試合が終盤にさしかかる６回表。
(^o^)「ドーピ……サプリメントパワー！」
（；＾ω＾）（くっ！）
先頭打者の小和田にレフト前に運ばれる。
そして迎えるは６番の藤山。
／；^o^＼（打たなきゃヤバいよﾌｯｼﾞｻｰﾝ）
（；＾ω＾）（……）
藤山はこの試合２打数０安打。
猛打が武器の藤山だが今日は当たっていない。
（；＾ω＾）（……）
( <●><●>)（ストレートです）
（；＾ω＾）（おｋ）
内藤が１球目を投げる。
しかし少し浮いて高めのボールゾーンに。
／；^o^＼（あっ……）
だが藤山はそんなボール球も振ってしまう。
ボールが見えていない証拠だ。
( <●><●>)（今日の藤山は調子がよくないみたいですね。ゲッツーを狙いましょう）
（；＾ω＾）（把握）
１球ストレートを外に外して３球目。
投じられた球はインローへの速い球。
／^o^＼（打てる！）
そう信じてバットを出す。
しかしバットに当たる寸前、芯を外すように少し動く。
／；^o^＼（やばっ……！）
ボールは力なくショートへ。
このままでは――藤山は全力で一塁に走る。
（ ･∀･）（ほいっと）
ショートの茂等が捕球し、セカンドに送る。
('A`)（はいっと）
それを捕球する。
小和田のゲッツー崩しをかわして一塁へ。
( ＾Д＾) （よっしゃー）
最後に宝が捕球する。
藤山は間一髪間に合わない。
／；^o^＼（……ﾌｯｼﾞｻｰﾝ）
うなだれてベンチに帰る。
その背中にはヤジも飛ぶ。
追加点のチャンスが一転ツーアウトランナーなしへ。
（；＾ω＾）（……よし）
怖いところはひとまず抑えた。
次の７８９番はまだマシだ。
（；＾ω＾）（……）
次は７番の十三。
こちらも今日２打席０安打。
（；＾ω＾）（よし）
投げる球をストレートに決め、第１球を投げる。
――その時。
(；<●><●>)（ダメッ！！！）
（；＾ω＾）（しまっ……）
抜け球が、真ん中へ。
十三がバットを振り切る。
そのボールは、ピンポン球のようにスタンドへ。
（｜｜＾ω＾）（……）
大きな大きな、４失点。
ＲＷ ４‐２ Ｖ
( ´∀｀)「……限界ですね」
喪名監督が立ち上がり、球審に選手交代を告げる。
投手コーチを含む内野陣がマウンドに集まる。
（； ω ）「すいません……」
('A`)「気にすんな、取り返すさ」
( ＾Д＾) 「ああ、その通りだ」
<ヽ｀∀´>「ゆっくりベンチで逆転劇でも見とくニダ」
(；<●><●>)「……」
『ヴィッパーズ、選手の交代をお知らせします』
ウグイス嬢の声が、煩い。
『キャッチャー和手枡に代わりまして、比木、背番号２。８番、キャッチャー比木』
スコアボードには、『４』がついている。
自分がつけたものだ。
『ピッチャー内藤に代わりまして、流石。背番号３０。９番、ピッチャー流石』
ツンもこの試合を見に来ているはずだ。
こんな情けない自分を見てきっと失望しただろう。
（； ω ）（……）
コーチにボールを預け、マウンドを後にする。
和手枡も交代のため、２人いっしょだ。
( <●><●>)「……すいません」
（； ω ）「……」
会話も、したくなかった。
いっそのこと、消えてしまいたかった。
（# ω ）「……ああっ！！」
グラブをベンチに叩きつける。
それでも心は晴れない。晴れるはずがない。
（ ＞＜）『さあ投手が代わって流石。内藤は５回３分の２を４失点ＫＯです』
にしこり『少し十三くんに対して油断しましたね。
ＡＡが無いからって打たないと思ったら大間違いですよ』
（ ＞＜）『流石はヴィッパーズの鉄壁リリーフ陣トリプルＳの一角』
にしこり『技巧派の投手ですね。
