('A`)は野球選手のようです 2


('A`)毒田剛
二塁手 25歳 7年目
通算成績
483試合 打率.274 本塁打24本 打点176

年俸
5400万


( ^ω^)内藤地平線
投手 25歳 7年目
通算成績
32試合 5勝4敗 防3.57
155km/h カーブ4 フォーク3 シュート3
ピンチ1 ランナー2 クイック2

年俸
1200万



('A`)「……」


今日は自主トレの日だ。
集まるのは3人。全員同じ高校出身だ。
セッティングはほとんど俺がした。
同学年ながら間抜けと後輩だ。ここは俺がしなければならないだろう。


( ^ω^)ノシ「おいすー」

( ゚∀゚)ノシ「お久しぶりでーす!」

('A`)「……」

('A`)ノシ


( ゚∀゚)長岡譲二
遊撃手 右投げ右打ち
24歳 2年目
所属 シベリアレールウェイズ

通算成績
一軍出場なし
イースタンリーグ首位打者・盗塁王

年俸 700万



3人揃ったところで借りた球場に入る。
小さい市民球場だが1月のこの時期には相応だろう。
柔軟やランニングをする間世間話に花を咲かせる。


( ^ω^)「それにしてもびっくりしたお。ドクオがヴィッパーズに来るなんて」

('A`)「ああ、俺もびっくりだよ」

( ゚∀゚)「じゃあこれで3人みんな同じリーグなんですね!」

('A`)「ああ、そうだな」


俺のトレードの相手はヴィッパーズの先発投手だった。
俺と同じく高卒7年で35を挙げた投手だ。
投手陣崩壊していたアクアリウムにはきっと救世主となるだろう。
対してヴィッパーズは去年までセカンドを守っていた選手がFA移籍。
目立った若手もおらず俺に白羽の矢が立ったと言うわけだ。


3人揃ったところで借りた球場に入る。
小さい市民球場だが1月のこの時期には相応だろう。
柔軟やランニングをする間世間話に花を咲かせる。


( ^ω^)「それにしてもびっくりしたお。ドクオがヴィッパーズに来るなんて」

('A`)「ああ、俺もびっくりだよ」

( ゚∀゚)「じゃあこれで3人みんな同じリーグなんですね!」

('A`)「ああ、そうだな」


俺のトレードの相手はヴィッパーズの先発投手だった。
俺と同じく高卒7年で35勝を挙げた投手だ。
投手陣が崩壊していたアクアリウムにはきっと救世主となるだろう。
対してヴィッパーズは去年までセカンドを守っていた選手がFA移籍。
目立った若手もおらず俺に白羽の矢が立ったと言うわけだ。


( ^ω^)「おかげでチャンスが回ってきたお」

('A`)「チャンス?」


( ^ω^)「そうだお。トレードされた選手の他にもFAで出た人もいるお」

('A`)「……」

( ^ω^)「今年こそは一軍定着するお」


確かな気持ちが、そこには宿っていた。
それは俺がアクアリウムに所属していた時になくしてしまったものかもしれない。


( ゚∀゚)「俺も今年は一軍いきますよ!」


長岡は万年二位と三位をうろうろしているシベリアレールウェイズの期待の若手だ。
『一年目はファームで育てる』という方針らしく去年は一軍出場はなかった。
が、高校時代甲子園を沸かせたバッティングセンスは大学で更に伸びたらしい。
イースタンリーグで首位打者と盗塁王を穫った。
一軍定着も時間の問題だろう。


問題は。


( ^ω^)


こいつだ。


内藤はMAX155キロの速球と大きく曲がるカーブ、そして胸元にくいこむシュートを持っている。
この文章を見れば一流投手のように見えるだろう。
しかしこいつには一流を二流にしてしまうマイナスポイントがあった。
チキンなのだ。


('A`)「……」


あれはいつだったろうか、交流戦で一度だけ内藤と対戦したことがあった。
当時の俺はスランプに陥り、何を振ってもバットに当たらない日々が続いた。


その日先発していた内藤は4回をパーフェクト。
誰もが内藤の素質の片鱗を見たはずだ。
しかし5回。フォアボールでランナーを得点圏に送ると途端に崩れた。
ストライクが入らず、入っても甘いボールを痛打される。
そして一点差満塁のところで俺に回ってきた。


('A`)(内藤……どうした?)


