朝、目覚めて辺りを見回す
いつもと変わらない家具配置
いつもと変わらない部屋の空気
いつもと変わらない居心地
一つだけ変わった事がある
窓からの風景だ
lw´‐ _‐ノv ・・どこだろーな、ココ
(,,゚Д゚) どこ・・ッスかねぇ・・
lw´‐ _‐ノv
(,,゚Д゚)
もう一つ変わってた
何か変なのが増えてる
第五話:厄姫さんと白色神父さん
ふと気付くとギコがいるじゃあないか
一体どうした事だろう、ハインの事でも追ってきたのだろうか
世の中には物好きも居るものだ 関心である
lw´‐ _‐ノv ギコ、ハインのどこが好きなんだ?
純粋な好奇心として聞いておきたいんだが
(#゚Д゚) 好きじゃなーいッ!
从;゚∀从 好っ・・!? ぐっ・・ は、吐き気が・・
川 ゚ -゚) 袋ならここにありますハイン
从;゚∀从 す、すまnオボエエエエェェロロロ・・
(;゚Д゚) えぇー吐くほど嫌いだったのか!? 流石に挫けそうだぞ俺・・
川 ゚ -゚) あら、フラれてしまいましたね 私が慰めてあげますよ
(#゚Д゚) だからちっがぁうッ! というか詳しい状況の説明をして欲しいんですが・・
川 ゚ -゚) かくかくしかじかつーかーつーかー
(;゚Д゚) そ、そんな事が・・
lw´‐ _‐ノv わぁ便利な説明ー
まぁギコはフラれてしまったが愛は一度っきり伝えて終わりじゃない
きっと望みはあるさ 多分無いけど
lw´‐ _‐ノv まぁ、ハインもいつかきっと気付くさ お前の情熱(笑)にな
(#゚Д゚) やめてくんない!? いくら姫様といえどもそういうのやめてくんない!?
从;゚∀从 ち、違うんだシュー、 コイツは・・ 実はお前の事が大好きで・・
ロリコンなんだ、コイツ・・オエェップ・・
lw´;‐ _‐ノv ッ・・!? お前、今まで私をそんな目で・・ うそだろ・・ うわぁ・・
(#゚Д゚) ちッがいますッ!
川 ゚ -゚) あら、姫様は私の物ですよギコさん
(#゚Д゚) ライバル視すんなッ!
クーまで参加してきた
何だこのラブコメ 不快極まりない
クーに背中をさすられながら出すものは出しきった様子のハイン
何かよく吐くなコイツ 魔法使いの雰囲気が台無しだ
从 ゚∀从 ふぅ・・スッキリした・・ さて、茶番はここまでだ
今から魔法陣作ってやるからとっととそれに乗って帰れ 寧ろ土に還れ
(,,゚Д゚) 土には還らないが国には帰りたい 無性に帰りたい
川 ゚ -゚) やっぱり便利ですねぇ魔法 私も使いたいです
从 ゚∀从 あぁ、そりゃ無理だ これは生まれ持っての才能の問題だからなぁ
カリカリ お前には向いてないと思うぜ
lw´‐ _‐ノv へぇ 私もか?
从 ゚∀从 無理だな そもそも魔術師になれる奴なんて10万人いて1人いれば多いぐらいだ
カリカリ 遺伝とかも関係してくるしなぁ
lw´‐ _‐ノv ・・というか何だ、本当にもう帰ってしまうのかギコ
(,,゚Д゚) ・・はい?
lw´‐ _‐ノv どうせいつでも帰れるんなら、もう少しゆっくりしていけばいいだろう
(,,゚Д゚)
lw´‐ _‐ノv
(,,゚Д゚)
(,,゚Д゚) お、おう 悪くない ッス ね
从#゚∀从 なッ!?
川 ゚ -゚) (あら、本当にロリコンさんだったんですかギコさん・・)
人は多い方がいいだろう その方が私としても嬉しい
ハインの鬼の様な顔が視界に入ってきたが無視しといた
ただ、ギコは私の厄の影響をモロに受けてしまう事が気がかりである クーがいれば安心なんだが
まぁ、ロリコン、ストーカーときたら多分M属性も持ち合わせている可能性が高い
逆に悪い事が起きて喜ぶかもしれない うん、ギコなら喜びそうだ 良しとしよう
从 ゚∀从 ああ不本意だ あぁ不本意不本意 なんでこんな奴が・・
・・気を取り直して今後の生活についてでも説明すrギコ死ね糞が
川 ゚ -゚) 気を取り直せてませんハイン
(#゚Д゚) ・・・・・・
今後、憎み会いながらも愛を育んでくれるのでは…
と期待していたが流石に駄目な気がするぞ
声に籠もっている感情が憎悪100%である いちごが見当たらない
从 ゚∀从 とりあえずお前はそこの隅っこで大人しくしてろ
異論は認めん 皮剥ぎ取って追い出すぞ糞が死ね変態
(#゚Д゚) ぐぬぬ・・ッ
おっと間違えていた
憎悪95%、殺意5%といったところだ
从 ゚∀从 ・・さて、まずは今後についてだが
我々の第一目標は勿論、シューの厄を除く事
それなりに時間がかかる事を覚悟してもらおう
まぁいくら長くとも一年 短くで半年ってところかね
lw´‐ _‐ノv ふーむ その間、何か特別な事したりするのか?