普段は勝ってる場面で投げてますからビハインドではどうでしょう』
（´<_｀ ）（……）
マウンドをスパイクでならす。
思ったより早く出番が回ってきた。
しかしそんなことは関係ない。いつ呼ばれても結果を出すのがプロだ。
（´<_｀ ）（……）
思えば兄と比べられながら過ごしてきたプロ生活だった。
兄は高卒社会人卒でプロ入り。自分は高卒でプロ入り。
歳は違うがプロに入った歳は同じだ。
（´<_｀ ）（……）
兄は社会人で培った投球術ですぐに東京ビックバンズのローテーションに。
しかし弟である自分はスタミナの低さで敗戦処理が主。
兄弟間の差は明らかだった。
（´<_｀ ）（……）
だが、そんな自分も今季セットアッパーとして開花。
２７Ｈ・防1.91を上げ、杉浦・斉藤とともに『トリプルＳ』として名をあげた。
（´<_｀ ）（まあ、ネーミングセンスを疑うけどな）
右打席には８番の放出を迎える。
油断するわけではないが、十分打ち取れる選手だ。
（´<_｀ ）（……）
１球目、ストレートから入る。
アウトコースいっぱいのストライク。球速は１４２キロだ。
(-＿-)（よし……いい感じだ）
（´<_｀ ）（……）
これでいい。自分には１５０キロは投げられない。
そんな自分が第一線で活躍できるようになったのはコントロールによるものが大きい。
２球目はスライダーで空振り。
３球目はストレートを高めに見せる。
４球目、またもストレートを投げるがギリギリ外れてボール。
カウント２‐２。平行カウントだ。
(-＿-)（あれを使うぞ）
（´<_｀ ）（了解）
５球目。模範的なフォームから繰り出されるボールは遅い球。
尚且つ落ちていく。
放出はその速度差に耐えられず三振。
（´<_｀ ）（よし）
流石得意のチェンジアップだ。
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ４６
Ｖ ０００ １１ ２６
ＲＷ 渡辺‐ビコーズ
Ｖ 内藤・流石‐和手枡・比木
本塁打 小和田 43 ガイエル 38 十三 9
６回の裏、なおも渡辺が立ちはだかる。
从'ー'从（２点差……守りきる！）
(；＾Д＾) （ぐっ……）
先頭打者の宝を平凡なセカンドゴロに。
早くもワンアウトで打席には渡辺を苦手とする朴が立つ。
<ヽ｀∀´>（……）
朴は先ほど出塁したものの、実質は単なるショートゴロ。
まだ渡辺を捉え切れてはいないのだ。
１球目。
渡辺には珍しくストレートから入る。
朴は面食らってしまい見逃す。
<ヽ｀∀´>（くそっ）
今のは打てない球ではなかった。
渡辺に２点差は大きい。
それに今のうちに点を返さなければ鉄壁リリーフ陣が出てくる。
２球目はスクリューが外れてボール。
３球目。
<ヽ｀∀´>（ストレート！）
待ってましたと言わんばかりに力強くバットを振る。
しかし、そのバットがボールを捉えることはなかった。
<ヽ｀∀´>（……なんだ？）
ツーシームにしては変化が大きい。
かといってスクリュー系の回転ではなかった。
<ヽ｀∀´>（あれこれ考えても仕方ない……か）
なんにせよカウント２‐１。
あの球が来るだろう。スローカーブ。
ストレートでカウントを整えて５球目。
从'ー'从（くらえ！）
<ヽ｀∀´>（来たか！）
ゆっくりと曲がるスローカーブ。
今まではこの大きな曲がりに……
<ヽ｀∀´>（あまり……曲がらない？）
渡辺のスローカーブにしては変化量が小さいその球をカットする。
カットが苦手な自分でもカットできるほどのボール……
<ヽ｀∀´>（……疲れているのか？）
渡辺の球数は今８０ほど。
決して多い球数ではないがこの緊張の中投げ続けるのは疲れるだろう。
