川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「どいつもこいつも、腐っている…」
( =☆=)『ジャスティスナッコォ!!』
川 ゚ -゚)「特にこいつだ…天下無双ジャスティスカイザー…」
パラッ
怪人Nさんの証言
「銀行強盗を止めて百万円貰いました」
怪人T.G,Vさんの証言
「怪人になったら百万円貰いました」
川 ゚ -゚)「…ふざけた真似を」
川 ゚ -゚)「待っていろ、ジャスティスカイザー…」
( ^ω^)「ふぅ…今日も疲れた…」
川 ゚ -゚)「…待っていたぞ」
( ^ω^)「?ええと…どちら様でしょうか?」
川 ゚ -゚)「貴様のような腐ったヒーローに名乗る名はない!」
川#゚ -゚)「『氷弾』ッ!!」
バババババッ!!
(;^ω^)「うおっ!危なっ!」
(;^ω^)「きゅ、急に何を!?」
川#゚ -゚)「黙れ悪党が!神妙にお縄に付け!」
(;^ω^)「いや、何がなんだか…待てよ…どこかで見たことがあるような…」
川 ゚ -゚)「ふん…さすがに情報収集はお手の物らしいな。自分で考えるがいい」
川#゚ -゚)「『炸裂氷柱』ッ!!」
(;^ω^)「くっ…くそっ!」
タタタタタ…
アイススケート
川 ゚ -゚)「無駄だ!『氷滑』!」
(;^ω^)「な…足元を凍らせて…!?」
ザッ…
川 ゚ -゚)「さぁさっさと変身をしろ!生身の貴様を殺したところで何の意味もない!」
(;^ω^)「…断ります!」
川 ゚ -゚)「何故だ?命の危機を感じないのか?」
(;^ω^)「私にもポリシーがありますので…」
川 ゚ -゚)「ほう…言ってみろ」
( ^ω^)「お金にならない変身はしません!!」
川 ゚ -゚)
川 - )「…どうやら…私が思っていた以上に腐った男のようだな…」
( ^ω^)「なんと思われても結構です」
川 ゚ -゚)「ならば死ね…『氷剣』!」
プルルルルル
( ^ω^)】「もしもし!?フィレンクトさん、大至急来てください!ええ!」
ダダダダダ!!
川#゚ -゚)「逃がすかあああああ!!」
( ^ω^)】「死にそうなんで!!はい!!」
川#゚ -゚)「『氷斬』!!」
ブンッ!!
(;^ω^)「くっ!」
川#゚ -゚)「どうしたどうした!逃げるだけで精一杯か!」
川#゚ -゚)「やはり貴様はその程度のヒーローなのか!?」
(;^ω^)「だから言ったでしょう!金にならない変身はしないって!」
川#゚ -゚)「この期に及んでまだそんな口を…!」
キキーッ!!
(;‘_L’)「内藤さ…うお!誰ですかこの美人!?」
( ^ω^)「良かった!間に合った!」
川 ゚ -゚)「…貴様ら…内藤の仲間か?」
(‘_L’)「仲間というか、同僚というか…」
川 ゚ -゚)「…まぁ、なんでもいい…この男に味方するなら、貴様らも悪人なのだろう…」
チャキ
川 ゚ -゚)「殺す」
(;‘_L’)「よし!撤収するぞ!」
( ^ω^)「待ってください!」
(;‘_L’)「で、でも!この人目がマジですよ!」
( ^ω^)「大丈夫!撮影ですから!この人役に入り込んでるだけですから!」
(‘_L’)「ああ…なるほど!じゃあすぐにカメラ回しますね!」
川 ゚ -゚)「…殺される覚悟はできたらしいな」
(‘_L’)「オッケーです!変身どうぞ!」
サッ
( ^ω^)つΦ「変」
川#゚ -゚)「『氷弾』!!」
( ^ω^)つΦ「え」
バキィッ!!
(;^ω^)「ちょ…」
(;‘_L’)「へ…変身中に攻撃してきた…!!」
川 ゚ -゚)「ふん。変身中は攻撃無用だと…?馬鹿らしい」
川#゚ -゚)「真のヒーローならば!あらゆる状況に対応できなければいけないだろうが!!」
( ^ω^)「……」
(;‘_L’)「な、なんなんだこの人…もしかして、ガチンコなほうのヒーロー…?」
説明しよう!この世の中には大きく分けて二種類のヒーローがいる!
一つは内藤のように『演じる』ことを中心とする役者ヒーロー!
もう一つは!この世に蔓延る悪鬼羅刹を退治するために生きる、『真の』ヒーローだ!
そして…彼女は!
