(´・ω・`)ショボンは退魔師稼業のようです
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677 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 07:46:42.53 ID:syl5Lxw40
三人で写真を撮影するときには真ん中にいてはいけないという。
真ん中で写真に写ってしまうと不幸になり、場合によっては死んでしまうのだ。
こんなものただの都市伝説に過ぎない。
信憑性もない。
標準的な知能指数があれば分かる。
もしそれが本当なら、毎日何万人の人間が不可解な死を遂げるのか。
変死事件のバーゲンセールで警察は大忙しにつき来年度の採用人数は例年の10倍です。
就職浪人大喜びだな。
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679 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 07:49:13.31 ID:syl5Lxw40
数十万、もしかしたら数百万か。
一日にカメラがフィルムに切り取るこの世の断片。
・・・何?デジカメにフィルムなんかない?
あげ足取るなって。
じゃ、本題に戻ろう。
考えたことはないか?
こういう都市伝説の類はどうして無くならないか。
本当にあるからだよ。
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681 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 07:51:37.19 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「本当にな・・・」
頑張ろう新人合作
(´・ω・`)ショボンは退魔師稼業のようです
ショボンは都市伝説に挑むようです
――色褪せた写真――
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683 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 07:54:00.27 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「ちょっとマジ暇だし。お腹空いたし。ブーン居ないし 」
うー、暇暇。
今暇を持て余して全力で脱力してるオレは、バーを経営するかなり良い男なナイスミドル。
強いて本当の顔をあげるとすれば、妖怪変化の類をぶち殺す退魔師ってとこかナ・・・・・・
名前はショボン。
そんなわけで、面倒な雑用は全部ブーンに押し付けて、ぐうたらしているのだ。
(´・ω・`)「お?」
ふと見ると、入口を開けて一人の良い男が入ってきた。
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・・・・」
(´・ω・`)(ウホッ!!濃い男ww)
そう思っていると、突然その男はオレの見ている前で上着のボタンを外し始めたのだ・・・!!
N| "゚'` {"゚`lリ「お仕事・・・お願いしてよろしいかしら」
(;´・ω・)(お前、女かよ!!)
濃い男、改め濃い女はふわりとテーブルに上着を置くと、優雅なそぶりで座った。
この顔で女なんて、本当にかわいそうなのだ(爆)
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686 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 07:55:22.33 ID:syl5Lxw40
N| "゚'` {"゚`lリ「どうなのかしら?お受けしていただけるの?」
(;´・ω・)「え、ええ、いいですとも!!」
濃い女にペースを奪われたオレは、言われるままホイホイと仕事受けちゃった。
まだ内容も聞いてないのに。
彼・・・じゃなかった、彼女・・・
ちょっとセレブっぽい骨董品屋店主で安部高子と名乗った。
レズ・セックスもやりなれてるらしく、イケメンのオレには全く興味無いんだって。
やっほい♪
安部さんはオレの返事を聞くなり、テーブルに一台の古ぼけたポラロイドカメラを置いた。
N| "゚'` {"゚`lリ「良かったのかしら、ホイホイお仕事受けて。私は難しいお仕事を持ってきた人間ですのよ?」
(´・ω・`)「こんなこと初めてだけどいいんです・・・・・・。
オレ・・・阿部さんみたいな人の恨み買うの嫌ですから・・・」
下手に断ると大変そうだしね。
N| "゚'` {"゚`lリ「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。そんなに攻められたらとことん喜んじゃうわ 」
阿部さんはMだった。
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687 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 07:57:03.53 ID:syl5Lxw40
N| "゚'` {"゚`lリ「ところでこのカメラを見て。こいつをどう思う?」
(´・ω・`)「すごく・・・やばそうです・・・」
言葉通りに、それは凄まじい妖気を放っていた。
オレはと言うと、全身に感じる負の波動に、安請け合いした事を多少後悔し始めていた。
(´・ω・`)「・・・面倒だな。こんな物、一体どこから掘り出してきたんですか?」
N| "゚'` {"゚`lリ「何でも先代店主のとき、あぁ、私のパパだけど、どうしても手放したいって言う人から買ったらしいわ。
