[王室]

( ´ω`) zzz...


;;::: ゚ -゚) (・・ハイン、どうやら成功した様ですね)
ゴニョゴニョ

;;;:::; ∀从 ッブハァーッ! ゼハァーッ!ゼハァーッ!ンッ・・ぐふぇッ!
      ・・ハァーッ!!ッハァーッ!ッハァー・・ハァ・・ アフゥッ!!ハァーッ!フゥーッ!!

川 ゚ -゚) (ハイン、五月蠅いですよ! 王様が起きてしまいます!)
ゴニョリン

从; ∀从 モ・・ もういy・・ ハァァァッ・・ハァァッ・・ハァゼェーッ!!
       だ・・め・・ハァハァハァ・・ンッ・・ハァ・・・ハァ・・げほふぅっ!!

人生で肺が突き破れそうになったのはこれが初めてだ
本当に破れるこれ ていうかもう破れてるかも
メロスの挫けそうな気持ちが初めて分かった
馬鹿にしてごめんなメロス お前は凄い奴だよ


( ´ω^) ん・・ んぉ?

川 ゚ -゚) 从; ∀从      ッ ! ! ! !

(; ^ω^) ・・ん? あ、あれ? お、お前ら・・?
       何して・・ !?

やばい まじでやばい 何がやばいって凄いやばい
これは今にも叫びそうな勢いだ あぁああやばいやばい
まだ呼吸の整っていない俺は焦る事しか出来ないいいぃぃやべええええ


(; ^ω^) !? お、おい! 誰か来──

…ああ、もう終わった 計画失p







川 ゚ -゚) 
  と彡Σ#);゚ω゚),;’,”
パァーンッ!!    ブフゥッ!?


从 ∀从 

#);゚ω゚) ・・え? お、お前・・ ク、クー・・ かお?

目を疑った
自分が使える王に平手打ちとは予想外過ぎる
某横綱だってそんな事はしない
俺の国では即刻クーの首が飛んでいたに違いない


川 ゚ -゚) ・・こんばんわ王様 夜分遅くに失礼致します
     死を覚悟でここに参上致しました

#);゚ω゚) ・・こ、これは一体どういう事・・ だお?
      お前ら・・ 一体・・

川 ゚ -゚) これは単刀直入に用件を伝えた方が良いんですかねハイン?
     それとももうちょっと待った方が良いのでしょうか?

从; ∀从 ゼェーハァー・・クフゥッ・・ ま・・ まかせ・・た・・ ハァ・・ヒィ・・


後は全てクーの仕事だ
俺は傍観に徹する事としよう
肺の回復に努める事にする

(; ^ω^) ・・僕を殺しに来た、っていう訳じゃあ無さそうだお

少し時間をおいて、王が口火を切った
自分の娘の世話役であるクーの姿を認識し、自分が安全だという事は理解してくれた
よく観察して見ると、頬が少し痩せこけている 病気というのは本当らしい



川 ゚ -゚) ・・あなた様が国の為に身を削り、病の身である事を分かった上での私たちの行動
   ハァ これは決して許されるものでは無いでしょう ハァ
ハァハァ                  ハァハァ・・
川 ゚ -゚) ですがこうしなければいけない相応理由があるので御座います
     こうしなければいけないお話があるのです     ゴフッ・・ハァ・・フゥ・・
     ご理解して頂けますでしょうか
    ハァ・・        フゥ・・フゥ・・
(; ^ω^) ・・ここで「分かった」と応えるのは王らしからぬ事かもしれないけど・・
       お前の事、信頼するお
         ハァ・・ ハァ・・
川 ゚ -゚) 本当にありがとうございます王様      ヒィ・・ヒィ・・
      私もあなた様を信頼してこその行動だっゼーハァーゼーハァーに余る光栄で御ハァハァます
    フゥー・・フゥー・・
(; ^ω^) で、話っていうのはやっぱりシューフゥ・・ヒィ・・かお?
       冷静なお前がこんな馬鹿げた事するなんてゴプッ・・ハァ・・らいしか考えらrフゥ・・ヒィ・・


川#゚ -゚)(# ^ω^) うるせえッ!!

