<自己満足のキャラ表>

( ^ω^)ブーン:『ニューソク国ツダンニ』出身の郵便屋さん。現在十七歳。
          二つ名は『赤い彗星のアナル』。ミルナのみ『スロウライダー』

ξ゚听)ξツン:『ニューソク国ツダンニ』出身の郵便屋さん。
        現在一八歳のぴちぴちギャル。二つ名は『暴力少女』

('A`)毒男:パーツ屋、兼『VIP』の整備長。
      二十代後半〜三十代前半。身長二m。二つ名は『ジャイアントオカマ』

(´・ω・`)ショボン:『鈍色の島』出身。『海賊狩りのVIP』艦長。
           四十代後半。二つ名は『くそみそ艦長』

( ゚д゚ )ミルナ:『VIP』副艦長。三十代後半のイケメン。身長は156cm。二つ名は『hyde』
  _
( ゚∀●)ジョルジュ長岡:『VIP』副整備長。二十代後半。二つ名は『桃色の乳首』

( ´∀`)モナー:『VIP』飛行機械部隊隊長。三十代後半。

川 ゚ -゚)クー:『VIP』飛行機械部隊副艦長。三十代前半。

/ ,' 3荒巻スカトロチノフ:古代史教授。六十代。二つ名は『エロじじい』

( ,,゚Д゚)ギコ:『メンヘラ国ラウンジ艦隊』所属。二つ名は『黄豹』

(*゚ー゚)しぃ:『メンヘラ国ラウンジ艦隊』所属。二つ名は『ネコ耳』

トエエイ:『メンヘラ国ラウンジ艦隊旗艦ジュウシマツ』艦長。二つ名は『鳥』









  ( ^ω^)が空を行くようです 第十七話 「風の日」



ジョルジュが独房に連れて行かれた後、
ブーンにはねぎらいの言葉とともに、しばしの休息が与えられた。
しかし、今から休息を取れといわれても無理な話だった。

わからないことが多すぎる。

なぜ、優しかったギコがツンに銃を突きつけたのか?
なぜ、ラウンジ艦隊は『エデンの地図』を狙っているのか?
なぜ、ジョルジュはあんなにまで怒り狂っていたのか?

こんなもやもやした気分の中で、眠れるはずがなかった。

飛行機械を格納庫へと入れたブーンは、上部甲板で一人、空を見上げていた。
飛行中は夢中で気づかなかったが、この地方では珍しく、空は厚い雲で覆われている。


……あたりには、強い風が吹いていた。




どれくらいそこにいたのだろうか?
いつの間にか、肌に吹きすさむ風は冷たくなり、わずかな雲間は茜色に染まっていた。

そろそろ部屋に戻ろうかと振り返ると、
視線の先には、適当な場所に腰掛けてこちらを向いている毒男の姿。


('A`)「何、考えていたの?」

( ´ω`)「……」


吹きすさぶ風の中、オカマはよく手入れされた髪をなびかせながら語りかけてくる。
ブーンには何故かドクオの視線が痛く感じられ、うつむいてしまった。





何も言えない。
言わないのではなく、言えない。

考えていたことが多すぎる。
わからないことが多すぎる。

何から聞けばいいのだろうか?
それは聞いてもいいことなのだろうか?


迷いに迷って、少年は静かに顔を上げた。
視線の先には、キモいが優しく笑う毒男の笑顔。

そんな彼の笑顔が免罪符になったのか、少年は胸の中に渦巻く一番の疑問を投げかけた。


( ´ω`)「ギコさんに対して、なぜ長岡さんはあんなにも怒っていたのかお?」




オカマはゆっくりとブーンの方へと歩み寄ってきた。
ブーンの隣に立つと、彼は空を見上げる。

つられて顔を上げるブーン。
少年の見上げる空は、わずかな茜色の隙間のほかは灰色で薄気味悪い。

そんな中、隣に立つ毒男がさらに気味が悪い笑顔で話を始める。


('A`)「……あいつね、昔、飛行機械に乗っていたの」

( ´ω`)「……『桃色の乳首』かお?」


ブーンはギコがジョルジュに対して放った言葉を思い出した。


('A`)「そうよ。何年前かしらね?
   あんた達の故郷『ツダンニ』で『桃色の乳首』の二つ名で有名だった
   ジョルジュと彼の幼馴染でナビだった女の子を、
   ブーンちゃんと小娘の時と同じ様に、あたしと副艦長は『VIP』に招待したの」

( ´ω`)「……女の子?」


思わずブーンは聞き返す。
そんな女の子、「VIP」に乗っていただろうか?



