(-@∀@) どうも私にはあなた方を楽しませる話術は持ち合わせていないようですね
lw´‐ _‐ノv 話術の問題じゃないと思うよ 話題の問題だと思うよ
( ´∀`) 真面目な話いっぱい出来そうな人なのに、変な人だモナ
lw´‐ _‐ノv 変な人なんじゃないんだよ 変態なんだよ
家は艶めかしい本で溢れてるんだ
(-@∀@) ・・いや、ちがうし アレ友達の本だし 私のじゃねーし 誤解だし
lw´‐ _‐ノv どうして今更微妙な所で隠蔽しようとするのか理解出来ない・・
とにかく何か話してくれよー
(-@∀@) ん・・ まぁお話も良いですが・・
lw´‐ _‐ノv (お・・)
同時に自身の眼鏡を外す神父
するとそこに出て来たのはお馴染みのメイク
( +∀・) 道化芝居なんてどうです? こっちは結構自信あるんですけど──
w´‐ _‐ノv ──今日は愉しかったよ お前の芸をほぼ独占状態で見られた
(-@∀@) 惚れましたか? 惚れたでしょう? 胸に飛び込んでおいで!
lw´‐ _‐ノv モナー、楽しそうにしてたなぁ 良かった良かった
(-@∀@) 無視かーい
神父と二人で暗くなってきた道を歩きながら帰途につく
午前から午後まで、今日はずっとモナーと神父と一緒に居てしまった
芸、話の一つ一つに楽しそうな反応を示すモナーと一緒にいると、こちらも楽しい気分になれる
午後の神父の話はちょっと意味が分からない部分が多かった
意味が分かる様になった時、きっと大人になってるという事なんだろう
後でクーに成敗してもらおうと全力で思った
lw´‐ _‐ノv 明日も来よう きっとモナーも、自分のことについて話してくれるだろう
(-@∀@)
(-@∀@) ・・あぁ、シューちゃん?
lw´‐ _‐ノv ん? どした
(-@∀@) えーと、まぁ、なんだ・・
(-@∀@) あの幽霊と遊ぶのは別に良いんだけどさ
lw´‐ _‐ノv ん?
(-@∀@) "一人だけ"は駄目だよ 必ず私と一緒に遊ぶようにね
lw´‐ _‐ノv ? 何故だ?
(-@∀@) 何故って・・ まぁ私が保護者代わりですよ 一人は危ないですから
lw´‐ _‐ノv むぅ
コイツが保護者というのも何だかなぁ、と思う
だが確かに一人は危険かもしれん
まだ厄祓いは済んでいない訳だしな
lw´‐ _‐ノv ・・わかった それじゃあ明日、また午前中ぐらいに行くよ
神父も来てくれ
(-@∀@) 分かりました それではまた、その時間にね
(-@∀@) ・・・・・・
「ただいま」
そんな言葉を呟いたのは既に夕飯時
lw´‐ _‐ノv ・・・・・・
川 ゚ -゚)
玄関ではいつもの無表情を一層無表情にさせ、クーが待ち構えている
ちょっと怖い
川 ゚ -゚) ・・待ってましたのに
lw´‐ _‐ノv え
川 ゚ -゚) お昼は、姫様の大好きな料理を一杯用意してましたのに
一人で外食ですか、そうですか
lw´‐ _‐ノv ・・・・・・
お昼は神父に奢って貰えた 案外優しい奴だ
ただ、家でお昼ご飯の用意をしていた事を忘れていた
まずい、問いつめられそうだ
lw´‐ _‐ノv すまん 色々と面白くて、つい・・
川 ゚ -゚)
lw´;‐ _‐ノv
いかん、確実に怒っている
冷え切った目が相当に怖い
川 ゚ -゚) 明日も行く気ですね、姫様?
lw´‐ _‐ノv ・・阻止する気か?
川 ゚ -゚) ・・・・・・
川 ゚ -゚) まぁ、いいでしょう・・ 見たところ、厄もあまり降りかかっていないようですし・・
あなたの判断を第一優先といたしますか
lw´‐ _‐ノv え?
川 ゚ -゚) 今日はお疲れでしょう 既にお風呂が沸いていますよ
早くお休みになって下さい
あれ、必死で阻止してくるのかと思ったら意外とあっさりだった
クーらしく無いというか、なんというか
心を入れ直したのだろうか 感心感心
[寝室]
扉|゚ -゚) ゴゴゴゴゴゴ
lw´;‐ _‐ノv ・・・・・・
甘かった
クーに関しての認識が甘かった
扉|゚ -゚) ジー
何故か一緒に寝ようとせず、部屋の扉の影から私を見続けるクー
なんかすっごいコッチ見てる 確実に寝る気無しだよコイツ
飛馬の姉ちゃんとは全く逆方向のオーラを感じる
lw´;‐ _‐ノv ・・クー、寝ないの? 何でそこに居るの?