足元を見て、二束三文で買い叩いたらしいけど 」
(´・ω・`)「そうでしょうね。この禍々しさは素人でも分かる。あなたの父親もよく買い取ったものだ 」
N| "゚'` {"゚`lリ「だってこれ、名のあるメーカーのアンティークカメラよ?ホイホイ買っちゃう気持ちも分かるわ 」
(´・ω・`)「で、オレにどうして欲しいと?」
N| "゚'` {"゚`lリ「呪いを解いてもらいたいの 」
(´・ω・`)「呪い・・・ね 」
阿部さんによると、何回か売れたこのカメラは、買った客が必ず売りに戻ってくるらしい。
その度に同じ事を言われるんだと。
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690 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 07:58:58.69 ID:syl5Lxw40
「このカメラで写真を撮ると、真ん中に映った人間が不幸に合う」
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692 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:01:34.06 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「真ん中ねぇ・・・。1人で写ったらどうなるの?はい、チーズ 」
オレは何の気無しにカメラを手に取ると、阿部さんに向けてシャッターを切った。
N| "゚'` {"゚`lリ「な・・・!!」
顔を作る暇もなかっただろう。
オレの不意打ちに阿部さんはご立腹のようだ。
でも思うに、こういう時にこそ思い出に残る表情が生まれ・・・
N| "゚'` {"゚`lリ「テメェ!!何するんだコノヤロウ!!貸せっオラッ!!テメェも撮ってやる!!」
(´・ω・)v+キラーン「スマートに撮ってね 」
N| "゚'` {"゚`lリ「フハハハハッ!!撮ってやったわ!!これでテメェも私と運命共同体よ!!」
それだけは勘弁願いたい。
オレはスリムで背が高くて、サラサラロングヘアーの女が好みなんだ。
こんなガチムチ女は嫌だ。
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694 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:02:39.91 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「申し訳ありませんが、オレには心に決めた人が・・・」
べっ、別にクーの事言ってるんじゃないんだからねっ!!
N| "゚'` {"゚`lリ「違うわよ!!いい事!?このカメラで撮った写真の真ん中に写った人には不幸が訪れる 」
(´・ω・`)「フムフム 」
N| "゚'` {"゚`lリ「1人で写ったら死ぬ!!オケー!?」
外へ出ようぜ・・・
久しぶりに・・・
キレちまったよ・・・・・・
(#´・ω・)「キサマ!!ぶち殺す!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「自業自得よ!!あなたも死にたくなかったらこのカメラの呪いを解きなさい 」
そしてオレと阿部さんの旅は始まった・・・・・・
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696 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:03:36.21 ID:syl5Lxw40
伊豆――
(´・ω・`)「井戸の底で永遠に眠るが良い!!」
川д川「ギャァー!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「ナイスよショボン!!これで呪いのビデオテープの悲しい死のらせんは断ち切られたわ!!」
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698 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:04:32.00 ID:syl5Lxw40
佐伯家――
(´・ω・`)「このショボン、親子といえども容赦せん!!」
川゚д゚)(●_●)「「ギャァー!!」」
N| "゚'` {"゚`lリ「グッドよショボン!!これで呪われた家の浄化に成功したわ!!」
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700 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:07:02.21 ID:syl5Lxw40
台湾――
(´・ω・`)「電波に潜む卑怯者め!!極楽にイカせてあげるわっ!!」
从゚;;-゚从 「ギャァー!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「エクセレントよショボン!!これで誰も死の予告電話に震える事はなくなったわ!!」
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702 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:09:33.43 ID:syl5Lxw40
数々の呪いを解く旅・・・
オレと阿部さんの間には奇妙な友情が芽生えつつあった。
男女の間に友情は生まれない?
