从'ー'从 オトナの階段を上るようです(-_-)2日目-2
从'ー'从渡辺と(-_-)ヒッキー
終点の東京へ着き、俺等は揃って電車を降りた。
そして。
从'ー'从「わあ・・・・・・」
(;-_-)「凄い人だ・・・・・・」
この二人は俺とクーが初めて東京に来た時と全く同じことを言っていた。
いやなにせ、ほんとに人がゴミのようにうようよしてるし、
ホームレスはその辺で寝てるし、
疲れた会社員はベンチに横たわって新聞紙顔の上においてるしで本当にどうしようもないくらいに人が多い。
('A`)「びっくりかい?」
从'ー'从「はい〜。私達が居たところもそこそこ人はいたんですけど、これは・・・・・・」
川 ゚ -゚)「この日本という場所の首都だからな。仕事も多い上に大体なんでも揃ってるからいやでも人が住み着くわけだ」
(-_-)「・・・・・・ではクーさんとドクオさんも?」
('A`)「ん、まあそんなとこだな。ぶっちゃけると最初はただ東京っていう都会に住みたいっていう田舎臭い発想だったんだが」
川 ゚ -゚)「それに付き合わされたわけだな私は」
('A`)「ファッキン!」
川 ゚ -゚)「あ?」
(;'A`)「・・・・・・正直スマンカッタ」
川 ゚ -゚)「よろしい」
恐らくだが、あそこの二人から見て大体の位置づけは決まっただろう。
クー=渡辺>>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>>俺=ヒッキー といった感じで。
渡辺ちゃんはあの天然っぽさの裏に腹黒いものが詰まっているというか、黒いというか。
でも当の本人は発言そのものに悪意も自覚もないから性質が悪い。
なんかちょっと俺とクーと似てるなこの二人。
从'ー'从「ほんとに人がいっぱいだね〜・・・・・・」
目をきらきらと輝かせながらあたりをきょろきょろとしている。
(-_-)「本当ですね・・・・・・」
いやまて前言撤回。第一俺はこんな根暗っぽい感じじゃない。そしてクーは自覚してえぐいことを言ってくる。
それにこんな可愛らしいいかにも女の子みたいな口調じゃない。
从'ー'从「あっ、でもヒッキー。こんな見とれてる場合じゃないよ〜」
(-_-)「・・・・・・DATの回収・・・・・・絶対にしなくてはいけません。この世界の為にも、何より渡辺さん。あなたのためにも」
从'ー'从「そうだねっ・・・・・・」
でも、なんか昔の俺とクーを見てる気持ちになるんだよな。何故かはわからないが。
ついでに話の内容もわからないが。
川 ゚ -゚)「どうしたドクオ」
('A`)「あん?」
川 ゚ -゚)「ぼーっとしていたようだが・・・・・・疲れか?」
('A`)「バーカ。疲れだったらお前も溜まってるだろ。まだ平気だ」
川 ゚ -゚)「む。馬鹿と言ったな。馬鹿と言った方が馬鹿なんだぞ?」
(;'A`)「クーさん今時小学生もそんなありきたりなこと言わねーぞ・・・・・・」
川 ゚ -゚)「マジっすか」
(;'A`)「帰ったら寝ろ。な?」
川 ゚ -゚)「・・・・・・悪いがそうさせてもらう」
('A`)「あら意外と素直」
川 ゚ -゚)「素直が取り柄だぞ私は」
('A`)「設定とかこだわる人っているよね」
川 ゚ -゚)「?何のことだ?」
('A`)「なんでもねー」
もしこの世界が一つのアニメ、漫画、ゲームといった二次元に近いものだとすれば、
必ず俺等には【設定】というものが存在する。
そしてそれには逆らえない。もし、逆らおうと考えて動いたとしたら、それすらも設定で、決められて動いていることになる。
つまり、もしこの世界が二次元に近い、または二次元のものだとすれば設定からは逃げられない。
って、何考えてるんだ俺。
いかんいかん。なんかいつの間にやら厨二病にでも発症したか?
