ブーンの心が世界を左右するようです( ^ω^)−−−−三日目・その2
---ドクシン国
(=゚ω゚)ノ「ドクオさん、バーボンが攻めて来たようだぜ」
('A`) 「そうか……」
ドクオは椅子に座ると、ふぅと大きな息をついた。
せっかくだ、この期に相手に思い知らせるのも良いだろう。
('A`) 「ミンナ」
( ゚д゚ )「はい」
('A`) 「こっち見んな」
( ゚д゚ )「」
('A`) 「とりあえず、今回はオマエの腕にかかっている。
狙いを絶対に外すな、一発で決めろ」
( ゚д゚ )「一発……」
('A`) 「そうだ」
( ´_ゝ`)「ドクオさん、その役をオレにさせてくれないか!?」
('A`) 「兄者か……弟者の敵か? 戦いは感情でするものじゃない。
ただでさえ我々の方が人材が少ないのだ、確実に有利に立たなくてはいけない」
(;´_ゝ`)「だからこそ、ミンナを温存してオレが相手を追っ払えたら……
ミンナだけでなくオレがいる事で、相手は迂闊に手出しできなくなるはずだ」
('A`) 「言いたいことは分かるが、それはただの私怨だ」
(;´_ゝ`)「……」
('A`) 「諦めろ」
(;´_ゝ`)「くっ……!」
( ゚д゚ )(兄者、オマエの分まで……頑張るからな)
---バーボン国
川 ゚ -゚)「ここから先がバーボン国だ、ここまで来たらショボンのところまでは近い」
( ^ω^)「その前に寄りたい所があるんだけど……いいかお?」
川 ゚ -゚)「構わない、どこだ?」
( ^ω^)「昨日お世話になったギコさんの家だお」
川 ゚ -゚)「ギコの所なら知っている、ちょっと遠回りになるがいいな?」
( ^ω^)「全然いいお。ギコさんは有名人かお?」
川 ゚ -゚)「あの人はドクシンを含めても、随一の剣の使い手だ。
バーボンなら尚更知らない人のほうが珍しい」
(;^ω^)「そんなにすごい人だったのかお……」
( ^ω^)「ごめんくさい」
しーん
(;^ω^)「すべったお」
川 ゚ -゚)「そういう問題ではないだろう、とりあえず入ってみようか?」
ギコさんの小屋に来たが、ノックして挨拶しても返事がなかった。
留守なのだろうか?
( ^ω^)「泥棒みたいな真似も出来ないお、ここでゆっくりと待ってるお」
川 ゚ -゚)「それでも構わない」
近くにあった大きな石に二人で腰掛けた。
少し照れる、こういうのも良いかもしれない。
だけど……ドクシンに比べて外を歩いている人が少ないのが気になる。
少し寂しい気がした。
( ^ω^)「クーさんはもともとドクシンの人間かお?」
川 ゚ -゚)「そう言ったはずだが?」
( ^ω^)「ドクシンを応援しているのかお?」
川 ゚ -゚)「安心しろ、私もわかんないですも中立だ。
仮に違っても、ましてや主様の前でそれを露呈したりはしないさ」
(;^ω^)「……。正直今僕はドクシンに傾いているお」
川 ゚ -゚)「ほう」
(;^ω^)「だから……これ以上ドクシンには行きたくないと思っているお」
川 ゚ -゚)「ならば行かなければいいだけだ」
(;^ω^)「でもそれで、バーボン国に感情が傾いたら今度は逆になると思うお。
こんなことが繰り返されていて……そのたびに世界が傾いてしまうなんて、変な気がするお」
川 ゚ -゚)「それは主様が感じているだけであって、国民はそれを認めているんだ。
エゴであるだけだと思う」
(;^ω^)「それは分かっているお、でもそれを誰も分かってくれないのがすごく理不尽なんだお!」
川 ゚ -゚)「安心しろ」
(;^ω^)「お?」
川 ゚ー゚)「今、私が分かった」
そう言ってクーは始めて自分に笑顔を向けてくれた。
すごく綺麗だった、天使の矢にアナルが打ち抜かれた気分だった。
川 ゚ー゚)「不満か、主様?」
(;^ω^)「とんでもないお!」
自分の弱音を嫌な顔一つせずに聞いてくれて、やさしく包み込んでくれた。
これが……相手国の情報部員に選抜された力なのだろう。
ここでクーがドクシン国を応援していると言ったら、おそらく自分はドクシンを応援してしまっただろう。
しかしそれを言わなかった、それがクーのすごい所だ。
自分、心の主の意思を尊重してくれる……その気遣い。
( ^ω^)「ありがとうだお」
川´ー`)「あ、クーちゃんじゃないですかー」
川 ゚ -゚)「おお、マターリか」
( ^ω^)「おっ、おっ!」
ちょうどそこにバーボンの人が通りかかった。
ようやくの一人目は、クーさんの知り合いのようだった。
川 ゚ -゚)「紹介しよう主様、こちらバーボンのマターリだ」
川´ー`)「はじめましてー、えっと……主様?」
( ^ω^)「"心の主"の内藤と申しますお、よろしくお願いしますお」
川;´ー`)「あ、主様……よろしくお願いしますー」
主というだけで、まるで別の生き物だ。
ドクシンの人たちの暖かい扱いが浮かんでくる。
ダメだ、ドクシンに一度傾いた心はkskしていくばかりだ。
川´ー`)「それでー、お二方はどうしたんですかー?」
川 ゚ -゚)「ギコのところに来たのだが」
川´ー`)「ギコさんは戦いが始まったからー、ここにはいないよー」
戦いが始まった、そう言われて心臓が大きく鳴った。
バーボンは……今は不利な国のはずだ。
戦いに行った者はどうなるのだ、どうなるのだ、無事に帰ってくれるのか?