<ヽ｀∀´>（……）
６球目はカーブがすっぽ抜けボール。
先ほどは気づかなかったがすっぽ抜けも増えてきている。
<ヽ｀∀´>（……決まりだな）
渡辺を狙うなら、ここだ。
ここで、捕まえる。
从；'ー'从（ふう……）
<ヽ｀∀´>（勝負！）
勝負の第７球目。
渡辺の左腕からボールが放たれる。
<ヽ｀∀´>（ストレート！）
決め球にスローカーブを持ってこなかった。
ストレートで朴を押し切る作戦だろう。
<ヽ｀∀´>（……）
从；'ー'从（くっ……）
しかし、朴がバットを振ることはなかった。
体に当たりそうなほどのボール球だったからだ。
<ヽ｀∀´>（よしよし）
もちろん朴は悠々と一塁に向かう。
塁に出ることにおいて大事なのは過程ではない。
塁に出た、という結果の方が大事なのだ。
从；'ー'从（……）
対して打ち取れるバッターを歩かせた渡辺。
帽子を取って汗を拭く。
その長髪には、汗が滴り落ちていた。
６番の擬古は堅実にバントを決める。
ヴィッパーズベンチは確実に１点を取る戦略を取った。
『７番、ショート茂等』
（ ･∀･）（……）
得点は、自分に任された。
（ ･∀･）（……）
マウンド上の渡辺を見る。
汗を拭う回数が多くなっている。
疲れているのだ。
（ ･∀･）（それなら、つけこむ可能性はあるな）
先ほどの打席、満塁の大チャンスで三振した。
守っているときももしあの時自分が打ってれば、という気持ちに悩んだ。
（ ･∀･）（２回続けてチャンスを逃すなんて……プロじゃないぜ）
朴の打席をみる限りスローカーブの曲がりが悪くなっているらしい。
ならば決め球には何を持ってくるだろう。
（ ･∀･）（……スクリューか？）
右打者から逃げていくスクリュー。
基本に忠実な右打ちに徹すれば打てない球ではない。
从；'ー'从
額に汗を浮かべた渡辺の１球目はストレート。
あまり直球で押すタイプではない渡辺だがストレートが増えてきている。
疲れの現れだろうか。
１球目は外れて２球目。
从；'ー'从（おらっ！）
またしてもストレート。
これも外れる。自分で言うのもなんだが、自分はあまり怖いバッターではない。
その自分にもこんな投球をするのなら今日の渡辺はこの回が限界だろう。
（ ･∀･）（ストレートはいらねえよ……スクリュー来いスクリュー）
バッターボックスでゆらりと揺れながら次の球を待つ。
渡辺は決めあぐねている様子だ。
渡辺が何度か首を振っての３球目。
待望のボールが来た。
（ ･∀･）（来た！）
視力が低下している茂等だが、この時だけは集中の成果かはっきりと縫い目が見えた。
スクリューボール。しかも甘い。
（ ･∀･）（いくら俺でも……）
バットを振る。
長打ではなく、右中間を狙ったランナーを返すバッティングだ。
（ ･∀･）（逃さねえよ！！）
从；'ー'从（！）
全力で捉えたボールは、全力で飛んでいく。
(^q^)（うはｗｗｗこっちきたｗｗｗ守備下手なのに勘弁ｗｗｗ）
ボールは茂等の狙い通り右中間へ。
センターよりもライト側に近い球だ。
(^q^)（無理無理ｗｗｗとれますんｗｗｗｗｗｗ）
白球はライトの頭を越す。
朴は三塁を蹴る。
(^q^)（でも肩は一級品っすｗｗｗｗｗｗ）
クッションを処理した池沼は強肩を駆使し、ランナーを刺そうとする。
本塁ではなく、二塁に向かう茂等を。
しかしいくら衰えたと言っても盗塁王の足である。
強肩と言えども、頭を越えたボールで茂等を刺すのは難しい。
（*･∀･）「よしっ！！」
子供のような笑顔を浮かべ、二塁上で手を挙げる。
ライトスタンドからはまだまだこれからと歓声があがる。
