本当は救いたかったんだ
lw´‐ _‐ノv厄姫様は別に不幸では無いようです22-3

僕は騎士になって、お母さんを救いたかったんだ
「正義の味方」なんてお義父さんに言われたから、騎士になってお母さんの気持ちを救いたかったのに…
僕が目指していた「騎士」はそんな騎士だったのに、いつの間にか全く違ったものになっていた

ただ誰かを憎んで、憎んで憎んで… 関係の無い人まで憎んで…
お母さんも、自分自身すら救えやしなかった
忘れちゃいけない気持ちすら、一緒に忘れてしまっていた



自分はもう騎士をやめたつもりだ
おそらく、現実の世界で剣を振るうことはない
だからこれが最後だ

でも、今ならなれる気がする
気付いた今なら、自分が目指していたものを分かった今なら
本当になりたかった「騎士」になれる
お母さんを救える


全力で「騎士」の自分をイメージした
現実としての煮え切らない騎士なんかじゃない
僕が思い描き、誇り高いものとしてきた「騎士」としての姿を

正義の味方としての騎士を──

(゚、゚トソン ──!

ζ(゚ー゚*ζ !

右手に加わる重み
眼を見開くと制服を着た自分がそこにいた
でも現実のものとは違い、"誇り高い色"を燦々と放ち続ける

そうだ
僕のなりたかった「騎士」は、これぐらい気高いものだった


やっとなれた


(゚、゚トソン ・・・・・・

暗い世界
首を吊った「お母さん」
そんな世界に光輝く、一本の"銀色"の剣


(、  川 トソン・・ 許しちゃ駄目よ・・ あいつらなんかより強くなって、そして・・

(゚、゚トソン 

(、 トソン (・・お母さん)

お母さん
今までごめん──


:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


「──ごめんね、ごめんね こんなお母さんでごめんね」


   ・・お母さん


「憎い、とても憎いの 張り裂けそうなぐらい憎いわ」


   お母さん ねぇ、お母さん


「・・トソン?」


   すみませんでした こんな姿で生かし続けてしまって


「・・・・トソン」


   僕はもう行きたいと思います すみません、約束は破ろうと思います


「・・・・・・


「ねぇ、トソン」


   何でしょう


「・・強くなってね 私みたいにじゃなくて、強く強くなるのよ」


   ・・分かってます やっと「騎士」になれた気がします 今後もこの色を持ち続けようと思います


「・・そう、もう強いのね?」


   もっともっと強くなります 本当の意味で強くなろうと思います


「頑張ってね、トソン 今までごめんね・・ こんなお母さんでごめんね・・」


   はい・・ 頑張ります・・ 頑張り・・ます・・っ


            ──さようなら、お母さん──

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


(、 トソン 

(゚、゚トソン ──!
  _
(; ゚∀゚) ! 起きたか!?

(゚、゚トソン ・・・・・・

ζ(゚ー゚*ζ 


僕の傍らに膝をつくジョルジュ
そしてデレちゃん

世界が澄んで見えた


(゚、゚トソン ・・・・・・

(゚、゚トソン ありがと、デレちゃん

ζ(゚ー゚*ζ ♪

(゚、゚トソン ・・ジョルジュ、おはよう
  _
(; ゚∀゚) ・・え、あ、お!? おお、おはよう! え!? 急に何!?

(゚、゚トソン (なんか・・ 気持ちいいな ・・でもなんか大事なこと・・)
ポーッ


(゚、゚;トソン ッ! そ、そうだ! クー君ッ! い、行かなきゃ・・ あ、謝らなくちゃ・・!
  _
(; ゚∀゚) ! お、おう! 行くぞトソン! もう急がねえともう・・

(゚、゚;トソン うん、ごめん迷惑かけt・・ !? なんか外暗くない!? 
  _
(; ゚∀゚) そりゃそうだ! お前何時間寝てたと思ってんだよ! もう間に合わないかもしれねーぞ!?

(゚、゚;トソン !? え!? そんなに寝てたつもりは・・ッ ああもういいや行こうッ!
ガシッ
  _
( ゚∀゚) 
  _
(; ゚∀゚) え? いや、ちょ、トソン?

(゚、゚;トソン ?
  _
(; ゚∀゚) あ、いや・・ その、手・・ な、なんで握・・?

