_
(# ∀) すッ──・・
  _
(  ∀ ) 
  _
(; ゚∀゚) ・・"友達"って! 思ってたからァッ!!

(、 トソン 

(゚、゚;トソン ・・へ?
  _
( ゚∀゚) 
  _
( ゚∀゚) (あれ?)


あっ


あー…


…うん


まあ… いいや…


いや、いいし
むしろこれでいいし
全然問題ないし… 狙って言ったんだし…

(゚、゚;トソン と、ともだ ち?
  _
(; ゚∀゚) ! そ、そうだよ! 俺、ずっとお前のこと友達って思ってたんだよ!
      お前はそんなこと微塵も考えてなかっただろうけどよ・・ お、俺はずっとそう思ってたんだぜ!

(゚、゚;トソン え・・っ!? え、え・・!?
  _
(; ゚∀゚) !! そ、そういやお前! お前にとって友達って、大事なもんなんじゃねーのか!?
      お前とクーは友人同士なんだろ!? お前にとっての「友達」はその程度の価値か!?

(゚、゚トソン 

(、 トソン 
  _
( ゚∀゚) (・・お?)


あれ、これきたんじゃね
これトソン説得出来たんじゃね?
あー やっぱ俺すげーわー マジ漢だわー


  _
(; ゚∀゚) ほ、ほら 初めて出来た友達のうちの一人なんだから・・
      素直になろうぜトソン お前にとって本当に大切なもんなんだろ?

(、 トソン 

(、 トソン 分かってるのに
  _
( ゚∀゚) え

(、 トソン クー君、が・・ 僕にとって・・ とても、とて、も、大切な・・ 人だって・・ そんなの、分かる・・ッ

:(;、;;トソン: そんなことぐらい・・ 僕にだって・・ 分かってるんだ・・ 分かって・・るのに・・ッ
       どうし、ても・・ どうしても、とれないんだ、よ・・ どうしても  胸の奥、が 気持ち悪く、って・・
       嫌な、感情ッ、が・・ 溢れてぇ・・
  _
( ゚∀゚) 


トソンの眼から流れる二度目の涙
ここにきてようやく神父の言っていたことが理解できた
こいつは自分の内に、どんなに頑張っても"どうしようもないもの"を飼い続けてる


:(、 ;トソン: なんで・・ なんで・・? わかんない・・ わかんない、よ・・ッ
      助け、てよ  僕、だって・・ 普通に、普、通に、した、い のに・・
      たすけて たす、けてよ、じょる、じゅ・・
  _
(; ゚∀゚) トソン・・


:(、 ;トソン: う・・ ううぅ・・ う、うっ・・ ぅうッ・・
  _
(; ゚∀゚) ・・・・・・

俺に何が出来るんだろう
一体、こいつに対して何が出来るんだ
こいつの苦しみを和らげることは、俺には出来ない


結局これか
俺はただ見てるしか出来ないのか…?

  _
(; ∀) (・・くそっ)
  _
(; ∀) (結局・・ 俺は・・ 俺は・・)

( ・∀・) ちくわ大明神vs乳輪大納言  夏の陣
  _
(; ∀) (何も・・ 何もトソンにしてやれn)






  _
:(#゙゚'д゚'):つ<  ; ∀ ) お、お茶目にいこうとしただけ・・っ


:(、 ;トソン: ・・! し、神父さん・・?

(;  ・∀・) やめろジョルジュ君、顔がのびちゃうじゃないか!
        あ、ほら ちょっと伸びた気がする・・!
  _
(# ゚∀゚) お前は一々お茶目要素いれんと登場出来んのくぁあああああああああ!?

ζ(゚ー゚;ζ ・・・・・・

( ・∀・) うむ、まあそこは置いといて・・ トソン君、こんにちは
       話は聞かせてもらったよ

:(、 ;トソン: き、聞いてたん、ですか・・

( ・∀・) ほらほら、君には泣き顔なんて似合わないよ
       私が顔を拭いてあげよう

:(、 ;トソン: う・・ あぅ
ゴシゴシ

( ・∀・) (こういうことぐらいは出来るだろうに、ジョルジュ君)
  _
(; ゚∀゚) (む・・)


変態なのに、トソンのぐしゃぐしゃの顔を拭っている姿が紳士的に見えてしまった
そんで何もしなかった自分に、ちょっとだけ腹が立った
あー もー 何でこうなのかね俺は…


( ・∀・) さてトソン君、今までにないぐらいに苦しんでいるようだけど・・
       私にその苦しみを解消する手伝いをさせてもらえませんかね?