茂等のタイムリーツーベース。また１点差に詰め寄った。
ＲＷ ４‐３ Ｖ
続くは８番比木。
昨年は強打の捕手だったが今季は打棒が低下。
渡辺に対しても苦手意識を持っている。
从；'ー'从（おしまいっ！）
(；-＿-)（くっ！）
結局比木は疲れが見える渡辺を打ち崩せず三振。
今日初めての打席はチャンスを生かせない結果に終わった。
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ４６
Ｖ ０００ １１１ ３７
ＲＷ 渡辺‐ビコーズ
Ｖ 内藤‐和手枡
本塁打 小和田 43 ガイエル 38 十三 9
７回の表。レールウェイズに動きが出た。
『シベリアレールウェイズ、選手の交代をお知らせします』
('A`)（交代……！）
ピッチャー渡辺に代打。
つまり渡辺は６回でマウンドを降りることになった。
（´<_｀ ）（……）
ヴィッパーズは前回から引き続いて流石。
少なくともこの回は投げてほしいと監督に言われたばかりだ。
『バッター、渡辺に代わりまして、木津。背番号２１』
（´<_｀ ）（……）
バッターは木津。
守備範囲が広い選手ではあるが打撃はからっきしだ。
(-＿-)（フォークだ）
（´<_｀ ）（はい）
追い込んでの６球目。
フォークを詰まらせてセカンドゴロ。
そして今最も怖い打者を迎える。
『１番ショート、長岡』
( ﾟ∀ﾟ)（……）
バットを持ちながら屈伸する。
左、右と腰をひねりながら流石を見る。
現在鉄壁のセットアッパーと言われる流石。
( ﾟ∀ﾟ)（打ってみたいな……）
ここまで流石との対戦は一度もなかった。
これが正真正銘初対決だ。
（´<_｀ ）（……）
同僚から長岡の話は聞いていた。
兄からも長岡の呪詛は何回も聞いた。
（ ﾟ_ゝﾟ）『本当にすげーヒット打たれるわホームラン打たれるわ……
しかもあいつイケメンじゃん。死ね。割とマジで』
（´<_｀；）（まあ今はどうでもいいや……）
右打席の長岡を見る。
( ﾟ∀ﾟ)
（´<_｀ ）（おおう……）
実質ルーキーを相手にしているはずなのだが。
ちょうど日米野球で相対したメジャーリーガーのような力強さを感じる。
（´<_｀ ）（ま、少し様子を見ますか）
初球はボールになるスライダー。
並の打者なら思わず振るボールだ。
( ﾟ∀ﾟ)（スライダー……ボールだ！）
（´<_｀ ）（……やっぱり見るのね）
しかし難なく見送られる。
なるほど、同僚たちの評判は正しいらしい。
（´<_｀ ）（とりあえずストライクを稼ぐか……）
比木が構えるのはインローのコーナーいっぱい。
コントロール重視の自分なら難なく決められるコースだ。
（´<_｀ ）（行けっ！）
( ﾟ∀ﾟ)（ストライク！）
（´<_｀ ）（！）
厳しいコースに投げたつもりだが長岡は手を出してきた。
しかしインローへの１４５キロ。簡単にヒットにできるところではない。
(；ﾟ∀ﾟ)（やべっ）
さすがにインローのストレートは捌きにくいらしい。
長岡らしくない早打ち引っかけのショートゴロ。
（´<_｀ ）（ラッキー）
( ﾟ∀ﾟ)（くっ……）
唇を噛みしめながらベンチに帰る長岡。
注目の対決はわずか２球で終わりを告げた。
結局京橋もサードゴロ。
この回のレールウェイズは今までにそぐわず淡白な攻撃。
弟者は拍子抜けだ。
（´<_｀ ）（簡単に終わりすぎワロタ）
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ０ ４６
Ｖ ０００ １１１ ３７
ＲＷ 渡辺‐ビコーズ
Ｖ 内藤・流石‐和手枡・比木
