８回の裏、ピッチャーはなおも絶好調のジョーンズ。
(’e’)（ＵＷＡ〜）
(；＾Д＾) （くっ！）
「……ストライク、アウト！」
(#＾Д＾) 「なっ……ふざけんじゃねえよ！」
宝さんが微妙なハーフスイングを取られ激高。
両軍入り乱れ騒然となるが判定は覆らない。
５番、朴。
(’e’)（ＷＡＷＡＷＡ〜）
<#ヽ｀∀´>（くっ……）
大きいカーブで三振。
そして、６番擬古。
(’e’)（end）
(,；ﾟДﾟ)（ぐううっ！）
これも、三振。
三者連続三振。
ベンチの空気は、重い。
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ０１ ５７
Ｖ ０００ １１１ ００ ３８
ＲＷ 渡辺・ジョーンズ‐ビコーズ
Ｖ 内藤・流石・杉浦‐和手枡・比木
本塁打 小和田 43 44 ガイエル 38 十三 9
そして、運命の９回表。
下位打線に対して出るは引き続き杉浦。
ヴィッパーズは守護神の斉藤を温存した。
（#ΦωΦ）（ぬうん！！）
先ほどの被弾の怒り冷めやらぬ杉浦は、７番８番を連続三振。
そして、ピッチャーのジョーンズに回ったところで動きがあった。
『レールウェイズ、選手の交代をお知らせします。
バッタージョーンズに代わりまして、鶴橋。背番号２８』
('A`)（……変わるのか）
絶好調のジョーンズに代打。
後のピッチャーに絶対の自信があるのだろう。
('A`)（……なめるなよ）
今日のジョーンズは完璧だった。
ジョーンズが下がるなら、勝ち目はまだある。
結局代打のバッターをセカンドゴロに打ち取る。
（ ΦωΦ）「よっしゃあ！！」
大事なところで三者凡退に打ち取る。
これが、杉浦さんの最強セットアッパーと呼ばれる所以だ。
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ０１０ ５７
Ｖ ０００ １１１ ００ ３８
ＲＷ 渡辺・ジョーンズ‐ビコーズ
Ｖ 内藤・流石・杉浦‐和手枡・比木
本塁打 小和田 43 44 ガイエル 38 十三 9
『シベリアレールウェイズ、選手の交代をお知らせします。
ピッチャージョーンズに代わりまして、ウィリアムズ。背番号５４』
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
（ ･∀･）（……）
レールウェイズの９回のピッチャーはウィリアムズ。
抑えのバルケンではない。恐らく、温存しているのだろう。
『７番ショート、茂等』
（ ･∀･）（……）
それでもウィリアムズは手強い。
１５５キロの速球と幾多の変化球を使う左腕だ。
（ ･∀･）（……初球を、叩く！）
この大事な場面では初球打ちはしにくい。
そうバッテリーが考えてくれれば御の字だ。
過去のデータによるとウィリアムズはストレートから入る確率が高い。
（ ･∀･）（……それを、ねらい打つ！）
( ∵)（ｺﾞｪｪｺﾞｪｪ）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
（ ･∀･）（……）
この場面で、本当にストレートで来るかはわからない。
大きな賭かもしれない。
（ ･∀･）（それでも……ベットしなきゃならねえんだよ！！）
ウィリアムズが投球動作に入る。
その左腕から放たれるのは――
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
（ ･∀･）（ストレート！）
やはり、データは裏切らなかった。
真ん中寄りのインに決まるストレートだ。
（ ･∀･）（いっ……）
バットを握る手が汗ばむ。
柄にもなく、緊張している。それでいい。
野球はこうでなくちゃおもしろくない。
（#･∀･）「っけえ！！」
力の限り、振り切った。
（ ･∀･）（よしっ！）
手応えはあった。
思い切り引っ張った打球はレフトに向かって飛んでいく。
（ ･∀･）（よし……よしっ！！）
先頭打者としての役割を果たすことができた。
そう安堵した茂等が次の瞬間見たもの。
(#ﾟ∀ﾟ)「おおおっ！！」
自分の打球に飛びつかんとする、天才の姿。
(；ﾟ∀ﾟ)
必死で、無我夢中で飛びつく。
これを取れば、チームの優勝に望みがつなげる――
そう考えてのダイビングだった。
