lw´‐ _‐ノv うわっ また本が濡れている 読み途中だったのに・・

川 ゚ -゚) 同じ本を買ってきてさしあげましょう 少々お待ち下さい

lw´‐ _‐ノv む、すまんな

川 ゚ -゚) ・・・・・・

そしてぼんやり、何とはなしにこんなことを考えました

もしも私が、厄をあなたから完全に取り去ることが出来たなら
あなたの厄無しでは生きられない私が、あなたの厄を祓う手助けをし、そこで生を終えれば…
それは、まさしく「愛の証明」になるのでは?


姫様を幸福にする道、自分を救う道
それがぴったりと一致する発想でした
自分の命に対する未練なんてものは、私を覆う自己嫌悪に比べれば無いに等しいものだったのです

川 ゚ -゚) (だけどそんなこと・・ ここの城の占い師さんとやらですら無理だったというのに)

川 ゚ -゚) 

川 ゚ -゚) (いや、待って下さい・・ ハイン・・ ハインならもしや・・?)


胸が少し高鳴ったのを覚えています
急いで今ハインの居る場所を調べてもらい、手紙を書きました
勿論、それほどの期待はしていませんでした




そして帰ってきた手紙に目を見開きます




あとは説明するまでもありません──


川 ゚ -゚) ──私のお話は、これで・・ おわり、です
     長らく・・ ありがとうございました・・ これで、全部です・・


クーの話が終わる
誰も声なんて出さずに聞いていた
終わったって、声を出せる人はいなかった


lw´;‐ _‐ノv ・・・・・・

(;゚Д゚) ・・・・・・
  _
(;゚∀゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) 

川 ゚ -゚) トソン、さん・・ やっぱり、私が憎い、です・・ か?

lw´;‐ _‐ノv !

:(、 ;トソン: ! ・・・・・・っ


トソンの様子がおかしいことに、やっとみんなが気付く


川 ゚ -゚) すみません・・ 騙す、つもりはなかった・・ のですが・・
      ・・やっぱり、私が・・ 憎い、ですか? 悪魔の、私が

:(、 ;トソン: ・・! き、君  は・・ い、いや・・ 違  う  憎く な・・?
  _
(; ゚∀゚) お、おいトソン・・!? 震えてるぞお前・・!

:(、 ;トソン: ッ! に、憎く な、 い・・ ッ だ、大丈夫・・っ 大丈夫・・

(;゚Д゚) トソン・・ 

lw´;‐ _‐ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) トソン、さん・・ 無理しないで、下さい 無理しないで・・
     自分に正直になって、いいのです・・ 私にぶつけたって、いいのです・・
     あなたが、そうやって葛藤、するのを・・ 見たく、ありません・・

:(、 ;トソン: や、や・・ やめてくれ・・ ち、違う しょ、正直だ、僕は・・
      ・・も、もういい やめて・・っくれ・・ う・・ うう・・!?

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) もし仮に、私が・・ 戦争に悪魔として、参加していたなら・・
     ・・・・あなたのお父さんを殺したのは、私だったのかも・・ しれません・・ね

(、 トソン

(゚、゚#トソン ───ッ
  _
(; ゚∀゚) ッ! ばッ・・


(、 ;トソン ぐッ!?

lw´;‐ _‐ノv !?

川 ゚ -゚) ・・・・・・

無言で顔をあげたトソンを、ジョルジュが体当たりで突き飛ばした
私には何が起きたのか分からなかったけど、すぐに理解できた

トソンの手は、剣を握りしめていた

  _
(# ゚∀゚) 馬鹿野郎・・ッ! お前、何しようと・・っ!

:(、 トソン: う・・ うう・・ うっ・・ あう・・ うぅう・・っ
  _
(; ゚∀゚) ・・え?

