第13話「トンファー部出撃」
トンファー部と料理部のクラブ勝負が終わってから数日後。
トンファー部の練習が休みの日にブーンとツンが部室にやってきた。
ブーンが部室のドアを開けるとそこには既にジョルジュがいた。
( ^ω^)「おはようですお、ジョルジュ先輩。」
ξ゚听)ξ「おはようございます。」
( ゚∀゚)「よう、おはよう。」
( ^ω^)「あれ?ショボン先輩はまだですかお?」
( ゚∀゚)「ちょっと遅れるって連絡があったぜ。」
ブーンとツンはパイプ椅子に座った。
( ^ω^)「ショボン先輩が僕達に話があるって何ですかお?」
( ゚∀゚)「さあなあ。俺も詳しいことは今日教えてもらうことになってたから知らないんだよな。」
ξ゚听)ξ「何の話でしょうね。」
その後、3人で雑談をしているとブーンが思い出したかのように言った。
( ^ω^)「あ、そうだ!ジョルジュ先輩に聞きたいことがあったんですお。」
( ゚∀゚)「え?何?」
( ^ω^)「ジョルジュ先輩って中学校のころは有名なサッカー選手だったんですおね?」
( ゚∀゚)「ああ、まあ、そうみたいだな。俺はあんまり有名人とは思ってなかったけど。」
( ^ω^)「それなのに何で高校でサッカー部に入らずにトンファー部に入ったんですかお?」
( ゚∀゚)「ああ、それはだな・・・。高校に入って何部に入ろうかなぁ、
やっぱサッカー部にしようかなぁって考えているときに勧誘されたんだよ。」
ξ゚听)ξ「トンファー部にですか?」
( ゚∀゚)「そう、巨乳でナイスバディでカワイコちゃんのハニー先輩に勧誘されたんだ。
その人がトンファー部のマネージャーだったんだよ。もう卒業しちゃったけどね。」
( ^ω^)(さすがおっぱい星人ですお。)
( ゚∀゚)「まあ最初は不純な動機だったかもしれないけど、
練習とかしているうちにトンファーにはまっちゃったんだよな。で、今に至る。」
( ^ω^)「なるほどですお。で、そのハニー先輩とジョルジュ先輩のご関係などは・・・。」
ξ゚听)ξ「ちょっとブーン、あんまりそういうことは聞くものじゃないわよ。」
( ゚∀゚)「ああ、別にかまわないよ。ハニー先輩はラオウ先輩と付き合ってたんだよ。」
( ^ω^)「ラオウ先輩?」
( ゚∀゚)「ラオウ先輩ももう卒業しちゃったけどトンファー部のエースだった人だよ。
去年のトンファー全国大会個人部門優勝だよ。」
( ^ω^)「えっ!?この高校から日本一の人がいたんですかお!!」
( ゚∀゚)「ああ、そうだぜ。」
そう言うとジョルジュは棚から月間トンファーマガジンを取り出してブーン達に見せた。
( ゚∀゚)「ほら、これがそのページ。」
ブーンは月間トンファーマガジンを手に取ると読み始めた。
( ^ω^)「・・・圧倒的な強さで個人部門を優勝したヴィップ学園高校のラオウ選手は、
わが生涯に一片の悔いなし!と言い残して大会会場を去っていった・・・。へーすごいですおね。」
ξ゚听)ξ「あら、こっちに写ってのるのはジョルジュ先輩とショボン先輩じゃないですか?」
ツンがそう言うとブーンから本を取り上げて記事を読み始めた。
ξ゚听)ξ「・・・ラオウ選手率いるヴィップ学園高校は惜しくも準決勝で優勝候補の八つ橋高校に2−1で破れた・・・。」
(;^ω^)「ええっ!?準決勝敗退ってことはジョルジュ先輩達って全国大会でベスト4だったんですかお!?」
( ゚∀゚)「あれ、言ってなかったっけ?そうだぜ。」
(;^ω^)「めちゃくちゃすごいですおね。」
( ゚∀゚)「全国大会は3対3の団体戦なんだ。勝ち抜き戦じゃなくて1試合ずつ勝敗を決める。
それで俺とショボン先輩が負けちゃって。結局ラオウ先輩は1回も負けてなかったんだけど敗退しちゃったんだよな・・・。」
ジョルジュは少し悔しそうな顔をした。
( ゚∀゚)「ま、ブーンも入ったことだし、マネージャーもいるし、今年はぜひとも優勝したいぜ。」
( ^ω^)「がんばりますお。」
ξ゚听)ξ「私もがんばります。」
その時、ショボンが部室に入ってきた。
(´・ω・`)「ごめん、ごめん。ちょっと急用で遅くなっちゃった。
わざわざ練習が休みの日に呼んじゃってごめんね。」