从; ∀从 勘弁しt・・ ハァ・・フゥ・・

何とか呼吸を無理矢理整え、二人の会話を続けさせる
頑張れ俺の肺

(; ^ω^) ・・さて、邪魔が入ったけど、話の続きだお
      お前がこんな事をしてまで言いたかった事、しかと聞くお

川 ゚ -゚) 本当に申し訳御座いません
      後で彼女の首を持ってきますので、それでお許し下さい

从; ∀从 待てーい

( ^ω^) いや、いらん 本当にいらん
      ・・そろそろ本題を頼むお
      これでも体がガタガタなんだから・・

川 ゚ -゚) ええ、それでは単刀直入に申し上げますが・・

川 ゚ -゚) 何故、「姫様の暗殺を企てたのか」理由を仰って頂きましょう

( ^ω^) ・・!


場の空気、王の表情、緊張感、全てが一変した
王の目から光が消える
痩せた頬に映える光は無い
常時微笑を浮かべているその顔が仮面に見えた


繁栄ある未来を夢見続け、国を憂い続ける人間の目とはこういうものなのだろうか
悲しみのような
怒りのような
諦めているような、目

その目に映るは目前のクーなのか
それともこの状況でも国の未来の事なのか


止まった時間を動き出させたのは、またもや王の口───

( ^ω^) ───どうして、分かった?

川 ゚ -゚) おや、否定しないとは流石王様 潔いですね
     名推理でしたでしょう? 誉めて下さっても結構ですよ

( ^ω^) ・・だから、どうして分かったんだお?

川 ゚ -゚) ・・姫様が刺された際、「国の未来を憂える人間が仕向けたのではないか」と思ったのが始まりです
      どうも私怨の様では無いな、と
      刺した瞬間、私怨の割には冷静すぎたと言いますでしょうか・・
      緊張していたのは感じたのですが、感情の大きな乱れを感じませんでしたので

川 ゚ -゚) 後は実際に本人と会って確認した、それだけの事です
      どうです、簡潔でしょう?

( ^ω^) どうしてそこから実の父である僕に結びついたんだお?
       じぃが口を滑らせたのかお?

川 ゚ -゚) それに本人に聞く以前から、私自身が「あなたではないか」と疑っていましたので
      ちょっと誘導してあげたら遠回しでしたがあっさり自供しましたよ
      要はハッタリが半分ですね

( ^ω^) なら、どうして僕を疑っていたんだお?
       お前の言う、他の「国を憂える人間」の仕業かもしれなかったのに

川 ゚ -゚) ・・・・

川 ゚ -゚) ・・私が、もしも私があなたの立場だったなら・・
     どんなに疲れていようと、どんなに暇の無い状況でも

川 ゚ -゚) ・・必ず、娘の容態を案じて見舞いに来ますから・・

( ^ω^) ・・・・・・


川 ゚ -゚) ・・昔のアナタでしたら、飛んで駆け付けたはずです
     そんなアナタが来なかった
     優しいはずの王様が来なかった

川 ゚ -゚) これだけで充分でしょう? あなたを疑うには充分すぎるくらいの理由です

( ^ω^) なるほど 鋭いもんだお・・

一通り話を聞いた王はベッドに腰を深々と沈める
話を聞いている間、苦しそうにしていたのは体調のせいだけでは無いだろう

川 ゚ -゚) さて、今度は私があなたの話を聞く順番です

川 ゚ -゚) 何故、あんな事を命じたのですか?
      理由次第ではあなたといえども

川 ゚ -゚) ・・容赦しませんよ


从;゚∀从 (・・あっ、やばいかもこれ)

顔は冷静なままだが、発言内容からしてかなり頭に血が上っている
暴走するなよーマジで
冷静な分、時に初号機並に暴走するからなコイツは


川 ゚ -゚) さぁ王よ、早くご説明を・・

( ^ω^) ・・・・・・

( ^ω^) ・・説明も何も・・・・

王が大儀そうにクーの質問に応える
まるで分かり切っている事を子供に話すような口ぶりで


( ^ω^) ・・今この国が傾いている原因がシューだという事はお前だって分かり切ってる事のはずだお?
      だったらその国の繁栄の為の障害を取り除くのが王の仕事

( ^ω^) ・・ただ、それだけだお

川 ゚ -゚) ・・本気で・・・ 本気で仰っているのですか・・ッ!?

クーの声に怒気がこもり始めた
これは駄目かもしれん 俺は密かに懐の杖に手をかけ、万全に備えた

( ^ω^) それに・・ この状況でもしも僕が死にでもしたら・・
       それこそ国の終わりだお 僕の働きがこの国を支えているから
       これが慢心ではないという事はお前だって分かっているはずだお

川 ゚ -゚) そんな理由で・・ 自分の娘に手をかけようと・・っ!