(、 ;トソン て、手伝う・・ って・・?

( ・∀・) ええ・・ あなたを縛っている「呪い」から救ってあげられそうなんです
       それが出来るようになったのですよ

(、 ;トソン 助けてくれるん、ですか・・? この・・ く、苦しいのから・・?

( ・∀・) うん ・・まずは力を抜いて下さいトソン君
       リラックスして、少し横になって下さい さぁ、深呼吸して
  _
( ゚∀゚) (? 一体何を・・  !)


床にゆっくりと寝かせ、トソンの額に手を置く神父
するとトソンの額がほんのりと光り出す
柔らかそうな、温かそうな光


(、 トソン ・・? ・・・・・・


そしてトソンの眼が閉じる


(、 トソン 
  _
(; ゚∀゚) ね、寝たのか?

( ・∀・) うん ちょっと眠ってもらったよ
  _
( ゚∀゚) で、どうすんだ?

( ・∀・) 私の出番は終わりですかね
  _
(; ゚∀゚) ・・は? お前どうにかするんじゃねえのかよ?

( ・∀・) ・・なーんかさ 我々男性陣は、女性陣に比べると色々と゛弱い゛ですよねぇ・・
       押され気味というかなんというか、やってあげられることが少ないというか
  _
(; ゚∀゚) 何言ってんだお前?

( ・∀・) ここで心強いレディの登場ということさ
  _
( ゚∀゚) ・・?



( ・∀・) さぁ、出番だよデレ

ζ(゚ー゚*ζ ────♪


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

(゚、゚トソン ────・・・

(゚、゚;トソン ・・へ? ここは・・ ん?

神父さんの温かい手がおでこに触れたのは覚えていた
だけれど、一体その時に何がおこったのだろう
いつの間にやら、扉が一つ取り付けられているだけのへんてこな部屋に居た
塩辛い液体も気付けば止まっている


(゚、゚;トソン ? 神父さん・・? ジョルj・・ うわっ!?


そして何より驚いたのが…


ζ(゚ー゚*ζ はろぅやぁやぁ泣き虫騎士さん
        会話するのは初めてですなー

(゚、゚;トソン !? デ、デレちゃん? ・・! う、動いて・・!? うわわ!?

ζ(゚ー゚*ζ 動きもしますさー デレちゃんですから

(゚、゚;トソン ! じゃ、じゃあここは・・ シュー君達から聞いた・・

ζ(゚ー゚*ζ 君の心の世界ですぜー


話では聞いていたけど、僕もここに来るとは…
いや、でもしかし… 何で…

ζ(゚ー゚*ζ よし、それじゃ行こうか

(゚、゚;トソン へ? ど、どこに・・

ζ(゚ー゚*ζ 「呪い」探しに決まってるじゃないかー

(゚、゚;トソン の、呪い? 呪いって・・ どういうこと?

ζ(゚ー゚*ζ 君を縛り続けてる原因のことだよ
       君自身でも気付けてない、奥底に眠る原因

(゚、゚トソン ・・原因?

ζ(゚ー゚*ζ うん 大体予想はつくけどねー
       まぁまぁとにかくお嬢さん、早速れっつうぉーきんぐ!

(゚、゚;トソン わわ、ちょ、ちょっ・・!?


小さな手が僕の小さな手をひっぱりひっぱり、扉の外へ
戸惑っている僕なんてお構いなしに、ぐいぐい引っ張る


扉の外は見慣れた街並みだった
けれど、現実の街並み以上に調和が取れている
家、タイル、窓、間隔、全てが均一
調和が取れ過ぎていて、逆に調和がとれていないような…

ζ(゚ー゚*ζ それにしてもキッチリした世界だねー
        息が詰まっちゃいそうだ

(゚、゚;トソン そ、そうかい? ごめん・・ こんなんで・・

ζ(゚ー゚*ζ 謝るこたぁーないさー
       むしろ「原因」を見つけやすくっていいかも

(゚、゚トソン ・・僕、何かに縛られているの・・?