(#ﾟ∀ﾟ)「……っ！ 届けぇ！！」
そして気まぐれな女神は、長岡に微笑んだ。
ほんの数センチ、僅かな差。長岡のグラブに、ボールが収まった。
「アウトォ！」
（ ･∀･）「……」
（#･∀･）「くそっ！！」
ヘルメットを地面に叩きつける。
破片がそこら中に飛び散る。
そのボロボロのヘルメットは、茂等の心情を写したようだった。
(；'A`)（……）
（Ｋ；‘ー｀）（……）
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（……）
ベンチは、暗い。
いつも陽気なガイエルもこの時ばかりは静かだ。
（ ･∀･）「すいません」
（ ΦωΦ）「……気にすんな」
茂等さんの言葉にも、杉浦さんが返すのみだ。
(-＿-)（……）
次の打者は比木。
先ほどのジョーンズの打席しかこなしていないため、まだ打撃勘が戻らない。
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
１球目スライダー。
あっけなく見逃してしまう。
(；-＿-)（こんなとき……どうしたらいい……？）
比木が考えている間にもウィリアムズはテンポよく投球をこなす。
７球を投げカウント２‐２。
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
(；-＿-)（……）
カットしたと言えば聞こえはいいが要は捉えられていないだけだ。
自分が打ち取られたら……勝ち目はほぼなくなかるだろう。
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
そして、８球目。
投じられたのはノビのあるストレート。
(；-＿-)（まずい……！）
引っかけてしまう。
ボールは転々とショートへ転がる。
それでも１％の可能性を信じ、全力疾走をする。
( ﾟ∀ﾟ)（よしっ）
いつもの練習の通り、しっかりと捕球する。
そしてしっかりとボールをグラブから取り出し、一塁に投げる。
( ﾟ∀ﾟ)（これで……ほぼ勝ちだ）
そう思ったとき、長岡の腕にいつもではありえないミスが生じた。
指からボールが離れるタイミングが少し、遅れた。
( ﾟ∀ﾟ)（！）
しかし、悪送球というほどではない。
一塁の手前でワンバウンドするボールだ。
／；^o^＼（ﾌｯｼﾞｻｰﾝ！ やばい、取らなきゃ！）
これに慌てたのが一塁の藤山である。
彼はあまり守備がうまいわけではない。
そんな彼が難しいショートバウンドなど――
／；^o^＼（アッー！）
取れるはずがなかった。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し「よっしゃあ！！！」
湧くベンチ。（主にガイエル）
しかしどんな手段であろうが塁に出ることが重要なのだ。
『ヴィッパーズ、選手の交代をお知らせします。
バッター杉浦に代わりまして、指川。背番号４１』
彡⌒ミ（……）
( ´∀｀)「……」
喪名は考えていた。
すなわちバントをするか、しないか。
代打に出した指川はそれほど打撃が強い訳ではない。
１点差なら得点圏にランナーを進めるバントがセオリーだ。
( ´∀｀)「しかし……」
今は２点差。
ここでの采配で、監督の手腕が問われるのだろう。
( ´∀｀)「……」
結局、出した指示はゴロゴー。
いつもと変わらない。
正直指川にウィリアムズが打てるとは思えないが。
彡⌒ミ（……わかりました）
指川は頷いて打席へと向かう。
その後ろに続いて毒田もネクストサークルに向かう。
( ´∀｀)（今日絶好調の毒田に回れば、あるいは……）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
喪名がそんなことを考えていて、まだ試合に集中していないとき。
第１球が投じられる。
彡⌒ミ（おりゃっ！）
指川がチェンジアップをひっかける。
打球はボテボテのサードゴロ。
ゲッツーもあり得る。
( ∀）´｀
(；-＿-)（うわああああああああ！！）
ゲッツーをさせないため鈍足ながら全力で走る。
サードの京橋が捕球する。
比木をチラリと見る。
(；-＿-)（ゲッツーは止めてぇ！！）
京橋はセカンドは無理と判断したのか、一塁に送球する。