从'ー'从「あの」
('A`)「ん」
ぼーっとわけのわからん妄想している間に、渡辺ちゃんが話しかけていた。
いや、もしかしたら既に何度か呼びかけてきていたのかもしれない。
从;'ー'从「ここにずっといるつもりなんですか?」
('A`)「あ」
そうだった。ささっとマンションまで行かなくては。考えてみれば俺も疲れてるしクーも疲れてる。
それにちゃんとマンションを管理しているということを見せないと疑われてしまいかねない。
というか、既に疑われているだろうな。急がねば。
('A`)「とりあえず駅を出てタクシーを拾って行こうか」
川 ゚ -゚)「ドクオ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「残念だがお前の財布と私の財布の中身を考慮してみれば私がいいたいことは分かるだろう」
('A`)「んーっと・・・・・・」
あ、
やべぇ
切符代でぶっ飛んだんだった。
川 ゚ -゚)「あーゆーおーけ?」
(;A;)「いえっさー・・・・・・」
(;-_-)「・・・・・・なんかすみません」
(;A;)「いいんだ・・・・・・ いいんだよ少年・・・・・・ 」
川 ゚ -゚)「とりあえず出るぞ。こっちだ」
从'ー'从「はーい」
(;'A`)「ヒッキー君。あの子もしかして結構腹黒い?」ヒソヒソ
(;-_-)「・・・・・・ええ、まぁ多少なり」ヒソヒソ
川 ゚ -゚)「何やってる。いくぞ」
('A`)「ナニもしてないぜ!さあいこう!」
川 ゚ -゚)「溜まってても今夜はナシだぞ」
(;'A`)「・・・・・・」
心なしか、クーが冷たい。
いや、違う。疲れてるんだ。そう疲れてる。
疲れてると思うんだ。そうだ、クーは疲れてる。
俺に嫌気をさしたとかじゃない。そうだきっとそうだ。
うん、疲れてるんだよな。クーは疲れてる。そう、疲れてるんだよ。
違う、俺に嫌気をさしたんじゃない。疲れてるんだって。
いやだから、疲れてるんだよ。確かに、俺の発言に問題はあったかもしれない。
確かにな・・・・・・ 確かに「ナニもしてないぜ!」は悪かったさ・・・・・・ でも、それだけで嫌気をさすなんてことは・・・・・・
そうだ。自信を持て。こういった疑問から破局が出てくるんだ。落ち着け。落ち着け俺。OK!元気を出そうぜ!
さあ、ガンガンいこうぜ!
('A`)「よし!行こうぜ!」
「ママーあの人なんか一人で物言ってるよー」
「しっ!見ちゃいけません!近づいちゃいけません!触っちゃいけません!逃げるわよ!」
(;'A`)「・・・・・・」
('A`)「ひでぇな。なあク・・・・・・」
ってあれ?みんなどこいったんだ?
(;'A`)「・・・・・・」
('A` )「これは・・・・・・」
(゚A゚)「置いていかれちまった!」
畜生!みんないねぇ!どこだよ!
俺だけ置いてきぼりか!
「お、おい・・・・・・」
「か、カメラどこだよ!」
「しゃ、写真取れ!写真!」
ざわ・・・ ざわ・・・
ざわ・・・
ざわ・・・ ざわ・・・
ざわ・・・ ざわ・・・
ざわ・・・ ざわ・・・ ざわ・・・
ざわ・・・ ざわ・・・ ざわ・・・
ざわ・・・ ざわ・・・ ざわ・・・
('A`)「・・・・・・ん?なんかアホみたいに騒がしいな。お?あの後ろ姿は・・・・・・」
しかし時間的にはもう夜なんだが・・・・・・ いくら都会とはいえこの人だかりは・・・・・・
まあいいや。あいつらに声かけt・・・・・・
从'ー'从「DATの影響が・・・・・・」
(-_-)「ここにも・・・・・・」
('A`)「(はて?DAT?ここにも?)」
DATとは?というか何が起きてるんだ?