(;^ω^)「戦いって言うのは、どこだお?」
川;´ー`)「ごめんなさい、そこまでは……」
川 ゚ -゚)「ギコがいないのは把握した。しかししいは?」
どうやらギコの奥さんはしいというらしい。
現実でのしぃちゃんが浮かんだ、風貌も名前も似たその人を……。
誕生日におならで頑張って膨らませた風船をあげて泣かれた時はどうしようかと思ったほどだ。
川´ー`)「あれ、しいちゃんはいないかなー?」
マターリさんもノックをして尋ねるが、まったく声が帰ってこない。
川´ー`)「どこか行っちゃったのかなー?」
「ぅぅ……」
( ^ω^)川 ゚ -゚)川´ー`)「!!」
その時に僅かにした、かすれた声を聞き逃さなかった。
急いでドアに駆け寄るも、ドアには鍵が掛かっていた。
(;^ω^)「困ったお、開かないお……」
川 ゚ -゚)「離れろ主様」
そう言った瞬間に、クーさんは地面を跳ねて前宙をしたかと思うと、カカトをドアにぶつけた。
小屋のドアなどそう固いものでない、クーさんはそのドアを蹴り破った。
( ^ω^)「通報しますた」
川;゚ -゚)「それよりも、しいが!」
(;^ω^)「!!」
見るとそこにはうずくまるしいさんの姿があった。
お腹を抱えながら、とても辛そうにしている……。
川;゚ -゚)「マターリ、医術持ちのモナーさんを呼べ、緊急患者だ!」
川;´ー`)「通報します!」
川;゚ -゚)「主様、水か氷か……とりあえず何とかしないと……!」
(;^ω^)「おっおっ……」
結局自分は何も出来ずに焦ってばかりだった。
人一人も助けられない……そんな自分が世界を背負うなんて間違っている。
そう思いながら、必死でしいさんに声をかけることしか出来なかった。
医者は思ったよりも時間が経ってから来た。
急ぎの用だというのに……もどかしく思いながらも、今は医者に従うしかなかった。
(;´∀`)「これはしいさん……ここまで時期が早まるとは意外モナ……」
そう言いながらもテキパキと荷物を整理して、自分たちに指示を出す。
(´∀`)「クーは手伝ってくれ、とりあえずカーテンを閉めて何か布の類をここに!
助手のアルーはバケツに水を入れて持ってきてくれ、話はその後モナ!
