( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 第35章 全国にて




年が明けた。ブーン達はイヨウの家でクリスマス会を開き、イヨウの家で忘年会を
開き、イヨウの家で年を越し、イヨウの家で新年会を開いた。
一段落ついた後、イヨウは少しやつれていたようだった。

新年に入り1週間近く経ち、ブーン達が練習に励んでいる頃、さいたま県で
ウィンターカップ本戦が開催されていた。

―さいたま体育館―

( ・∀・)「ニュー速県の伝統校、今北かインターハイで初出場ベスト8の期待の星、
     FOX学院か…今北は戦力の低下が騒がれているけど実際どうなんだろうね」
( ><)「わかんないんです!」
( ・∀・)「ま…まぁ僕もわからないさ。試合は何が起こるかわからないからね」
( ><)「わかんないんです!」
( ・∀・)「(なんでこんなのが記者になれたんだ…?)まぁピロード君、僕達は
     記者だから公平な記事を書けるように…」
( <●><●>) 「わかってます」
( ・∀・)「…………」


 ・
 ・
 ・
( ・∀・)「お、1回戦の今北高校対FOX学院は始まってるようだね。スコアは……
    点数からして今第3クォーター中盤くらいかな?相当遅れてしまったね。
    しかし圧倒的な点差だなぁ」
( ><)「まだ第2クォーターみたいなんです!スコアボードにそう表示されてるんです!」
( ・∀・)「……!!第2クォーター終盤で64得点……!!」

――ウオオオオォォォ!!!F・O・X!F・O・X!F・O・X!ウオオオオォォォ!!

*(‘‘)*「さぁー、ガンガンプレスかけてぶっつぶしてやれぇー!」

――バチッ!

*(*‘‘)*「よーし!ナイスカットだよジエン!そのまま行っちゃえ!」
(・∀・)「把握!」

――ザシュッ

*(‘‘)*「まだまだー!プレスかけ続けて戦意喪失させちゃいな!」
(・∀・)「運ばせないよ今北!」
( ,,゚Д゚)「な…なめんなゴルァ!(なんなんだこのチームはゴルァ!?)」

――ビーーーーーッ!

審判「5秒オーバータイム!!」

――ウオオオオォォォ!!!F・O・X!F・O・X!F・O・X!ウオオオオォォォ!!


( ><)「応援もすごいんです!モララーさん、FOX学院ってどんなチーム
      なんですか?わかんないんです!」

モララーと呼ばれたベテラン風の記者は、封筒から1枚の紙を取り出し、
「わかんないんです!」を連発する新入社員、ピロードに渡す。

( ><)「FOX学院…『女監督のヘリカルが監督就任後、5年でインターハイ出場。
            初出場で全国ベスト8という快挙。そのチームスタイルは
            極端なまでのラン&ガン。さらにフルタイム通しての
            2-2-1ゾーンプレスでテンポの速い試合展開を得意とする』
      …わかったんです!」
( ・∀・)「ちなみにオレンジのユニフォームなのがFOX学院だよ。インターハイでの
     試合を観て、オフェンスに秀でているのはわかったがこれほどとは…!!」

――ビーーーーーッ!

審判「第2クォーター終了!ハーフタイム!」

( ,,゚Д゚)「はぁっ…はぁっ…!!」
<ヽ`∀´>「はぁーっ、はぁーっ…」

71-19でFOX学院リード。全国大会とは思えないほどの試合内容だった。


観客席からは
FOX学院の応援団による盛大な応援が続く。

――ウオオオオォォォ!!!F・O・X!F・O・X!F・O・X!ウオオオオォォォ!!