(;‘_L’)「ガチンコの( ^ω^)「怪人…氷牙凍姫クー…!!」
(‘_L’)「えっ」
ド 川 ゚ -゚) ン
氷牙凍姫クー
川 ゚ -゚)「その通り…よく調べているな…」
(;‘_L’)「怪人だったのおおおおお!?」
(;‘_L’)「いやおかしいでしょ!この人さっき悪人なら殺すとかめっちゃ言ってたじゃないですか!」
( ^ω^)「そう…彼女の特徴は、その異常なまでの正義感…」
川 ゚ -゚)「異常…?ふっ…笑わせる」
川 ゚ -゚)「異常なのは貴様らヒーローの方だ!」
( ^ω^)「……」
川 ゚ -゚)「何かといえば怪人と癒着し!正義よりも人気を優先する!」
川 ゚ -゚)「変身中は攻撃無用?必殺技は必ず当たる?馬鹿げたことを!」
川#゚ -゚)「私はな…そういう腐った連中が許せないんだよ…怪人の側も含めてな…」
(;‘_L’)「ええ…なんで怪人やってんのこの人…」
川 ゚ -゚)「だから私は決意した!この氷の力で…貴様ら腐ったヒーローを、一人残らず凍結してやろうと」
川 ゚ -゚)「腐敗を止めるには…完全に凍らせることが一番の手段なんでな…」
(;‘_L’)「く、くそぉ…なんかちょっと上手いこと言いやがって…」
川 ゚ -゚)「さぁかかってこい内藤…いや、天下無双ジャスティスカイザー!」
( ^ω^)「断ります」
川 ゚ -゚)「…金にならないから、か?」
( ^ω^)「ええ。あなたの今の台詞、到底放送で使えるものではありません」
( ^ω^)「子供たちに真っ黒な業界を見せるわけにはいきませんので」
川#゚ -゚)「真っ黒にしているのは貴様らヒーローだろうが!」
( ^ω^)「だとしても、私たちの仕事は夢を売ることです。これだけは譲れません。さぁ、お帰りを」
川 ゚ー゚)「…ふ。ふははははは!!」
(;‘_L’)「!?」
川 ゚ -゚)「なるほど素晴らしいヒーロー様だ!」
川 ゚ -゚)「だが、本当にそれが理由なのかな…?」
( ^ω^)「と、言いますと…?」
川 ゚ -゚)「本当は…」
川 ゚ -゚)「私 に 負 け る の が 怖 い だ け な ん じ ゃ な い の か ?」
( ^ω^)
(;‘_L’)「な…何を言い出すんだこいつ!」
川 ゚ -゚)「自分の保身が大事なヒーロー様のことだからな…負ける戦いはしたくないのだろう」
川 ゚ -゚)「テレビでは勝てても、実戦ではどうだかわからないからな!」
(;‘_L’)「ば…バカヤロウ!!今のうちの取り消せ!!」
川 ゚ -゚)「取り消す?何故だ?私は事実を述べているだけだろう?」
(;‘_L’)「違う!!内藤さんはそんなんじゃない!!」
川 ゚ -゚)「ああ、わかったわかった。お前たちがこいつを擁護するのは当然だろうな」
(;‘_L’)「だから違うんだって!!内藤さんは」
( ^ω^)「もういいお、フィレンクトさん」
(;‘_L’)「!!」
( ^ω^)「彼女の言い分も最もだお。ここはもう、どうあっても納得してもらうしかないお」
(;‘_L’)「な、内藤さん…語尾が…」
川 ゚ -゚)「ふ、もういいさ。どうやら貴様は殺すにも値しない男のようだからな」
(;‘_L’)「や、止めろ!!これ以上内藤さんを挑発すると取り返しのつかないことになるぞ!!」
( ^ω^)「フィレンクトさん」
( ^ω^)「カメラを止めてくださいお」
(;‘_L’)「!!!」
(‘_L’)「…おい!カメラ止めろ!」
川 ゚ー゚)「ははは!敗北の映像を残したくないのか!?」
(‘_L’)「…一つだけ言っておくぞ、怪人」
川 ゚ -゚)「ほう?何だ?遺言でもする気か?」
(‘_L’)「後悔するなよ」
川 ゚ -゚)「…どういう」
( 川 ゚ -゚)「意味」
( =川 ゚ -゚)「だ」
( =☆川;゚ -゚)「……!?」
バッ!!
