lw´‐ _‐ノv お前は、私の為に苦しみ続けろ

川  -) 


lw´‐ _‐ノv 誰がお前の為にこんなことをするか 全部自分の幸せの為にやっただけに決まってるだろが
       「厄もお前もいる」のと、「厄もお前もいない」・・ 私にとってどっちが幸せか、単純に判断したまでだ
       私、超我儘だからな お前の「幸せ」なんて全部ぶっ壊してやったぜ

lw´‐ _‐ノv  死んで楽になれると思ったか? 馬鹿め、お前はずーっと悪魔として苦しめ 私の為に、ずーっとだ
       ・・ははは、お前なんざ私の幸せの為に「不幸」な一生を送ればいいんだ ばーか

:川  -): ぁ・・ ・・・・・・

慰められた訳じゃありません
悪魔として苦しめって言われただけなのに、
「不幸」な一生を送れって 酷いこと言われただけなのに…

…嘘吐きじゃないですか
どんな優しい言葉なんかより、ずっと優しいじゃないですか…


<グスッ

:川  -): !

:从 ∀从: グスッ・・ ・・・・・・

:川  -): は、いん・・ ・・!

気が動転して、気付かなかったけれど…
ベッドのすぐ横には、見慣れた灰色の髪の毛が震えていました

その後ろではうつ伏せで体を伸ばす小柄な女性
扉の近くには二人の仰向けの男性が手で顔を覆い、窓の傍では俯きながら御人形を抱いた方
みんな鼻をすすって、顔を見せてはくれない


:川  -): ・・っ た、狸寝入り・・ 下手糞ですよ・・っ

:从 ∀从: ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv 残念だったなぁ、クー
       どう? 悪魔として一生苦しみ続ける気持ちはどーう?

:川  -): ・・・・・・


ずっと隠し続けていたかった 目を背けていたかった
悪魔の自分なんて、大嫌いだった
逃れられない苦しみから解放されたかった
だからこそ、こんなに苦労してたのに…
全部、水の泡です

でも、こんな簡単な、意外な言葉で…
自分の存在を、まるごと受け止められされちゃったみたいで…


もう苦しめる気なんて…


:川  -): ・・・・・・

:川  -): ・・姫様こそっ 結局、厄なんて持ち続けちゃって・・
      一生、厄姫ですねぇ・・ 厄がなきゃ幸せ感じれないなんて、馬鹿みたいですねぇ・・

lw´  _ ノv ・・そういや、結局"愛の証明"なんて出来なかったなー
       アホみたいだなぁ 命かけてまで失敗とか、救いようが無いな

:川  -): あ、そうだ・・ 姫様、「忘れて下さい」っていう約束、破りましたね・・? か、覚悟・・ しておいて下さいね・・っ

lw´  _ ノv はは、は ・・クーよ

川  -) ・・姫様



     ───────────────────────

         ───────────────

              ─────




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::: 「ずっと一緒ですからね  ずぅーっと」::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::







   嘘じゃなくなっちゃいましたね、姫様


   そーだな




   ────────────
     ──────
        ─


        ─




──「おはようございます」


lw´‐ _‐ノv ・・へあっ?

川 ゚ -゚) 姫様、起きて下さいな 朝ですよ
     さぁさぁ、顔を洗ってきて下さい ハインの準備は出来てるみたいですよ
     着替えたら外へ出ましょう

lw´‐ _‐ノv あー・・ 朝か

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

川 ゚ -゚) ?

lw´‐ _‐ノv 

lw´‐ _‐ノv おはよう、クー

川 ゚ -゚) ・・おはようございますっ


朝だ
まぁまぁ晴れてる朝
でも今日は特別な朝だ
流石特別な朝、やたらと冷えこむな


从 ゚∀从 おー、起きたかシュー!

lw´‐ _‐ノv おはよう いやー、寒いですな
       そんで家すげーな

从 ゚∀从 うむ 腕つりそう 風邪ひきそう

ハインの家が読めそうにない文字で埋め尽くされている
私達の立つ道路までにはみだし、流石に気持ち悪い
そして往来行き交う人々の目が痛い まだ朝だぞ寝てろ通行人共


川 ゚ -゚) しかし、この家ごと移動するとは・・ またスケール大きいですね

从 ゚∀从 まーね 結局厄祓えなかったからなぁ
      今後も俺の管理が必要だろうっ 長い付き合いになるぞ

lw´‐ _‐ノv でも残念だったなハイン 報酬のお金貰えなくって

从 ゚∀从 あー・・ まぁ・・ いいっていいって
      なんかそっちの国からお仕事貰えるらしいし 眼鏡マンと一緒っぽいけど

川 ゚ -゚) 神父さんも来るとは予想外でしたね

从 ゚∀从 元々戻る予定だとは言ってたが・・

< おまたせしましたああーっ

lw´‐ _‐ノv お


(,,゚Д゚) おはようございまっすあだだだだ・・
     おー、壮観な・・

从 ゚∀从 おう、おせーぞ

川 ゚ -゚) まだ足は痛みますか?