*(‘‘)*「よーしよしよし!いいよみんな!このまま油断せずぶっちぎろう!」
(・∀・)「ニュー速県優勝校もたいしたことないや」
( ^Д^)9m「あいつら弱すぎwww俺の出番は必要ないっしょwwwプギャーwww」
(*‘ω‘ *)「プギャー、油断はダメだっぽ。いつも通り後半から頼むっぽ。最後まで
       容赦なく叩き潰すっぽ」
*(‘‘)*「ちんぽっぽの言うとおり!好きなだけ暴れておいで!」
( ^Д^)b「把握した」

「お…おい、これ全国大会なのにこんな圧倒的でいいのか?」
「んなこと言ったってFOX学院が強すぎるんだから仕方ないだろ」
「こんな強いとこにも『あそこ』は勝っちまうんだよなぁ」
「FOX学院も『あそこ』と当たらなかったらひょっとすると決勝行けたんじゃね?」
「てかこのチーム1年が3人もスターティング入りしてるぞ!パンフレット見てみろ!」
「ホントだ…なんで今年はこうも1年が豊作なんだ…?ひろゆき高校といい…」

( ・∀・)「ふーむ…今北はヤバいね…すっかり雰囲気に飲まれてる。ま、この応援じゃ
     仕方ないか…しかしあの1年生達はすばらしいね」
( ><)「あんなに上手いのにまだ1年生なんて信じられないんです!」
( ・∀・)「しっかり観ておくんだよ。ディフェンスの要、ポイントガードHジエンに
    驚異の身体能力を誇る、『走れるセンター』、Jちんぽっぽ…そして…」


――ビーーーーーッ!

審判「ハーフタイム終了!第3クォーターを開始します!」

――ウオオオオォォォ!!!プギャー!プギャー!プギャー!待ってましたよ
スーパーシューター!ウオオオオォォォ!!

(;><)「すごい盛り上がってるんです!」
( ・∀・)「出たね。FOX学院の6thマン。スーパ^サブのスリーポイントシューター、
     Nプギャーだ」
( ><)「スーパーサブは切り札じゃないんですか?勝ってるのにどうして
      出すんですか?わかんないんです!」
( ・∀・)「FOXの監督は容赦ないからね。相手が誰であれ主力をほぼフルタイム出し続ける。
    Nプギャーが第3クォーターから出るのはこのチームのお決まりのようだよ。
    ちなみにその方針で、地区予選では250点とった試合もあるそうだ」
(;><)「250点って…すごいんです!」
(#,,゚Д゚)「(全国の舞台で恥かかせやがってゴルァ…二度とバスケできない体に
      してやるぞゴルァ。覚悟しとけやゴルァ)」
( ,,゚Д゚)「当たってくぞゴルァ!」
(・∀・)「オッケー、相手が何してこようがうちのやることは一つ!」
FOX一同「点をとりまくる!」
(・∀・)「その通り!さぁ、行こう!」


ボールを持ってサイドライン外からチーム全員に呼び掛けたジエンはパスをコート内へ
入れる。第3クォーターが始まった。パスを受けたFOXCはすぐにジエンにパスを
リターンし、定位置へ入る。セットオフェンスだ。

( ,,゚Д゚)「(くたばれやゴルァ!)」

ギコは猛烈にプレスをかける。ラウンジ学園のフサギコを負傷退場へ追いやった、
あのディフェンスだ。

( ,,゚Д゚)「ゴルァゴルァゴr……!?」

しかし、ジエンはドリブルチェンジ一回でギコをかわす。カバーに来たディフェンスも
かわし、コーナーで待ち構えていたプギャーにパスを出す。プギャーは一片の迷いも
なくスリーポイントを放つ。

――パシュンッ
――ウオオオオォォォ!!!いいぞいいぞプギャー!いいぞいいぞプギャー!
  ウオオオオォォォ!!

(・∀・)「プレス!」

――キュキュキュキュ!!


( ,,゚Д゚)「くそっ…どけやゴルァ!」

――バチッ

*(‘‘)*「いいぞぉ!ジエン!」
(・∀・)「(もらった!)」

――ザシュッ
――ウオオオオォォォ!!!ジエン!ジエン!ジエン!ウオオオオォォォ!!