(゚、゚;トソン ? さっき友達って言っただろ! そんなこといいから行くぞ!
  _
( ゚∀゚) 
  _
( ゚∀゚) ・・お、おっしゃ! 急ぐぞ!

右手にジョルジュの手、左手にデレちゃんを抱えて全力で走り出した
僕の呪いは解けた でもそれを喜ぶよりももっと大事なことを残してきてしまった

ごめんクー君 今行くからね
お願いだから、まだ生きていて──


──ねむい

とってもねむい
ぼんやり、します
さっきまで、頭だけは、はっきりしてたのに

ハインの手も、よくわからなく、なってきて
じぶんが、とても、冷たい
けれど、すごくきもちいい

川  -) 

川  -) (もう  ねよう)



私が、ねむったあと、どれぐらい、生きて、いられるのでしょうか
このしんぞうは、どれぐらい、動いてくれるのでしょうか
すぐに、止まっちゃうのか、動きつづけるのか、わかりません

でも、かんけい、ないか
わたしが、ねて、いしきが、無くなったとき
わたしが、みんなと、つながることは、もう、ないのですから

もう、おわりに、しよう

川  -) ・・はいん しん、ぷ  さ ん

从 ∀从 ・・何だ

川  -) ねむk なったの    で   そろそろ   ねm・・ ねま す

(; ・∀・) !

从 ∀从 ・・・・・・

:从 ∀从: いや・・ いやぁ・・ やだ・・

川  -) できれ  ば  はいん  て、にぎり、つづけて、ね   いき、とまるまで、にぎってて、ね
     しんぷ、さん  も   みまm    って、   てね

:从 ∀从: まてよ・・ 起きててよ・・
       ・・クー、寝るな まだ寝るな・・

(; ・∀・) もうちょっと頑張って下さい まだトソン君達もシューちゃんもいません
       今探している所だから起きていて下さい 最後ぐらい、みんなで・・

川  -) もお   ねむく、て

(; ・∀・) (・・くそっ!)

(; ・∀・) (シューちゃんは・・ シューちゃんは一体どこだ・・ッ!? もう、もう・・ッ!)


从;;;;;;;;;从 ま……   起…    ……

(;;;;;;;;;;;;;;) ……頑      シ……   ん…

川  -) (・・ぁ)

だめだ
もう見えないや


かすかに、かおる、プラスチックの、におい
ひめさまが、わたしになげつけた、トランプのかおり
また、みんなで、使って、あそんでくれたら、いいな

川  -) 

川  -) 「お  やすみ   なさい」


じぶんは、きたない、あくまだったけど、
いろんな、色に、ふれられて、
好きな、ひとの、やくにたてて、
あいするひとに、見まもられて、
ゆっくり、きもちよく、ねむれる


わたし、きっと、幸せです──


──何時間走ったかな
流石にこんだけ全力疾走したのは人生で初めてだわ
騎士のテスト受けに行った時も相当走ったが、そんなの非じゃねえや
膝が大爆笑してら

:(; Д): ゼェーゼェーゼェーゼェーゼェーッ・・ ハァ・・ オエッ・・ しゅ、シュー様ぁ・・ どこっすかぁ・・?


俺が飛び出したのはまだギリギリ昼だった
だが今は周りの家が電気を灯していやがる とっぷり暗い
ちくしょー星が綺麗だ なんで今日はこんなに綺麗なんだ
なんの皮肉だボケが


(; Д) (くそおお・・ クーさん、まだ大丈夫かな・・? ハインはもう助けてくれたのかな・・?
      どうせもう助けてくれてんだろうから・・ とっとと伝えにきてくれりゃあ・・)

(; Д) ・・・・・・


大体分かってる
俺だってもう分かってんだ
暗い結果が待ってんのは分かってんだよ


でも認めたくないもんだよな
こういう時、どうしても"奇跡"を望んじまう
奇跡なんて単語作った奴、大嫌いだ


だが、そんなあるべき過程をすっとばすような言葉を望んでるわけじゃない
せめてクーさんが本当に幸せを感じて全部終わらせられるようにしなきゃ
その為には絶対にシュー様が居なくちゃなんねえのに…
シュー様が見届けないんじゃ… そんなの辛すぎるだろうが…

:(; Д): でも・・ マジ・・ どこに  居るんd・・ ゲホッ! ハァー・・ハァー・・


どうすりゃいいんだろ
こんだけ探しても見つかりゃしない
どこにもいねぇや


やっぱ俺じゃ駄目なのかな
馬鹿な俺がどんだけ頑張っても全部空回りなのかね
そんなことを考えるとすっごい悲しくなってくる
こんなの考えられなくらい程の馬鹿ならよかった