ファーストは余裕でアウト。
比木は二塁で大きなため息を吐いた。
(；-＿-)（し、心臓に悪い……）
( ∀)´｀
( ´∀｀)ｽﾁｬ
( ´∀｀)
( ´∀｀)（あっぶねええええええええええええええ）
とにもかくにも一応は送った形になった。
ここで迎えるのは今日最も頼りになる男だ。
『１番セカンド、毒田』
( ´∀｀)（期待していますよ、毒田……）
喪名は打席に向かう毒田を見ながら、このチームの命運を毒田に託した。
その時の毒田。
( A )（やっべえやっべえこんな場面で俺に来るとか超やっべえ
だいたいアウトで終わりとか緊張がMAXだしだいたい俺はチャンスはあんまり
好きじゃないし、なんだか今日はムダに打ってるけど正直
伊藤さんにいいとこ見せたいだけだしだいたい長岡が茂等さんのアレをアレするからだし
長岡の彼女は可愛いし今日もどうせ来てるんだろあああああ）
こんな調子だった。
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
('A`)（お前スライダーあんまり投げないだろうが……）
打席のウィリアムズを睨む。
正直、打てるイメージは湧かない。
だが、打たなければならない。
俺の彼女（予定）のためにも。
('A`)（……）
(#'A`)「来いっ！！」
バットを構えて、叫んだ。
ライトスタンドからは奇跡を信じた独男コールが聞こえる。
「どっくおっとこ！ どっくおっとこ！」
('A`)（うん、応援は嬉しいけど死にたい）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
そんなことを考えていると１球目が来る。
初球ストレート。球速は１５６キロだ。
('A`)（……クソ、速いな）
('A`)（狙い球を絞るか……）
ウィリアムズの主な球はストレート・スライダー・カットボール・少し落ちるフォーク。
ストレートを中心にするとして何を絞るか……
('A`)（ええい、もういい！ 変化球はカット！ ストレート一本だ！）
狙い目は絞った。
あとは、甘い球が来ることを待つだけだ。
('A`)（……）
２球目、スライダーは外れてボール。
３球目、フォークがこれめ外れてボール。
('A`)（……そろそろストレートが来るだろ）
そう考えたその時。
ビコーズが立ち上がった。
('A`)（なっ……）
( ∵)（ｺﾞｴｺﾞｴ）
スタンドからはブーイングが起こる。
そのブーイングは今まで聞いたどんなブーイングよりも強烈なものだった。
('A`)（おいおい、バカバカ、俺の見せ場だろ）
( ∵)（ｺﾞｴｺﾞｴ）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
４球目、ボール。
('A`)（おいおい待てって、この切ないキモチどうしてくれる）
( ∵)（ｺﾞｴｺﾞｴ）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
結果フォアボール。
あとの運命は、川島とガイエルに託された。
（Ｋ#‘ー｀）（敬遠……キモオタ童貞けいおん厨を敬遠して……俺勝負……）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
( ∵)（ｺﾞｴｺﾞｴ）
（Ｋ#‘ー｀）（許せん）
『２番センター、川島』
('A`)（ふう……あれ）
一塁に到達し、打席の慶三を見る。
（Ｋ####‘ー｀）
そこには、鬼神がいた。
('A`)（めっちゃ怒ってるじゃん……）
（Ｋ#‘ー｀）（基本は茂等さんと同じ……初球打ち）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
（Ｋ‘ー｀）（ストレート以外なら見逃す。ストレートなら叩く！）
スタンドからは自分の応援歌が聞こえる。
自分を勇気づける最高の歌だ。
そして、第１球。
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ
（Ｋ‘ー｀）（スッ！）
バットを出す。
なぜなら。
（Ｋ###‘ー｀）「ットレイトォ！！」
自分が待ち望んだ球だったから。
打球は、一塁の藤山の頭の上へ。
／；^o^＼（捕れない！）
打球は、一塁線を破る。