川;゚ -゚)「貴様…いつの間に…!変身まで…!」
( =☆=)「おっと…言い忘れていた」
( =☆=)「天下無双のヒーロー」
ド ( =☆=)「ジャスティスカイザー、貴様の背後に見参だ」 ン
(‘_L’)「…だから言ったんだよ。後悔するなよ、って」
川;゚ -゚)「…変身する暇などなかったはずだ…!」
( =☆=)「知らないのか?ヒーローの変身は、0.1秒で完了するんだよ」
川;゚ -゚)「それは設定の話だろうが!!」
(‘_L’)「違うね。それは『実測に基づく値』だ」
川;゚ -゚)「実測…だと…!」
(‘_L’)「…本当に何も知らないんだな。ヒーローのことを」
(‘_L’)「0.1秒で変身しろと言われれば0.01秒で変身する」
(‘_L’)「100mを5秒で走れと言われれば3秒フラットで疾走する」
(‘_L’)「パンチ力30トンと言われれば40トンを叩き出す」
(‘_L’)「それが『ヒーロー』って職業なんだよ」
川;゚ -゚)「く…だが、今まで私が倒してきたやつらは…」
(‘_L’)「もちろん全てのヒーローがそうとは言わないさ…中には本当にダメなやつらもいる」
(‘_L’)「ただ、それが受け入れらないうちは」
「彼に勝つことはできないよ」
( =☆=)
川;゚ -゚)「…出任せを!!どうせ何か小賢しい真似をしたに決まっている!!」
(‘_L’)「もう忠告はした。カメラも回してない。好きにすればいいさ」
( =☆=)「いいところを全て持っていかれましたね」
(‘_L’)「あはは、すみません…たまにはかっこいいこと言ってみたくて」
川#゚ -゚)「クソッ!!『炸裂」
ピタッ…
_ _
_ - ― = ̄  ̄`:, (゚- ゚;川「氷柱』…!?」
, -'' ̄ __――=',r⌒> _/ /
/ -―  ̄ ̄  ̄"'" | y'⌒ ⌒i
/ ノ | / ノ |
/ , イ ) , ー' /´ヾ_ノ
/ _, \ / , ノ
| / \ `、 / / /
j / ヽ | / / ,'
/ ノ { | / /| |
/ / | (_ !、_/ / 〉
`、_〉 ー‐‐` |_/
川;゚ -゚)「速い…!!」
( =☆=)「実戦なら爆発していたところだ…貴様がな」
バッ!!
川;゚ -゚)「……」
ドクン…ドクン…
川;゚ -゚)「(…恐怖しているのか…私は…!!)」
( =☆=)「やれやれ…」
( =☆=)「攻 撃 の タ メ だ け は ヒ ー ロ ー 並 だ な」
川;゚ -゚)「……!!」
川#゚ -゚)「うおおおおおおおおお!!!」
川#゚ -゚)「『氷柱吹雪』ッ!!!」
ババババババババ!!
=>
=> =>
川#゚ -゚) => =>
=>
=> =>
( =☆=)「氷柱の連弾か…大技らしいといえば大技らしいな」
( =☆=)「だが、荒削りすぎる」
ババババババババ!!
_ー ̄_ ̄)’, <=
--_- ― = ̄  ̄`:, <=
, -'' ̄ = __――=', <=
/ _-―  ̄=_ )":" . <=
/ ノ  ̄ ̄=_ ` )),∴.<=
/ , イ )  ̄=
/ _, \
| / \ `、
j / ヽ |
/ ノ { |
/ / | (_
`、_〉 ー‐‐`
川;゚ -゚)「…全弾…打ち落としたのか…!!」
(‘_L’)「それは正確じゃないな」
ヒュン…!!
<== 川;゚ -゚)
川;+゚ -゚) ツー…
川;+゚ -゚)「……!!」
(‘_L’)「『一発だけ倍の速度で打ち返した』んだよ」
川;+゚ -゚)「……」
( =☆=)「勘違いするな」
( =☆=)「必 殺 技 は 必 ず 当 た る 技 じ ゃ な い」
川;+゚ -゚)「…何故…」
川;゚ -゚)「何故!!それだけの強さを持ちながら、あんな真似をするんだ!?」
( =☆=)「……」
川;゚ -゚)「それだけの強さがあれば!!実力でヒーロー界を伸し上がることだってできるはずなのに!!」
( =☆=)「違うな」
川;゚ -゚)「……」
( =☆=)「こんなものヒーロー界では何の役にも立たないんだよ」
( =☆=)「どんなに技を鍛えたって実戦で使う技は一握りだけ」
( =☆=)
つ◎と フォン…
( =☆=)「それも、こんな技だけだ…」
ヒュン!!
( =☆=) =◎ (゚- ゚;川
と彡
川;゚ -゚)「うお!!」
ボン!!