:(、 トソン: うう・・ うううう・・っ くそ・・ くそっ・・ くそぉ・・

:(;、;トソン: ぢぐじょぉ・・ ぢぐじょお゙ぉ・・っ! う・・ ううぅ・・!? ぐぞオ゙おぉぉ・・ッ!
       な゙ん゙で・・ どゔじでえ゙えぇ・・っ 君・・ が・・悪、魔・・ な゙ん゙で゙ぇ゙ぇ゙・・っ

大きな目から零れる、大粒の涙
歯を食いしばって漏れだす声

何かが壊れ始めていた
私の厄が保っていた均衡が、崩れ始めていた──


从; ∀从 ・・・・・・ お前、それ・・ それ・・っ

( ・∀・) 嘘じゃあないですよ 全て本当のことです
      ・・クーちゃんは悪魔なのです 厄に生かされ続けてきた悪魔なのです

从;゚∀从 じゃ、じゃあ・・ クーは・・ お前・・ クーは・・ッ

( ・∀・) ・・もう長くはありません

:从#゚∀从: ・・ッ ・・お、お前・・ッ お前ェ・・ッ! なんで・・ 何で黙ってたああぁぁああッ・・!?
       全部知ってたくせに・・ 何で俺に教えやがらなかったアァァアアア・・ッ!?

( ・∀・) ・・あの子が強い意志を持って決めた「幸せ」への道を・・ 私がどうして邪魔することが出来るでしょうか
      ずっと逃げ続けてきた私には・・ あの子の決断に干渉する権利なんて、無いんだ・・

从#゚∀从 「幸せ」だァ!? 頭イカれてんのかボケッ! もっと別の形があっただろうが・・ッ!
      シューの厄を極限まで抑えるだけだったら・・ッ! クーが死ぬことも、シューが不幸のままでいることも無かったじゃねェか!

( ・∀・) ・・そういう問題じゃないんだ あの子の心の問題なんだ
       彼女はもう、ああやって証明するしか「幸せ」感じられないんだよ、きっと・・
       あの子の苦しみは、私達ではどうすることもできないんだよ・・

从#゚∀从 黙れッ! 黙れ黙れ・・ッ そんなの"死"を美化してるだけだ・・ッ! そんなもんで救われる訳ねぇだろうがッ!

( ・∀・) ・・・・・・

( ・∀・) 

( ・∀・) どうして君は気付かなかった?


从;゚∀从 ・・あ?

( ・∀・) こんなことは言いたくなかったけど・・ 敢えて言わせてもらいます
      どうして君は気付かなかったんだい? クーちゃんと、ずっとずっと一緒に居た君が・・

从;゚∀从 ・・! そ、そんなの気付く訳ねぇだろうが! 気付いたらとっくに行動して・・

(; ・∀・) 嘘だッ! 君は"何か"に気付いていた!
      「悪魔」だという事実には気付けなくても、間違いなくクーちゃんを取り巻く"何か"に気付いていた・・ッ!

从;゚∀从 !?

(; ∀ ) クーちゃんが厄の影響をうけず、それどころか厄自体を無効化することに何故疑問をもたなかった!?
      君がお城にきた時ッ! シューちゃんを暗殺しようとした人間の"末路"を、どうして君は調べなかった!?
      クーちゃんが暗殺者と出会って何をしたのか・・ どうして何も調べなかった!?

从;゚∀从 ・・ッ!

(;  ∀) デレと出会った時はどうだい!? どうしてデレがあんな行為をしたのか、どうして深く考えなかった!?
      その時デレが滅茶苦茶に壊されたそうだが・・ クーちゃんのその力の源について、何故なにも考えなかった!?
      幼いころからずっと彼女を見続けてきただろうッ! どうして考えなかったんだッ!

ζ(゚- ゚*ζ ・・・・・・

(; ∀ ) そしてあの日! 私と図書館で出会った時だ! どうして君は私の行動をもっと深く推測しなかったッ!?
      厄を祓わなかった理由を・・ 情報を隠蔽してきた理由をッ! 君は推理出来なかったのか!?
      頭の良い君がッ! こんな綻びだらけの計画をッ!

从; ∀从 ・・・・! あ・・・・ あ・・?


(; ∀ ) ・・君は拒絶していたんだ・・・・ 心の奥深くで、無意識で"真実"を知ることを恐れていたんだ・・
       だから今までクーちゃんについてはほとんど考えてこなかったんだろう・・?
       疑問に思ったところで、すぐに意識の外へ追い出してきたんだ・・

(; ・∀・) 君を・・ 例えロマネスクさんの死後に別れてしまっても、君をの心を支え続けてきたクーちゃんだからこそ・・
       真実を知る勇気が無かったんだろう・・? 「家族が居なくなる」ような・・ そんな気持ちでもあったんじゃないのか?