( ,,゚Д゚)「(こいつら…動きが速すぎて触ることすらままならねぇぞゴルァ…
      ディフェンスも当たりが強くてまともに動くことすらできねぇじゃねぇかゴルァ)」

――キュキュキュキュ!!ばちっ…ザシュッ
――ウオオオオォォォ!!!ジエン!ジエン!ジエン!ウオオオオォォォ!!

――ビーーーーーッ!

オフィシャル「タイムアウト!白!」
( ,,゚Д゚)「はぁっ…はぁっ…はぁっ…(どうやりゃあいつらを壊せるんだゴルァ…)」
(■_■#)「情けないなぁギコ?何だか知らんが余計なことばかり考えてるからじゃ
     ないのか?」
( ,,゚Д゚)「…………!!」
(■_■)「どれだけ点差をつけられても引っ込めるつもりはないぞ」
( ,,゚Д゚)「(このまま恥をさらし続けろってのかゴルァ!?)」
(■_■)「余計なことは何もしなくていい。言っている意味がわかるな?」
( ,,゚Д゚)「…はいゴルァ」


――ビーーーーーッ!

オフィシャル「タイムアウト終了です!」

(・∀・)「ちょっとは正々堂々とやってみたらどうだい?」

すれ違いざまにジエンがギコに囁いた。

( ,,゚Д゚)「だ…黙れやゴルァ!」
(・∀・)「宝の持ち腐れ、だね。さぁ、今北ボールだよ」
(#,,゚Д゚)「い…言われなくてもわかってっぞゴルァ!」

――キュキュ!!キュキュキュ…ばちっ!

*(‘‘)*「ナイスカット!プギャー!」
( ^Д^)9m「よっ…と」

――シュッ…

「プレスでボールを奪って即スリー!?」
「こんなのめちゃくちゃだ!」


――ガツッ!

( ^Д^)9m「(ありゃ、はずしてまったよwww俺ださっwwwプギャーwww)」

「ほら、あんなめちゃくちゃなシュートセレクションじゃ入るわけが…」

外れたシュートにバックコートから走ってきたちんぽっぽが飛びつく。

(*‘ω‘ *)「っぽー!!!!」

――ガコッ!

ちんぽっぽはリバウンドで得たボールをそのままダンクに持っていった。

――ウオオオオォォォ!!!ちーんぽっぽ!ちーんぽっぽ!ちーんぽっぽ!
  ウオオオオォォォ!!

「リバウンドスラム……!!」
「あの11番どこから走ってきたんだよ……!?」

( ・∀・)「バックコートから走りこんでランニングリバウンド…それだけでも
    信じられないのにそのままリバウンドスラム…!!なんて身体能力だ…!」


「おい、FOXの連中、まだプレスかけてるぞ……」
「ホントに容赦ないな。ほんのわずかな気の緩みも見せない…」
「こいつらにはマグレじゃ勝てないぞ…」
 ・
 ・
 ・
――ザシュッ
――ウオオオオォォォ!!!ジエン!ジエン!ジエン!ウオオオオォォォ!!
  いいぞいいぞジエン!100点目!

第3クォーター残り2分でFOX学院の得点は100点に達した。対して今北はわずか26得点。
力の差は歴然だった。

( ,,゚Д゚)「……なんなんだゴルァ…俺はどうすればいいんだゴルァ…」

その後もFOX学院の手が緩むことはなく、今北は残酷なまでに実力差を見せ付けられる
こととなった。

――ビーーーーーッ!

審判「試合終了!スコア通り、134-32で橙!」

――ウオオオオォォォ!!!やった!やった!やったぞFOX!圧勝!圧勝!圧勝FOX!
  ウオオオオォォォ!!