( ^ω^) 「そんな理由」!? 口を慎めクー!
      王は国を守る義務があり、人民を守る義務がある!
      自分の娘がどうなろうと・・ 国を案じ続けなければいけないんだお!

川 ゚ -゚) ・・見損ないましたよ・・ 王・・!
     あなたの様な人の下で・・ 今まで姫様を生活させ続けていたなんて・・ッ!

( ^ω^) ・・・・・・

川 ゚ -゚) 国を愛する事だけに溺れ・・ 娘を愛する事を失ったアナタなんかに・・
     人民なんか、誰もついていk


(# ^ω^)   違  う  ッ  ッ !  !  !


川 ゚ -゚) ッ!

(# ^ω^) お前にッ! お前に何が分かるッ!?
      何度娘の下に駆け付けようとしたかッ!
      何度国務を投げ出して娘の看病に行こうとしたかッ!!

(# ^ω^) もしも僕が平民だったなら! 普通の父親だったならッ! 純粋に娘を愛せたならッ!
       全てはただの理想に過ぎない考えが何百回頭の中をよぎった事か!!
       何度自分の地位を恨めしく思ったかッ!!!

(# ^ω^) 僕の葛藤がお前なんかに分かってたまるかお!
       その背に国を抱えた事の無い人間なんかにッ!
       国と娘を天秤に掛けてしまった人間の気持ちがッ!!

(# ^ω^) 愛したくても・・ 愛せない・・ 気持ちがァア・・ッ!!


川 ゚ -゚) ・・・・・!!

川 ゚ -゚) 王・・ あなた・・

( ^ω^) ・・迷いを捨てるには・・ 父親である事を捨てるには・・
      ・・シューを殺すしか・・ もう・・ッ

(  ω ) 本当に・・ 愛しているから・・
       このままじゃ断ち切れないから・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・

从 ゚∀从 ・・・・・・


力強い声が消え入りそうな声へと変わっていく過程の中で俺は痛感する
完全に染まりきる事が出来る人間なんて、そうはいないものだと

国を守りきるという決断は、娘を捨てた男の決意だったんだ
それが「娘を殺す」という非道の道でも
一つの決意として選んでしまったから、変えようが無い選択をしてしまったから
もうこの男はそれに向かって突き進んで行くしかないんだ

時計の秒針だけが響く部屋
何ともまぁ、居づらいものだ


( ´ω`) ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・・・・・


全くコイツめ
勇んで王の元に来て、理由を聞かされたらこれだよ
完全に戸惑ってんじゃねーか 善と悪だけで物事を判断しようとするからこうなるんだ
こんな奴にルパンが務まらない事は一目瞭然である 一生掛けたってクラリスの心なんて盗めやしない
王の理由を聞く覚悟が足りなかった様だなクーよ ざまぁ〜みろぉ〜 ふはははははは



さて、そろそろこの凝り固まった状況を打破といこうか
最後の大トリは俺が貰う事にしよう
ただの悲劇はシェイクスピアにでも任せる───

从 ゚∀从 ──5000万で手を打とうかね

川 ゚ -゚) 

( ´ω`) 

川 ゚ -゚)(; ´ω`)  ・・は?

全く理解力に欠ける奴らはこれだから困る
俺の職業を忘れないでほしいものだぜ、クー


从 ゚∀从 一つ言っておくぞ? 大負けに負けて5000万なんだからな?
      国王からの依頼だったら、億単位が普通なくらいだ

(; ^ω^) ・・? だから何を言ってるんだお? 口止め料って事かお?

从 ゚∀从 ・・だーかーらー

从 ゚∀从 俺がお前を「父親に戻してやる」っつってんだよ
       精一杯、力一杯に娘を抱きしめさせてやる権利をやるよ

(; ^ω^) ・・?

川 ゚ -゚) ・・!

从 ゚∀从 「国王」である事を捨てずに、「人民」を捨てずに、
      何物をも気にする事なく娘を抱ける権利だ
      アンタにこれ以上の幸福はあるのかね?

( ^ω^) ・・お前、一体・・・・?