从; ∀从 ・・・・お、お・・

从; ∀从 お・・ 俺の・・ 俺のせいなのか・・? 俺が・・ き、気付かなかったから・・っ?

( ・∀・) いや、それは違う・・・・ "責任"なんてものは、この一件には存在しない
      クーちゃんが自分で決め、行動し、望んだものなんだから・・ こういう形を望んだのも彼女自身・・

( ・∀・) ただ私は、それでも君が気付いてくれることを願っていた クーちゃんの「幸せ」を壊してでも・・
      元はと言えばロマネスクさんが全ての発端 それをクーちゃんが自分のために曲げた計画
      ・・孫の君だったら、唯一止める権利があると思っていたんだ・・ でも・・

从; ∀从 ・・・・・・

从;゚∀从 ・・おい

( ・∀・) ・・?

从;゚∀从 クーが死ぬまであとどれくらいだ どれぐらい余裕あるんだ

( ・∀・) 

( ・∀・) 召喚魔法を学ぼうというのならそりゃあ無駄ですよ


从 ゚∀从 ・・無駄なもんか やらにゃあ死んじまうんだろうが・・

( ・∀・) 無駄ですよ ロマネスクさんがどうして君に教えなかったのか分からないのですか?
       あなたを、彼の一族が歩んできた道から遠ざける為です
       ・・彼が書き遺した本なんてありませんよ

从 ゚∀从 探してみなきゃあわからんだろうが

( ・∀・) 一つ言っておくけど、クーちゃんは助けられることなんて望んでいませんよ
      自分と闘い続けてきた彼女をただ見送ってあげるのも「優しさ」です

从#゚∀从 俺はッ! 俺はどうなるんだよッ! ・・例えクーがそれで幸せだとしても、俺は、俺は違う・・ッ!

( ・∀・) そうか そうだよね・・ ・・当然か・・・・

从 ゚∀从 ・・あとどれぐらいだ、時間は

( ・∀・) ・・明日の朝まではもたないでしょうね

..:::;;;;∀从 わかった、じゃあな

( ・∀・) ・・・・・・

( ・∀・) 行ってしまったね、デレ・・ そこに望みはないのに・・

ζ(゚- ゚*ζ ・・・・・・


( ・∀・) ねぇデレ、私はどうすればいいんだろうか・・
      何がみんなにとっての「幸せ」なのか・・  分からないよ・・

ζ(゚- ゚*ζ ・・・・・・

( ・∀・) シューちゃんの厄は祓えた ハインちゃんは新しい家族を手に入れた
       ギコ君も自分を認めてくれる人たちに出会えて、トソン君も友人を得られた
       ジョルジュ君も少しだけ踏み出せるようになって・・ ブーンの夢だって、もう少しで実現するのに・・

( ・∀・) あの子の「夢」だけは全部押しつぶしてしまう・・ 全部全部・・ "黒"で塗りつぶしてしまう・・
       悲しすぎるとは思わないか・・ でも私にはどうすることもできない・・
       お前の様に、ハインちゃんの様に「自分が信じるみんなの幸せ」の為に行動することもできやしない・・

( ・∀・) ・・・・・・

( ・∀・) でも、私はもう逃げないよ

ζ(゚- ゚*ζ !

( ・∀・) お城であの二人を見守るのが辛くて・・ 国民を個人の為に犠牲にしてしまった自分が嫌で・・
       こんな所まで逃げてしまった私だけど・・ 今回は最後まで見守るさ・・
       一緒に見守ろう、デレ 私達は見届けなきゃいけないんだ・・

( ・∀・) ・・どんな悲しい結果も──


──部屋の中は静かだった
泣きじゃくるトソンは、ジョルジュが半ば強引に連れ帰ってしまった
部屋には私とギコ、そしてベッドで眠るクーの三人

川 ゚ -゚) ・・・・・・

(;゚Д゚) ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

(;゚Д゚) お、驚きましたクーさん なんか・・ その、色々と・・ 驚きましたよ

川 ゚ -゚) ・・そう・・・・です、よね いきなり、こんなの・・ 吃驚、しちゃいますよね・・

(;゚Д゚) え、えぇ・・ ・・・・はい


また静寂


川 ゚ -゚) ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv 

lw´‐ _‐ノv ・・なぁ、クー

川 ゚ -゚) ・・はい、姫様


私は聞かなければならない
頭はまだ混乱してたけど、それでもこれだけは聞かなきゃならない

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv お前、死ぬのか・・?