当時の俺は自分がスランプにも関わらずそんな心配をしていた。
素人が見てもあの崩れ方は異常だ。


(;^ω^)


緊張したフォームで投げられた球はカーブすっぽ抜けの中速球。
真ん中に来たそのボールを思い切り叩くとボールはライトスタンドに消えた。


('A`)「……」


ダイヤモンドを周りながら内藤を見た。
内藤は虚ろな顔でボールが消えたライトスタンドを見続けていた。


('A`)「……」


結局内藤はそれ以降敗戦処理を任され、そこでもピンチに弱い面を見せた。
ランナーがいなければ素晴らしい投球をするのに、と思う。
対して俺はそこからスランプを抜けブレイク。
その年キャリアハイの成績を残した。


そしてアップが終わり、各々練習に入る。
こうして3人で練習するとひたすら甲子園を目指した高校時代を思い出す。


( ^ω^)「ドクオ。打席に立ってくれお」

('A`)「おう」


内藤に促されるまま打席に入る。
まだ投手は肩はあまりできていないはずだが。
長岡も自分の練習を中断してキャッチャーの準備をする。


( ^ω^)「本気で打ってくれお」

('A`)「……ああ、わかった」


( ^ω^)「……」


内藤がしなやかなフォームからボールを投げる。
ストレートだ。しかし球筋を見るため一球目は見逃す。


( ゚∀゚)「ストライクです」


キャッチャーをしている長岡がストライクを宣告する。
コースは外角低め、球速は130そこそこだろうか。


('A`)「……」


2球目。内藤の得意球であるカーブ。
またも外角に落ちるカーブをカットする。
これでツーストライク。追い込まれた。


('A`)(何がくる? 一球ボールを見せるか一気に来るか……)


3球目、内藤の右腕から投じられたボールは真ん中低めへ。
打てる。そのコースは毒田が得意としているコースだ。
親友とはいえ容赦はしない。バットをコンパクトに、力強く振る。
乾いた音が鳴り響いた。


( ゚∀゚)「……三振です」


内藤の放ったボールは長岡のミットに吸い込まれた。
自分があのコースの130キロを逃すはずはない。
だとすれば。


('A`)「変化球……フォークか?」

( ^ω^)「当たりだお」

( ゚∀゚)「すげーフォークでしたよ。急に落ちてきましたもん」


('A`)「……新球種か」


高校でも、プロでもフォークを投げる内藤は見たことがなかった。
その内藤がこれほどの質のフォークを投げるということはよっぽど練習してきたのだろう。


( ^ω^)「そうだお。これが、僕の切り札だお」


メンタル的な問題はまだ残されている。
それがわかっているからこそ俺に勝負を挑んだのだろう。
フォークでも勝負ができると自信をつけるために。


日が経つのは早いものだ。
野球ばかりやっている俺たちは時間の流れが特に早い。
あっという間にキャンプインの日が来た。
球春到来というものだ。


('A`)「あばば」

( ^ω^)「大丈夫だお。みんないい人たちだから」


俺にとっては新しいチームへ初めて飛び込む日だ。
内藤と一緒にチームの集合場所に向かう。


( ^ω^)「ちわっーす」

('A`)「おお……ちわっす」


集合場所にはチームの先輩であるスタープレイヤーが並んでいた。
ヴィッパーズとはリーグが違ったので面識どころか対戦もしたことが無い人がほとんどだ。


('A`)「元三冠王の諸本に、20勝投手高岡……ヴィッパーズすげー」

( ^ω^)「いい人たちだお。諸本さーん!」

('A`)「ちょ」


内藤の声に気づきこちらに歩いてくる諸本。
その大柄な体はプロ野球選手の中でも特にでかい。


(´・ω・`)「やあ、内藤。久しぶりだね」

( ^ω^)「お久しぶりですお!」

(´・ω・`)「今年こそは内藤に期待してるから。ガンバってね」

( ^ω^)「はいですお!」

(´・ω・`)「それでこちらが……毒田くん?」

('A`)「は、ひゃい!」


突然話題を振られたので焦って噛んでしまった。


(´・ω・`)「噂は聞いてるよ。いいバッターってね」

('A`)「い、いえそんな……」

(´・ω・`)「謙遜しなくていい。それに言うじゃないか」

('A`)「?」

(´・ω・`)「バッターは、いばったー方がいい。ってね」

('A`)