川;゚ -゚)「…何…?」
( =☆=)「フローラルな香りがする。それだけだ」
川;゚ -゚)「…しかし、ニダーはこれで…」
( =☆=)「あれはあの人の技だよ。二十五年のベテランの技さ」
川;゚ -゚)「……」
( =☆=)「常識的に考えればすぐにわかる。こんな小さな光の球で人は殺せない」
川 ゚ -゚)「……」
( =☆=)「だから鬼面ドライバーの必殺技は轢き逃げなんだ。圧倒的質量による突撃」
( =☆=)「鬼面ドライバーは、怪人を『殺す』必要があるから」
川 ゚ -゚)「……」
( =☆=)「怪人を後ろから不意打ちするヒーローがいて誰が喜ぶ?」
( =☆=)「怪人をただただ殴り殺すヒーローがいて誰が喜ぶ?」
( =☆=)「圧倒的な強さを見せ付けるだけのヒーローがいて、誰が喜ぶんだ」
川 ゚ -゚)「……」
( =☆=)「誰も喜ばないんだよ…そんなヒーローに、生きる場はない…」
( ^ω^) シュン!
(‘_L’)「お疲れ様です」
( ^ω^)「ありがとうございます」
(‘_L’)「もういいんですか?」
( ^ω^)「ええ。お金にならない以上、短く切り上げるべきです」
(‘_L’)「わかりました。それじゃ、お先に失礼します」
ブロロロロロ…
( ^ω^)「…それでは。また、どこかで」
スタスタ…
川 ゚ -゚)「…待ってくれ!」
( ^ω^)「…まだ、何か?」
川 ゚ -゚)「私は…確かにヒーローを誤解していたかもしれない…」
川 ゚ -゚)「でも、あなたのようなやり方はやはり許せない」
( ^ω^)「だったらどうしますか?ここで勝ち目のない戦いを続けますか?」
川 ゚ -゚)「…いや。私も馬鹿じゃない」
川 ゚ -゚)「私は強くなる。あなたに負けないぐらい、強くなる」
川 ゚ -゚)「だから、その時は…また、戦ってくれないか」
( ^ω^)「……」
川 ゚ -゚)「頼む…」
サッ
( ^ω^)「どうぞ、これを」
┌─────────────┐
│全日本ヒーロー派遣(株) ......│
│ ヒーローニ課 │
│ │
│ 内藤 ホライゾン .│
│ │
│電話番号 xx-xxxx-xxxx .│
│ 住所 xxxxxxxxxxxx .....│
└─────────────┘
川 ゚ -゚)「これは…」
( ^ω^)「その時が来たら、連絡をお願いいたします。特番を組んでお相手しますよ」
川 ゚ー゚)「…ふふ…ああ。全力で、番組ごと叩き潰そう」
川 ゚ -゚)「それじゃ…また」
( ^ω^)「ええ。また」
スタスタ…
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「…ふぅ…」
ブロロロロ…
(‘_L’)「お疲れ様でーす!」
( ^ω^)「ちゃんと撮れました?」
(‘_L’)「ええ、バッチリですよ!この『お蔵入り映像』、十年後なら絶対使えますって!」
( ^ω^)「でしょう?」
(‘_L’)「しかしびっくりしましたよ…まさかあそこまで本気のキレ方するなんて」
( ^ω^)「あれぐらいしないと現実味がないですからね」
(‘_L’)「ま、確かにそうですね。これならお蔵入りになった理由もはっきり付けられますし」
( ^ω^)「近いうち特番も組めそうですし…」
(‘_L’)「でもあの子そんなに強くなりますかね?」
( ^ω^)「…あの真っ直ぐさが失われなければ、きっと。どこまでも強くなります」
(‘_L’)「そういうもんですか…あ、それじゃ。機材の片付けがあるんで」
( ^ω^)「はい。またよろしくお願いします」
(‘_L’)「はい!お疲れ様でーす!」
ブロロロロ…
( ^ω^)「……」
川;゚ -゚)『それだけの強さがあれば!!実力でヒーロー界を伸し上がることだってできるはずなのに!!』
( ^ω^)「…僕だって、そう思っていたことがあったお…だけど…」
( ^ω^)「そんな上手く行く訳、ないんだお…」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「…怪人との禁断の恋っていう路線もありか…」
第五回登場怪人
氷牙凍姫クー 川 ゚ -゚)
曲がったことが大嫌い。原田泰造のような新人怪人。
念願の怪人になれたはいいものの、業界の腐りっぷりを見て落胆。諸悪の根源であるヒーロー共を駆逐することを決意した。
すでに何人かのヒーローは彼女によって永久凍結の目に遭っている。
内藤との戦いを通し、自分の未熟さを痛感。以来、日夜修行に励んでいる。
[天下無双ジャスティスカイザー VS 氷牙凍姫クー]
[お蔵入りに付き、お別れの挨拶未撮影]
( ^ω^)は現実的ヒーローのようです
第五回 「将来設計はとても大事なのだ!」
第一話:厄姫さんと灰色魔術師さん
終わり
[4話へ] 戻る [6話へ]