川 ゚ -゚) ・・はい もう、あんまり・・ 時間、ないです・・

lw´‐ _‐ノv そうか・・ 死んじゃうのか

(;゚Д゚) ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv 

lw´‐ _‐ノv これだけは、これだけは正直に答えてくれ 絶対に嘘なんてつかず、正直に答えてくれ・・

川 ゚ -゚) ・・? なん、ですか・・・・

lw´‐ _‐ノv お前・・  今、"幸せ"か?

川 ゚ -゚) 

川 ゚ -゚) とっても、幸せです・・・・
     体は、苦しいけど、心が苦しむ、ことなんて・・ ないのです、から・・

lw´‐ _‐ノv ・・そっか ・・分かった

川 ゚ -゚) ・・・・・・


lw´‐ _‐ノv 

lw´‐ _‐ノv すまん、ちょっとトイレに行ってくる

川 ゚ -゚) ・・えぇ


クーは「幸せだ」と言った
嘘か本当か、私には分からない
だけど、何も死ぬことはない クーが命をかけて行動した結果はもう出たのだから
このままクーが命を落とさず、トソンと和解でもすればそりゃあもう素晴らしいハッピーエンドじゃないか


扉を開けた
部屋を出た
少し歩いた

そして言った


lw´‐ _‐ノv 

lw´‐ _‐ノv ロマ・・ 聞いてるだろ? ちょっぴり助けてほしいんだが
       ・・確か助けてくれるんだよ・・な?


私は覚えていた
奴はまだ現世にとどまっている


lw´‐ _‐ノv !

ものの一瞬で、私は別の場所に立っていた
てっきりあの山小屋みたいな家かと思ったが、そことは全然違う
あたり一面真っ白、なにもない変な空間である
そしてそこにいる鬼畜スケスケ爺さん


lw´‐ _‐ノv ・・久しぶり、ロマ

( ФωФ) ・・おーう、久しぶりだのー御姫様よ ほっほっほ また会えたのぉー

lw´‐ _‐ノv 今回はお前の家じゃないんだな

( ФωФ) うむ・・ 今、ちょいと本探しに必死な美人がいてのー
        姿を現すわけにはいかんのでなぁ ちょいと次元をずらした

lw´‐ _‐ノv ・・ハインか

( ФωФ) んむ、そうとも言う

lw´‐ _‐ノv ・・驚いたぞロマ 私はすごく驚いた マジで驚いた ふざけんなってくらい驚いた
       んでちょっと鬱になった

( ФωФ) そうであろうな・・ うむ、仕方がないことである

lw´‐ _‐ノv ・・で、早速だが・・ 早い所、クーを


( ФωФ) クーなら助けんぞ


lw´‐ _‐ノv 

lw´;‐ _‐ノv ・・は?

( ФωФ) もう一回言うが・・ クーなら絶対に助けんぞ
        それだけはやらん 吾輩がやってはいけんことだ

lw´;‐ _‐ノv ・・!? ちょ、ちょちょちょちょっと待て! まてまて!
       た、助けない? どういうことだおい!

( ФωФ) そりゃあ吾輩ならクーを生かせる 今だって魔法は普通に使えるからのう・・
        でもそりゃ駄目だ それだけは絶対にせん

lw´;‐ _‐ノv !? な、なんで・・

( ФωФ) 吾輩があまりにもいきすぎた行動をすると・・ 「時間」が止まってしまうのだ

lw´;‐ _‐ノv ・・時間?