( ^ω^)

(´・ω・`)


何この人。


(´・ω・`)諸本信彦
外野手 36歳 13年目
右投左打

通算成績
1371試合 率.304 本302 点908
CBDDD
PH チャンス4

MVP2回 首位打者2回 最多安打1回 本塁打王2回 打点王3回 三冠王1回



(´・ω・`)「なんちゃって」

('A`)

( ^ω^)

('A`)

( ^ω^)「ははは」

(´;ω;`)「ちくしょう……」


諸本さんは滑ったことがよっぽど悔しかったのか、泣きながらどこかへ消えてしまった。


( ^ω^)「まあ、あういう人だお」

('A`)「驚いたな……もっとストイックな人かと思ってたけど」

( ^ω^)「野球に関してはストイックだお。それ以外はギャグ親父だけど」


<聞こえてるぞ内藤ー! 泣くぞー!


( ^ω^)「ははは」


( ^ω^)「えーと後は……」


『ニュー速ヴィッパーズの皆様、お時間ですのでバスへどうぞ』


( ^ω^)「ありゃ、時間だお。ダジャレを聞いてたらこんな時間になっちゃったお」

(;'A`)「仮にも先輩だろ?」

( ・∀・)「いいのいいの。あいつはそういうキャラだから」

('A`)「あ……」


内藤と話していると見慣れた(自分が一方的に知っているだけだが)顔の人が話しかけてきた。
ヴィッパーズが誇る不動のショートストップ、茂等選手だ。


( ・∀・)「いよ。内藤、毒田」

( ^ω^)「こんにちはですお、茂等さん」

(;'A`)「ちわっす」


( ・∀・)茂等和宏
遊撃手 36歳 14年目
右投右打

通算成績
1415試合 率.289 本53 点388 盗235
DDABA
AH 盗塁4

盗塁王1回 ゴールデングラブ8回



( ・∀・)「新しく入ってきたセカンドがどんなんか気になってたけど」


なんだか艶めかしい視線を茂等さんから感じる。
端正な顔立ちは男というよりもむしろ中性的だ。
しかし時刻はまだ朝。そんな時間から薔薇族的な行いは……!


('A`)「アッー」


茂等さんにケツを触られた。
嫌だ! でも茂等さんなら……いいかも!


( ・∀・)「うん、よく鍛えてるな。感心感心。じゃ、後で」

('A`)「……あれ?」


俺は今、何を考えていたのだろうか。




そして、バスに乗り飛行機に乗り歓迎のセレモニーを受けてホテルで一泊した次の日。
俺はもちろんキャンプに参加するためにグラウンドへ繰り出した。


('A`) 「……」


今、俺は圧倒されている。
何に? ヴィッパーズの練習にだ。


(´・ω・`) 「おら、てめーらちゃんと声出せ!!」

『うぃーい!!』


内藤が諸本さんのことを「野球に関してはストイック」と言ったのは本当だったらしい。
今、ランニングの先頭に立ってみんなを鼓舞しているのはダジャレ親父ではなく三冠王の姿だ。


違う。アクアリウムの練習とは質が全く異なるのだ。
逆に俺とトレードされた選手は今頃あまりの怠惰さにびっくりしているのではないだろうか。
全体練習が済むと、今度は個別の練習に入る。


( ・∀・) 「お前、俺と守備練な」


茂等さんの鶴の一言で俺の今日のメニューは決定された。
俺もちょうど茂等さんとの連携を確かめておきたかったからちょうどいいと思った。


('A`) (それに、俺の弱点は守備だからな)