('A`)「……そうよ。
   あの頃のジョルジュは、本当にブーンちゃんにそっくりだったわ。
   のんきで、無鉄砲で、空を飛べるだけで幸せそうだった。
   でも……幼馴染のナビの女の子は、小娘には全然似ていなかったわねw
   ちょっと丸顔で、クリクリした目が印象的なのんびりした娘だったわ。
   気が付けばこの甲板で一人、ボーっと空を眺めているような静かでおとなしい娘……」


そう言って、毒男はいとおしげに目の前に広がる甲板を見渡した。

彼の瞳の中には、かつてこの甲板の上で空を眺めていた少女の姿が映っているのだろうか?

聞くに聞けない疑問を飲み込み、ブーンはオカマの顔を見つめる。


('A`)「あんた達と同じ様にモナーとクーに訓練を受けて、見る見るうちに二人は腕を上げた。
  すぐに一人前になった二人は、あちこちを任務で飛び回った。
  毎日笑顔を絶やさない二人は、本当に幸せそうだったわ……あの日までは」


あの日。
ポツリと呟くと、ドクオは一時の間を置いた。

一瞬のような、永遠のような間。

そして苦痛に歪む毒男の顔。
少年は、オカマのそんな表情をはじめて見た気がした。




('A`)「……あの日、ある海賊に喧嘩を売られたの。
   海賊自体は大したことなくて、すぐにモナー達がその母艦を沈めたわ。
   でもね、一機だけすさまじい動きをする機体がいたの。
   太陽の下で黄色に輝くあの機体……後に『黄豹』と呼ばれる若かりし頃のギコよ」

(;゚ω゚)「!!」

('A`)「ギコとジョルジュは上空で交戦。
   腕前はクーやモナーに勝るとも劣らない程になっていたジョルジュだったけど、
   ……撃墜されたわ。
   エンジン部に被弾。甲板に戻ってこられたのが不思議なくらいの損傷。
   煙を噴出して、ホウホウの体で艦に戻ってきたジョルジュは、
   『黄豹』に受けた機銃で割られた機体の破片が片目に刺さって失明。
   後部座席の女の子は……『黄豹』の機銃が直撃……すでに死んでいたわ」


信じられなかった。
あんなに楽しそうに笑うジョルジュに、そんな暗い過去があったなんて。

皆を明るくするあの笑顔の下には、こんなにも深い心の闇があったのか。
……それなのに、どうしてあんなに楽しそうに笑えるのか?

数々の疑問が渦を巻き、少年の頭を駆け巡る。




('A`)「それから眼に受けた傷がふさがるまで、
   アイツは医務室のベッドの上で、たった一人で泣いていたわ。
   やがて傷が癒えて片目に眼帯をこしらえたアイツは、気味が悪いほどにいつもどおりの笑顔。
   それからあたしにメカニックの技術を教えてくれって土下座してきて、
   今ではあの通り、どこに出しても恥ずかしくない最高のメカニックよ」

(;゚ω゚)「……」

('A`)「あたしはジョルジュがあの日のことを乗り越えたんだと思っていた。
   でもね、今日久しぶりに聞いた『黄豹』の名前に、ジョルジュは我を失った。
   ……そうよね、乗り越えられるわけなんてないわよね。

   『俺はなぁ、『黄豹』を殺すためだけに生きてきたんだ!』
 
   ……ブーンちゃんの家で叫んだアイツの言葉が今でも頭から離れないわ。
   楽しそうに笑う笑顔の下では、アイツはいつもあの子のことを考えて……」


その言葉に、ブーンは駆け出した。

とにかく今は、ジョルジュの傍に行かなければならないような気がした。






('A`)「……ブーンちゃん。
   あんたには、他に真っ先に行かなきゃならないところがあるでしょ?」



駆け出した少年の背中を、オカマは静かな眼差しで見送った。




迷いに迷ってついにたどりついた独房。

その扉は黒鉄色の分厚い鋼鉄製で、
室内と外の世界を完全に断絶するかのように圧倒的な存在感を持ってたたずんでいた。

鋼鉄の扉の前に立ったブーンは、何を言うべきか迷っていた。

勢いでここまで来たのはいいものの、
ジョルジュに対してかけられる言葉がはたして自分なんかにあるのだろうか?

