの3-2ゾーンに阻まれ、攻撃がなかなか展開できずに
パスミスからカウンターを食らうという、よろしくない流れとなっていた。
(■_■)「おい、ギコ」
(;,,゚Д゚)「な…なんすかゴルァ」
(■_■#)「このまま負けるようなことがあれば二度と使わん。頭に入れておけ」
(;,,゚Д゚)「わ…わかりましたゴルァ」
――ビーーーーーッ!!
審判「ハーフタイム終了!第3クォーターを開始します!」
ミ,,゚Д゚彡「っし、ここ大事だ、一本行くぞ!」
――ダムッ
( ,,゚Д゚)「(ふざけんなゴルァ!ここまでのし上がってきたのに外されるわけには
行かねぇぞゴルァ!)」
――キュキュキュキュ!キュキュ!キュキュキュッ!!!
ミ,,゚Д゚彡「(さっきよりも当たりが激しい…痛いっての。しかしさっきよりも
しっかりコースに入ってきてるから攻めづらいな…)」
ミ,,゚Д゚彡「弟者!パス回してくれ!」
(´<_`)「おkなり」
――ビッ…ばちっ
ミ,,゚Д゚彡「(パスミス…!!)しまった…!!」
( ,,゚Д゚)「先輩ナイスカットだゴルァ!そのまま速攻だゴルァ!」
――ザシュッ
( ,,゚Д゚)「プレスかけるぞゴルァ!」
今北一同「おう!」
――キュキュキュキュ!!
( ^ω^)「(ゾーンプレスかお?)」
('A`)「(1-2-1-1か…)」
ミ,,゚Д゚彡「くっ…走れ!かき回してノーマーク作ってパスランすれば突破できるぞ!」
――キュキュキュ!!!!
ギコはフサギコにボールが入った瞬間今北Dとダブルチームをかける。
――キュキュキュキュ!!!キュキュッ!!
ミ,,゚Д゚彡「くっ…誰かもらいに来てくれ!!」
( ,,゚Д゚)「(無駄だゴルァ!!くたばりやがれ!!)」
――どさっ
ギコの足とフサギコの足が絡み、二人はコートへ倒れる。
フサギコは自分の左足首の内側から不快な音を聞いたような気がした。
ミ,,゚Д゚彡「うぅっ…!!!」
――ピィッ!!
審判「プッシング!!白7番!!」
(´<_`)「フサギコ先輩、大丈夫っすか?ダブルチームに来られる前にパスを…
フサギコ先輩!?」
ミ,,゚Д゚彡「いてぇっ…!!」
フサギコは左足首を両手で押さえコートにうずくまっている。異変に気付いた審判は
すぐに笛を吹いてレフェリータイムをとり試合を中断する。
審判「君、大丈夫か?立てるかい?」
ミ,,゚Д゚彡「大…丈夫…です…!!」
フサギコはふらつきながら必死に立ち上がる。
( ,,゚Д゚)「す…すみませんゴルァ…大丈夫ですかゴルァ?」
ミ,,゚Д゚彡「気にしなくていい。これくらいの接触プレーは仕方ないさ」
( ,,゚Д゚)「(とっととひっこめやゴルァ!!)」
審判「走れるかい?」
ミ,,゚Д゚彡「大丈夫です。試合の続行お願いします」
( ,,゚Д゚)「………」
<ヽ`∀´>「(しぶとい奴ニダ…俺もそろそろ…)」
審判「紫ボールで試合を再開します!!」
ミ,,゚Д゚彡「よし、一本行こう!!油断は禁物だ!!」
('A`)「(……いいガードだけど…このまま行ったらきっと…)」
――ガンッ
(´<_`)「落ちた!!兄者、リバウンドとれるぞ!オフェンスリバウンドから
もう一回立て直そう!!」
(´_ゝ`)「オーケイ任せておけ!!」
<ヽ`∀´>「とらせないニダ!!」
兄者とニダーが同時にリバウンドへ跳ぶ。位置的にはニダーが前をとっていたが兄者が高さで
強引にリバウンドを奪う。そして着地した瞬間だった…。
――ぐきっ
(´_ゝ`)「ぐぅっ!?」
――どさっ
兄者がうめき声と共にコートに倒れる。これといった接触が審判に判断されなかったため