去年の俺の守備率は.959。
トンネルしたり悪送球だったりポロリだったり去年はとにかくいろんなエラーをやらかした。
それゆえ守備固めを出されることが多かった。ファーストへのコンバートの話も出ていたこともあった。


(;'A`) 「はぁーっ、はぁーっ」


息が切れている。なぜか。ずっと茂等さんの練習につきあっているからだ。
朝の10時に始まって1時間の昼休憩をはさんでまた練習。
人並みのスタミナはあると自負していたが茂等さんについていくだけでやっとだった。


/ ,' 3 「こりゃ毒田、足が動いてないぞ」

(;'A`) 「す、はぁーっ、すいません!!」

( ・∀・) 「おいおい、アクアリウムの正二塁手もこんなもんか?」


野手コーチに怒られる。
茂等さんは額に汗を浮かべてはいるがまだ余裕がある様子だ。


/ ,' 3 「よーし、そろそろ終わりだ」

コーチがそう言ったのはもうそろそろ陽が傾きかけた時間だった。
疲れた。久しぶりにそんな感情を抱いた。アクアリウムのキャンプ一回分をこなした気分だ。


( ・∀・) 「おー、お疲れ。疲れたか?」

(;'A`) 「……ええ、まあ」

( ・∀・) 「ま、そりゃそうだな。俺も疲れたし」


そう言いながら宿舎に戻ろうとする。
……が、その帰り道。


(;'A`) 「なんじゃこりゃあ……」


道いっぱいに、ファンがいた。
みんながみんな手を上げている。その手にはマジックとサイン色紙が用意されている。
出待ちというやつだ。アクアリウムでもいることはいたがこんなに大勢のファンを見るのは初めてだ。

( ・∀・) 「んじゃ、とっととサインして帰るか」

(;'A`) 「……そうっすね」

疲れたし、無視して帰ってシャワーでも浴びたいのが本音だが先輩がしている以上サインをしないわけにはいかない。
結局ファンの波がひと段落したのはそれから30分ぽど経ったときだった。