本塁打 小和田 43 ガイエル 38 十三 9
７回の裏、なんとしてもヴィッパーズは追いつきたい。
そこに立ちふさがるのはアメリカ三銃士と呼ばれる鉄壁のリリーフ陣。
『レールウェイズ、選手の交代をお知らせします。
ピッチャー渡辺に代わりまして、ジョーンズ。背番号４２』
（ ＞＜）『さあ渡辺に代わるピッチャーはジョーンズ』
にしこり『彼はまだ付け入る隙があるかもしれませんね』
（ ＞＜）『と、言いますと』
にしこり『彼は好不調の波が激しい。もし今日の調子が悪ければ打てるかもしれませんね』
（ ＞＜）『そうですか。それではジョーンズとヴィッパーズの対決を見守りましょう』
(’e’)「ＵＷＡ〜」
( ∵)「ｺﾞﾜｪｺﾞﾜｪ」
ビコーズが大観衆に戸惑うジョーンズを落ち着かせる。
ビコーズもジョーンズがムラのあるピッチャーというのはわかっている。
だからできるだけジョーンズの気持ちを落ち着かせようとしているのだ。
(’e’)「ＵＷＡ〜」
( ∵)「ｺﾞﾜｪｺﾞﾜｪ」
サインの確認を済ませビコーズはキャッチャーボックスに戻る。
バッターは弟者の代打、田中だ。
彡⌒ミ「安価されたから仕方なく出た。後悔はしていない」
田中に対しての第１球。
普通のピッチャーは投げるときに大きく下半身を沈めることがほとんどだ。
理由はその方が体全体の力を使うことができるから。
(’e’)（ＵＷＡ〜）
しかし外国人であるジョーンズは違う。
その２０１ｃｍの恵まれた体格。下半身を沈み込ませず上背の力だけで投げ込む。
(’e’)（Ｗｏｗ！）
そんな独特のフォームから投じられるボールは、日本人の球のスピードを遥かに上回る。
「ストライク！」
（ ＞＜）『決まりましたジョーンズの初球。スピードは……
おっと、１５９キロを記録しています』
にしこり『今日は調子がいいジョーンズですね。一筋縄では打てませんよ』
松井の言葉通り、流石の代打で出てきた田中は三振。
打席には１番の毒田が入る。
('A`)（今日のジョーンズ……かなり調子がいい）
ジョーンズはムラのある投手だ。
調子がいいときには１６０キロを超える球も出てくる。
しかし悪い時にはコントロールが定まらず自滅するパターンが多い。
('A`)（そのパターンには期待できないな）
さっきの打席を見る限り、フォアボールはなさそうだ。
真っ向勝負で打たなければならない。
('A`)（……）
ふう、と一つ息をつきジョーンズの球を待つ。
独特のフォームから球が弾き出される。
('A`)（っ！）
まさに、一瞬。
瞬きをする間にボールはビコーズのミットに収まる。
電光掲示板を見る。表示されている球速は１６０キロ。
('A`)（へえ……おもしろいじゃん）
(’e’)（ＵＷＡ〜）
第２球を投げる。
先ほどとはうってかわって遅い球。
('A`)（！）
バランスを崩されるが構わずカットする。
これがジョーンズのもう一つの持ち味、縦に大きく割れるカーブだ。
('A`)（ま、カットはできるってこった）
いくら速いといってもカットで粘れば甘い球は確実に来る。
それを待つのだ。ジョーンズとのガマン比べだ。
('A`)（！）
ジョーンズの３球目、頭近くに来るストレート。
思わず仰け反る。ライトスタンドからブーイングが起こる。
球速は１５８キロ。
('A`)（当たったら死ぬぞ……）
(’e’)（ＵＷＡＷＡ〜）
マウンド上のジョーンズは特に悪びれた様子はない。
俺の血管が一つ切れた音がした。
(#'∀`)（……ぶち〇す）
( ∵)（ｺﾞﾜｧ）
(’e’)（ＵＷＡ〜）
サインの交換をする。
ビコーズが要求したのはアウトローへのストレート。
(#'∀`)（……）
