ヒーロー見参!グループ
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5 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:01:24.68 ID:h41ofUVw0
- 新人合作もついに最後のグループまで辿り着きました。
それでは共通前半を投下します
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6 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:03:05.31 ID:h41ofUVw0
- ―――ヒーロー。
あなたにとっての”ヒーロー”とは一体誰だろうか
友達?
親?
職場や学校の先輩?
それとも、
未だにテレビや漫画の中に存在している人も多いのではないだろうか。
ヒーローにも色々な種類があるだろう。
例えばの話しだが、
何も全てのヒーローが ”正義”という名の下に動いている訳ではない。
悪のヒーローだって存在する。
少々、捻じ曲がって不恰好なそれだって存在する。
世の中、ウルトラマンや仮面ライダーみたいな奴だけではない。
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8 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:04:14.57 ID:h41ofUVw0
- ただひとつ、
どんなヒーロー達にも、共通していることがあると思う。
彼らは「何かを守る」ために存在するということだ。
とある者は自分自身
とある者は愛する者
とある者はこの世界
何かを守るために、自分の体と精神を削って業を尽くす。
それさえ出来れば、誰だってヒーローだ。
そしてここにも、「世界」を異形の存在から守るために、
傷だらけの身体で奮闘する男が一人…………
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11 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:05:56.15 ID:h41ofUVw0
- ―――ニューソクワールド B地区 シベリアデザート
荒涼とした大地に、一筋の鋭い風が吹いていた。
灰色の空を、大鷲が大きく円を描くように飛び回る。
大鷲は、上空から眼下で繰広げられている何かを傍観しているようだった。
(メ^ω^)「くそっ…」
爪'ー`)y「ふっ。その程度かブーン」
一人の若い男と、異形の姿を持った謎の人物が対峙していた。
男は黄砂に膝を落とし、皮手袋を纏った拳を地面に叩きつける。
異形は、その男の様子を見てこう嗜めた。
爪'ー`)y「この世界は私のものだ。私の力の前では、どんな存在も塵と化す」
言うなり、咄嗟に男が立ち上がる。
拳で風を切り裂くモーションをしたのち、男の二倍はある体躯を持つ異形を指差しこう言い放つ。
(メ^ω^)「お前なんかに、ボクらの世界は渡さないおー!」
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14 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:07:15.73 ID:h41ofUVw0
爪'ー`)y「無駄だ! 私はラウンジ星から飛来した超生命体」
爪'ー`)y「世に生を受け、授かった本能は”破壊”ィィ!!!」
爪'ー`)y「この星は水や緑にとても恵まれている」
爪'ー`)y「整ったものを崩していくこの感覚…… ふふっ。最高だと思わないか」
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15 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:08:24.63 ID:h41ofUVw0
- 世界を破壊せんとする異形の存在 「フォックス」の左手が、まるで巨大な鋏と変化した。
そして、歪な笑い声をあげながら、周囲の岩を次々と切り刻んでいく。
爪'ー`)y「ギャハハー!! 何かをブチ壊わすのはとても気分がいいぜ!」
爪'ー`)y「だが、生身の人間を殺すときの快感には値しないな……」
フォックスが鋏型に変形した腕を収縮させたそのとき、
若い男の掌から、黄金色に光る閃光弾が発射された。
(メ^ω^)「これでも喰らえ―――!!!」
光を纏った一筋のエネルギーが、フォックスへ伸びる。
しかし、フォックスは右腕を横に一閃。無常。閃光弾はかき消されてしまった。
(メ^ω^)「なっ……!」
爪'ー`)y「そんな小細工は無駄だと、何度言ったら気が済む?」
爪'ー`)y「……いや、私の前では、おまえのいかなる攻撃手段もただの小細工だっ!」
爪'ー`)y「この世界の”ヒーロー”は、もっと骨がある奴だと思っていたんだがな」
爪'ー`)y「大したことではない。消してやる」
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16 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:09:35.51 ID:h41ofUVw0
- (メ ω )「………」
再び絶望する「正義のヒーロー・ブーン」
なぜ彼が世界を救う存在となったのか? その話しは数十年前にさかのぼる。
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19 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:11:55.95 ID:h41ofUVw0
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―――コンビニにて
「あたためますか?」
( ^ω^)「はいだお」
(´・ω・`) 「俺の心もあたためてくれるかい?」
( ^ω^)「…ん?」
( ゚ω゚)
(;^ω^)「ショショショショ ショボン様!」
( ^ω^)「なぜ、数年前、大魔王ビコーズの魔の手からこの世界を救ってくれた大英雄がコンビニ店員に!?」
(´・ω・`) 「説明口調乙」
(´・ω・`) 「まさかバレていまうとはな。
だが、疲れたんだよ…… 心も身体もな」
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20 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:12:52.18 ID:h41ofUVw0
- (;^ω^)「そんなこと言わないでくださいお!」
(;^ω^)「またこの世界が危機に瀕したら、ボクたちはどうすれば………」
(´・ω・`) 「キミが守ればいい」
(;^ω^)「……え?」
(´・ω・`) 「手を出したまえ」
( ^ω^)「は、はいだお…」
(´・ω・`) 「私の超人的パワーを、今キミに譲渡するっ!!