ファウルにはならず、再びレフェリータイムで試合が中断される。
(´<_`)「おい、兄者!!大丈夫か!!死なないでくれ!!」
(;´_ゝ`)「大げさだぞ弟者wwwwちょっとひねっただけだ。ほらこんなにげんk…!!」
元気に立ち上がろうとした兄者だったがバランスを崩し再びコートに倒れる。
審判「…続行は難しいようだね…。ひとまず9番の君はベンチに下がりなさい。
再出場する場合はしっかり処置をしてから出ないと認めないよ」
(´<_`;)「兄者……」
(´_ゝ`)「心配するな。テーピング巻いてすぐ戻るさ。しばらくの間頼むぞ」
(´<_`)「おk。任せておけ」
(=゚ω゚)ノ「…ドクオ、どう思うヨウ?」
('A`)「…完全に故意だろうな」
( ´∀`)「…さすがにちょっと不自然モナね…」
( ゚∀゚)「この短時間で2人も負傷者なんておかしいだろう絶対」
(´・ω・`)「しかし審判は絶対だ。審判が故意と判断しない限りは…」
( ^ω^)「…あのプレーが続くんですかお…?」
(´・ω・`)「…おそらくね」
―ラウンジ学園ベンチー
監督「兄者、大丈夫か?少し見せてみろ」
(;´_ゝ`)「あ、平気ですよ監督。大したことないんでテーピングも自分でやれます」
監督「バカを言うな。あの倒れ方は不自然だ!!いいから見せてみろ!!」
ラウンジ学園の監督が兄者の足首に触れる。
(;´_ゝ`)「うああぁぁぁあっ!!!」
監督「おい…どうした!?おい、マネージャー、ちょっとバッシュを脱がせろ」
(;´_ゝ`)「ま…待t…」
監督「……!!なんだこの腫れは!!」
(´_ゝ`)「…………」
監督「おい、誰か氷持って来い!!すぐ冷やせ!!」
部員「は…はい!!」
監督「今日はもう出るな。いいな?フサギコと弟者がいるんだ。この点差だし安心しておけ」
(´_ゝ`)「はい…(きっとフサギコ先輩も…)」
ミ,,゚Д゚彡「はぁ…はぁっ…(まずい…!!痛みのせいで踏ん張れない…!!足首がグラグラする…)」
――キュキュキュキュ!!!!
( ,,゚Д゚)「ゴルァゴルァゴルァゴルァ!!!!!」
手負いのフサギコにも今北は全く手を緩めない。それどころか先刻よりも厳しい
プレッシャーをかけるようになっていた。
ミ,,゚Д゚彡「(くそっ…兄者が抜けた今は、俺が何とかしてオフェンスを牽引しなくちゃ…)」
――ぐきっ
ミ,,゚Д゚彡「ぐああぁぁっ!!」
フサギコはふらつく左足首で地面を蹴ろうとしたがそれがまたもやギコの足と絡み、
おかしな角度で地面につき、傷を深めてしまった。
フサギコは再び左足首を押さえコートに倒れる。
( ,,゚Д゚)「(ちょwwwww楽勝ゴルァwwwww)」
ミ,,゚Д゚彡「ま…まだ…まだやれる…!!」
審判「ダメだ。ベンチに戻って!!」
ミ,,゚Д゚彡「まだだ!まだ…!!」
審判「立っていることすら限界じゃないか!!ラウンジ学園の方この選手をベンチへ!!」
ミ,,゚Д゚彡「くそっ…!!」
<ヽ`∀´>「(これでラウンジはスカスカだニダ。一気に決めるニダ)」
( ,,゚Д゚)「(もちろんだゴルァ)」
コンビプレーの一角、兄者とチームの起点フサギコ。ラウンジ学園にとっての生命線は
負傷退場によって絶たれた。弟者が一人で奮闘するが兄者との時のような冴え渡るパス回しが
封じられる。主軸が抜けたことにより流れは一気に今北へ。
ラウンジ学園はこれまでボール運びのほとんどをフサギコに依存していたため
プレスを突破する術を見出せず、フサギコと兄者が退場後の16分間をわずか11得点に
押さえ込まれた。
――ビーーーーーーッ!!!!!