( ∵)（……ｺﾞﾜｺﾞﾜ）
毒田は大分頭に血が上っている。
しかしアウトローの球には踏み込めないだろう。
(’e’)（Ｕ〜ＷＯＷ！）
少し球威は抑えてアウトローに投げる。
これでも頭近くに投げられた毒田には厳しいだろう。
(#'∀`)
(#'∀`)「ぶちころーす！！」
(；’e’)（なにこのひとこわい）
なんだかニヤニヤしてると思ったら、思い切り足を踏み出してバットを出してきた。
マズい。その球は球威を抑えた――
(#'∀`)「ＳＨＩ・ＮＥ☆」
思う存分、振り抜いた。
(；’e’)（ＮＯ！）
毒田が放った打球はピッチャーを強襲するヒット。
ボールはジョーンズには当たらずセンター前へ抜ける。
(#'∀`)「当たらないとか……」
一塁ベースを踏みながら、それでもまだジョーンズを睨みつけていた。
しかし後が続かない。
（Ｋ#‘ー｀）（……くっ！）
川島は速球に詰まってゲッツー崩れのセカンドゴロ。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（こんな速い球打てるわけあらへん）
３番ガイエルも三振に倒れた。
結局毒田以外はパーフェクト。
ジョーンズに付け入る隙を見つけることができなかった。
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ０ ４６
Ｖ ０００ １１１ ０ ３８
ＲＷ 渡辺・ジョーンズ‐ビコーズ
Ｖ 内藤・流石‐和手枡・比木
本塁打 小和田 43 ガイエル 38 十三 9
８回の表、レールウェイズの攻撃。
流石に代打が出されたため次のピッチャーが送られる。
『ヴィッパーズ、選手の交代をお知らせします。
ピッチャー流石に代わりまして、杉浦。背番号５４』
（ ΦωΦ）「球速だけがピッチングじゃない。
見せてやろう、俺のスライダーの恐ろしさを」
『３番ライト、池沼』
(^q^)（なんれすかｗｗかっこつけちゃってｗｗｗうちくずすｗｗｗうめぇｗｗｗ）
( ΦωΦ)（……）
池沼に対しての１球目。
独特な左のサイドスローから放たれるボール。
右打者のインコースに決まる角度をつけたクロスファイア。
池沼はなにもできず見送る。
(；^q^)（……ちょ、ちょっとはやるじゃんｗｗｗ）
( ΦωΦ)（……若造が）
※年上です
（ ΦωΦ）（……）
(-＿-)（球は走っているな。次もストレートで）
（ ΦωΦ）（ああ）
右足を上げ池沼のアウトローに投げ込む。
(；^q^)（バットがでねぇｗｗｗ）
インコースを見せられた池沼はその球に反応できない。
１４７キロの速球を見逃す。
(^q^)（やべえｗｗｗ追い込まれたｗｗｗ）
(-＿-)（次は１球外して……）
（ ΦωΦ）（いらん）
杉浦が首を振る。
比木はしょうがなくスライダーを要求する。
（ ΦωΦ）（俺のスライダーは無敵だ）
(^q^)（首振ったｗｗｗ絶対スライダーｗｗｗ）
（ ΦωΦ）（わかってても打たせやしないさ）
(-＿-)（……やれやれ）
(^q^)（来た来たｗｗｗ）
読み通りのスライダー。
今は真ん中に来るように見えるがインローに沈んでくる。
(^q^)（もらったｗｗｗゴチｗｗｗ）
池沼はそれを見越してバットを振る。
――しかし。
(^q^)（えっ？）
見越してインローに合わせたバットも当たらない。
なぜか。それ以上の変化をしたからだ。
(；^q^)（か……空振り三振……パネェ……）
しかしそれで終わりではない。
杉浦のスライダーは曲がりすぎ――スイングを終えた池沼の右足の甲に激突した。
(；^q^)「いってぇぇぇぇぇぇ！！」
「たかしちゃん！！１！！１！！！！！」
