黒猫グループ
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363 : ◆PORNOqm4Ug
:2007/12/02(日) 04:09:45.29 ID:GLBmrnKw0
- 乙でした、見ている人もいるかどうかわからない状況ですが、急ぎ足で共通後編投下していきます
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364 : ◆PORNOqm4Ug
:2007/12/02(日) 04:10:45.17 ID:GLBmrnKw0
- 「今までお聞きしてもらった話では、黒猫は不吉な事を起こしてないことがわかるでしょう」
部屋に明かりが灯り、語り部の中世的な声が狭い部屋中に響き渡る。
「最初の話、毎日庭に来てくれていた黒猫を好きになってしまった貧相な……猫の話。
ですがその黒猫は彼の前から姿を消してしまう。
それを友人と言うのでしょうか、その人の助けで黒猫にもう一度会わせて貰う……というものだった」
椅子から立ち上がり、こちらを向く語り部。
、∧∧
(*゚ー゚)「彼は私に会いたい、そう思い行動して願い、見事私を見つけることができました。
最初のお話では、彼は彼と一緒に来た男性射精を見てしまった以外、何も不幸な事は起きていません。
寧ろ彼は自分の幸せな日常を実感することができたので、彼にとっては大きくプラスになったと私は思います」
言い終わると、また背後に視線をやり、顔が見えなくなった。
暖炉の炎は語り部の近くで、ごうごうと音を上げながら燃えている。
その炎の音を遮るかのように、また口を開く。
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366 : ◆PORNOqm4Ug
:2007/12/02(日) 04:11:26.63 ID:GLBmrnKw0
- 「二つめの話、村でも優しいと評判の少しぼけているおじいさんの話。
彼は日課である畑仕事を終えると、これまた日課であるお地蔵さんの所へお参りへ行く。
ある日、彼はそこで鳥の集団に襲われている白い猫を発見しました」
タイミングを見計らったかのように、またこちらを向く語り部。
( ΦωΦ)「彼は傷ついている私を、ある兄弟の力も借りて助けてくれました。
そして、その恩返しにと私の持つ不思議な力を使いました。ですが私の身が持たず、結果おじいさんを悲しませてしまいます。
毎日お供えをしてくれていたお地蔵様の恩返しでしょうか?
なんと私は黒猫の状態で、またおじいさんと幸せな生活を送ることができるようになりました」
言い終わると、今度は暖炉を覗き込み始める。
炎が好きなのか、それとも冷えた体を温めようとしているのか。
それは本人にしかわからないだろう。
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367 : ◆PORNOqm4Ug
:2007/12/02(日) 04:12:06.30 ID:GLBmrnKw0
- 「三つめの話、ある自称普通な高校生の少年のお話。
彼は幼馴染のことが好きだった。
ですが様々なことに悩み、自分の気持ちを打ち明けるべきかどうかをずっと考えていた。そんなとき、事件が起きる」
体を温め終わったのか、こちらを向きなおす。
欠けた耳、鋭い目つき。あの話に出てきた黒猫の顔をしている語り部。
「彼の幼馴染がストーカーに付き纏われてしまう。それを知った彼は急いで彼女の元へ。
なんとかその不審者からの被害は免れた幼馴染、ですがその身は更なる危険へ追い込まれる。
どうしようもならないのか、そう思った少年の悲痛な叫びが私の耳に届くのです、私の身を奮い立たせたのです」
欠けた耳をいじりながら、また後ろを向く語り部。
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369 : ◆PORNOqm4Ug
:2007/12/02(日) 04:14:53.75 ID:GLBmrnKw0
- 「四つ目、最後のお話。ある少女が拾ってきた黒猫のお話。
はじめのお話は黒猫と姉妹の愉快なお話。凄く楽しそうに暮らしている。
あとのお話は姉が封印していた日記のお話」
思い出すかの様に、少しうつむきながらこちらを向く。
(,,゚Д゚)「彼女らは二度、黒猫の世話をしています。
一度目、妹が拾ってきた猫。それが一ヶ月程で亡くなってしまいます。
二度目、また妹が拾ってきた、一度目の猫にそっくりな猫。彼女等の願いが叶ったのか、双方とも幸せに暮らします」
また振り返り、今度は椅子に座る。
揺ら揺ら揺ら揺ら、それらは優しく揺れる。
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372 : ◆PORNOqm4Ug
:2007/12/02(日) 04:15:59.26 ID:GLBmrnKw0
- 「四つの話に共通したこと、それは黒猫は不吉の象徴などではないということ。
三つ目のお話ではそう見られている部分もありましたが、たまたま居合わせただけ。
古い言い伝え等をいつまでも信じている人間達、彼らが黒猫が惨状を楽しんでいるように誤解していた」
手をこすり合わせ、摩擦熱で冷えた手を熱する。
その間に空洞を作り、息を吐き更に両手を暖める。
寒がりなのだろうか、暖炉からやはり離れようとはしない。
「黒猫にだって、人や他の動物などを幸せにできること、それを忘れないで貰いたい。
時には不思議な力を使って、あなた達を助ける場合だってあるかもしれない。
私達はあなた方を不幸にしたりするものでは、決してありはしないのです。」
語り部の主張が終わると部屋が暗くなった。
この部屋は使われないのだろう。また、長い休養の時間に入るのだ。
「またこの部屋で会うことがあるかもしれないでしょう。
そのときはまた私の小話に耳を傾けてもらえると、ありがたいです。
それでは、またいつか」
最後に発せられた別れの言葉、これを最後に部屋から音が消える。
また、いつか。
語り部の最後の言葉が、いつまでも部屋の中で木霊している様だった。
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377 : ◆PORNOqm4Ug
:2007/12/02(日) 04:17:14.16 ID:GLBmrnKw0
- 最後駆け足になってしまいましたが、黒猫グループの作品はこれにて終了です。
こんな時間までお付き合いいただきありがとうございました。
新人合作はまだまだ続くので、皆様どうぞ楽しんでいってください。
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380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
:2007/12/02(日) 04:22:39.39 ID:uwk4e+cS0
- 最後に
ξ゚听)ξ「黒猫っ!!」
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