そういやこいつ等異世界から来たとかいってたよな。じゃ、あいつ等の何かか。
うーん。気になるな。
('A`)「何話してるんだ?
从;'ー'从「・・・・・・え?」
(-_-)「渡辺さん」
从;'ー'从「え、何〜?」
(-_-)「・・・・・・この人たちを信用してるなら、話してもいいでしょう」
('A`)「ん?」
从;'ー'从「え、でも・・・・・・」
(-_-)「信用してもらってるのに、この隠し事は不味いと思います。
それに、これからしばらくお世話になるなら丁度いい機会です」
从'ー'从「そっかぁ・・・・・・ なら、いいかぁ」
('A`)「なんだ?」
(-_-)「クーさんも、ついてきてください。あの人だかりの奥にいきます」
川 ゚ -゚)「む・・・・・・」
从'ー'从「いくよー」
(;'A`)「え?ああ・・・・・・」
うーん。話がよくわかん。
だけど、とりあえずついていかないと話が進まない気がするし、ここで断るのも何か悪いし・・・・・・
(-_-)「そこをっ・・・・・・ 道をあけて下さいっ・・・・・・! 」
「な、なんだお前! 」
从'ー'从「ちょっとどいて〜っ! 」
「うっ・・・・・・ 俺等だって見てるんだよっ!」
(#-_-)「いいからどけッ! この醜いピザヲタが! 」
「てめっ・・・・・・! 」
どうしてこんなに必死なんだろうか。
確かに、俺にも必死な場面はあった。でも、この騒動を見せることがそこまで大事なことか?
いや・・・・・・見るまでは分からない。それに、疑っちゃ駄目だ。あいつ等は、俺等を信じてるといってた。
なら、俺も信じないと。信じてやらないと。
(#-_-)「見てください! これが、これがDATの影響! 」
从#'ー'从「これをっ・・・・・・! 壊すために私達は今動いてるのっ!」
目の前に現れた世界。人から、人の山から見えたもの。それは―――――
(*'A`)「・・・・・・」
川 ゚ -゚)「おお」
「あひぃ・・・・・・っ らめぇっ・・・・・・! あらま、あらまひゃっ・・・・・・ おかしく・・・・・っ 」
「よがれよ! いっそ壊れちまえ! 」
乱交パーティだった。
(-_-)「人が、淫乱になってしまう! それがDATの影響! 」
从'ー'从「どうですか!?」
どうですか?って聞かれてもそりゃ・・・・・・
(*'A`)「おっきした」
川 ゚ -゚)「ぬれた」
(;-_-)从;'ー'从「(何この人たち―――――!!)」
そりゃ俺だって人間だもの。みつを
じゃなくて、男だから仕方ない。そう、これは生理現象。生きとし生けるとして当然のこと。
何がおかしなことがあるだろうか?目の前には痴女と数名の男。
女は男の陰茎をしゃぶり、ずぶずぶと自らの内部へと取り込んでいる。抜いては、挿して、抜いては挿して。
そんな光景を目の当たりにして、立たない男に何の価値があるというのだ!
('A`)「ふむ・・・・・・とりあえず君達は帰ったら30分ほど部屋に入らないで欲しい」
川 ゚ -゚)「同感だ」
(-_-)「・・・・・・死ねばいいのに・・・・・・」
从'ー'从「・・・・・・死ね・・・・・・・死ね・・・・・・」
何か聞こえたが気にしない。それにこれは恐らく幻聴。そう幻。
なら問題はない。いける。性的に、いける!
('A`)「・・・・・・で、真面目に問うとこの状況を作り出すのがDAT。
それを生み出す力がdat。で、それを壊すのが君達の役目。でいいのか?」
(;-_-)「え?あ、はい・・・・・・」
从;'ー'从「そうです・・・・・・」
川 ゚ -゚)「何真面目になってるんだ気持ち悪い」
('A`)「アーアーキコエナーイ」
とりあえず、この子達の来た理由は分かった。と、なると?