从 ゚∀从 いや、いつも通りお前には「水」を飲み続けてもらうだけだ
最後の最後に俺の華麗なる魔法で厄をブッ飛ばすって訳だ
川 ゚ -゚) あの水、飲んでるだけじゃ駄目なんですか
从 ゚∀从 うむ 実はあの水、厄を弱らせるというよりも
「本人の精神的抵抗力を高める」効果があるんだよ
シューの抵抗力を極限にまで高めた後じゃないと祓い辛くてね、厄
lw´‐ _‐ノv なるほどなぁ
从 ゚∀从 だからお前が何らかの理由で精神的に不安定になったりすれば、厄は力を増す
神経図太そうだから心配無さそうだが、一応気を付けてくれ
lw´‐ _‐ノv 合点でい
从 ゚∀从 で、これからの共同生活については既に決めてある!
まずはシュー! お前は外に出てクーと一緒に社会見学をしろ!
lw´‐ _‐ノv へ? 何で?
从 ゚∀从 お前は王族かつ半監禁状態で過ごしていたから世間を知らなさすぎる!
この間にいろいろ見て、聞いて、感じて、勉強しろ!
クーがいれば厄も安心だからな!
なるほど、意外と私達の事を考えてくれているみたいだ
もし私に姉さんが居たとしたらこんな感じなのかな
川 ゚ -゚) これからは怪我が治ってもずっと一緒ですね、姫様
lw´‐ _‐ノv あぁ、そうみたいだな
川 ゚ -゚) ずっと一緒ですからね ずぅーっと
lw´‐ _‐ノv ・・あ、あぁ そうだな
川 ゚ -゚) ずぅーーーーーーーっと うふふ
おい、何か怖いぞ
ヤンデレ要素入ってきてないかコイツ
从 ゚∀从 クーは基本的にはシューと一緒だが、家事全般はお前の仕事だ!
時にはシューにも手伝わせてやれ あまりシューを一人にすんなよ
川 ゚ -゚) 得意分野ですね お任せ下さい
从 ゚∀从 で、そこの蛆虫は仕事捜して我が家に金を入れろ
一週間以内に10万支払えなかったら強制退場でえーっす
(#゚Д゚) ぐぬぅ・・ 俺だけ職探しかよ畜生・・
从 ゚∀从 そりゃそうだろ
昨日の晩に、クーから既に二人分の生活費は貰ってんだからよ
(,,゚Д゚)´‐ _‐ノv ・・え?
川 ゚ -゚) ごめんなさいギコさん 二人分だけでもう貯金がすっからかんでした
(,,゚Д゚) い、いや・・ 逆に気を遣わせてしまったようで申し訳ない・・
lw´‐ _‐ノv ・・・・・・
後でちゃんと御礼言わなきゃな
从 ゚∀从 ま、後はてきとーに日々を楽しんでくれ
あぁ、家に仕事の依頼人やら襲撃者やらが来る事もあるからそこんとこ宜しく
lw´‐ _‐ノv しゅ、襲撃者・・?
从 ゚∀从 いや、まぁ・・ 気にするな・・ 滅多に来ないから
川 ゚ -゚) 姫様、細かい事は気にせず散歩程度に外出しましょう
新しい街ですので、まずは地理の把握が必要です
お腹の怪我に負担がかからない程度にかるーく
lw´‐ _‐ノv う、うむ そうだな 久々に外歩きたいしな
(,,゚Д゚) 俺も職探し行くか・・
疑問を含んだまま、私達は部屋を後にする
私の部屋の窓から眺めた感じでは、ここは森の中のようだ
窓からは木々と小川の風景を見る事が出来た 鳥の鳴き声も聞こえる
街まではどれくらい歩くのだろうか
どれくらい人がいるのだろうか
どんな家々が待ち構えているのだろうか
胸を高ぶらせつつ、外へと出る
lw´‐ _‐ノv ・・あら?
川 ゚ -゚) ・・おや?