( ФωФ) 死者の吾輩が生前と同様に行動してしまえば・・ それは生きている者の「時間」を止めることになる
        ほんの少しの、「点」としての行動ならいい・・ だがクーを生かし続けるには「線」としての行動となってしまう
        「線」として"死"という絶対的な境界を曖昧にすることは、生きるものの未来への"意思"を奪うのだ

( ФωФ) クーもそうだが・・ 特に、吾輩を慕い続けてきたハインの「時間」は決定的に止まってしまうであろう・・
        長い時間をかけ、やっと吾輩の死を受け入れられたのに・・ 吾輩がまた出ていけばどうなる?
        だからこそ吾輩は霊体になっても姿を現さず、クーを君に近づけさせたのだ

( ФωФ) 生きている者同士じゃなければいかんのだ・・
        だから今の吾輩には、クーを助けることは出来んのである・・


lw´;‐ _‐ノv でもクー死んじゃうぞ!? お前もそんなの嫌だろ!?

( ФωФ) 勿論だが・・ それでも死んだ吾輩はそこまで深い干渉は出来ん ここだけは譲れん
        クーが死ぬまで瘴気を垂れ流すなんて、あまりにいきすぎた行動である

( ФωФ) それに「助ける」と言っても・・ あの子にとっての"救い"とは何かのう?
        生かし続けることがあの子にとっての"救い"なのか・・?
        ・・既にあの子は、ある意味救われているんじゃないのかのう・・

lw´;‐ _‐ノv ちょっと待て 待てロマネスク・・ じゃあなんだ? お前、お前・・

lw´;‐ _‐ノv なんでお前は"現世にとどまっている"んだ・・!?
       クーを死なせないためじゃないのか・・? 何のためにまだこの世にいるんだ・・!?

( ФωФ) ・・・・・・

...:::;;;;ωФ) ・・それじゃあのう、姫様 ばいばーい

lw´;‐ _‐ノv ・・!? ま、待て! 待てロマネスク・・ッ! ま・・ ま・・ッ

lw´;‐ _‐ノv ・・・・ッ!

既に目の前は廊下
透けたお爺さんはもういない
私一人が立っているだけ

ひやりとした考えが頭をかすめた


部屋にはギコとクー
二人とも喋らず、そこにいた

lw´;‐ _‐ノv ・・・・・・

「死」という文字が現実味を帯びてくる
何とかなると思ってきたものが、何ともならない
クーが、死ぬ

クーが 死ぬ…?


lw´;‐ _‐ノv 

lw´;‐ _‐ノv ・・クー、すまんが・・ もう一回・・ もう一回だけ、質問に答えてくれないか・・?

川 ゚ -゚) ・・・・?

lw´;‐ _‐ノv お前・・ 本当に、本当に幸せ・・ なのか?
       私の為に死ぬことが・・ お前の幸せなのか?

川 ゚ -゚) ・・幸せ、ですよ これ以上にない、ぐらい

lw´;‐ _‐ノv ・・・・・・

lw´;‐ _‐ノv そう、か・・ ・・わかった もう聞かない・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・


川 ゚ -゚) ・・ねぇ、ギコさん

(;゚Д゚) お、は、はい! なんでしょう! なんでしょうかっ! 何でもしますよ!

川 ゚ -゚) ごめんなさい、ちょっと、体を起こして・・ 下さいませんか?
     力、入らなくって・・ どんどん、何も出来なくなって、きちゃって・・

(;゚Д゚) 了解ですッ!!

川 ゚ -゚) 普通にして下さいな、ギコさん・・ もっと、どっしり構えて、下さい・・

(;゚Д゚) ・・す、すんません

川 ゚ -゚) ・・ふぅ 死ぬのにも、一苦労ですね、ふふ・・

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

冗談混じりで言ったようだが、そんな風には全く聞こえない
体を起こしてもらったが、首をがっくり垂らして息も絶え絶え
そして少し予想外の一言

川 ゚ -゚) あの、お二人とも・・ 御暇でしょう? ですから・・



川 ゚ -゚) トランプでもして・・ 遊びませんか?

lw´‐ _‐ノv 

(,,゚Д゚) 


──札を三人に分配し終え、同じ組のカードを捨てる
クーの提案したゲームはババ抜き
私の大好きなババ抜き

川 ゚ -゚) こーして、遊ぶのも・・・・ 最後だとは思えませんね・・
      ・・ハインともやりたかったけど、いませんし・・ トソンさんには、嫌われちゃいましたし・・

lw´‐ _‐ノv ・・トソン、泣いてたね

川 ゚ -゚) そうですね・・ 辛そう、でしたね・・ あら、これも捨てられる・・

lw´‐ _‐ノv ・・イカサマはしないのか?