(,,゚Д゚) そーですな 立つの辛いです

ギコは先日から松葉杖をついてギリギリ歩いている
我々の想像以上の気合を持っての大爆走だったらしい
感謝の言葉をいくら並べてもその働きぶりには達しまい


(;゚Д゚) ぐぬ・・ 肩貸りるぞ つーか両足痛ぇのに松葉杖って・・

从#゚∀从 うわっ・・ お前こっち寄りかかんなよ気持ち悪いな! 一人で立ってろよ重い!

(,,゚Д゚) うるせーな、お前がしっかりしてりゃこんなことにはならなかったんだろが!
     めそめそしやがって・・ あとせめて車椅子ぐらい用意しろっつの!

从 ゚∀从 はて、何のことやら・・ お、来たな!

lw´‐ _‐ノv !


(-@∀@) おっはー皆さん お元気?

ζ(゚ー゚*ζ 

(゚、゚トソン おはようっ! 待たせちゃってごめん
  _
( ゚∀゚) あー・・ よーお・・

lw´‐ _‐ノv みんな来たかー
       ・・おお、デレも! もしかして一緒に?

(-@∀@) デレに聞いてみたら「一緒に行きたい」とのことで
       なんでも人形屋の兄貴のセクハラが酷いとか

川 ゚ -゚) 神父さんがいたらそれほど変わらない気もしますが

(-@∀@) 何もしませんがな ギコ君がお気に入りらしいから彼にでも預けますよ

(,,゚Д゚) おうおう モテる男は辛いぜ ほれ、こっちにこいデレ 眼鏡マンはバイ菌だらけだぞ

ζ(´ー`*ζ ♪

从 ゚∀从 まーそりゃいいとして・・

从 ゚∀从 トソン、お前も本当に来るのか? 俺達は全然構わんが・・

(゚、゚トソン うん もう決めたことだからさ


トソンは騎士を辞めた
クーの告白の後に何があったか詳しくは知らないが、なんだかふっきれたみたいだ
ハインに対する雰囲気も軽くなったように思える

lw´‐ _‐ノv もったいないね、せっかく騎士なれたのに

(゚、゚トソン 職業として騎士である必要は無いからさ  それに、僕自身の・・

(゚、゚トソン 

lw´‐ _‐ノv ?

(゚、゚トソン ・・"私"自身に合った生き方、探してみたいからさ
      ここに未練も無いしね

lw´‐ _‐ノv ! ・・そうだな、それならいいや
       なんならお城で庭師でもやってみる? 色々体験するといい

(゚、゚トソン いいのかい? ありがたいなぁ

川 ゚ -゚) メイドなんかもいかがです?

(゚、゚;トソン んー・・ それはちょっと・・

从 ゚∀从 義父さんに手紙かいてやれよい

(゚、゚トソン その時はまた届けてね、"ハイン"

从 ゚∀从 ・・! ・・まっかせろい!


(,,゚Д゚) じゃ、結局見送りはジョルリンだけだなぁ
  _
( ゚∀゚) あー・・ おー・・ そーだなあー・・

(-@∀@) 上の空ですね そんなに悲しいんですか、本当にツンデレですね

(゚、゚トソン ああ 実はジョルジュ、とうとう免職になっちゃったんだ

从;゚∀从 え!? マジで!? じゃあお前も騎士じゃないの!?
  _
( ゚∀゚) あぁー・・ まー・・ そーいやー・・ そーだなぁ・・ あー・・

(゚、゚トソン この間、一緒に一日中職務放棄してたからね
      いつもかばう私もやめちゃったし

(;゚Д゚) お前、そのステータスとったら眉毛以外になんの取り柄あるんだよ・・
  _
(# ゚∀゚) うっせぇなほっとけやボケ! とっとと帰れ糞共! やっぱ不幸の元凶だてめーら!