ζ(゚ー゚*ζ おそらくそうだねー ・・この世界に゛相応しくないもの゛を目印にしようか
       きっとそれが君を縛り続けてる「呪い」だよ

(゚、゚トソン ・・相応しくないもの

ζ(゚ー゚*ζ さぁ、どんどん行こうっ! さぁさぁ! 遅い遅い!

(゚、゚;トソン は、早い早い ・・これじゃ見逃しちゃうよ

ζ(゚ー゚*ζ ・・・・・・

ζ(゚ー゚*ζ 黒髪のおねーさんの時間は、もうそんなに無いから・・

(゚、゚;トソン ・・! ・・・・・・


クー君
今でも彼女のことを考えると訳の分からない気持ちに襲われる
…この原因が本当に分かるのかな

ζ(゚ー゚*ζ ・・ねぇ

(゚、゚;トソン ! な、なに?

ζ(゚ー゚*ζ ・・私は黒髪のおねーさんの力になれなかったけど、多分もうみんな止められないけど・・
       例えそれでも、私達はあの人が心地よく眠ってしまえるように・・ 見守ってあげようね

(゚、゚;トソン ・・・・・・

ζ(゚ー゚*ζ まあ今はいいや とにかく探せ探せーっ

(゚、゚;トソン う、うん



ただの純粋な゛友達゛として
僕はクー君と接することが出来るのだろうか
彼女の死と、純粋に向き合えるのかな


向き合えたとしたら、僕はまた泣くのかな──


( ・∀・) ──さて、どれぐらい時間がかかるかは分からないけれど・・
       しばし休憩タイムといこうかジョルジュ君
  _
( ゚∀゚) ・・ああ、まぁ、そうだな 無事に行くと良いが

横たわるトソンとその横に座る人形
それを見守りつつ今後のことをぼんやりと考える
あのメイド、あとどんぐらい生きられるのかな


( ・∀・) しっかし君・・ 近年まれにみるヘタれぶりだったなあ
      あそこで「友達」とか言うかい? 普通・・
  _
(; ゚∀゚) う、うっせーな! 今はそんな下らねえ問題いいだろうが!
     ・・それよりクーの奴! あいつ、やっぱたすからねーのか?

( ・∀・) 何を「助け」とするのかで変わりますけどね
      残念ながら"命"はもう・・
  _
(; ゚∀゚) そ、そうか・・

( ・∀・) でも、クーちゃんはこの終わり方で自分自身を「助ける」つもりなのさ
       そういう意味でならば、我々はまだ彼女に協力出来るのではないでしょうか
  _
( ゚∀゚) どういうこった?


( ・∀・) 彼女の運命を素直に受け入れる、それだけでいいのです
      それこそ、シューちゃんやハインちゃんは複雑でしょうけど・・
      彼女の死を悲しいものとしてではなく、「幸せ」への一歩として・・
  _
( ゚∀゚) 
  _
( ゚∀゚) あ

( ・∀・) ん?

何か大事なこと忘れてた気がする
ギコ、あいつ確か何か言って…

  _
(; ゚∀゚) ・・! そうだ! 確かあの姫、家飛び出したらしいぞ!
     ギコが探してたが、アレ見つかったのか!?

(; ・∀・) !? 飛び出した・・? 家に居ないのかい?
  _
( ゚∀゚) そうらしいが・・ お前魔法でパッと探し出せよ!

(; ・∀・) ・・! 困ったな・・ 私、場所は見れても人を中心に見ることは出来ないんですよ
  _
(; ゚∀゚) は!? お前なんでこういう時に使えないの!? ハインリッヒとか簡単に使えてそうだぞ!

(; ・∀・) あの子と一緒にしないで下さいよ! 遠視出来るだけでも褒めてほしいわ!!


  _
( ゚∀゚) あ、でもハインリッヒが探せるんだったら問題無いか?

(; ・∀・) ・・・・・・

(; ・∀・) (不味いな ハインちゃんは大丈夫か・・?)