そんなことを考えながら立ち尽くしていると、扉の奥から響く小さな声。

 _
( ゚∀●)「……誰かいるのか?」

(;^ω^)「あ……どうも僕です」
 _
(;゚∀●)「ブーンか!?」


途端、鋼鉄の扉が「ゴン」と低い音を立ててわずかに揺れた。
きっと、ジョルジュが扉の前まで駆け寄ってきたのだろう。

次に独房の中から聞こえてきたのは、嗚咽。




(;^ω^)「……ジョルジュさん?」
 _
( ;∀●)「……うっうっぅぅ……すまねぇ……
     俺のせいで……危険な目にあわせて……」

(;^ω^)「……もういいんですお。話は毒男さんから聞きましたお……」


少年の言葉に、独房から聞こえてくる嗚咽が一層激しくなる。

 _
( ;∀●)「なんとか抑えようとしたんだ……
     だけど『黄豹』の顔を見た瞬間……自分でもわけが分からなくなっちまって……」

(;^ω^)「……」
 _
( ;∀●)「アイツのカタキが目の前にいる……それだけで俺はもう……」


扉から響く声は、もう嗚咽ではなく号泣する男のそれだった。

これ以上ジョルジュに話をさせるのは酷だ。
そう判断したブーンは、最後に一言添えてその場を後にすることにした。




(;^ω^)「……僕のことは気にしないでくださいお。
     それよりも早くそこから出て、また明るい笑顔を見せてくださいお」


少年は扉に背を向けた。
最後に背中に投げかけられる、ジョルジュの悲痛な言葉。

 _
( ;∀●)「……あの日俺は、かけがえのない相棒と片目を失った
      ……あの日から俺は……ずっと死んでいるんだよ……
      空を舞う『桃色の乳首』は……あの日、乳首を失って雲海の底に堕ちたんだ……」


あとに響くのは男の泣き声だけ。

少年は静かに独房を後にした。




しばらくトボトボと艦内を歩いていた少年。
そんな彼の目の前に、馬鹿でかいオカマが姿を現す。

オカマのその表情は、心なしか怒っているようにも見える。


( ´ω`)「ジョルジュさん……泣いていましたお」

('A`)「アイツだってあんな姿を見せるのは、本当は好きじゃない……
   だけど、アイツだっていつもピエロみたいに笑えるわけじゃないのよ?」


うつむいて話す少年の頭上に、オカマの大きな、温かな手がのせられる。
少年が顔を上げると、目の前のオカマは厳しい表情で言う。


('A`)「それよりも、あんたにはジョルジュよりも先に会いに行くべき人がいるはずよ?」




(;^ω^)「お……?」


オカマの言葉にブーンはハッとした。



……ツンはどうしているのだろうか?



少年はまたしても駆け出す。
遠ざかっていく少年の背中を、オカマは「やれやれ」といった表情で見送った。




ツンの部屋の前まで走ってきたブーンは、勢いをそのままに扉を開けた。
視線の先には、ベッドの上に腰掛けてうつむいている幼馴染の姿。

彼女はブーンの方を振り向くと、
まぶたにためた涙をボロボロとこぼしながら、少年の胸に飛び込んできた。


ξ;凵G)ξ「ブ――――ン!!」

(;^ω^)「ツン……」


彼の目の前には、幼馴染のウェーブした細く長い髪。
そこから漂ってくる甘い香りに、少年はドギマギした。

ブーンはそっと、彼女の肩に手を触れる。

想像していた以上にやわらかく細い肩。

その肩が小刻みに震えていて、なんだかそのまま手を触れ続けると壊れそうで、
結局、少年は少女に胸を貸すだけで何もできず、肩から離した手をブラブラと持て余すだけだった。