審判「試合終了!!スコア通り、85-63で白!!」
( ^ω^)「なんか…せこいお」
('A`)「相変わらず汚ぇ連中だよ…」
(=゚ω゚)ノ「知り合いかヨウ?」
('A`;)「あ…まぁ、色々とな。ちょ…ちょっとトイレ行ってくるわ」
(´・ω・`)「若干腑に落ちないが今回の優勝は今北のようだね。いずれは僕達も彼らと
闘うんだ。しっかり練習しなきゃね」
―男子便所―
――ジャアアアアーーー…
('A`)「ふぅ…」
『うあぁっ!!』
『お…おい、ドクオ!!大丈夫か!?』
『だ…大丈夫だ、この程度。あと1クォーター半、頑張ろうぜ!!勝って県NO1だ!!』
『お…おう、頼むぞキャプテン!!』
『…大人しくベンチにいればこれ以上痛い目見ないで済んだのになゴルァ』
『やっぱりワザとだったのか。あいにくだがこの試合だけは負けられないんだよ。
俺の未来がかかってるからな』
『そうかゴルァ。安心しろゴルァ。心置きなくぶっ壊してやるゴルァ』
『ぐあぁっ…いてぇぇ…!!』
『おい…ドクオ!ドクオー!!』
『ま…まだ…やれる…!!』
('A`)「(…何思い出してんだ俺は…昔のことだ。もう忘れないと…)」
( ,,゚Д゚)「おう、ドクオじゃねぇかゴルァ。久しぶりじゃねぇかゴルァ」
('A`)「ギコ…!!」
( ,,゚Д゚)「観に来てたのかゴルァ。観たか?県優勝だぞゴルァ。中学に引き続いてなゴルァ」
('A`)「あんな汚いプレーでしか勝ちを呼び込めないなんてしけた野郎だなおい」
( ,,゚Д゚)「悪いが同じ舞台に立ってすらいないやつに何を言われようとただの
負け惜しみにしか聞こえねぇぞゴルァ。それともまだ特待を奪われたことを
根に持ってるのかゴルァ?」
('A`#)「てめぇ…!!」
( ,,゚Д゚)「図星のようだなゴルァ。まぁそりゃそうだろうなゴルァ。名門・今北からのスポーツ推薦。
条件は県優勝。決勝戦では前半までボロ勝ちしてたのにキャプテンの負傷退場でまさかの
逆転負け。特待の座はそのときの対戦相手のキャプテンの俺が頂いたんだからなゴルァ」
('A`#)「…………!!!!!!」
( ,,゚Д゚)「まぁ今は心を入れ替えちゃったぞゴルァ。お前の分までウィンターカップで
暴れて来てやるからなゴルァ」
( ,,゚Д゚)「あ、そうそう。ラウンジの4番。あの決勝の時のお前とダブってムカついたから
思いっきりぶっ潰してやったぞゴルァwww」
('A`#)「…卑怯者が…!!」
( ,,゚Д゚)「怒るなや『事実上の県優勝校』の元キャプテンさんやwwwwwまぁせいぜい
うちと当たらないよう祈っておくんだなゴルァ。またケガしたくなかったらなゴルァ」
('A`)「…見てやがれ下衆野郎!!新人戦でぶっつぶしてやるよ!!!」
( ,,゚Д゚)「同じ舞台に立てたらの話だぞゴルァ」
そう言い捨てギコは男子便所を後にした。
1月に入ってすぐにウィンターカップ本戦。ウィンターカップが終わったあとすぐに
新人戦が行われる。過去の因縁が再び蘇り、ドクオは心の中で今北への完全勝利を誓った。
第34章 完
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