(; ・∀・) ・・とにかく、私は先にハインちゃんの家へ行ってみます
       トソン君は君に任せました 起き次第、スグに来て下さい
       明日までは恐らくもちませんから
  _
(; ゚∀゚) お、おう お前もとりあえず急げ
     あの姫様がいねーんじゃ、話にならねーだろうし・・

...::::::;;;∀・) それじゃ、任せましたよおおぉっ

  _
(; ゚∀゚) ・・・・・・
  _
(; ゚∀゚) (なーんかドタバタしてやがるな 本当に大丈夫か?)
  _
(; ゚∀゚) ・・しかし


しかしあの姫様もつくづく不幸な運命だ
厄は祓えたのに、結局はこんな未来か──


...::::::;;;∀・) ──クーちゃん、ハインちゃん!

(; ・∀・) ・・!

川 ゚ -゚) し、んぷ・・ さん?

:从 ∀从: ・・? ・・・・・・・

急いでやってきた屋敷には、たったの一人だけ
今にもクーちゃんが死にそうだというのに、傍にはハインちゃんが一人だけ

(; ・∀・) ハインちゃん! シューちゃんを探しましょう!
       私の魔法では彼女を探せません・・!

:从 ∀从: ・・・・・・

:从 ∀从: 俺は・・ は、は・・ はなれない・・ ぞ・・ もう・・ 離すもんか・・よ・・
       なにが、あっても・・ もう、もう・・

(; ・∀・) (! やっぱり憔悴しきってるな・・)

ハインちゃんの気持ちは痛いほどに分かる
姉妹のように育ってきた相手が死にそうなのだ、辛いに決まっている
だがこのままじゃ… このままじゃ…ッ


川 ゚ -゚) しんぷ、さ   ん い・・ いいの、です

(; ・∀・) ・・クーちゃん

思っていた以上に衰弱しきったクーちゃん
聞き取るのが難しいぐらいに声が小さい


川 ゚ -゚) もう、いい   です ・・いいん  です
     このまま、で・・ もう   じゅうぶん、です・・

川 ゚ -゚) き、っと   しあわせに、しにます・・ ので
     しんぷさんもぉ  みまも、っ   ていて くだ、さい・・

(; ・∀・) ・・・・・・

自身が何も行動を起こさなかった結果とはいえ、これは予期していなかった
私の見てきたシューちゃんが大人び過ぎていていたせいか…?
そうはいっても、あの子はまだ子供じゃないか…! シューちゃんが何をするか、何故私は予想出来なかった…!?


(; ・∀・) (とりあえず魔法で手当たり次第探してみますか・・ しかし望み薄いな・・
       だけどこのままじゃ・・ シューちゃんがこのままだったら、クーちゃんが・・)

(; ∀ ) (救われないじゃないか──)

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ζ(゚ー゚*ζ ・・・・・・

ζ(゚ー゚*ζ ねぇ、あの家

(゚、゚;トソン うん

完全に調和のとれた、どれもがほぼ同じ家々
その中に一件、現実的な造りの家
歪というわけでもないけどすぐに気付けた
何故なら…


ζ(゚ー゚*ζ あの家だけ何か違和感あるねー
       なんか気にならないかい? そんなにおかしな家って訳でもないけどさー

(゚、゚;トソン 気になるも何も・・・・

(゚、゚;トソン 昔の・・ 僕の家だ

ζ(゚ー゚*ζ !

間違いない
確かに自分が子供のころに住んでいた家
自分の記憶と全く同じ、記憶の中の家がそこにそのままあった


ζ(゚ー゚*ζ ・・ここっぽいなぁ、原因

(゚、゚;トソン ・・・・・・

(゚、゚;トソン いこう 時間が無いんだし・・

ζ(゚ー゚*ζ 心の準備はしといてね

(゚、゚トソン ・・ひ、必要かな

ζ(゚ー゚*ζ うん すごく嫌なもの見るかもー

(゚、゚トソン 嫌なもの・・

ζ(゚ー゚*ζ ・・一応言っておくけれど、この先君が見ることになるのは現実のものじゃないからね
       君の心が作りだしたものに過ぎないっていうこと、忘れちゃ駄目だよ

(゚、゚トソン ・・分かった

ζ(゚ー゚*ζ 騎士のおねーさん、泣き虫だからなー
       何ならワタクシが先に見てきてあげますぜー?

(゚、゚;トソン な、泣き虫じゃない! あれは仕方がないのっ
      じゃあ入るよ

ζ(゚ー゚*ζ うん


そこはとても懐かしい空気に溢れていた
自分が思い出と全く同じ配置の家具
壁の色褪せ具合にも、床の色にも何のズレも無い
僕の心の風景なんだから当然なんだろうけど、それでもやっぱり驚きを隠せない


ζ(゚ー゚*ζ あれ? 割と普通な家だね ・・ここじゃなかったかな?