扉|゚ -゚) ・・いえ、私に気にせず先にお休みになって下さい
姫様が寝た後、私も寝ますので
とは言うものの、私が寝そうになると微かにだが笑い声を発する
何で笑ってるんだよコイツ、絶対何かする気だよ
lw´;‐ _‐ノv (怖い・・ 眠れん・・っ)
扉|゚ -゚) (持久戦持久戦・・)
[翌朝]
lw´‐ _‐ノv ・・・・・・
ゲッソリ
川 ゚ -゚) まぁ姫様! どうやら昨晩はあまり眠れなかったようですね!
今日はお休みになって家でゆっくりなされた方がよろしいのでは?
私が付き添って差し上げましょう!
lw´‐ _‐ノv き、貴様・・ 何を白々しい事を・・
川 ゚ -゚) え? 言ってる意味がよくわからないのですが
lw´;‐ _‐ノv (コイツ・・ コ、コイツ・・!)
川 ゚ -゚) (甘い甘い)
このやろうクー、恐ろしい奴だ
だが私は屈せぬぞ
誇りある王族たる私がこんな所で屈する訳にはいかぬのだ
lw´‐ _‐ノv ハインー、ハインー、元気が出る魔法薬をおくれ
寝不足治るようなやつ・・
川 ゚ -゚) !
从 ゚∀从 ん? そんな都合の良い薬なんて・・
从 ゚∀从 ・・・・・・
从 ゚∀从 ・・あ、そういえば昔作ってた奴あったな
ホラよ 厄祓いの水と一緒に飲んでおけ
川 ゚ -゚) !!!
lw´‐ _‐ノv ありがとうハイン ついでに私は今日も出掛けてくるからな
从 ゚∀从 把握だぜぃ 今日もクーとトランプ三昧だなぁ・・
ギコの仕事妨害でもしてようかなぁ・・
(,,゚Д゚) やめーい
:川 -): (ハ、ハイン・・ ゆ、ゆるしません・・っ!)
さて、そんなこんなでまたいつもの場所
今日は神父が先に来ていた
既に話が盛り上がっている様子だ
( ´∀`) ・・あ、おはようシューちゃん! 今日も来てくれたモナ!
(-@∀@) おはようございます ご飯はもう食べてきたのですか
lw´‐ _‐ノv いや 今日もここで食べようと思ってな
ギコにまたおにぎり作ってもらったー
ハインも一個握ってくれたぞ
(-@∀@) 良いですねぇ 私にも一個下さいな
lw´‐ _‐ノv ん、じゃあハインの奴あげる 卵焼き入ってるよ
(*@∀@) ふふふ 女の子の作ったおにぎりを食べられるなんて・・
モグーリ 人生、捨てたもんじゃないですねぇ ハインちゃんは卵焼きが好きなのかな?
( ´∀`) 美味しそうだモナ・・ 生きてる人は食べる事が出来てうらやましモナ
lw´‐ _‐ノv あぁ、そういえばモナーは食べられないもんな
( ´∀`) 食べたいモナー・・
(-@∀@) (ふむ・・)
モグ
lw´‐ _‐ノv ・・・・・・
モナーと話していると、「当り前」な事の大切さが身に染みて分かる
幽霊は食べられないし、眠れないし、普通は人とも喋れない
最近、私も当り前の様に散歩出来るようになったのがとても嬉しい
lw´‐ _‐ノv やっぱり、生き返りたい?
( ´∀`) ・・当然生き返りたいモナ
食べたり、飲んだり、話したり眠ったり、仕事したり・・
もう一度、そんな事を自由にやってみたいモナ
( ´∀`) あー・・ お腹空きたいモナ
lw´‐ _‐ノv そうかぁ・・
:(;@∀@): オ・・オオブエエエェェェッ・・ゲブォッ・・
( ´∀`) ・・いや、やっぱり食べられなくても幸せだモナ
lw´‐ _‐ノv (うっわぁ・・)
やはりケースバイケースだな
真実がいつも一つとは限らないのだ
分かったか諸君
:(;@∀@): あ、ちょっと良いですか・・ 「生き返りたい」との事に関してなんですが・・
出すもの出しきった後、声を振り絞る神父
ちょ、臭い 嘔吐物が臭い 近寄るな
( ´∀`) ・・? どうかしたモナ?