ライトスタンドから大歓声が上がる。
その内容は、『毒田、帰ってこい！』
ライトスタンドがうねりのような歓声を上げる。
二塁ランナーの比木は三塁を蹴る。
(#-＿-)（俺は間違いなく生還できる！ 毒田、頼んだぞ！）
(#'A`)（任せてください！）
走る。走る。
大地を蹴って、走る。
歓声で鼓膜がうるさい。二塁を蹴る。
そのままの勢いで三塁も蹴る。
(#'A`)（行ける！！）
Ｎ| "ﾟ'` {"ﾟ｀lﾘ「止まれぇ！！」
('A`)（！！）
その声に、ピタリと足を止める。
思わず、俺を止めた阿部コーチに文句を言う。
(#'A`)「なんで……！」
その時だった。
キャッチャーのミットから乾いた音が響いたのは。
思わずライトを見る。
(^q^)「ふん……走っていれば試合を終わらせてやったのにな」
Ｎ| "ﾟ'` {"ﾟ｀lﾘ「わかったか？」
('A`)「……すいません」
('A`)（なんつー肩だよ……）
あのまま突入していれば間違いなくアウトのタイミング。
阿部コーチのナイス判断だ。
( ´∀｀)「さすがですね、阿部……」
『３番レフト、ガイエル』
J（ ﾟ_ゝﾟ)し「いっちょ、かっ飛ばしたるわい」
素振りを二度三度繰り返し、打席に入る。
三塁の毒田を返せば同点、二塁の川島を返せばサヨナラだ。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（ええ場面やでグフフ）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ「……やな相手です」
( ∵)（ｺﾞｴｺﾞｴ）
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ「心配ありません。抑えて我が軍の勝利は確実です」
１球目。
左のガイエルに対してアウトに決まるクロスファイア。
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ「決まった！」
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（……）
「ボール！」
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ「……なんですって」
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（……ふふ）
自分はちゃんとアウトコースギリギリに決めた。
決めたのだが……
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ「……やったな」
噂には聞いていたが魔空間。
これほどのものとは。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（思えば……ほんまええとこやで。ヴィッパーズは）
アメリカでは泣かず飛ばずの毎日を送っていた。
満足な環境で野球はできず、雀の涙の給料は野球道具に消えていく。
そんな自分に声をかけてくれたのがヴィッパーズだった。
優しいファンに恵まれ、同僚にも恵まれ。
その恩返しの時が、今だ。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（ここで打たんかったら、男ちゃうやろ！！）
７球目。
フルカウント。
( ﾟＪﾟ)ﾉ ｽﾗｲﾀﾞｰ「……」
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（来い！）
ウィリアムズの渾身の１球。
間違いなく、今日最速のストレート。
しかしバットを振る以外にない。
J（；ﾟ_ゝﾟ)し（ぐっ！ あかんっ！！）
打球はフラフラと上がるフライ。
スタジアムに早くもため息が漏れる。
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（う……）
J（ ；_ゝ；)し（ううう……）
悔しい。自分にはやはりなんの力もないのか。
打球は、まだまだふらふら上がる。
J（ ；_ゝ；)し（……）
その打球は、やがて――セカンドとセンターの間に――落ちた。
いわゆる『お見合い』というやつだ。
J（ ；_ゝ；)し（……）