(;゚Д゚) ぐっ・・・・

とうとう膝が折れて、地面に手を付く
もう立てる気しねぇよ
走れる気… しねぇよ…


(; Д) ハァ・・ハァ・・


(; Д) (くっそー 喉カラカラだ・・ もう無理、立てん・・)

笑いたきゃ笑いやがれ
どうせ俺なんてカラカラから回るしか出来ん馬鹿野郎だ
汗まみれでぜぇぜぇしてんのがお似合いなんだ


(; Д) (・・悔しいな こんだけ悔しいの初めてだ)

悔しい
本当に悔しいわ
自分が出来る最良のことがこんなことなんて、泣きたくなるほど悔しい


(; Д) (・・俺には荷が重すぎたかね)

自分なりに頑張ってんだけど… やっぱ俺じゃ駄目っぽいわ
ぜーんぶぜーんぶから回って、そんでこんがらがって、結局は滅茶苦茶だ

すんませんクーさん
俺、やれることはやったつもりなんだけど…
あなたの為に出来ることはやろうとしたんだけど…


あぁ、本当に星が綺麗だ
おいこら星ども お前等全部見えてんだろ
どこにいるか教えるぐらいの協力、してくれてもいいのによお
そんぐらい、やってくれりゃあ…


───西に2km、街を抜けた林の中よ───


(; Д) 

(;゚Д゚) ・・あ?

変な声が聞こえた気がした
周りをきょろきょろ見回してみるが、近くに人はいない
ああ、なんてこった とうとう幻聴が聞こえるほど疲れきっちまったか


(;゚Д゚) ・・? あぁ、やっぱ俺もう駄目なのか・・ 限界か・・

大昔に走り過ぎて死んだ人間もいるって話だ
星の声が聞こえるとは… もう俺の頭はきっとおかしくなっちまったんだろうな
足が棒みてぇだよ もうこりゃどうにもなr


───だから西に2kmだっつってんでしょバカチン!───


(;゚Д゚) ふおっ!?
 ビクッ

(;゚Д゚) ・・!? ・・・・・!?
キョロキョロ


え、ちょっと
何これ怖い チョー怖い

(;゚Д゚) (いや、でも今確かに・・ に、西に2km・・?)

(;゚Д゚) ・・・・・・

(# Д) ・・ええええいもうどうにでもなれえバカヤロオオオッ!


生まれたての草食動物みたいな足を鞭打って立ちあがる
星の声でも幻聴でも奇跡でも何でもいいわ
どうせこのままじゃ何も変わらねえんだ
よくわかんねえけど聞こえたからには走ってやるううううう足痛いいいいぃぃ




...::::;;;;;゚)ξ 

...:::听)ξ 走れ青年 あんたに出来んのはそれぐらい

...::::;;;;;)ξ だけど、大事な大事な役割よぉ
      ・・急がないと間に合わなくなっちゃうぞ──

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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川 ゚ -゚) ──姫様ぁ

…? クーか?


川 ゚ -゚) 姫様、私に何でもお言いつけ下さい あらゆることをしてみせましょう

あぁ、そうか


川 ゚ -゚) 私、姫様の為ならば火の中水の中です

確かにそうだった


川 ゚ -゚) 姫様、ずーっと一緒ですよ

うむ、一緒…


…一緒?



嘘吐き





川 ゚ -゚) 私がいなくちゃ悪いことばっかりおきますからね だからずーっとずーっと一緒です

…嘘だ


川 ゚ -゚) 姫様の幸せをいつだって願っております

嘘じゃん


川 ゚ -゚) 姫様なら、きっといつか幸せになれますよ 私が保証します

これも嘘だ


川 ゚ -゚) ・・嘘じゃないですよ

ならばどうして私はこんなに嫌な気持ちなんだ


川 ゚ -゚) 後は私を忘れたらいいだけでございます
      あなたが私を忘れ、幸せになった時こそが「はっぴーえんど」です
      さぁ、早く忘れて そこに幸せがあります

お前、本気で言っているのか


川 ゚ -゚) 私はいつだって本気です

こんなのが幸せの訳があるか


川 ゚ -゚) 幸せですよ 私は苦しみから解放されて、あなたは厄が落ちた

いいや、違う こんなのみんな悲しいだけだ ふざけるな


川 ゚ -゚) それでは姫様、お聞きしますが・・ あなたの言う「幸せ」とはなんです?