从 ∀从 それともこの幸福な権利、お前はいらないっつーのか?
       王様さんよ────


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───俺はクーの後に続いて長く暗い廊下を歩く
小国といえども流石は城、何だか素敵な感じのする絵とかが沢山飾ってある
うん、素敵だ 今なら本当に素敵に感じる
芸術なんて気分次第って事だな

从*゚∀从 (ぬっふふふふ・・ 5000万かぁ・・ 貰ったら何に使うかなぁ・・)

川 ゚ -゚) ・・まさか、王にあんな事をふっかけるなんて
      もう私が依頼していた事じゃないですか、姫様の厄祓い

从 ゚∀从 俺がお前とした契約は「シューの厄払い」
      俺が王とした契約は「父親に戻してやる」

从 ゚∀从 やる事は一緒でも、依頼内容は全くの別物だぜ?
       文句あんのか? お?

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) とってもグッドです

从 ゚∀从 グッドだろう


コイツが俺を素直に誉めるなんて久々だな
まぁ、悪い気はしない

川 ゚ -゚) さて、最後にもう一つ問題が残っていますね

从 ゚∀从 ん・・ 何かあったか?

川 ゚ -゚) 「どうやって姫様を国外に連れ出すか」ですよ
     何かいい案でもあるんですか?

从 ゚∀从 ? 俺の魔法で一発だろ

川 ゚ -゚) そういう事ではありません 「口実」ですよ
     何の理由も無く連れ出す訳にはいかないでしょう?
     本当の事を伝えるわけにもいかないですし・・

从 ゚∀从 あぁー・・ はいはい そーゆー事ね

从 ゚∀从 ・・ま、とりあえず今行ってみない? シューの部屋に
      ちゃーんとそこまで考えてるから、俺

川 ゚ -゚) あら、それは意外でした
     とりあえず今日だけはあなたを信頼するとしましょう

从 ゚∀从 いつだって信頼していてほしいもんだぜ

川 ゚ -゚) 無理です


川 ゚ -゚) ・・おや、光?

そのままクーと少し歩き、姫の部屋に着く
すると部屋には明かりが灯っていた
少し戸惑い気味のクーの背中を押し、部屋に入らせる俺
やはり予想通り、忙しく動き回る小さな姿があった

川 ゚ -゚) ・・姫様? まだお起きなのですか?

lw´‐ _‐ノv ・・おっ、遅かったなクー  準備はもう出来てるぞう

川 ゚ -゚) ・・? 一体何をされてらっしゃるんですか?
     こんな夜中に・・ 準備とは?

lw´‐ _‐ノv ん? だから

lw´‐ _‐ノv 荷造り

川 ゚ -゚) ・・?

lw´‐ _‐ノv 

川;゚ -゚) ・・ッまさか姫様・・・!!

lw´‐ _‐ノv ・・あ、ハイン 「手鏡」返すよ
       良い感じの解像度だったよ 音声も申し分ない
       ソニーも真っ青だな

从 ゚∀从 おう、何せ俺のハンドメイドだからな!

川 ゚ -゚) ・・その鏡、も、もし、かして

从 ゚∀从 うむ 鏡から「俺視点」の状況が見えるようにしといた

lw´‐ _‐ノv 臨場感バッチリだったよ

lw´‐ _‐ノv ・・父さんの声、とかも

川 ゚ -゚) 


やっと気付いた様だ

全て筒抜けだった事に
王の企てを愛しの姫様に隠せ通せなかった事に
そして俺の方が頭脳では一歩上だという事に

ふははは出し抜いてやったぜクー、別に出し抜くとかそういう問題じゃないけど
本日二度目のざまぁ〜みろぉ〜

川 ゚ -゚) ・・ち、違う ん ですよひ、ひめっ さm ま
     あれはえんg え 演劇の練っ 習 でしt でして その あの

lw´‐ _‐ノv ・・別に無理して隠そうとしなくていいよ、クー
       ていうか何だその焦り方  面白ッ

何というテンパり具合
少々唇が震えている

川 ゚ -゚) ・・ショック、なのでは無い・・ のですか・・・・?

lw´‐ _‐ノv ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv ショック、だよ 勿論

川 ゚ -゚) 



:川  -): ・・ハイン?
      これは一体・・ッ どういう・・ 事なんですか・・ッ!?

いかん、王との会話時よりも怒っている気がする
必殺技発動しそうな勢いである 死んでしまう

从;゚∀从 ・・この事はな、コイツが知っておかなきゃならない事だからだ
      お前の行動から大体の事情は飲み込めたからな
      事前に鏡を渡しておいたって訳だよ

川 ゚ -゚) 知らなきゃいけない事・・? どんな事情であろうと、父親が娘を殺そうとした事実がですか・・ッ?