違うね。
共通の目的を持つ者同士であれば、性別を超越した繋がりが生まれるんだ・・・・・・
(#´・ω・)「って、一番肝心な自分の呪いを解いてねぇぇぇぇぇー――――っ!!」
バーボンハウスに戻ったオレは叫んだ。
N| "゚'` {"゚`lリ「なんだ。やっと気付いたの 」
(#´・ω・)「ぶち殺すぞ!!呪いで死ぬ前にオレがぶち殺すぞ、お前!!分かってんなら早く言えよ!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「だって・・・あんたと居ると私の女がじゅんじゅん来るんだもん 」
これはマズイ・・・
あぁ、そんな潤んだ目でオレを見るな。
本当に
コ ロ シ タ ク ナ ッ チ ャ ウ ヨ
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704 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:10:57.65 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「こういう呪いの類にはタイムリミットがあるはず。あとどれくらいだ?」
N| "゚'` {"゚`lリ「ん〜。お客さんから聞いた話をまとめると、後5〜6分ってとこかしら?」
(´・ω・`)「ふぅ〜。それを聞いて安心した 」
オレはホッと胸を撫で下ろした。
十分だ。
5〜6分もあれば十分だ。
(´・ω・`)「さて、このカメラだがな 」
オレはおもむろにカメラを取り上げ、フィルムを全て取り出す。
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705 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:13:04.05 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「やっぱりな。あれだけの妖気を垂れ流してたんだ。中に潜んでると思ってたよ 」
そう言って、数枚の真っ黒なフィルム群の中から取り上げたのは一枚の色褪せた写真。
そこには憤怒の形相でこちらを睨む、1人の老女が写っていた。
N| "゚'` {"゚`lリ「え?私がフィルム入れ変えた時はこんな写真無かったのに・・・」
(´・ω・`)「そりゃそうだ。コイツはこのカメラの中に自分の巣を作ってそこに潜んでたんだからな。
阿部さんみたいな一般人が見つけられるはずが無い 」
写真の老婆は噛み付くような顔で睨み続けている。
見てると気分が悪くなる。
コリャもう悪霊とかその辺のレベルを超越しちゃってるな。
人を殺し過ぎて呪いそのものになってる。
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707 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:14:19.69 ID:syl5Lxw40
N| "゚'` {"゚`lリ「ショボン、もう時間が無いわよ!!」
阿部さんが不安げに叫ぶ。
やめろよ。
ちっとも可愛くない。
むしろキモい、死ね。
(´・ω・`)「まぁ、見てなって 」
オレはスタイリッシュな手付きでフィルムを1枚だけカメラに戻し、レンズの正面に老婆の写真を翳した。
(´・ω・`)「阿部さん、牛の刻参りって知ってる?」
N| "゚'` {"゚`lリ「藁人形に釘を打つアレ?」
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709 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:15:27.52 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「そうソレ。あれにはね、釘を打ってる間は人には見られちゃいけないってルールがあるんだ 」
N| "゚'` {"゚`lリ「見られたら呪いが自分に返ってくるからでしょ?」
(´・ω・`)「right。その通り。よく分かったね?」
N| "゚'` {"゚`lリ「横文字使われたら正直濡れるわ 」
阿部さんはオレより少しだけ写真の呪いにかかった・・・
と言う事は、オレより先にこのブスが死ぬはず。
こいつが死んでから呪い解こうかな・・・
(´・ω・`)「呪詛返しってヤツでね。返された呪いは、本来より遥かに強力な呪いとなる 」
オレはそう言ってシャッターを押した。
古臭いストロボがバーボンハウスを照らす。
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714 :
◆FnO7DEzKDs :2007/12/06(木) 08:29:00.89 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「今回の呪いのルールは単純。このカメラで1人で写った者は死ぬ。
たった今、この写真の老婆は1枚の写真の主役になった 」
ポラロイドカメラは、まるで自身の舌のようなフィルムを1枚吐き出した。
オレはそれを手にとってパタパタと乾燥させる。
しばらくそうしていると・・・出てきて出てきた。
良く撮れてるじゃないか。
(´・ω・`)「ホラ、見なよ 」
出来た写真を阿部さんに渡す。
N| "゚'` {"゚`lリ「ぬわー!!」
阿部さんはまるで頼りになるお父さんの断末魔の様な悲鳴を上げた。
それも仕方のない話だ。
そこには自分の呪いで縊り殺された、老女のグロ画像が写ってるんだからな。
(´・ω・`)「これで今回の仕事は終わりだ 」
本気で阿部さんを見殺しにしようかとも考えたけど、まぁ、それはお茶目心って言う事で。