…?


川 ゚ -゚) あなたにとっての「幸せ」ってなんですか?
      あなただけではない みんなの「幸せ」って一体何なのですか?
      そもそも「幸せ」ってなんですか?

そんなの…

……?

川 ゚ -゚) ほら、答えられない ・・今は悲しくとも、これが幸せへ通じる道なのです

違うッ! 違う違う違うッ!


川 ゚ -゚) それでは答えではありません 否定してるだけです

分からないけどそれだけは違うッ! 幸せなんかじゃないッ!


川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) 『それじゃあ・・ シューには特別にアドバイスをあげちゃうわ』

…え?


川 ゚ -゚) 『これから全力で、何が"自分の幸せ"なのか、考えて考えて考え抜きなさい
      ・・それを考えた上で判断をしなさい 家に戻るも良し、逃げ続けるも良しっ!
      あなたはまだまだ小さい子供なんだからね 我を通したっていいのよぉ』

…? クー…?


川 ゚ -゚) 『じゃ、あとは自分で頑張んのよぉ』


川 ゚ -゚) 『自分の幸せは、自分にしか判断出来ないんだからね──』


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(;゚Д゚) ──シュー様ッ!

lw´;‐ _‐ノv ──!?

(;゚Д゚) シュー様、こんなところで一体何してるんですか!?
     ぐったりしてたから驚いたじゃないですか!

lw´‐ _‐ノv ・・・・あ

(;゚Д゚) (まさか本当にいるとは・・!)

とある暗い林の中
私はその中の大木にもたれかかって眠っていた
どこをどうやって走ってここまできたのかよくわからない
朦朧としながらも走り続けたことしか覚えていなかった


lw´‐ _‐ノv ・・ギコ?

(;゚Д゚) きっと貧血で倒れたんですね、体力無いのに無茶するから・・
     さぁ、行きますよ!

lw´‐ _‐ノv 行く? ・・どこに?

(;゚Д゚) どこって家に決まってるじゃないですかッ! もう夜ですよ!
     早くしないとクーさんが・・

lw´#‐ _‐ノv ・・ッ!


(;゚Д゚) さぁ、早くしましょう! 立てますk

lw´#‐ _‐ノv 嫌だ、行かないッ!

(;゚Д゚) !

クーの名前が出た途端、また湧き出す怒り


(;゚Д゚) ど、どうしてですか・・!

lw´#‐ _‐ノv あんな奴大嫌いだッ! 顔も見たくないッ! 腹が立つッ!

(;゚Д゚) シュー様ッ! 冷静になって下さい、シュー様らしくありません!
     ・・クーさんが死にそうなんですよ!? もう会えなくなっちゃうんですよ!?
     駄々こねてる場合じゃないでしょう!?

lw´#‐ _‐ノv うるさい! うるさいうるさいうるさいッ!
        構うもんかッ! あいつ、全部壊した! 全部だ! みんなを不幸にしたッ! あいつ自身泣いてたじゃないか!
        お前も分かるだろう! あいつは最低だ! 全員を裏切った! 本当に悪魔みたいな奴だ! 大嫌いだッ!

(;゚Д゚) でも・・! それでも、もう最後なんですよ!?
     このままじゃ・・ このままじゃ

lw´#‐ _‐ノv 黙れ! 私は行かない!

(;゚Д゚) ・・・・・・


(;゚Д゚) ・・・・・・

(;゚Д゚) シュー様は・・ クーさんが好きなんですよね・・?

lw´#‐ _‐ノv ・・!

(; Д) シュー様はクーさんが大好きなんでしょう!?
     だからこそこんなに嫌いになるんじゃないですか!
     変な意地張らないで下さい!

lw´#‐ _‐ノv ・・・・・・

(;゚Д゚) あなたが愛する人が死にそうなんですよ!? あなたを愛していた人ともう会えなくなるんです!
     早く行ってあげなくちゃ・・ 最後ぐらい、看取ってやらくちゃ・・ッ!

lw´# _ ノv 

lw´# _ ノv お前は・・ 私に「受け入れろ」と言っているのか?

(;゚Д゚) え?