ショボンはそう言いながらパイプ椅子に座った。
( ゚∀゚)「で、話って何ですか?」
(´・ω・`)「トンファー部の今後のことなんだけどね。」
( ^ω^)「今後のことがどうかしましたかお?」
(´・ω・`)「もうみんなわかっていると思うけどクラブ委員会がトンファー部を潰そうとしているよね。
理由はよくわからないけど。」
( ^ω^)「まったく嫌らしい委員会ですおね。」
ξ゚听)ξ「酷い話よね。」
( ゚∀゚)「腹立ちますよね。殴りこみたいぜ。」
(´・ω・`)「じゃ、殴りこもうか。」
( ゚∀゚)「え!?」
(´・ω・`)「このままだとクラブ委員会はトンファー部を廃部にするために、
次から次へとクラブ勝負を挑んでくると思うんだよね。
それならこっちから出向いてクラブ勝負してそれをやめさせようと思うんだ。」
( ^ω^)「あれ?クラブ委員会とクラブ勝負ってできるんですかお?」
(´・ω・`)「いちおうできるよ。ただ、クラブ委員会は3対3の格闘技勝負しか受け付けないんだよ。」
( ゚∀゚)「3強が相手ですからね。まあ、普通は誰も挑まないですね。」
ξ゚听)ξ「3強って何ですか?」
(´・ω・`)「クラブ委員会の会長モララー、会計の兄者、書記の弟者。
それぞれ総合格闘技部、空手部、剣道部のキャプテンでこの3人が3強と言われているんだよ。
学園内では勝てる者はほとんどいないだろうね。特にモララーは学園内最強と噂されている。」
( ^ω^)「なるほどですお。それで勝ったら具体的には何をお願いするんですかお?」
(´・ω・`)「トンファー部が勝ったら1年間クラブ勝負を受け付けない権利をもらうつもりだよ。
なぜ1年間かというと、黒幕はモララーだと思うんだよね。
で、彼は3年生だし来年はいないから1年間クラブ勝負しなければ多分問題は解決できるんじゃないかなと思ってる。」
( ^ω^)「なるほどですお。」
(´・ω・`)「この勝負は正直勝てるかどうかわからない。だけどここでケリをつけるべきだと思うんだ。
もしよかったらみんなの力を貸してくれないかな。」
( ゚∀゚)「何言ってるんですか。水臭いですよ。狙うは3勝の完全勝利ですよ。」
( ^ω^)「僕も絶対に勝ちますお。」
ξ゚听)ξ「私はマネージャーですけれど、サポートできることがあったらがんばります。」
(´・ω・`)「みんなありがとう。じゃあ、今からみんなでクラブ委員会室へ行こう。」
( ゚∀゚)「よし!行きましょう!」
( ^ω^)「殴りこみですお!」
ξ゚听)ξ「ブーン、張り切りすぎて空回りしちゃ駄目だからね。」
ブーン達トンファー部は部塔の最上階のクラブ委員会室へ向かった。
クラブ委員会室の前に来たブーン達。
(´・ω・`)「じゃ、いくよ。」
他の全員が黙ってうなづいた。ショボンはドアをノックした。
中から返事がありブーン達はドアを開けクラブ委員会室に入った。
部屋の中にはモララー、兄者、弟者の3人がいた。
( ´_ゝ`)「・・・。」
(´<_` )「誰かと思えばトンファー部のみなさんでゴザルか。」
( ・∀・)「・・・何か用か。」
第14話「宿命の出会い」
部塔の最上階のクラブ委員会室。ショボンは一歩前に出ると口を開いた。
(´・ω・`)「クラブ委員会にクラブ勝負を挑みます。
トンファー部が勝ったら1年間クラブ勝負を受け付けない権利をもらいます。
そちらが勝てばトンファー部は廃部で構いません。」
( ・∀・)「・・・その条件で構わない。勝負の日は?」
(´・ω・`)「今週末の土曜の放課後に体育館の2階でお願いします。」
( ・∀・)「了解した。」
(´・ω・`)「それでは。」
ショボン達がクラブ委員会室を出ようとするとブーンが腰に下げていたホワイティが話し始めた。
┫『マイマスター。何か気配を感じる・・・。』
( ^ω^)「えっ?」
ブーンはクラブ委員会室から出る前に立ち止まった。
( ゚∀゚)「どうしたブーン。もう行くぞ。」
立ち止まっているブーンを見たモララーが口を開いた。
( ・∀・)「・・・ブーンと2人で話がしたい。他の者は席を外してくれ。」
(;^ω^)(えっ!?うほっな人じゃないおね?)