それに依頼人が死んだら報酬も貰えないしね。
・ ・ ・ ・ ・
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716 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:34:39.04 ID:syl5Lxw40
・ ・ ・ ・ ・
オレは呪いの解けたカメラを大事に抱えた阿部さんを見送る。
阿部さんは弾けるような笑顔でオレに礼を述べた。
もう日が高い・・・
太陽の光は阿部さんの顔を明るく照らす。
ちっとも可愛くない、死ね。
N| "゚'` {"゚`lリ「ありがとう、助かったわ 」
(´・ω・`)「報酬はこの口座に入れてくれ。金額は・・・、こんなもんだな 」
N| "゚'` {"゚`lリ「余裕よ余裕。このカメラがキチンとした評価で売れれば、その何倍のお金が入ってくるんですもの 」
少しだけ多めに請求したんだが問題はないようだ。
だったらもう少しボれば良かった。
あ、オレの精神的苦痛に対する請求を入れ忘れた。
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719 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:36:58.31 ID:syl5Lxw40
N| "゚'` {"゚`lリ「ところでショボン、ものは相談なんだけど 」
(´・ω・`)「断る 」
N| "゚'` {"゚`lリ「話くらい聞きなさいよww。私の――」
(´・ω・`)「断る 」
N| "゚'` {"゚`lリ「もう、せっかちさん♪悪い話じゃないわ。私のセフ――」
(´・ω・`)「断る 」
N| "゚'` {"゚`lリ「セフレ――」
(´・ω・`)「断る 」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・」
N| "゚'` {"゚`lリ「性欲を持て余す 」
(´・ω・`)「死ね。出来るだけ長く苦しんで死ね 」
阿部さんを叩き帰すと、バーボンハウスに再び静寂が訪れた。
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722 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:39:23.65 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「ちょっとマジ暇だし。お腹空いたし。ブーンまだ帰ってこないし 」
うー、暇暇。
再び暇を持て余して全力で脱力してるオレは、バーを経営するかなり良い男なナイスミドル。
強いて本当の顔をあげるとすれば、妖怪変化の類をぶち殺す退魔師ってとこかナ・・・・・・
名前はショボン。
そんなわけで、未だに帰ってこないブーンをどうお仕置きしてやろうか、なんて考えているのだ。
(´・ω・`)「お?」
ふと見ると、入口を開けて一人の若い男が入ってきた。
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725 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:43:58.66 ID:syl5Lxw40
|┃三 ガラッ
|┃ ____
|┃/⌒ ⌒\
|┃(○) (○) \
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\ 助けてくれお!!
|┃ |r┬-| |⌒)ベッドの下に鎌持った男が居るんだお!!
|┃ `ー'ォ //
(⌒ヽ・ ・ ̄ /
|┃ノ /
|┃ つ <
|┃ (::)(::) ヽ
|┃/ > )
|┃ (__)
よっぽど怖かったんだろう。
その男は目は虚ろ、そして全裸で駆け込んできた。
せめてパンツくらい穿いて来いよ・・・
よくここまでパクられずに来れたな・・・
オレは相手に分からないように1つ溜息をつき、笑顔を作った。
営業スマイルも良い男の嗜みだ。
こういう細かい気配りが出来てこそ、事業は円滑に回り出すってものさ。
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727 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:46:49.11 ID:syl5Lxw40
(´・ω・`)「伺いましょう・・・。あ!!ちょっとそこでオシッコしないで!!」
(´・ω・`)ショボンは退魔師稼業のようです
ショボンは都市伝説に挑むようです
――色褪せた写真――終
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730 : ◆FnO7DEzKDs
:2007/12/06(木) 08:49:34.86 ID:syl5Lxw40
- 予想外に支援付いて感謝です。
皆、結構起きてるもんなんですね。
今回の合作参加者さん達はオレとほぼ同期。
マシンガンのような援護射撃のウチの一発の弾にでもなれたらと思い、さっき3時間で書き上げましたww。
現行もこれくらい早く書ければいいのにorz
猛スピードで書き上げましたので、しっかりと推敲できてないまま投下しました。
普段の現行にもまして、アイタタ・・・な感じですけど勘弁して下さい。
9月だったかな。
企画されたその瞬間を総合で見てたんですけど、完結の実績が無かったので指咥えて羨んでたんだぜ。
それにしてもさるホントに強ぇ〜orz
では一読者に戻ります
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