主さんには悪いが外に出てもらいたいモナ、マターリさんは主さんをお願いするモナ!」
(;`ハ´)「了解アル」
川;゚ -゚)「把握した!」
(;^ω^)「おっおっ……」
慌しいそこで、ただ立ち尽くすことしか出来なかった。
そして医者から出て行けの命令……辛すぎた。
川;´ー`)「主様、出ましょうー……」
それはマターリも同じか、素直に互いに従う事にした。
川;´ー`)「……」
(;^ω^)「……」
外に出てからは互いに無言だった。
家の中から僅かに聞こえる辛そうな声とそれを励ます声、自分たちはどちらにも交われないのだ。
心の主なんて所詮名前だけだ。
くだらない肩書きだ。
川;ー;)「うっ……うっ……」
隣からの泣き声は聞こえない振りをした。
いや、聞こえないわけなんて無いんだ。
悔しいのだろう、きっと心の底から悔しいのだろう役立たずと間接的に示された自分が。
それでも……それに触れれないし、他人に気を使う余裕も無かった。
自分はこの世界を背負っている、だがそれ以上に……自分は無力だった。
---バーボン国、ドクシン国境界・バーボン側
(,,゚Д゚)「さて……今回は心強いな」
(・∀・)「石弓は任せといて、投具の類を使う者は全部打ち抜くから。
余裕があれば、後方待機の軍団も威嚇しておくよ」
(,,゚Д゚)「ありがたいな、ただ……相手にはいようもいる、あいつは中々侮れねぇ」
(´ー`)「いようさんは任せたいーヨ」
(,,゚Д゚)「大丈夫だ、普通にやったら負ける気がしねぇ」
前衛にはギコをはじめ、腕に自身のある者が何人といる。
互いの強さを信じている、ドクシン相手には負けないと。
そして後方にはジエンを初めとした弓兵が数人影から狙い撃ちをする。
今までに無いほど心強かった。
(,,゚Д゚)「とりあえず念入りに相手の出方を伺おう、まずは攻めてきた相手をジエンの弓で警戒させて
集中力が散漫になったところで確実に仕留めよう」
(・∀・)「嬉しいなー、信頼されていて。これは頑張らないとね」
(,,゚Д゚)「ああ、今回の要だ」
(・∀・)「ふんふーん、早く来ないかなー」
ヒュッとジエンの打った矢は、遠く放れた木に刺さった。絶好調だ。
---バーボン国、ドクシン国境界・ドクシン側
( ゚д゚ )「相手から来ませんね」
(=゚ω゚)ノ「バーボンは好戦的なはずだが……珍しいな。
それだけ相手も自信があるのか、それとも……」
( ´_ゝ`)「何でもいいさ、来ないなら向かうまでだ」
(=゚ω゚)ノ「いや、もう少し様子を見るべきだ」
兄者が持つ剣が震えている。
弟が殺されたそのうらみ、早く返したくて仕方がないのだろう。
( ´_ゝ`)「このまま待っていても勝負は始まらない、どちらから攻めようが結果は変わらないさ」
(=゚ω゚)ノ「ああ、こちらから攻め込むのは構わない。
ただもう少しだけ待てというんだ、オレが今回の隊長だ」
( ´_ゝ`)「……わかった」
吐き捨てるように言った。
全然納得していない、それが手に取るように分かった。
あれから随分と時間が経過しただろうか?
まだ隊長いようから攻め込む命令が来ない。
ここまで伸ばされると流石に兄者も我慢が出来なかった。
(#´_ゝ`)「いい加減にしろ! 一体いつ出るつもりだ!」
( ゚д゚ )「まてまて、これから敵と戦うというのに仲間割れしてどうする」
(#´_ゝ`)「どちらから責めても結果は変わらないのだろう?
だったら早く出るべきだ、準備はとうに出来ているぞ!」
(=゚ω゚)ノ「……」
黙り込むいようのむなぐらを掴む兄者、それでもいようは何も言わない。
それが兄者をさらに逆撫でした。
(#´_ゝ`)「どうして攻め込む合図を出さない、そんなにオレを怒らせたいのか?
一体いつ攻め込むつもりだ! 結局相手が出てくるまで待つつもりじゃないだろうな!?」
(=゚ω゚)ノ「……」
いようは兄者の手を振り払うと、その目を強く向けてようやく口を開いた。
(=゚ω゚)ノ「オマエが落ち着くまでだ」
(;´_ゝ`)「……っ!」
思いがけぬ言葉に兄者は口をつぐんだ。
(=゚ω゚)ノ「こちらから攻めようと相手から攻めようと、こちらの勝ちは揺るがない。
それでも兄者が冷静を保てないようならこちらは負けるかもしれないんだ」
( ゚д゚ )(さすがいようさんだな……常に冷静だ)
どんな時でも緻密な作戦、冷静な判断を忘れずにこの人はドクシンを守ってきた。
それ無くしてはギコと幾度もやり合える訳が無いだろう、あんなバケモノと。
(;´_ゝ`)「……悪かった」
(=゚ω゚)ノ「気にするな。それじゃ、予定よりも早いが……攻め込むとしようか」
( ゚д゚ )「……ふっ」
この度量はどこから来るのだろう?
まったくこの人には敵わない。
(=゚ω゚)ノ「兄者、オレたちは出来る限り距離をとって相手をおびき出すぞ?」
( ´_ゝ`)「ああ、大丈夫だ。完全にかき乱してやる」
(=゚ω゚)ノ「それとミンナ、お前にかかっている」
( ゚д゚ )「ああ、いようさんの作戦が相手の作戦に負けるとは思えないよ」
そう言った後、ミンナは兄者に向いた。
( ゚д゚ )「兄者、オレが……オマエの代わりに弟の敵をうつからな」
( ´_ゝ`)「任せた。オレはそのためにすべき事を確実にこなす」
( ゚д゚ )「それでこそいつもの冷静な兄者だ」
そしてようやく、待ちわびた命令がかかった。
(=゚ω゚)ノ「行け、突撃だオマイラ!!」
いよいよ戦いが始まった。
[前のページへ] 戻る [次のページへ]