ξ;凵G)ξ「あ――――ん!!じぬがどおぼっだよ―――――!!」


自分の胸にうずめて泣きじゃくるツン。
そんな彼女の体を胸で支えながら、少年は

「幼馴染を失った長岡さんは、どんな気持ちでこれまでを生きてきたんだろう?」

と、回転の鈍くなった頭でそれだけを考えていた。


第十七話 おしまい

( ^ω^)が空を行くようです





  第十八話 「鈍色の星」




数日後。
暇を持て余していたブーンは艦内のブリッジに遊びに来ていた。

ブリッジ内の雰囲気は先日の騒動など無かったかのように柔らかく、
艦長席に座るショボンは、副艦長のミルナ、飛行機械部隊の隊長のモナーとともにお茶を飲んでいた。
ブーンもその輪に加わり、彼の前にお茶が差し出される。

熱々のお茶を幸せそうにすするブーン。

そんな少年に向かい、唐突に放たれた一言。
聞きつけた少年の歓喜の声がブリッジに響く。


( ^ω^)「お!?『エデン』に行けるんですかお!?」




(´・ω・`)「まだ断言は出来ないけどね。方法はあるよ」

( ´∀`)ノ□「これを見るモナー」


モナーの手に握られているのは手のひらサイズの四角い機械。


( ^ω^)「なんですか、それ?」

( ´∀`)「まあ聞くモナー」


前置きを置いて、モナーはその機械の側面についているボタンを押す。
すると、聞こえてくるのは雑音に混じった特徴のある巨大なエンジン音。


(´・ω・`)「これはね、ラウンジ艦隊の旗艦『ジュウシマツ』のエンジン音だよ」

( ^ω^)「おぉ……」


だから何なんだろう?
脳内の疑問を正直に顔に出す少年に向かい、ショボンとモナーはゲラゲラと笑う。




(´・ω・`)「先日、『ツダンニ』における戦闘の際にモナーが拾ってきてくれたこの音を使ってね、
     『エデン』へと向かう『ジュウシマツ』を追跡するんだよ」

( ^ω^)「ほぇ〜……」

(´・ω・`)「さすがは『レッドバロン』だよね」

( ´∀`)「照れるモナーwwww」


ブーンは呆けた顔でモナーを見る。

いつでも虫をも殺さないような、優しい笑顔を絶やさない飛行機械部隊隊長。
あんな激しい戦闘の最中に『ジュウシマツ』に接近してエンジン音を拾ってくるなんて、
この人は本当に化け物だな。

そんなことを考えながら、ブーンは垂れ眼のナイスミドルな飛行機械乗りの顔をまじまじと見つめた。


(´・ω・`)「まあ、この音だけじゃとても追跡なんて出来ないんだけどね」

( ^ω^)「お?なしてだお?」

(´・ω・`)「追跡する『耳』が無いんだよ」




( ^ω^)「『耳』かお?」


自分の耳をトントン叩くショボンの仕草に、ブーンは首を傾げる。


( ゚д゚ )「『VIP』には『ネコ耳』みたいな聴覚を持つ乗組員はいないからな」


そこに、いままで黙って茶をすすっていた身長156cmのイケメン副艦長が口を開く。


( ゚д゚ )「となると、俺たちは『機械の耳』に頼るしかないわけだ」


ミルナはニヒルな笑みを浮かべて続ける。身長156cmだけど。


( ゚д゚ )「だから、あそこに行くのさ。『機械の耳』を手に入れるためにな」


そう言って、ミルナは視線をブリッジの窓に向けた。身長156cmだけど。




つられて同じ方を見るブーン。
視線の先には、空の彼方に浮かぶまだ豆粒ほどの大きさの鉛色の島。


( ゚д゚ )「機械なら何でも揃う人工の島。通称『鈍色の星』だ」


そう言ってニヤリと笑うイケメン副艦長の身長はやっぱり156cm だった。
その隣では、眼を細めて懐かしそうに鈍色の星を眺めるショボンの姿があった。




鈍色の星。
『ニビイロノスター』と読むこの島は、機械と機械の寄せ集めで出来た島だ。

はじめは小さなドックと、
そこに備え付けられた『バーボンハウス』という小さなバーをもってその歴史を開始したこの島は、
ジャンク王『シャキン・ザ・パンティー』という人物によって造られた。