:lw´# _ ノv: あいつが死ぬ所を素直に看取って・・ 「クーの死」を・・ あいつの言う「幸せ」を・・ッ
        受け入れろと・・ あいつの行動を全部受け入れろと・・
        そう言っているのか・・!? 私に・・ッ!

(;゚Д゚) ・・ッ

lw´#‐ _‐ノv 絶対にあいつの「幸せ」なんて認めてやるものかッ!
        あいつの死なんて絶対に受け入れないぞ!
        誰が傍に居てやるものかッ!


どうしてひたすら逃げていたのか、ようやく自分でわかってきた
あいつが嫌いになったから飛び出したんじゃない

あいつの死を見守ることは、まるであいつが残していった自己犠牲的な「幸せ」を認めることじゃないか
クーの主張する重すぎる「幸せ」を、私が潰れかねないような「幸せ」を肯定するようなものじゃないか
この「幸せ」を否定したいから、私は逃げていたんだ

誰が認めてやるものか
あんな幸せを認めてやるぐらいなら、こうやって否定し続ける方がまだマシだ


lw´#‐ _‐ノv そんなの受け入れるぐらいなら、ずっと逃げ続けてやる・・っ
        あいつの幸せから逃げきってやる・・

(,, Д ) ・・・・・・

(,, Д ) ・・そんなの

lw´#‐ _‐ノv ・・!?

(# Д ) そんなの・・ そんなの・・ッ




(#゚Д゚) そんなの駄目だろおおおおおおおおォォがアアアアアアアァァアアアァァアァッ!!?

lw´;‐ _‐ノv !?
 ビクッ


(# Д ) 俺だって・・ッ! あの人のやったことは間違ったことだってッ それぐらい、分かってます・・ッ
     出来ることなら否定してええぇよ! 「違う」って あの人に言ってやりてええぇよぉ・・!

lw´;‐ _‐ノv ギ、ギ・・ コ?

(# Д ) あなただけじゃないんだよおおぉ・・! 否定したいのは、あなただけじゃないんだッ
     俺だって、ハインだって、受け入れたくなんてねえぇんだよおおぉぉ・・!

:(#;Д;): 例えそれでもおぉぉ・・ 認めて、認めてやらなきゃ・・ッ
      特にッ あ、あなたは、絶対に、受け入れてやらな、きゃあ・・ クーさんがっ!
      クーさんが、可哀そうすぎるじゃ・・ ないかよおぉ・・ッ あの人が・・ 救われねえじゃんかよォ・・ッ

lw´;‐ _‐ノv ・・!

:(,, Д ): 間違ってたとしてもぉ・・ あ、あ、あなたの為に・・っ あなたの為に 行動してきたあの人をぉ
     あなたが・・ 全部、許してやらなきゃ、背負わなきゃあぁ・・ 辛くても、受け入れなくちゃあぁぁ・・
     それこそ、それこそ・・っ 全部、台無しじゃないかよおおぉ・・っ! 最悪の、終わり方じゃんかよおおぉ・・っ

lw´;  _ ノv 

:(,, Д ): お願い しますッ お願いしますよ、シュー様ッ・・ し、幸せに・・ 幸せになってあげて下さいよぉ・・ッ
     あ、あ、あの人の クーさんの為にもぉ・・ あなたぐらいは幸せに、ならくちゃ・・ 悲し過ぎるじゃないですかあぁ・・っ
     クーさんが、幸せじゃ、ないんだったらッ あなたはせめて、幸せに・・ 幸せに、なって下さいよぉ・・ お願いですよおおぉ・・

:#つД): ・・畜生、なんで泣いてんだよ俺・・ッ くそぉ・・っ

私の怒りなんて、ギコの怒りで吹き飛んでしまった
少しだけ冷静になれたけど、また向き合わなきゃならなくなった現実

「クーが死ぬ」


lw´;  _ ノv ・・・・・・

ギコの言ったことが、私のすべきことなの、か
あいつの「幸せ」を背負うことが、私の役目… なのか…?
私が… 幸せに… ならな、きゃ… …… あいつは…

受け入れなきゃ…


lw´  _ ノv ・・ギコ

(,, Д ) ・・はい

lw´  _ ノv 行くよ ・・行く ・・私、戻るよ
       ・・すまん、迷惑かけたな

(,, Д ) ! ・・・・・・

つД ) 
ゴシゴシ

(,,゚Д゚) ・・! 急ぎましょう!

lw´; _ ノv うん、いk  ッ!