(゚、゚;トソン そうだね 別に何があるというわけでもないけど・・

ζ(゚、 ゚*ζ ? ここだと思ったんだけどなあ

(゚、゚トソン あんまり長居しても何も無さそうだし・・ もう行こうか?
      他のところかもしれないよ?

ζ(゚ー゚*ζ ・・・・・・

ζ(゚ー゚*ζ そっちは寝室かな?

(゚、゚トソン うん、ちょっと狭いけどね

ζ(゚ー゚*ζ そこも見てみようよ ていうか全部の部屋ぐらい見てみましょうぜー

(゚、゚トソン そうしよっか それじゃ開け・・

(゚、゚トソン 


(゚、゚;トソン ?

ζ(゚ー゚*ζ ん? どうしたの?

寝室へ繋がるの扉
その取っ手に手をかけた瞬間、体が固まる

手が思うように動かない


(゚、゚;トソン (・・何だ?)


知っている気がした
この奥、扉の向こうに何があるのかを 多分自分は知っている
でも思いだしたらいけない様に思えた
この扉は絶対に開けちゃいけない、そんな直感めいたものを感じる


ζ(゚ー゚*ζ ・・・・・・

ζ(゚ー゚*ζ ・・泣き虫ぃー弱虫ぃー

(゚、゚;トソン ! な、泣き虫じゃないっ! あ、開ける・・ よ

ζ(゚ー゚*ζ ・・うん

(゚、゚;トソン (よ、よし)


不思議と気の進まない手を無理に動かし、少しだけ扉を開けて覗きこむ
すると驚くことに、そこは思い出通りの場所じゃなくて…

(゚、゚トソン あれ?

ζ(゚ー゚*ζ ん?

(゚、゚;トソン ・・暗い

ζ(゚、゚*ζ ? 寝室じゃないの? ・・暗い?

(゚、゚トソン なんか妙に真っ暗だよ・・ ・・全部開けきってみよう

ζ(゚ー゚*ζ どれどれ、一体何が・・


おかしいと思いながら、扉を全部開けきってみ






(、 トソン 

ζ(゚、 ゚;ζ !?


(、 トソン ぁ      ぁ

ζ(゚、 ゚;ζ ・・・・・・


ぐしゃりと胸が潰れる気がした


(、 トソン 

ζ(゚、 ゚;ζ 



暗い世界
一本のロープ
静かに浮く物体


(、  川 


お母さん


ζ(゚ー゚;ζ (これかぁ・・ 随分とヘビーな・・)

(、 ;トソン え ゔ・・ おゔ ・・っ!

ζ(゚、 ゚;ζ !

悲鳴をあげる間もなく胃液をぶちまけた
心の世界なのに、こんなのも出るのか


ζ(゚ー゚;ζ おねーさん、しっかりして!

(、 ;トソン お、お・・ か・・ う・・ え゙・・ え゙え゙ぇッ・・!

ζ(゚ー゚;ζ うあー・・

(、 ;トソン なっ・・ なに こ、れ・・ 何・・ な、に・・
      あれ・・っ な・・ な・・!?


「憎いわ・・」


(゚、゚;トソン !?
ビクッ

ζ(゚、 ゚;ζ !


(、  川 憎いわ・・ ロマネスクが・・ 悪魔が憎いわ、トソン
      "許しちゃ駄目"よ・・ 絶対に、許しちゃ駄目 トソン・・ お父さんを殺した奴らを・・ トソン


喋り出す死体
頭にガンガン響く言葉
砕けそうになるほど揺さぶられる心

(、 ;トソン あ、あ・・!? あ・・ あ、 あ

(、 ;トソン あ───



胸の中に再び色づく、押し込めていた思い出



(、  川 あんな奴らなんかに負けないように、強くなるのよトソン・・
      憎いわ・・ 憎い・・ 許しちゃ駄目よ・・ ねぇトソン・・ 強くなってね・・ 約束よ・・