川 ゚ -゚) いやですねぇ イカサマなんて、したことない・・ ですよ

lw´‐ _‐ノv ・・嘘吐きめ 嘘吐きクー これだからクーは

(,,゚Д゚) ・・前回は開幕早々クーさんの勝利でしたからね
     今回はそうはいきませんぜ

川 ゚ -゚) 負けませんよぉ 最後はこれで、花を飾らせてもらい・・ ます

lw´‐ _‐ノv ・・じゃ、私から引くか


クーの震える手からカードを一枚、静かにとりだす
その震える手をギコの手札へゆっくり、ゆっくり近づけるクー
静かに、ゆっくりとゲームは回りだした
とても、とても奇妙な気持ちだ


川 ゚ -゚) 懐かしいですねぇ・・ 私が姫様に、これを教えたんでしたよ、ね・・
      姫様が、ちっこい頃から・・ こうして、何度も、やりましたねぇ・・

lw´‐ _‐ノv ・・そうだな

川 ゚ -゚) ・・思えば、いろんな、いろんなことが、ありましたね・・
     姫様、私に懐いてくれたかと思えば、べたべたしすぎて、敬遠されたり・・
     でもやっぱり、べたべたさせて、くれたり・・ とか・・

lw´‐ _‐ノv ・・お前が鬱陶しくなった時、一度ギコのところに遊びに行ったことがあったな
       あぁ、あんなことやこんなことされちゃったぜ

(;゚Д゚) してませんよ!?

川 ゚ -゚) ・・ギコさん、ちょっと・・・・ 殴らせて・・

(;゚Д゚) だからしてませんって! ほら、クーさんが引く番ですよ!

川 ゚ -゚) ふふ・・ ギコさんをからかうのは、楽しいですからね・・ とっても楽しい・・

(,,゚Д゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) 思えば・・ ここにきてから、楽しいこと、いっぱいでしたね・・ 思い出が・・

川  -) ・・たくさん、でしたね

壁に頭をもたれかけていたクーが、静かに俯く
長い髪の毛が垂れて、顔が見え辛くなる


川  -) 姫様と一緒に、街を散歩したり・・ 神父さんと、お茶、のんだり・・

lw´‐ _‐ノv ・・クー?

手札をもつクーの手が、力なく下がる
中身は丸見え、でも隠そうともしない


lw´‐ _‐ノv ・・ほら、手札見えてるぞ それじゃゲームに・・

川  -) ギコさんを、三人で見て、にやにやしたり・・ トソンさんと、ゲームしたり・・

(,,゚Д゚) クーさん・・・・

川  -) デートもどきも、したり・・ ジョルジュさんを、みんなでいじったり・・
     ピクニックも、いきましたねぇ デレさんと遊んだりも・・ しましたし・・
     はじめて、風邪ひいちゃったりも、したけど・・ やっぱりそれも、楽しい思い出・・

川  -) 本当に、この期間は・・ いろんな、いろんな"色"に溢れていて・・
     色鮮やかで・・ 私の気持ちも、染められていくような気がして・・ いろんな・・ いろんな・・っ


言い終わるか終わらないかの一瞬
"ありえない"ものが見えた
クーから"ありえない"ものが落ちた


lw´‐ _‐ノv 

lw´‐ _‐ノv "なんだそれ"


lw´ _ ノv お前・・ どうし・・ て・・

川  -) ・・・・・・


なんだよ、それ
それは、なんだ
いま、お前の手に落ちたのは、何だ 何だそれは?


lw´# _ ノv それ・・ それェ・・

(,,゚Д゚) ・・? ひ、姫様・・?



それは、それは、違うじゃないか、ちがうじゃん、クー
ちがうやつじゃん、それ、それ それ…


それェ…ッ



lw´#‐ _‐ノv どうしてお前ッ! 泣いてんだよォッ!?




(;゚Д゚) !?

川  -) ・・・・・・

lw´#‐ _‐ノv お前ッ! 何でッ! 何で泣いてるんだよッ!
        なんで涙流してるんだよおいッ!? ・・おいッ!! 答えろッ!