lw´‐ _‐ノv はっはっは 厄の影響が漏れ出てしまったか

(゚、゚トソン 単なる自業自得だよ

从 ゚∀从 そんじゃ揃ったことだし・・ そろそろいくとするか

lw´‐ _‐ノv ・・うむ

初めてこの国に来た時もこんな状況
けれど、あの時の薄暗さはもう無い
思っていた未来とは大分違うけど、思っていた以上にいい結末

大きな家が光り始め、さらさらと少しずつ消えていく
まずはトソン、そしてお別れの言葉

(゚、゚ト::::... ! ・・じゃーね、ジョルジュ また来るよ
  _
( ゚∀゚) あ、おう   ・・お別れだな

(゚、゚ト::::... 自暴自棄になって悪いことしちゃ駄目だからね 今度会った時は二ートじゃ駄目だよ
      "友達"としての忠告だよ
  _
( ゚∀゚) ・・・・・・
   _
...::;;;;;∀-) ・・わかってるっつーの ま、色々と悪かったよ
      今までありがt




(゚、゚ト::::... えっ
   _
...::;;;;;∀゚) えっ

从 ゚∀从 うわぁー、やっべぇーまっちがえたぁーあはあはあははははーうっひゃぁー

(;゚Д゚) (あれ?デジャヴ?)


(゚;;:::;::::::... !? な、なんでお前・・ m・・
  _
...::;;;;;;゚) え!? なんで!? ちょ、ち g・・

lw´‐ _‐ノv ・・無職だからいいか

川 ゚ -゚) あっちならまた騎士出来るんじゃないですか?

..:::: ゚∀从 シューのコネがあれば・・ おっと、お先に行くとするかね

.:::;;゚Д゚) つくづく腐れ縁だな、お前とも

..:::: ゚∀从 本当にな 腐ればいいのに お前腐ればいいのに

ζ(゚ー;;:::::.... 〜♪

(-@∀@) あちらでは王女と呼ばねばなりませんね
       ・・今まで逃げ続けてきた分、国民への贖罪も兼ねて精一杯働きますよ
       今後は臣下としてお使い下さいませ

lw´‐ _‐ノv うん パンと牛乳でも買ってきてもらうよ

..:::::;;;∀@) ぱしりかーい

lw´‐ _‐ノv ・・結局、みんな一緒だなぁ 誰も予想出来なかっただろうに

川 ゚ -゚) そうでございますねぇ・・


lw´‐ _‐ノv (・・そんで、こことも最後か)

数十秒後には自分は故郷の大地に立っているだろう
この街の中を歩くことも、教会へ行くことも無いかもしれない
そう思うとやはり無性に恋しい気持ちが沸き起こる


どれ、せっかくの最後のこの土地の地面だ
何か詩でも作って美しく最後を飾ってやるとするか!
んんー…

…嗚呼、我が道の一時の路傍に咲き誇り、様々の安息をもたらせし大地…
そう、ここは松島… いや、松島に近い… そう、松島的大地…


川 ゚ -゚) あの、姫様?

lw´‐ _‐ノv ・・む? なんだ?
       せっかく気持ちよく終わらせようと思っていたのに・・

川 ゚ -゚) いえ、実はここに居るうちに聞いておきたいことがありまして
     聞く必要も無さそうなことなのですが・・

lw´‐ _‐ノv なんだ? 言ってみろ

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) 姫様、いま幸せですか?

lw´‐ _‐ノv ! ・・・・・・


"幸せ"か


lw´‐ _‐ノv 

lw´‐ _‐ノv ・・すっごい幸せ

川 ゚ -゚) ・・! そうですk









lw´‐ _‐ノv と、言いたいところだが

川 ゚ -゚) え


lw´‐ _‐ノv なんというか・・ 正直、よくわからん

川 ゚ -゚) わ、分からない?

lw´‐ _‐ノv うん ・・今回の一件で思い知らされたが、"幸せ"って凄い難しい
       あの後も自分で考えてみたんだが、考えれば考えるほど分からなくなってきた

lw´‐ _‐ノv 自分でこっちの方が幸せだと思っての判断はしたが・・
       それが正しいかどうかは分からないや
       結局、厄持ったままだし・・ 本質が変わった訳でも無いし・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) そう・・ ですか ・・そうですよね 難しいことですものね・・

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv でもな、クー 確実に言えることが一つあるぞ

川 ゚ -゚) ? ・・なんですか?


ほんの少しのちょっとした言葉
けれど、私にとっては大切な真実


lw´‐ _‐ノv 幸せかは分からない けど・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・




川 ゚ -゚) 

lw´‐ _‐ノv ・・じゅーぶんだろ?

川  ー) ・・充分でございますね

...:::::;;;;;‐ _‐ノv ・・手、繋ぐかっ

....::::;;;; ー) はい・・!


自分が幸せなのかは分からない
幸せ自体が何なのかもよく分からない
頭を捻っても今の私には答えを出せない



でも、手に感じる確かな温もり
これがあれば、別に不幸では無い




ま、そういうわけで──











 【lw´‐ _‐ノv厄姫様は別に不幸では無いようです】






            〜おわり〜


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