ξ゚听)ξ「ブーン、気をつけてね。」
(;^ω^)「う、うんだお。」
ブーンとモララーを残してほかの者は全員退室した。
( ・∀・)「それが白のトンファーか。」
そう言うとモララーはブーンが腰に下げているホワイティを見た。
(;^ω^)(何か僕の腰のあたりをジロジロ見てるお。やばいお。)
ホワイティをしばらく眺めていたモララーは机に戻り、引き出しを開けて黒いトンファーを取り出した。
(;^ω^)(ホワイティと全く同じ形だお。・・・でも真っ黒だお。)
( ・∀・)「この黒のトンファーも白のトンファーと同じようにクラブ委員会室の壁に刺さっていた。私が今の所有者だ。」
┣『久しぶりだな白のトンファー。」
黒のトンファーがしゃべりだした。
(;^ω^)「黒いトンファーがしゃべってるお!!」
┫『何者だ貴様は。』
┣『・・・時空を越えた時の衝撃で記憶に障害があるみたいだな。』
(;^ω^)「あれ?トンファー同士がしゃべってるお?」
┣『オルソンシリーズのトンファー同士の会話は可能だ。
そして、所有者もすべてのオルソンシリーズのトンファーと会話は可能だ。』
( ^ω^)「オルソンシリーズ?」
┫『オルソンシリーズとは何だ。」
┣『・・・ほとんどの記憶が残っていないようだな。いいだろう説明してやろう。
白のトンファーと黒のトンファーはこの世界とは違う平行世界アーズと呼ばれる場所で作られた。』
( ^ω^)(平行世界アーズ?)
┣『平行世界アーズはこの世界とほぼ同じような生活水準だが1つだけ違うところがある。
それは、戦争を行う際に国の代表者がオルソンシリーズと呼ばれるトンファーを使って戦い、勝敗を決める。
勝利条件は相手のトンファーの破壊。通称、トンファー大戦。』
( ^ω^)「オルソンシリーズって何だお?」
┣『オルソンという技術者が作ったトンファーのことだ。
戦争の際には必ずオルソンシリーズのトンファーを使用することが世界協定で定められている。』
黒のトンファーの話を聞いているうちにブーンがふと疑問に気づいた。
( ^ω^)「あれ?平行世界アーズとかいうところのトンファー達が何でこっちの世界にいるのかお?」
┣『私と白のトンファーはラウンジとツーチャンネルという国の戦争で使用されていた。
その際に時空の嵐に巻き込まれこっちの世界に飛ばされてきたのだ。』
( ^ω^)「時空の嵐って何かお?」
┣『我々の世界のものを他の平行世界へ飛ばす力を持つ嵐だ。
まれにしか起きない現象だがそれに私達トンファーが巻き込まれた。
そして、この世界へ飛ばされこの建物の壁に突き刺さったのだ。その際に所有者の設定が初期化されてしまった。
そのため、我々は我々を扱う適合者が現れるまで待つしかなくなったのだ。」
( ・∀・)「そしてその適合者が私とブーン、おまえだ。」
黒のトンファーの話があまりにも非現実的なのでブーンは混乱していた。
(;^ω^)「こ、これってほんとの話なのかお?みんなで僕を騙そうとしてるんじゃないのかお?」
( ・∀・)「私も最初はこの黒のトンファーが話している内容が理解できなかった。
しかし、実際にこいつを使ってみた結果思ったよ。平行世界アーズの存在を認めざるを得ないと。
そうだろう?ブーン。」
(;^ω^)(確かにホワイティのすごい力はこの世界とは掛け離れているような気はしていたお。)
( ・∀・)「そして、私は思ったよ。適合者としてブーン、おまえと戦いたいと。」
(;^ω^)「えっ!?」
( ・∀・)「学園内最強と自負している私は毎日が退屈だったんだよ。はじめようじゃないか、トンファー大戦を。
平行世界アーズでつけられなかった勝負をここでつけてやろうじゃないか。」
(;^ω^)「それはつまり・・・。」
( ・∀・)「そうだ。クラブ勝負で私は大将で出る。おまえも大将で出ろ。
トンファー部が廃部になり、おまえが孤立してからじっくりと楽しもうと思ったがそちらから来たので戦うことにした。」
(;^ω^)「・・・。」
( ・∀・)「私が言いたかったのはそれだけだ。」
そう言うとモララーは椅子に座りテーブルの上の書類に目を通し始めた。