その後、廃棄された艦隊の残骸などが寄せ集められて規模を拡大、
やがてそこに病院やらパーツ屋やらがドンドンと建てられるようになり、
気が付けば鈍色の星は大所帯を抱える巨大な機械の島と化していた。

来るものを拒まないこの島には
次第に落とされた海賊の乗組員や逃げ延びた犯罪者も住み着くようになり、
いつしか文字通り『鈍色』の無法地帯と化した。

しかし、こういう所こそ娯楽や活気、そして数々の裏情報が集まるものである。
よって、海賊狩りで悪名高い『VIP』もこの島を活用する重要な顧客だった。

『VIP』は様々な残骸で出来たデコボコな島の表面の中から手馴れた手つきで
外来用のドックを見つけると、そこに向けてためらい無く着艦した。




( ゚д゚ )『総員、長らくの飛行ご苦労だった。
    我が艦は、今日からしばらくの間この島で整備、補給、及び装備の換装を行う。
    その間、総員に交代で休暇を与える。羽目を外し過ぎて騒ぎを起こすなよ』


「「「 イヤッホオオォォオオォオオォオ!!」」」


艦内に響き渡ったミルナの放送に、乗組員達が一斉に歓声を上げる。

  _
( ゚∀●)ノ「イヨッシャアアアアァァァァアア!!」


周囲の歓声の中でも、最もよく響く大声を出すのが眼帯の副整備長だ。
先日独房から開放された彼は、気味が悪いほどにいつもどおりだった。

そんな彼に一瞬戸惑いつつも、ムードメーカーである彼の復活に艦内の人間はすぐに喜んだ。

それはブーンもツンもオカマも同じで、
ブーンとの約束どおり、ジョルジュは普段どおりの明るい笑顔を皆に振りまく。



  _
( ゚∀●)「競馬だ!競馬!!ここに来たらまずは競馬だろう!?」

('∀`)「ぶほほほほwwwww今日はG1無馬記念よ!!行くっきゃないわ!!」


周囲の人間に向かって騒ぎまくるジョルジュとオカマ。
その直後に流れる、彼らを絶望のどん底に引きずり落とすミルナの艦内放送。



( ゚д゚ )『なお、整備班はドックの人間との打ち合わせのためにしばらく残ってもらう』




  _
( ;∀●) (;A;)「「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国――――――――!!」」


あまりのショックにイギリスの正式名称を叫ぶ二人。
ひざを突いて天を仰ぐ二人を、ブーンとツンはニヤニヤと笑みを浮かべて眺めていた。

そんな二人に向かって鬼の形相で駆け寄ってくるオカマとジョルジュ。


('A`#)「あんた達、あたし達が帰ってくるまで外出禁止よ!」

(;^ω^)ξ;゚听)ξ「「エエエ―――――――!!」」
  _
(#゚∀●)「てめぇら、先に行きやがったらぶっ殺すからな!!」


そんなわけで、
ブーンとツンは整備班の打ち合わせが終わるまで艦内で待たされる羽目になった。




数時間後。

ようやく戻ってきたオカマとジョルジュとともに、
ブーンとツンは『鈍色の星』へと足を踏み入れた。

向かうのは、島内でも最もにぎわう繁華街。

パーツ屋やらなんやらの露店が所狭しとひしめくこの通りを、
四人は目的の場所に向けて一直線に歩を進める。


ξ゚ー゚)ξ「ブーン見て!見たことも無い形のエキパイよ!!」

( ^ω^)「おおおお!是非とも見ていくお!!」


珍しいパーツが並べられる露店は二人にとって天国だった。
花の香りに吸い寄せられる蝶のようにフラフラと露店へ向かう二人。
しかし、そんな二人に向けられるジョルジュの怒鳴り声。