(;゚Д゚) !?

足に力を入れた途端、よろめいてまた倒れた
立ったつもりが尻餅をつく


(;゚Д゚) どうしました!?

lw´;‐ _‐ノv 足が・・
       いっぱい走ったから・・ ふ、震える・・

(,,゚Д゚) ! 俺が背負います! さぁ、背中に!

lw´;‐ _‐ノv ・・ごめん

屈んだギコの背中によじ登る
しっかりしがみついて振り落とされないように力いっぱいしがみついた
別に大きくないけれど、それでも今は大きく感じる背中


lw´‐ _‐ノv ・・いこう、ギコ

(,,゚Д゚) はい! それじゃ行きm・・

(;゚д゚) !? ・・・・っ ぉお・・

lw´;‐ _‐ノv !? ギコ!?

危うく二人で倒れそうになるぐらいよろめいた
何事かと思いギコの足を見ると、私とは比べ物にならないほどに震えている

そうか、こいつもずっと走り続けていたんだ


lw´;‐ _‐ノv ギコ、お前足・・ 私より酷いんじゃないか!?

(; Д)  おおぉ・・ おおお・・

lw´;‐ _‐ノv すまん 今降りる! 私も走るから ・・!?


降りようとする私を、ギコの手は強く押さえつける


(; Д) い・・ い い

lw´;‐ _‐ノv ギコ?

(; Д) い、い・・ いいいいいいぃぃぃぃぃ・・

(# Д) いいいいいい・・ い、い、いいい い、い、い・・ッ!


(#゚Д゚) いいいいいいきますよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
     おおあああああああああっしゃああああああああああらああああああああッ!!!!!!11111

lw´;  _ノv うおっ!?

(# Д) ああああああああああああああああああああああああああああ
       うああああいいいいいいいいいいおおおおおおおおおおおおっがあああがががが
         ぎぎぎぎぎぎいいいいいいいいいいいいいいああおおおああああああああああああああ!!!!!111


誰もが怯むような大声を発し、ギコの大疾走が始まる


(# Д) がああああああっがががごごbほdsんg;;おおおおおおおおおおおお!!!111

lw´;‐ _‐ノv だ、大丈夫か?

(# Д) だだだだだだだだいいいいいいいじょおおおおおおおおおおおおお
       っぶううううううううううあああああああああああああああああああああああ!!!!!!11

耳が爆発しそうになりつつ、景色はどんどん後ろへ遠ざかる
ギコ、お前凄いぞ

lw´‐ _‐ノv ・・ごめんギコ ありがとう、ありがとう

(# Д) お礼はああああいいいいいりい、いりいいまああああせええn
ガツッ


(;゚Д゚) あ

lw´;‐ _‐ノv あ


そして感じる浮遊感


(; Д) ぐっへええええええええ!?
ズザザザザザザ

lw´;‐ _‐ノv おわわわわ・・!


盛大にずっこける我々
体が一瞬分離し、ギコは顔から地面へダイビング
そしてそのギコに重なる形で私もダイビング 痛い

(; Д) いった・・ッ! 姫様、怪我はあぁ、ないっすか・・!
     すんませんっ すんまっせんっ

lw´;‐ _‐ノv だ、大丈夫 むしろお前の方が・・


顔を擦りむき、血が滲むギコ
体は土色、足は痙攣、呼吸はぜぇぜぇ
それでも私を引っ張り、背負って走ろうとする

(; Д) い、いきますよおおおおおおおおおおおおおおおお

lw´;‐ _‐ノv ギコ、もういいから  私、自分で走るから・・っ これじゃお前が・・

(; Д) こういう泥臭い仕事はぁ、俺の仕事なんですよおぉ・・
     俺の仕事、とらんで下さいいいぃ・・

lw´;‐ _‐ノv でも・・

(; Д) あなたは、背中で、心の準備、してて下さいよ・・・・
     それが、シュー様の役割です・・ 「厄姫」としての、最後の、役割ですからぁ

lw´‐ _‐ノv !


(; Д) これで、もう「厄姫」は終わりですからねええ・・
     そんでこれ終わったら、あとは普通の姫として・・ 「幸せ」になるだけ、ですからねええぇぇえ・・
     さあああいきますよおおおおおおおぉおおおぉおお!!

lw´‐ _‐ノv ・・うん  ・・・・うん

背中にひっつき、また響きだす奇声
家に向かって疾走する

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