从 ゚∀从 そうだ その通りだ 所謂ザッツライトだ


从 ゚∀从 ・・コイツはな、今まで半閉鎖状態で生活していたから実感が無かったんだよ
      自分の持つ厄の大きさが 及ぼす影響が どれほど国を疲弊させているかが

从 ゚∀从 どんな事情だろうと、コイツは一旦国を出ていく理由の重さを知る必要がある
      どんなに辛かろうと、現実から目を背けさせては絶対にいけないんだよ

川 ゚ -゚) ・・・・・・

从 ゚∀从 それにさ、お前が思ってるほどコイツは弱くないぜ?

lw´‐ _‐ノv あぁ、強いとも 曙ぐらいに

川 ゚ -゚) ・・本当に納得してらっしゃるんですか、姫様?

lw´‐ _‐ノv まあ、ね 悲しかったけども

川 ゚ -゚) ・・・

lw´‐ _‐ノv でも・・ 「夢」、出来たから
       乗り越えられると思う 多分

川 ゚ -゚) ・・夢、ですか?

lw´‐ _‐ノv あぁ


lw´‐ _‐ノv 父さんに抱きしめてもらう、っていう夢

川 ゚ -゚) ・・!

lw´‐ _‐ノv だからさ 何とも無いよ 終わりじゃないんだし

川 ゚ -゚) ・・・・・・

lw´‐ _‐ノv ・・どうした、クー 黙ってないで何か言え
       大分恥ずかしいんだぞ、今の発言

川 ゚ -゚) ・・・・・・

川 ゚ -゚) ・・代わりに今は・・
     私が抱きしめて差し上げます

lw´‐ _‐ノv ・・いや、いいから

川  -) よくないです

lw´;‐ _‐ノv ぐおっ! や、やめろ! 恥ずかしい!
ギュゥウウッ

从 ゚∀从 ・・・・・・


ああ、微笑ましい光景だ 家族ってこんなの何だろうかね
俺は爺ちゃんに抱きしめて貰った時の事を思い出した

…駄目だ、加齢臭の事しか思い出せねえ
畜生、羨ましい 老人以外の誰か、俺を抱きしめて

从 ゚∀从 よし、それじゃあクーも納得した所で・・
      移動開始だッ!

川 ゚ -゚) もう移動するのですか?

从 ゚∀从 善は急げというだろう! もう俺の家にスペースは用意済みだぜ!

lw´‐ _‐ノv 荷造りはもう済んだぞー 出来るだけ物少なくしといた

从 ゚∀从 そんなモンはいらーんッ! そこら辺に置いておけ!

lw´‐ _‐ノv ? でも大事なものとかが・・

从 ゚∀从 ふふふふ・・ 安心しろシュー
      今から・・ 「部屋ごと移動」させるッ!

lw´‐ _‐ノv おおおおおぉぉぉぉ・・っ!


早速俺は部屋中に呪文を書き始める
腕痛ぇな畜生 一日にこんだけ書いたのは初めてだ
赤ペン先生を尊敬するね俺は

从 ゚∀从 よし、じゃ飛ぶぞ〜
      徐々に一つ一つ移動していくから、そこんとこ宜しくな

lw´‐ _‐ノv川 ゚ -゚) おーっ

呪文を無事に書き終わり、早速大規模ま移動魔法を発動する
まずはベッドが消えていき、椅子、クローゼット、本棚、と物が少なくなっていく


;;;:::´‐ _‐ノv うおおっ! 消えてく! 何これ! 格好いいぞ!

;;:: ゚ -゚) 私はもう経験済みですから驚きませんもんね

从 ゚∀从 なはははは それじゃー先に行って休んでてくれ
      俺もそろそろ移動すると思うから

从 ゚∀从 ・・・・ははっ


あいつらが消えて行く光景を見ながら俺は期待に胸を膨らませていた
なかなか楽しい日常になってくれそうだな、と

女三人、ゆっくりと日々を暮らしていk

(,,゚Д゚) おい、とっくに一時間過ぎてるぞ
     とっとと牢に戻りやがれ





从 ゚∀从





(,,゚Д゚) 

从 ゚∀从

从 ∀从 お、 お、 おま ま


;;:::゚Д゚) ・・ん? 何だこれ・・ え? ・・あれ?


;;;:::::::::: 消え・・・・っ


;;;::::∀从 ・・・・・・





「馬鹿野郎」
俺が叫んだ時、既に女三人の中に不純物が混ざっていた

まぁ家畜が増えたと思おう
そうしないと憤死しそうだから───


-続ぬん-

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