(-@∀@) あのですね、生き返る、とは逆の意味っぽくなるかもしれないんですが
( ´∀`) ?
(-@∀@) "成仏"する気はお有りですか?
( ´∀`) ・・成仏、ですか
lw´‐ _‐ノv ん? 成仏って
lw´‐ _‐ノv ・・塩のアレ?
(-@∀@) まあ、うん 塩っぽいけど塩じゃ無理だよシューちゃん
( ´∀`) え? 塩じゃ成仏出来ないの?
(-@∀@) できませんがな
(-@∀@) 格好良く言うと「輪廻転生の輪に戻る」という事ですが・・
(-@∀@) ・・というか、そろそろ教えてほしいですねぇアナタ自身の事を
生前は何をしていたのか、とか
何故現世に留まり続けているのか、とか
( ´∀`) モナ・・
(-@∀@) 昨日の芸のお返し、という事で教えて貰う訳にはいきませんかね?
lw´‐ _‐ノv 私も聞いてみたいな、モナーの事
まだ知り合って三日目だけどさ、教えてくれてもいいじゃないか
( ´∀`) ん・・ まぁ、いいモナ
( ´∀`) ・・ただ、かなり簡単に話すからね
込み入った事はもう思い出すのも面倒だモナ
lw´‐ _‐ノv それでいいさ 君の好きな通りに
直球の質問に、少しモナーが戸惑っている
少し考えた後、重たい口を開き出した
やはり、喋りたくない内容なのだろうか
( ´∀`) 私は・・
( ´∀`) ・・・・・・
( ´∀`) 私は100年前、この国の王をやっていまして・・
(-@∀@) !
lw´‐ _‐ノv えっ? 王?
( ´∀`) そうモナ 王様だったんだモナー
・・そういえばシューちゃんはお姫様だったっけ?
それなら君のお父さんと同じ職業だモナ
lw´‐ _‐ノv ・・・・・・
( ´∀`) でもねぇ、私は駄目な王様だったモナ
だから後悔して、こんな状況になっちゃったモナー
やっと開かれた口からは、少し陰気な話が零れてきそうだ
少し身構えてしまうのは、父上の事を思い出すからだろうか
どうやら私にとってもあまり楽しい話では無いようだ
少し気を引き締めよう
lw´‐ _‐ノv 一体どんな事をしてしまったんだい? 悪政でもやってしまったのか
( ´∀`) ・・私には二人、子供がいてね
つまり私の跡継ぎになる権利のある子供達だったモナ
(-@∀@) ほう 跡継ぎ問題ですか?
( ´∀`) んー まぁ簡単に言っちゃえばそうだモナ
普通は先に生まれた方・・ つまり兄が王位を継ぐはずだったモナー
( ´∀`) でもね、その兄は明らかに王になる器じゃなかったモナ
「このまま兄の方が王位を継げば、必ず国は乱れる」
そう思った私は、どうしても弟の方に王位を継いでもらいたかったんだモナ・・
lw´‐ _‐ノv ・・そこから泥沼の跡継ぎ争い、という事か?
( ´∀`) ・・いや、もっとさっぱり事態は解決したモナよ
(-@∀@) ほう 一体どうなされたんですか?
( ´∀`) ・・・・・・
( ´∀`)
( ´∀`) 私が、兄の方を殺したモナ
lw´‐ _‐ノv !?
(-@∀@) ・・!
( ´∀`) ・・自分の子供をね、殺したんだモナ
lw´‐ _‐ノv こ、殺した・・ って・・?
( ´∀`) そのまんまの意味だモナ
私が直接手を下した訳では無いのだけどもね・・
実質、私が殺したようなもんだよ
lw´‐ _‐ノv ・・・!
心臓が大きく跳ね上がった
聞きたくなかった、なんて今更言っても遅い
既に重ね合わせてしまった
( ´∀`) その後、弟の方が王位を継いでね・・
私の思惑通りに事は進んだモナ
(-@∀@) (なるほど・・ だから彼女にも彼が見えたのか・・)
( ´∀`) ・・でも、私は罪悪感に耐えられる程の人間では無くてね
隠居した後、この場で後悔に溺れながら自殺したんだモナ・・
( ´∀`) 子供を殺した罪悪感が、私をこの場に留まり続けさせてるんだと思うモナ
一種の「罰」だと思って、100年間こうして耐え続けてきたモナー
(-@∀@) 罪悪感ねぇ・・
(-@∀@) ・・ん?
lw´;‐ _‐ノv
ギュッ
気付くと、神父の服の裾を握りしめている自分がいた
鼓動が速い
見えない不安に襲われる様で、落ち着いていられない
何かにすがっていたくてたまらない
(; ´д`) どうしたモナ、シューちゃん?