(,,゚Д゚) ・・んぁ?
がちゃりと外に出れば予想外
家を出るとそこは人の行き交う往来
がやがやがやがや、鳥の鳴き声は聞こえない
lw´‐ _‐ノv な、なんと 街中だったのか・・? それに家も・・
川 ゚ -゚) 凄いですねぇ、魔法って
中からだとあんなに広いお屋敷でしたのに、外から見たらただの小屋程度の大きさですよ
(,,゚Д゚) 窓からの風景も他の場所だったのか・・
魔法使いも伊達じゃあねえなぁ
あんな軽そうなキャラだから何も感じなかったが、ハインはもしかして凄い奴なのだろうか?
少し尊敬せざるを得ない様だ
今まで小汚い服の変な奴だと思っててごめんな、ハイン
お前は立派なガンダルフだ
そんなこんなでギコと別れ、都会風な街を散策する
所謂上京した田舎者気分である 人にぶつかりそうで怖い
華麗な装飾の店
通りを馬で駆け抜ける騎士
広場の中心には巨大な噴水
私がいた国の寂れ様がよく分かる
川 ゚ -゚) ・・わぁ
lw´‐ _‐ノv おぉ!
川 ゚ -゚) へえぇ・・
lw´‐ _‐ノv うっほー
川 ゚ -゚) うあーっ
lw´‐ _‐ノv ・・もう少し驚きのバリエーション持たせようかクーよ
川 ゚ -゚) そうですねぇ・・ でも、実は私も世間知らずなものでして
本当に驚いちゃいます
lw´‐ _‐ノv なーるほど 一緒だなっ
川 ゚ -゚) 一緒に学んでいきましょうね
川 ゚ -゚) あっ、アレなんて楽しそうですよ姫様!
道化師がいます!
lw´‐ _‐ノv おぉ、本当だ面白そうだな
川 ゚ -゚) 早く見に行きましょう 終わってしまいますよ!
どうやら私よりも従者の方がはしゃいでしまっている
こんなに楽しそうにしているクーも見るのも久々だ
私まで楽しくなってくるじゃないかコノヤロウ
川 ゚ -゚) さぁ、早く姫様!
lw´‐ _‐ノv 分かったから走るなって 転ぶぞー
どちらが保護者かわからん
まぁ新鮮でいいけどな
( +∀・) さーて、始まるよー ちびっ子おいでー
l从・∀・*ノ!リ わーいなのじゃー!
(*・д・) 楽しみでち!
川 ゚ -゚) た、大変です姫様 私ちびっ子じゃないです
lw´‐ _‐ノv 私はちびっ子だ よっしゃ見れるぞ ざまぁみやがれ
( +∀・) ちびっ子じゃない子もおいでー 楽しいよー
川 ゚ -゚) よかった、私も見れます ざまぁみやがれです
lw´‐ _‐ノv うるせー主人に向かって何だその口のきき方は
全く、少しテンションがあがるとコレだ
もう少し従者だという意識を持ってほしいものだ
アイアム姫だぞ、姫
( +∀・) (おや? 彼女達・・)
( +∀・) ・・・・・・
( +∀・) ・・じゃ、始めるよーん
( +∀・) ほーらほらほら、人形がお手玉するよー 凄いよー
lw´‐ _‐ノv おぉっ凄い どっちかっていうと曲芸師だな
川 ゚ -゚) !?
( +∀・) ほら、実はここ壁があるんだよー
lw´‐ _‐ノv おお、パントマイム
川 ゚ -゚) ッ!? ?
( +∀・) ほらほらー、耳がおっきくなっちゃったよー
lw´‐ _‐ノv ・・いきなり質が下がっt
川 ゚ -゚) ・・・・・・ッ!? !?
lw´‐ _‐ノv ・・クー、お前・・・・
川 ゚ -゚) ・・お、驚いてません、よ?
驚いてないらしい
こっちは吃驚だよ、お前に
周りの子供達は未だに大はしゃぎである 私もはしゃぎたい
だが高貴なる王族の血がそれを抑えさせる
畜生、どっか行け血 はしゃがせろ
l从・∀・*ノ!リ 凄いのじゃー! かっけーのじゃー!
( +∀・) ふはははは、これが道化師の底力なのだよ
(*・д・) もっとやって欲しいでち!
( +∀・) もー終わりね今日は 疲れたから
l从・∀・;ノ!リ えぇー!? もっと見たいのじゃー!
( +∀・) 大人は汚い生き物なんだよーん
ほら、そこら辺で遊んできなさい! 散れちれーい!