注入――――――!!」
( ゚ω゚)「アッ――――!!!!」
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21 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:14:12.78 ID:h41ofUVw0
- (´・ω・`) 「……よし、これで君は、立派なヒーローだ」
(;^ω^)「力がみなぎってくるお… これが、ヒーローの力」
(´・ω・`) 「そうだ。その力で世の中の困っている人たちを助けまくりんぐしなさい」
(;^ω^)「…でも、ボクにそんな大役が務まr」
(´・ω・`) 「はっ!!! 四丁目の角でストーカー出現の予感!!! 今すぐ出動してこい!!!」
(;^ω^)「!? あ、いや」
(´・ω・`)ノシ 「早く行けぇえええええ!!!!!!!!!」
⊂ニニ(^ω^;)ニニ⊃「りょっ、了解だおー!!!」
___
(´・ω・`) (店員をしながらずっと気を探って、待っていたのだ)
(´・ω・`) (正義と博愛の精神を持つ若者を……)
(´・ω・`) (あいつは、俺以上に大物になれるかもな)
(´・ω・`) (いい後継ぎが決まって良かったぜ……)
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22 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:15:04.70 ID:h41ofUVw0
- ショボンから受け継いだ、正義の、意思。
それを、ここで絶やすわけにはいかなかった。
(メ^ω^)「…っく!! 僕はショボンさんのためにも!」
(メ^ω^)「世界中のみんなのためにも!」
(メ^ω^)「負けるわけにはいかないんだお――――!」
ブーンの身体が飛翔する。
青白い気を纏いながら、フォックスの眼前へと飛び込んでいく。
爪'ー`)y「無駄だ」
冷酷にその一言が地に落ちた瞬間。
フォックスを中心に、凄まじいまでのソニックブームが舞い起こった。
ブーンは退却の意思なくも遠方へ吹き飛ばされてしまう。
首に巻いた赤いマフラーが、靡く。
爪'ー`)y「もはやまともに技を繰り出すことさえ、儘ならないようだな!」
爪'ー`)y「トドメをさしてやる! 去ねっ!!」
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24 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:15:38.36 ID:h41ofUVw0
- フォックスの口から、極大の火の玉が発射される。
火の玉は一直線にブーンを目指し、彼の体躯を真紅に染めた。
辺り一面の、僅かな草木が燃えている。
(メ^ω^)「…っく!! ぼくは… 負けるわけには… いかねぇんだお…」
爪'ー`)y(ちっ… まだ生きていたか)
立ち昇る煙の中、ブーンはまだ生きていた。しかし、その身を起こすことはできない。
彼は無力感を抱いた。そして今の自分の心情を表しているかのような、もたついた色の空を仰ぐ。
……すると、聞き覚えのある声が頭の中で響いた。
(ブーン……)
(メ^ω^)(ショ、ショボンさん!?)
(苦戦しているようだな。しかし、正義は必ず勝つ。そうだろ?)
(メ^ω;)(うぅ… 僕は、例外ですお。このまま、死んでしまうのですお)
(諦めるな! 最後の手段を使うんだ! 立ち上がれ!)
(メ^ω^)「よ、よおおし!!!」
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27 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:17:45.19 ID:h41ofUVw0
”最後の手段”とは? 疑念を抱きつつ、ブーンは力を振り絞り、
血だらけの身体でなんとか立ち上がった。
ショボンの声が続けて響く。
(両腕を上げろ!! そして、違う世界にいるヒーロー達に力を分けてもらうんだ!!!)
(メ^ω^)「違う世界?」
(そうだ!! 住んでいる世界は違えども、
何かを守るという信念の下に自分の存在を委ねる者たちの、
元気を、パワーを借りるんだッ!!!)
(お前が、”この世界を救いたい”という、強い、願い!! それを持っていれば、自ずと集まるはずだ!!!)
(メ^ω^)「分かりましたお―――――!!!」
爪'ー`)y「何事だっ!?」
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32 : ◆ps3CKPkBXI
:2007/12/08(土) 21:22:45.31 ID:h41ofUVw0
- ブーンは両腕を上げ、掌を上向きにして叫ぶ。
(メ^ω^)「みんな! 僕に力を分けてくれお―――――――――!!」
すぐさま、彼の心の中に、4つの声がこだました。
これからお話しするのは、彼ら4人の、
血と汗と涙と愛に塗れた物語。
『ヒーロー見参!!』
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