血相を変えたたかしの母親がベンチから飛び出す。
比木は落ち着いてボールを拾い池沼にタッチする。
これでアウトが成立した。
「たかしちゃん！！ たかしちゃぁん！！！！！！１！！」
(((^q^)))「もう俺はダメだ……」
「ストライクアウト！」
「ちょっと！！ なんでたかしちゃんがアウトなのよ！！ こんなに苦しんでるじゃない！！」
(((^q^)))「最後にアラバマのホームパイを食べたかった……」
「いや、ルール上ですね」
「何が何でもたかしちゃんを悪者にしたいのね！！」
「おい、誰かこいつつまみ出せ」
結局レールウェイズの監督がたかしの母親にルールを説明し、事なきを得た。
池沼も骨までは折れていないようで、プレーに支障はなかった。
次の打者は左のビコーズ。
（ ΦωΦ）（左打者相手なら俺の独壇場だな）
左対左。
杉浦のスライダーを左打者が受けると背中から来るように見えるらしい。
(；∵)（ゴェ……）
結果、バットにすら当てられず平凡な三振。
ツーアウト。クリーンナップを仕留めるまであと１人だ。
『５番レフト、小和田』
(^o^)「うちのもんが世話になったな……杉浦よ」
（ ΦωΦ）「世話した覚えなぞないな」
第１球。
右の小和田に対するインローストレート。
球速は１４８キロを記録した。
(^o^)（さすが杉浦……か）
動体視力に自信のある小和田でも追うのがやっとの球。
しかもコーナーに決まる。
１打席でどうにかなる相手ではない。
(^o^)（投手陣に１点を踏ん張ってもらうしかないのか……）
２球目はチェンジアップを振らされる。
３球目はストレートを高めに見せられるが、４球目のチェンジアップはなんとか見送る。
そして、５球目。
（ ΦωΦ）（終わりだ！）
その左腕から投げられた球。
小和田にはその球筋がはっきりと見えた。
(^o^)（見えた……！）
見えた。
だからこそ――
見送った。
（ ΦωΦ）（むっ……）
ストライクからボールになるスライダー。
それを見送られた。
『ホームベースの角から角に曲がる』と評されるスライダー。
それを簡単には見送られるはずはないのだが。
（ ΦωΦ）（……）
(-＿-)（ストレートで決めよう）
比木が要求したのはインハイのストレート。
勢いで押す作戦だ。
それを承諾する。
力を込め、しかしムダな力は入れないように――
その刹那、杉浦の指からボールが離れる瞬間。
最もボールに力をこめる瞬間。
指から、ボールが滑った。
（；ΦωΦ）（っ！）
(；；-＿-)（！！）
(^o^)（もらった！！）
ガツン、という音を残してボールは舞い上がる。
小和田は、捉えた瞬間喜びの表情で右手を上げていた。
（#ΦωΦ）（……）
ギリギリと、左手を握りしめる。
ボールはレフトスタンドに飛び込んだ。
小和田は笑顔でダイヤモンドを回る。
（#ΦωΦ）（２点差……？ レールウェイズに、２点差……）
はらわたが煮えくり返る。
自分の不甲斐なさに。
小和田が、追加点のホームを踏んだ。
ＲＷ ５‐３ Ｖ
（#ΦωΦ）「あああっ！」
／；^o^＼（怖すぎﾌｯｼﾞｻｰﾝ）
杉浦は怒りの表情で藤山を三振に抑える。
その表情は、まさに鬼神のようだった。
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ０１ ５７
Ｖ ０００ １１１ ０ ３８
ＲＷ 渡辺・ジョーンズ‐ビコーズ
Ｖ 内藤・流石・杉浦‐和手枡・比木
本塁打 小和田 43 ガイエル 38 十三 9 小和田44
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