この日だ
この日から、僕は縛られてきたんだ


大事な大事な家族の、大切な大切な約束
大事な大事な家族の、悲惨な悲惨な死に様
僕を支配していた呪いが、小さな頃に植え付けられた陰惨な記憶が蘇る


仕方がなかったんだ
今までこんなのを背負って生きてきたんだ、どうしようもなかったんだ
心じゃ分かっているのに、どうしても憎しみを抱いたってしょうがないじゃないか


だってお母さんだよ
唯一の母親だよ



神様
あまりにも酷過ぎるじゃありませんか
約束は破っちゃいけないものでしょう
母親の言葉は、子供にとって何より大切なものでしょう



こんなの、どうしろというのですか


こんな場面を見せられて、よく発狂しなかったな
昔の僕は、自分が狂うのを恐れて心の奥底に閉じ込めてしまったに違いない

それ程に辛い、苦しい、泣きたくて、吐き出したい場面
顔を挙げて直視なんて出来る訳がない
いっそのこと狂ってしまった方がどれだけ楽だろう


(、 ;トソン う、 ・・ぅ、う こ、こんな・・ こんな・・っ

ζ(゚ー゚*ζ 泣いちゃ駄目だよ、おねーさん

(、 ;トソン ・・っ!

ζ(゚ー゚*ζ さ、もう終わりにしよっか

(、 ;トソン お、おわ・・り?

ζ(゚ー゚*ζ ほら、いつまでも俯いてないでっ
       あっ、やっぱり涙目になってる 泣き虫だな本当にもう

(、 ;トソン だって、こんなの・・ こんなの・・っ


ζ(゚ー゚*ζ ・・・・・・

ζ(゚ー゚*ζ 呪い、解く方法教えてあげる

(、 ;トソン どうすれば・・・・ いいの・・?

ζ(゚ー゚*ζ "イメージ"するの

ζ(゚ー゚*ζ 自分が"剣"を持っている姿をイメージして
       光り輝く、一本の"剣"を持つのさー
       それこそファンタジックに、フルに頭を使って ちゃんと出てくるはずだから

(、 ;トソン ・・剣? な、なんで・・ 剣・・?

ζ(゚ー゚*ζ その剣で文字通り「断ち切る」の

(、 ;トソン ・・え?

ζ(゚ー゚*ζ この呪いを・・ この奥底に眠ったトラウマを断ち切るのさー

(゚、゚;トソン !? 断ちk・・ お、お母さんを斬れって言っているの!?

ζ(゚ー゚*ζ これは「お母さん」じゃなーいっ

(゚、゚;トソン !


ζ(゚ー゚*ζ 君のお母さんは、もう土の中だよ?
       ・・さっきも言ったけど、これは現実とは何の関係もない
       これは君の心が作った、お母さんの姿をした幻影に過ぎない訳さ

(゚、゚;トソン ・・! で、でもっ・・ そ、そんな・・

(、 ;トソン そんなこと・・ 言・・ 言ったって・・・・

ζ(゚ー゚*ζ ・・・・・・

ζ(゚ー゚*ζ 君の本当のお母さんに失礼だと思わないの?

(、 ;トソン ・・?

ζ(゚ー゚*ζ 君の心の中に、こんな醜いお母さんを存在させ続けるなんて・・
       本当のお母さんに失礼だと思わないのかい?
       "こんなの"をお母さんにして、ずっと君の仲で生かし続けてもいいの?」

(、 トソン


僕のお母さん

首を吊って自殺した母さん
「許すな」とも言ったお母さん
目の前の「お母さん」は、間違いなくお母さんの昔の姿


でも、これだけか?
僕の好きなお母さんは…
こんな… こんな姿だけじゃ… 無い…

(、 ;トソン 

(、 ;トソン ・・本当に

ζ(゚ー゚*ζ おっ

:(、 ;トソン: 本当に・・ 本当にそれで・・ 全部終わるのかい? もう・・ 苦しまなくってもいいの・・?

ζ(゚ー゚*ζ うん 要は暗示みたいなものなのさ
       君が心の底から「断ち切った」と思えば、それは君にとっての現実なの
       それの手助けだよ

(、 ;トソン ・・分かった

ζ(゚ー゚*ζ コツとしては、この真っ暗な空間全体を「斬る」感じ
       いい? 目の前の首吊りさんだけにとらわれちゃいけないよ あと、絶対に迷っちゃ駄目
       ・・さあ、イメージして

(、 ;トソン (イメージ・・)

(、 トソン ─────



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