やっぱり君にはちょっと残酷すぎる話だったモナ?
lw´;‐ _‐ノv ・・・・・・
(-@∀@) ・・・・・・
(-@∀@) ・・すみません、今日はここで失礼いたします
シューちゃんの体調が悪いようなので
( ´∀`) そうモナ・・ ごめんねシューちゃん、こんな話を聞かせて
lw´‐ _‐ノv ・・うん 大丈夫
神父に手を握られ、ゆっくりしたペースでここを後にする
変態だけど、少し頼もしかった
しかしこの程度で動揺してしまうとは
強く振る舞おうとしても、やはり私はまだまだ子供だ
( ´∀`) それじゃあね、シューちゃん
lw´‐ _‐ノv うん・・
( ´∀`) ・・・・・・
(; ´∀`) (・・やっぱり話すべきじゃなかったモナ)
( ´∀`) (もう・・ 会ってくれないだろうなぁ・・)
( ´∀`) はぁ・・
(-@∀@) ・・落ち着きましたか、シューちゃん?
lw´‐ _‐ノv ん、少しは・・
人混みの中を歩くと、少しは落ち着いてきた
今は静寂より、喧騒の中の方が落ち着く
過ぎた出来事を思い出して取り乱してしまったのが不甲斐ない
lw´‐ _‐ノv ・・なぁ、神父
(-@∀@) なんだい?
lw´‐ _‐ノv もしかして、クーから聞いたりしたか?
私と父上についての事
(-@∀@) うん、知ってるよ
lw´‐ _‐ノv そう、か
lw´‐ _‐ノv ・・・・・・
(-@∀@)
(-@∀@) 辛いかい?
lw´‐ _‐ノv ・・辛いさ、そりゃあ
lw´‐ _‐ノv ・・だって好きなんだもん、父さん
私の唯一の肉親
私が唯一、幼い頃にすがる事が出来た人間
正直、あの夜の事が今でも夢なんじゃないかと思ったりもする
ハインが私を誘拐するために仕掛けた罠、なんて妄想もしたりした
でも、やっぱり真実だ
(-@∀@) ・・・・・・
(-@∀@) 「父上」と、「父さん」
lw´‐ _‐ノv ん?
(-@∀@) 君は自分の父の事を「父上」または「父さん」のどちらかで表現しますね
さっきは父上、今は父さん
気付いてる?
lw´‐ _‐ノv あ・・
lw´‐ _‐ノv ・・それがどうかしたか?
(-@∀@) まぁ、別どうって事ぁ無いんですがね
(-@∀@) 今、君は形式張った言葉を選ぶ必要は無いんだよ
いつだって「父さん」と呼べばいい 甘えたい気持ちを押し殺さなくてもいい
君の「父に甘えたい」という夢は、いずれは叶う夢です
(-@∀@) 私のしがない占いですがね
よく外れます なはははは
lw´‐ _‐ノv
lw´‐ _‐ノv 神父
(-@∀@) なんだい?
lw´‐ _‐ノv ・・ありがとね
(-@∀@) ・・なんなら私の胸の中で甘えますか? 甘えさせてあげますよ ぬふっ
lw´‐ _‐ノv いらねーばーか
まさかこいつに励まされるとは思わなかった
ふざけた事ばっかり考えてるのかと思ってたが、やっぱり良い奴だ
(-@∀@) ・・さて、この後どうします? 家に送りましょうか?
lw´‐ _‐ノv あ、いや それはいい もう大丈夫だ もう完全に落ち着いた
(-@∀@) んー それじゃどこか気晴らしに遊びに行きます?
なんならボディーガードを務めて差し上げましょう
lw´‐ _‐ノv おいおい、ボディーガードは人の身体をまさぐる仕事じゃないぞ
ちゃんと分かってるのかい?
(-@∀@) 少女の身体まさぐりながら歩いてる人間いたら流石にひきますがな
・・どっか行きたい場所とか無いんですか?
lw´‐ _‐ノv あー・・ それじゃ、ちょっと行きたい場所あるんだ
まだ行ったことのない場所だからさ、案内してくれると嬉しいな
(-@∀@) お安いご用です で、どこに行きたいんですか?
lw´‐ _‐ノv えっとね──
少し不安もあったが、既に決意は固かった
私は向き合うぞ、父さんと同じ状況に陥ったモナーと
-続う゛ぁ-
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