キャンプ中は特に時がたつのが速い。
文字通り、一日中白球を追っているからだ。
程度に違いさえ有れど、プロまで来ている人間は相当の野球狂だ。


/ ,' 3 「よし、終わり」

(;'A`) 「ありがとうございました」

( ・∀・) 「あしたー」


それでも茂等さんとの特守はまだしんどい。
このあとファンにサインをしなければならないかと思うとさらにしんどい。


( ・∀・) 「まだ疲れてんのかいな」

(;'A`) 「いや、あの特守はさすがに……」

( ・∀・) 「かー、弱いねえ。俺がお前ぐらいの時はもっとやったけどな」

(;'A`) 「嘘!?」


あれ以上とは……あの量の特守でも一回吐きそうになったのに。
やはり守備の人は違うな……と思っていたその時。


('、`*川 「あの、少しいいですか?」

( ・∀・) 「はいはい、なんですか?」


女性が話しかけてきた。
グラウンドのすぐ外で待って、さらに首から下げたカードを見ると記者か何からしい。


('、`*川 「週刊野球の伊藤です。今、『新天地で活躍する男たち』という特集の取材をしているのですが……」

('A`) 「え、俺ですか」


茂等さんは14年ヴィッパーズ一筋の生え抜き選手だ。
とするとその特集に当てはまるのはトレードされた俺だろう。


( ・∀・) 「ちぇー、なんだ。俺じゃないのか。毒田、明日オフだし取材受けろよ」

('A`) 「え、はあ」

('、`*川 「受けてくれますか?」

('A`) 「ええ、まあ」


('、`*川 「よかった。では、早速」


そう言って伊藤さんはボイスレコーダーを取りだした。
取材なんて受けるのは久しぶりなので緊張する。


( ・∀・) 「あ、ちょっと待って。毒田、来い」

('A`) 「?」


茂等さんは俺を呼び寄せて耳元で囁いた。
正直何かに目覚めそうになるからやめてほしいのだが。


( ・∀・) 「俺の今の嫁さんは元週刊プロ野球の記者だった」

(゚A゚) 「!」

( ・∀・) 「がんばれ」

(゚A゚) 「イエス! ボス!」

( ・∀・) 「じゃあ先帰っとくから」


そう言って茂等さんは宿舎へ帰っていった。


('、`*川 「よろしいですか?」

('A`) 「はい」


伊藤さんはそれを聞くとボイスレコーダーのスイッチをオンにした。


('、`*川 「新天地であるヴィッパーズの居心地はどうですか?」

('A`) 「そうですね。同級生の内藤がいろいろと世話してくれて助かりました。皆さんいい人達で安心です」

('、`*川 「チーム全体の雰囲気はどうでしょうか?」

('A`) 「そうですね。諸本さんを中心にとても熱気が溢れているチームだと思います」

('、`*川 「毒田さんは二塁手ですが現在ヴィッパーズは不動のセカンドはいません。これはどう思いますか?」

('A`) 「誰がいるかいないかは関係ありません。どんな状況でも全てにおいて認められるレギュラーとなりたいです」

('、`*川 「そうですか。では、最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします」

('A`) 「君が好きだ」


(゚、゚*川 「!?」

(゚A゚) 「!!??」


なんだ。今俺は何を口走った。
なんだそれは。なんだそれは。そんなところから始まる恋なんてねーよ。
こんなんだからプロになっても女が寄り付かなくてあ、でもそれは顔のせいあばばばばばばばば


('、`*川 「え、えっと……」

(゚A゚) 「すいません! ファンの方にですね! がんばりますので応援よろしくお願いします! 終わり!」


そう言って記者の伊藤さんを置いて宿舎へとダッシュした。
茂等さんを見て満足したのかもうファンの人はいなかった。
この時、俺はきっとシーズン中よりも速く走っていたと思う。


(A) 「あばばばばばばばばばばばばばばばっばばばばばばばばばば」


宿舎のロビーで奇声を発しながら号泣する男が一人。
毒田剛、25歳。さめざめと、泣いた。


(;^Д^) 「……なにしてんだ、ありゃ」

<;ヽ`∀´> 「……アクアリウム式の、精神統一法?」

(´<_`;) 「アクアリウム……謎だな……」


新しいチームメイトである人たちの奇異のが気にならないくらい。
俺はこの日涙を流した。


( ^Д^) 宝笑児
一塁手 27歳 10年目
592試合 率.297 本98 点346

本塁打王1回
CAEEF チャンス4 PH

<ヽ`∀´> 朴荷駄
三塁手 33歳 6年目
542試合 率.276 本123 点341
DADDD PH

(´<_` ) 流石弟者
投手 24歳 6年目
146試合 14勝 13敗 1S

147km/h スタE コンB
フォーク3 スライダー2 チェンジアップ3 シュート2

( ^Д^) 宝笑児
一塁手 27歳 10年目
592試合 率.297 本98 点346

本塁打王1回
CAEEF チャンス4 PH

<ヽ`∀´> 朴荷駄
三塁手 33歳 6年目
542試合 率.276 本123 点341
DADDD PH

(´<_` ) 流石弟者
投手 24歳 6年目
146試合 14勝 13敗 1S 防4.17

147km/h スタE コンB
フォーク3 スライダー2 チェンジアップ3 シュート2


('A`) 「さー今日も練習がんばりましょー」


翌日、すっかり出るものも出切った。
なんだか今日は晴れ晴れとした気分だ。
こんな気分なら4割だろうが5割だろうが打てそうな気がする。


( ^ω^) 「おー、今日はドクオ気合いがはいってるおー」


ダッシュなど走るメニューを多くした今日。
頬がなぜかいつもより濡れたが、気にしない。






('、`*川 「……」


('A`) 「あー、今日はオフなのに気合入っちゃったなー」

( ^ω^) 「びっくりしたお。練習嫌いなドクオがオフ返上で練習なんて」

('A`) 「まあな。意識変革だよ意識変革」

( ^ω^) 「あ」

('A`) 「?」

( ^ω^) 「茂等さんが言ってたけど週刊プロ野球の記者さんとはどうなったんだお?」


                 _ _     .'  , .. ∧_∧
        ∧  _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ '     (    )
       , -'' ̄    __――=', ・,‘ r⌒>  _/ /
      /   -―  ̄ ̄   ̄"'" .   ’ | y'⌒  ⌒i
     /   ノ                 |  /  ノ |
    /  , イ )                 , ー'  /´ヾ_ノ
    /   _, \               / ,  ノ
    |  / \  `、            / / /
    j  /  ヽ  |           / / ,'
  / ノ   {  |          /  /|  |
/ /     | (_         !、_/ /   〉
`、_〉      ー‐‐`            |_/
   ↑ドクオ                   ↑内藤