しばらく立ち尽くしていたブーンはクラブ委員会室を出た。
ブーンはクラブ委員会から出ると部塔の屋上に向かった。
屋上へ通じるドアを開けると夕日が沈む景色がブーンの目に映った。
ホワイティを横に置いてブーンはベンチに座った。
( ^ω^)「ホワイティ、さっきの話を聞いて何か思い出したかお?」
┫『・・・何も思い出せなかった。しかし、彼らの言っていることはおそらく本当だろう。』
( ^ω^)「ホワイティはどうしたいかお?」
┫『私の使命が黒のトンファーと戦うことなら私は戦いたい。』
( ^ω^)「でもトンファー大戦になるんだったら、
もし負けたらホワイティが壊されちゃうお・・・。そんなの僕、嫌だお・・・。」
ブーンはうつむきながら言った。
┫『・・・私は負けない。マイマスターと私は幾度の障害を乗り越えてきた。
今回も乗り越えるべき障害の1つにすぎない。私はマイマスターを信じている。
マイマスターも私を信じて欲しい。』
( ^ω^)「・・・。」
しばらくブーンはうつむいていたがやがて顔を上げた。そこにはもう迷いはなかった。
( ^ω^)「わかったお。ホワイティが戦いたいなら僕はもう迷わないお。
黒のトンファーと戦おうだお。そして、必ず勝つお。」
┫『ありがとう。マイマスター。』
ブーンはベンチから立ち上がるとトンファー部の部室へ戻っていった。
トンファー部に戻ったブーンをツン達は心配そうに見つめていた。
ξ゚听)ξ「大丈夫だった?変なことされなかった?」
( ^ω^)「大丈夫だお。」
( ゚∀゚)「何言われたんだ?」
( ^ω^)(そのまま話してもきっと通じないお・・・。)
ブーンはしばらく考え込むと話し始めた。
( ^ω^)「モララーさんが大将をやるから僕も大将で出ろって言われましたお。」
(´・ω・`)「・・・そうか。ブーンはどうする?」
( ^ω^)「必ず勝つので大将をやらせてくださいですお。」
ブーンは力強く言った。
(´・ω・`)「わかった。じゃあ、ブーンが大将でいこう。」
( ゚∀゚)「学園内最強の相手に必ず勝つと言い切ったか。やる気満々だな。俺も負けてられないぜ。」
(´・ω・`)「よし、クラブ勝負の日まで猛特訓だね。」
( ゚∀゚)「やってやるぜ!」
( ^ω^)「がんばりますお!」
ξ゚听)ξ「がんばりましょう!」
そして、ブーン達は週末のクラブ勝負の日まで死の物狂いで特訓をした。
∧_∧
_:( u ^ω^): トンファーバラ〜ンス!
./ )、:
:/ ,イ 、 ノ:ヽ ヽ.
:/ /: :| (: :\ \.
:| |: :| /⌒!: :l l:
:| |: :( / /: :| |:
:((ll!): :ヽ ./ / \ :(!l))
./ /: ゝ ):
./ <: / /:
:ヽ_ゝ/ /:
:∩ヽ__ゝ:
:| |二⊃:
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∪
(´・ω・`)「1時間静止だよ。落ちたら何度でもやり直しだからね。」
(;^ω^)「テラキビシス・・・。」
∧_∧ トンファー解析!
三. _( ^ω^)
三./ _\
∩ / ,イ 、 ./__/| |
| | / / | .|目| | )カリカリカリ
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| | | | ヽ  ̄/
| |ニ(!、) \ \
∪ 三 / ゝ )
三 / / { |
三/ _/ | |_
ヽ、_ヽ {_ ___ゝ
( ゚∀゚)「ブーン、駄目だ!解析が甘い!」
(;^ω^)「は、はい。がんばりますお!」
トンファー休憩
η ∧_∧
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( ゚∀゚)「ブーン休憩時間はもう終わりだぜ!」
(;^ω^)「は、はいですお。」
そして、とうとうトンファー部対クラブ委員会のクラブ勝負の日がやってきた。
To Be Continued...
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