  _
(#゚∀●)「道草くってんじゃない!無馬記念始まっちまうだろうが!!」




ξ#゚听)ξ「なによ!ちょっとくらいいいじゃない!!」
  _
(#゚∀●)「そんなのいつでも見れるだろうが!それよりも今は競馬だ!!」


そう言って、ジョルジュはオカマとともに馬券予想を始める。
二人は露店で買った競馬新聞を必死の形相で眺めながら大声でわめく。

  _
( ゚∀●)「やっぱり六冠馬のティウンティウンか!?」

('A`)「いや、ここは大穴のクリリンノコトカよ!!」


人ごみをぶちのめしながらドンドン先へ進んでいくジョルジュとオカマ。
そんな二人の後姿にため息をつき、ブーンとツンはしぶしぶ後に続いた。




更にその数時間後。

『鈍色の星』の最上部に建てられた豪邸。
その中の一室で向き合う二人の男がいた。


(`・ω・´)「久しぶりだな。ショボン」

(´・ω・`)「兄さんこそ。相変わらずこの島は賑やかだね」

(`・ω・´)「まあな。お前こそ、ついに御尋ね者になったらしいじゃないか」


そう言って、テーブルの上のテキーラをすする二人。


(´・ω・`)「……懐かしいね。
      誰にも邪魔されずに、二人っきりでテキーラをすするなんて何十年ぶりかな?」

(`・ω・´)「お前がこの島を出て行って以来だからな。俺もお前も年をとるはずだ」


見上げた男の顔には懐かしそうな笑み。
対面の男の表情に、ショボンも無邪気な笑顔で答える。

しかし、男の次の言葉に二人の表情は一変する。




(`・ω・´)「しかし、ここに来たのは馴れ合いのためでは無かろう?」

(´・ω・`)「うん」


肯定の言葉と同時に、ショボンは手のひらサイズの機械を男に差し出す。


(´・ω・`)「この中に、ラウンジ艦隊旗艦『ジュウシマツ』のエンジン音が録音されている」

(`・ω・´)「ほう。それで?」

(´・ω・`)「この音を追う『耳』を造ってほしい。集音範囲は半径五百km」

(`・ω・´)「無茶な注文だなw」


手にしたテキーラを飲み干し、苦笑いを浮かべる男。


(´・ω・`)「無茶は承知。でも、仙道なら……兄さんならきっと何とかしてくれる」

(`・ω・´)「……見つかったか、『エデン』が」




(´・ω・`)「……」


男の問いかけに笑みを返して、ショボンは立ち上がった。
そのまま室外へ続く扉へと向かう。
そんな彼の背中に投げかけられる男の言葉。


(`・ω・´)「今日の無馬記念で万馬券が出たそうだ」

(´・ω・`)「……それが?」

(`・ω・´)「当てたのは巨大なオカマと眼帯の男らしい」

(´・ω・`)「……あははははwwwwwwあの馬鹿たちか!!」


男に背を向けたまま、ショボンは大声で笑う。
おかしさに震えるショボンの背中に投げかけられるのは、寂しそうな男の声。




(`・ω・´)「他の『VIP』の乗組員らしき者達も、島内のあちこちで御祭り騒ぎしているそうだ。
     楽しそうな『家族』を集めたな」

(´・ω・`)「……うん」

(`・ω・´)「……おまえの目的は達しただろう?
     孤児だったお前が心の底から欲しがっていた最高の『家族』……
     ならば、もういいじゃないか。
     メンヘラと競合して『エデン』を目指すなんて危険なマネはもう止めろ」

(´・ω・`)「……それは無理だよ」


呟いてショボンは振り返る。
浮かべた表情は、寂しさの混じった微笑。


(´・ω・`)「僕達はまだ『エデン』の名の下に集まった仮初の『家族』だ。
      だから、『エデン』をあきらめた瞬間にその結束は千切れる」

(`・ω・´)「……」

(´・ω・`)「……公約は果たさなきゃね。
      それを果たしてこそ、はじめて僕達は真の『家族』になれるんだ」




(`・ω・´)「……そうか」


後に広がるは沈黙。
二人は互いの眼を見つめあうと、言った。


(`・ω・´)「やらないか?」

(´・ω・`)「うほっ、いい男」


そして二人は互いの股間をなすり付けあう。
これが血の繋がっていない二人の義兄弟の契りだった。


(´・ω・`)「じゃあ、僕は行くよ。
     馬鹿たちが万馬券を当てたとなれば、『バーボンハウス』は騒がしくなるよ」

(`・ω・´)「そいつは恐ろしいw俺もすぐに行って店の準備をしなければな」

(´・ω・`)「ふふふ。頼んだよ」


そう呟くと、ショボンの姿は扉の向こうへと消えた。


第十八話 おしまい




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