川 ゚ -゚) お、終わりですか、そうですか・・
lw´‐ _‐ノv お前はクールキャラを改めろ
lw´‐ _‐ノv ほら、気を取り直して他の所に行こう
まだまだ魅力は沢山あるぞーう
川 ゚ -゚) それもそうですね いろんな所見て回りましょう
( +∀・) あ、ちょっと待って そこのお二方
lw´‐ _‐ノv ・・んぁ?
川 ゚ -゚) おっ! もしかして続きをやる気ですね! さぁ早く! ほら!
( +∀・) いや、違う・・ もうやらない・・
川 ゚ -゚) ・・・・・・
駄目だコイツ
最早テンションが最高潮だ
( +∀・) 「外をそんな格好で歩くと目立つ」と老婆心ながら注意したかっただけだよ
まるでどこかの王女様と従者みたいですよあなた方
lw´‐ _‐ノv ・・あ、そういえばそうだな
川 ゚ -゚) あら、これはうっかりでしたね
確かに目立つのはあまり喜ばしい事では無い
金持ちそうに見えてひったくりに遭うかもしれん
( +∀・) 洋服屋はそこの角を曲がればあるから、新調なさっては?
それじゃ、私はこれで・・
川 ゚ -゚) わざわざご丁寧にありがとうございます、名も知らぬ道化師さん
lw´‐ _‐ノv また来るよー
( +∀・) じゃ、また会いましょうねぇー
なかなか親切な人間もいるものだ
冷血かつ残虐残忍な人間ばかりだと思ってたんだが、偏見だった
そこら中に動物の死骸が転がっているようなイメージがあったぞ、都会
川 ゚ -゚) 言われてみれば私達、ちょっと目立ちますねぇ
lw´‐ _‐ノv そーだな 二人でこの格好は金持ちっぽいな
何かヒラヒラだもんコレ スカートひっらひら
川 ゚ -゚) 服を買えるぐらいのお金なら持ち合わせております 早速行きましょう
lw´‐ _‐ノv うむ しかしオシャレな店だな・・
川 ゚ -゚) 私にお任せ下さい姫様 ぴったりの服を選んで差し上げます
lw´‐ _‐ノv おぅ、任せたぞ
早速入店し、目立たないような服を選び始める
今まで妙に立派な服しか着た事が無かった私は楽しみで仕方がない
川 ゚ -゚) うーん この街にとけ込みそうな色は・・ うん
上下は・・ このままでいいですかね
季節感にも合ってますし・・
川 ゚ -゚) よし、これにしましょう
lw´‐ _‐ノv ・・・・・・
こういう光景を見ていると、やはりクーも女の子なんだなと実感する
あまり外で遊んだ事は無いらしいから、こういう事にはうきうきするんだろう
これから長い間着る事になる服だ、大切にしよう──
川 ゚ -゚) 店員さーん
ミセ*゚ー゚)リ はい、お決まりですかー?
川 ゚ -゚) はい えっとですねぇ・・
川 ゚ -゚) この真っ黒なジャージを二着くだs
lw´‐ _‐ノv おい待てコラ
結局もとの服のまま店を後にする
何だかスカートのヒラヒラに腹が立ってきた
何このヒラヒラ ちぎってやりたい
川 ゚ -゚) 折角姫様の分も買って差し上げようと思いましたのに・・
lw´‐ _‐ノv まさか本当に買うお前に吃驚だよ・・
結局目立ったままだな・・
川 ゚ -゚) ご安心下さい 既に私はジャージに着替えたので、目立ち具合50%減です
lw´;‐ _‐ノv うわっ! き、着てやがる! 早速着てやがるコイツ!
川 ゚ -゚) どうです、目立たないでしょう?
lw´;‐ _‐ノv 50%増しで目立っとるわ! アンバランス感が逆に目立ってんだよ!
品の良い服着た子供の横に黒いジャージ着た女って見たことねぇよ!
川 ゚ -゚) 複雑ですねぇ、服って
lw´‐ _‐ノv お前ほど複雑な人間もそう居ないと思うぞ・・
私はこのまま街を練り歩く
少し想像してみてくれ、この状況を
そして同情してくれ いや、むしろ金をくれ
川 ゚ -゚) さぁ、気を取り直してカフェにでも行きましょう
lw´‐ _‐ノv 気を取り直せるか心配でたまらない
( ´д`)(´д` ) ヒソヒソヒソヒソ・・・
lw´‐ _‐ノv あぁ、早速人の目が気になる・・ ジャージでカフェってお前・・
川 ゚ -゚) 姫様が可愛いからみーんな見てるだけです
私だってそうします
lw´‐ _‐ノv あぁ、そう 分かったから黙ってろ
川 ゚ -゚) ・・・・・・
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