―FOX学院ベンチ―

*(‘‘)*「よーし、お疲れさん!次もこの調子でいただくよ!」
(・∀・)「とーぜん!」
(*‘ω‘ *)「次は150点とるっぽ!」
( ^Д^)9m「2回戦はスリー10本決めるかなwww今日は8本だったからな」

―今北ベンチ―

( ,, Д)「………………」
(■_■)「わかったか?全国ってもんが」
( ,, Д)「……うぃっすゴルァ」
(■_■)「中途半端な小細工で勝てるほど甘い世界じゃない。身に染みただろう?
    お前は今北のスターティングメンバーだ。それをしっかり肝に銘じろ。
    そして新人戦で立ち直ってみせろ」
( ,,゚Д゚)「わかりましたゴルァ!」

( ・∀・)「ふー…まぁあっけなかったといえばあっけなかったかな。さて、
     注目しなければならないのは次の試合だね」
( ><)「どこが出るんでしたっけ?わかんないんです!」
( #・∀・)「(本っ当にこいつは…)2ちゃんねる代表のひろゆき高校だ」
( ><)「初出場初優勝のとこですよね?覚えてるんです!」



観客席は他チームのメンバーで、報道関係者の席は報道者で埋め尽くされていた。
会場全体が異様な雰囲気に包まれていることが、次の試合がただの試合でないことを
如実に物語っていた。

「いよいよだな。しっかりビデオ録っとけよ」
「あぁ、もちろん」
「アップしてるのを観るだけでもこいつらがただもんじゃないってわかるもんな」
「やっぱひろゆき高校の怪物新人だろうな」
「ひろゆき高校の新人は全員怪物レベルだろ。『あいつ』は…次元が違う」
「お、始まるみたいだ」

――ひろゆき!ダンダンダンダン!ひろゆき!ダンダンダンダン!
  ひろゆき!ダンダンダンダン!
――ぬーるーぽ!!ぬーるーぽ!!ぬーるーぽ!!ぬーるーぽ!!

( ・∀・)「絶対に目を離すんじゃないよ」
( ><)「わかったんです!」

審判「ひろゆき高校VS塗歩高校の試合を始めます!両校のスターティングメンバーは
   コート中央へ!」

( ・∀・)「過去キャプテンとして日本代表を牽引した荒巻さんが遺した、
     日本バスケットボール界の希望……それがN荒巻スカロチノフだ」
/,' 3「さ、行きましょうか」


          「「しゃっす!!」」



( ><)「始まったんです!ジャンプボールはひろゆきが勝ったんです!」

( ・∀・)「ジャンパーは199cmのセンター、Mシラネーヨ。パワーもスピードも、巧さも
     兼ね備えたセンター。彼も1年生だ」
ひろゆきC「とったぞ!荒巻!任せた!」

――ビッ…ばしっ

荒巻はボールをキャッチした瞬間鋭くドライブをかける。

塗歩E「(……え?)」
/,' 3「先輩!」

――ビッ…

ゴール下へノーマークで走りこんできたひろゆきDは荒巻のパスを空中で受ける。

ひろゆきD「ナイスパス荒巻!」

――ガコンッ!!
空中で受けたパスをそのままダンクへ。試合開始早々のアリウープで観客席は
大盛り上がりを見せる。


――ウオォォォォォォ!!いけいけひろゆき!いけいけひろゆき!ウオォォォォォォ!

( ・∀・)「試合開始から3秒でアリウープを演出…か」
/,' 3「ナイスシュートです。ハーフマンツー、行きます!」
ひろゆき一同「っしゃ!」
塗歩E「(今のは抜かれてたのか…?なにをされたのかわからなかった…)」

――バチッ!!

塗歩E「え………」
ひろゆきD「ナイスカットだ荒巻!!そのまま行けぇ!!」

ワンマン速攻で一人シュートへ向かう荒巻は宙を舞った。空中でボールを持った腕を大きく伸ばし、
体を弓のように反らす。しなやかな肉体から繰り出されるダンクシュートは敵チームにすら
美しいと思わせるものだった。

――ガコッ!!
――うおおぉぉぉぉぉぉぉ!!いいぞいいぞア・ラ・マ・キ!!いいぞいいぞア・ラ・マ・キ!!
  うぉぉぉぉぉぉぉおおぉぉ!!!!

(`・ω・´)「いいシュートだ、荒巻。完膚なきまでに叩き潰してやろう」
/,' 3「はい、シャキンコーチ」

第35章 完


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