J（ ﾟ_ゝﾟ)し（うそ！？）
('A`)（ラッキー！！）
その間に走っていた毒田がホームインする。
これで同点。
もはや絶望していたライトスタンドが興奮の渦に包まれた。
( ﾟＪﾟ)ﾉ ……
対してマウンドにしゃがみこむのはウィリアムズ。
( ﾟＪﾟ)ﾉ なんじゃありゃ……
（Ｋ‘ー｀）（行けるか……？）
川島もホームに向かう。
しかし、センターのカバーは思ったより速かった。
Ｎ| "ﾟ'` {"ﾟ｀lﾘ「慶三っ！ もど……」
阿部が叫んだが、もはや遅い。
完全に川島は挟まれた。
そのままタッチアウト。
サヨナラとはならなかった。
（Ｋ##‘ー｀）（くそっ……）
試合は、延長にもつれこむ。
１２３ ４５６ ７８９ ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ０１０ ５７
Ｖ ０００ １１１ ００２ ５11
ＲＷ 渡辺・ジョーンズ・ウィリアムズ‐ビコーズ
Ｖ 内藤・流石・杉浦‐和手枡・比木
本塁打 小和田 43 44 ガイエル 38 十三 9
『ニュー速ヴィッパーズ、選手の交代をお知らせします。
ピッチャー杉浦に代わりまして、斉藤。背番号６６』
(・∀ ・)「……」
女性ボーカルの歌に合わせて守護神斉藤さんがマウンドに立つ。
これで斉藤さんを温存したかいがあるというものだ。
投球練習をする斉藤さんを見つめる奴がいる。
( ﾟ∀ﾟ)
長岡だ。
長岡はここまで２打数１安打１四球１犠打。
全ての打席においていやらしい活躍を見せている。
( ﾟ∀ﾟ)
(・∀ ・)（こいつ……俺様を前にしてもまったくビビらねえな）
(-＿-)（油断するなよ……）
(・∀ ・)（へーへー）
１球目。
斉藤さん自慢の火の玉ストレート。
普通のストレートよりホップする球は長岡のバットを誘う。
(；ﾟ∀ﾟ)（くっ！）
かなり高めの球を空振り。
球速は１５６キロだ。
(・∀ ・)（よゆーよゆー）
２球目もストレートを空振り。
そして３球目。
(・∀ ・)（三球三振だ！）
またもストレート。
かなりの自信を持って投げ込む。
(；ﾟ∀ﾟ)（なめ……るな！）
なんとか長岡はバットに当てる。
３球続けばさすがに目が慣れるのだろうか。
(・∀ ・)（……）
４球目。
見せ球のストレート。
しかしこれは振らない。
(・∀ ・)（チッ……めちゃくちゃ見えてるじゃねーか……）
(-＿-)（さすがにストレートばかりは使えない。１球カーブでカウントを整えよう）
(・∀ ・)（ういっす）
( ﾟ∀ﾟ)（……）
(・∀ ・)（……）
５球目。
長岡の膝元に沈むカーブ。
(；-＿-)（バカッ！ ストライクゾーンに入れてどうする！）
(・∀ ・)（コーナーに入れてるよ！）
(-＿-)（この…… ！）
その時比木は確かに見た。
長岡の口角がひきつるのを。
(；-＿-)（やばっ……）
その時長岡のバットが動いた。
ムダな力を入れずにシャープに腕を畳んでカーブを捉える。
(・∀ ・；)（おいおい待てよ……）
バットの芯にボールが当たる。
その反動で、ボールは高く高く舞い上がる。
( ﾟ∀ﾟ)（……さよなら。斉藤さん）
打球が上がった瞬間、レフトスタンドが湧いた。
(・∀ ・；)（……）
斉藤はその打球を目で追う。
ガイエルが後ろに下がる。下がる。
J（；ﾟ_ゝﾟ)し（……）
ガイエルはフェンスの前で立ち止まり――
力なく、上を見上げた。
打球は、黄色く塗装されたポールに直撃した。
(・∀ ・；)
斉藤が、マウンドに崩れ落ちる。
長岡は人差し指を立てながらダイヤモンドを回る。
つかの間見えた勝利は、またも逃げようとしていた。
ＲＷ ６‐５ Ｖ
(・∀ ・；)
その後斉藤は動揺しながらなんとか後続を断ち切る。
しかし１点差。向こうは守護神を抱えての、１点差。
あまりに、あまりに大きい――１点差。
１２３ ４５６ ７８９ 10 ＲＨ
ＲＷ ００１ １１１ ０１０ １ ６10
Ｖ ０００ １１１ ００２ ５11
ＲＷ 渡辺・ジョーンズ・ウィリアムズ‐ビコーズ
Ｖ 内藤・流石・杉浦・斉藤‐和手枡・比木
本塁打 小和田 43 44 ガイエル 38 十三 9 長岡 15
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