川  -) ・・泣いて、ないです、よ

lw´#‐ _‐ノv じゃあッ! じゃあ顔をあげてみろよッ! おいッ! 顔をあげろッ!
        私にその顔を見せてみろよッ! ・・なんで俯いたままなんだよ!?

lw´#‐ _‐ノv 「幸せ」って! さっきお前ッ! 「幸せ」って言ったじゃないか!?
        幸せなのになんでお前ッ! なんでお前泣いてるんだよッ!?
        嘘か!? やっぱりお前、嘘ついたのかッ!? 嘘つくなって言ったのに、嘘ついたのかッ!?
        昔誓ったことも! 私に誓ったのも嘘か!? 不幸にならないってのは嘘だったのかよッ!?

川  -) ・・嘘じゃ・・・・ 嘘じゃ、ない・・っ

lw´# _ ノv お前が・・ッ! お前が今、幸せじゃなかったら・・ッ! 幸せじゃないなら・・



lw´#‐ _‐ノv 誰が"幸せ"になったというんだッ!? 結局みんな不幸じゃないかよ!
        全部が悪くなっただけじゃないかッ!! 私もッ! お前もッ! みんながッ!

川  -) ・・ッ!?


川;  -) ・・あ、あなたは・・ 幸せに・・ 私も・・っ

lw´#‐ _‐ノv 本気で・・ 本気で思ってるのか・・ッ!?
        お前・・ 本気で私が・・ 幸せになると・・ッ!? お前のそんな自己犠牲で・・ 私が・・ッ!

川  -) ・・・・・・

川  -) ・・思い、出しましたが・・・ 私、姫様に一回・・ "命令"出来ました・・

lw´#‐ _‐ノv ・・!?

川  -) トソンさん、交えた、ゲームで・・ 私、勝ったけど・・ 保留にしてた、"命令権"・・ ありました・・
     ・・今、それ・・ それ、使います・・・・ 命令・・ 命令、です・・ 姫様・・

川  -) 「私のことは、忘れて下さい」

lw´‐ _‐ノv 

川  -) 私のことは・・ もう・・ 忘れて・・ そうすれば・・ そうすれば、何も問題は・・無

川;  -) !?


持っていたカードを全部、クーに投げつけた
力いっぱい、思いっきり投げつけた 構うもんか
最低だ、こいつ 最低だ 最低な、最低な奴だ こいつ、こいつ…ッ


lw´#‐ _‐ノv クーなんかッ! お前なんか大ッ嫌いだッ!


そのまま部屋を飛び出した
こんな所いたくない 嫌だ、ふざけるな
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな… ふざけるな…ッ

(;゚Д゚) ひ、姫様!? どこ行くんですかッ!? ちょっ・・!?

川  -) ギコ、さん・・・・ 追って・・ 今すぐ・・ 追って・・っ!

(;゚Д゚) ・・! し、しかし・・っ!

川  -) 私の、ことは・・ いいから 早く・・ 姫様、を・・ おって・・ 早く・・ 早く・・ッ

(;゚Д゚) ・・ッ! ・・・・・・

(;゚Д゚) 姫様ァ! 待って下さいッ!!

川  -) ・・・・・・

川  -) (・・結局)

川  -) (結局・・ 生きようが・・っ 死のうが・・っ 辛いんじゃ、ないですか・・っ 結局・・ 結局・・)

川  -) ・・・・・・

川  -) (・・いえ、やっぱり・・ これが、これが一番・・ いいのです・・ これが一番、いい結果・・)

川  -) (時間が・・ たてば、いずれ、私を忘れて・・ そうすれば、幸せな・・ 幸せな・・ 生活、を・・ 送って・・くれ・・る・・)

川  -) (送って・・ くれる・・ はず・・ ・・・・・・)


──畜生

畜生、畜生、畜生

どこだよ、どこだよ爺ちゃん

どこに、どこにあるんだよ

クーを助ける本は、どこにあるんだよ

どこに隠したんだよ爺ちゃん どんな所に隠したんだよ

もう俺、埃まみれだよ 息すんのもつれぇよ

目も痛いし、鼻水も出るよ

何で何もないんだよ、爺ちゃん… 爺ちゃん…

爺ちゃん……



:从 д从: 畜生・・ 畜生・・ッ


:从 ;д从: 畜生ォ゙・・ッ



-最後に続く-

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