(;A;) 「うわあああああああああああああああああああああああん!!」

( ゚ω゚) 「ちょ・・おま・・殴るのは・・反則・・」


なんなのだ。なんなんだあの空気の読めない25歳は。
ちょっと考えたら練習嫌いな俺がオフに練習するかどうかわかるはずじゃないか。
そんなんだからチキンなんだ。そんなんだからチキンなんだ!


(;A;) 「うわあああああああああああああああああああああああん!!」

('、`*川 「あっ」


道行く人を全て遮って走る。
速く、速く帰りたい。安息の地へと。


(A) 「あばばばばばばばばばばばばばばばっばばばばばばばばばば」


宿舎のロビーで奇声を発しながら号泣する男が一人。
毒田剛、25歳。さめざめと、泣いた。


(;´∀`) 「……何あれ」

/ ,' 3 「選手によるとアクアリウム式の精神安定法だとか」

(;´∀`) 「しばらく見ないうちにアクアリウムもすごいことになってるな……」



( ´∀`) 喪名栄治
監督 62歳 24年目

389試合 164勝 110敗 27S 防3.67
最多勝1回 最優秀防御率2回 沢村賞1回
座右の銘「なせばなる」


/ ,' 3 荒巻徳春
守備走塁コーチ 61歳 22年目
1552試合 率.245 本93 点479
ベストナイン2回 ゴールデングラブ7回



時は流れて第3クール。ここからは選手にとってまさに競争と言われる。
開幕時1軍に登録されるのはわずか28名。今1軍キャンプに帯同しているのは約40名。
ここからの仕上がりしだいで12名もの選手が開幕2軍を余儀なくされるのだ。


( ^ω^) 「……」シュッ

( <●><●>) 「いい球着てますよ!」


ブルペンで己の球を磨く者。


(;'A`) 「くっ……ああっ! もいっちょこい!!」

/ ,' 3 「足が動いてないぞ!」


グラウンドで弱点を必死で修正する者。


(´・ω・`) 「必ず……復活してみせる」

( ・∀・) 「できるだろ、お前なら」


今年に、かける者。

全てを飲み込んで、紅白戦が始まる。


( <●><●>) 和手枡一郎

捕手 25歳 3年目
210試合 率.201 本2 点35
FFDCD



(´・ω・`) 諸本信彦

昨シーズン成績
39試合 率.276 本3 点15



( ´∀`) 「皆様お疲れ様です。キャンプもいよいよ終盤に差し掛かります」


練習後、喪名監督の挨拶が始まる。
選手たちの表情は、硬い。


( ´∀`) 「明日から紅白戦を執り行います。メンバー分けはあす発表します。

       現在ここにいる選手は42人。1軍枠は28人」


('A`) 「……」

( ´∀`) 「今まで積み重ねてきたものを私達に見せてください」

( ^ω^) 「……」

( ´∀`) 「去年の成績は、関係ありません。レギュラーも全て白紙と思うこと」

(´・ω・`) 「……」

( ´∀`) 「以上、解散」


監督のその言葉で三々五々選手たちが散っていく。
だがそこにとどまったまま動かない選手が2人いた。


('A`) 「……」

( ^ω^) 「……」


毒田と内藤。
一方は新天地で活躍を虎視眈々と狙う者。
一方は背水の陣を敷き、この年に懸ける者。


('A`) 「……どっちが残っても、恨みっこなしだぜ」

( ^ω^) 「当たり前だお」


内藤が拳を突き出す。
毒田も、それに呼応する。
ごつん、と2人の拳が夕陽の中でぶつかり合った。



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