あの乱交パーティにことの元凶があるってことか?
('A`)「うっし」
イクか。あ、ちげ。行くか
(-_-)「・・・・・・?ドクオさん?」
(#'A`)「DAT寄越しな姉ちゃんらああああああああ!!」
从;'ー'从「あっ!」
目の前のパーティ会場に俺は駆け出した。元凶を破壊。そして、浴びせられる喚起の声。
更にみんなから褒められる。なんと!一石二鳥どころの話じゃない!
「な、なんだ手前!」
「邪魔すんな!」
('A`)「るせえ!操られてるんだよ手前等は!どけっ!」
「何よぅ・・・・・・っ!邪魔ぁ、しないでえ!」
(*'A`)「ここにDATがある気がするぜ!」
「きゃひぃっ!」
(;-_-)「ドクオさん! DATはここにはありません!」
('A`)「え」
从;'ー'从「反応がないの〜!」
('A`)「うそん」
川 ゚ -゚)「お前放課後体育館裏集合な」
('A`)「・・・・・・」
「お前何割り込んでんだよ!」
(;'A`)「・・・・・・」
「空気嫁よ!ゆとりかお前は!」
(;A;)「・・・・・・」
「「「最低だな!!」」」
(#;A;)「みんな嫌いだあああああああ!!!」
(;-_-)「あっ!」
从;'ー'从「逃げたっ!」
川 ゚ -゚)「ドクオ選手!一人颯爽と逃げ出した!」
浴びせられる罵声と暴力から俺は逃げ出した。一石二鳥?二兎を追う者一兎を得ずってな。泣きたいよカーチャン
一人駆け出し、逃げ出した先は勿論マンションの敷地内。だって他に逃げる場所ない上に、迷子とかって嫌じゃないか。
ってなわけで、結局見つかり今現在
('A`)「・・・・・・DATの力、恐るべし」
(-_-)「・・・・・・あなたのは間違った恐怖だと思います」
('A`)「ですよねーはははー」
川 ゚ -゚)「基地外レベルだったぞ」
('A`)「でっすよねー」
从'ー'从「引いた」
(;A;)「なんとでも言ってくれ・・・・・・」
尋問というか虐められていた。全部自業自得だけどな。
そんな感じではちゃめちゃだが
なんとかマンションへと到着というわけだ。
恐らくクーが案内してくれたんだろう。そうじゃなかったら見つけられないしな。
まあ、いいや。
('A`)「さ、入ってくれ」
(;-_-)「・・・・・・これは」
从;'ー'从「・・・・・・凄い」
さっきまでの罵倒していた二人の姿はなく、口をぽかんと開き、唖然としていた。
まあ、当然っちゃ当然なんだが。
こんな人が溢れる街で、更に加えてこの首都というところで、このマンション。
言ってしまえば猫に小判、豚に真珠みたいなもんだがな。
あー卑屈だ卑屈。馬鹿みたいに突っ走ってた頃が懐かしいもんだ。引きこもりだったけど。
「・・・・・・お? 」
ふと、背後から声がした。何奴!と叫びそうになったが、何とか飲み込んで振り返る。
そこには
('A`)「あ」
_
( ゚∀゚)「帰ってきてたのか。早いな」
ジョルジュの姿があった。
川 ゚ -゚)「ただいま」
_
( ゚∀゚)「おう。おかえり」
('A`)「あ、俺も俺も!ただいま!」
_
(;゚∀゚)「どうしたんだよ一体。おかえり」
('A`)「色々ありまして。かくかくしかじかなわけで」
川 ゚ -゚)「まあ、ドクオが悪いんだが」
_
( ゚∀゚)「なるほど。とりあえずドクオはかくかくしかじかしか言ってない辺り、自業自得ってわけだな」
('A`)「(アルェー?)」
川 ゚ -゚)「いきなり全裸になって『クー!俺の怒りを静めてくれ!』なんていうもんでして」
_
(;゚∀゚)「おいおい、それはいくらお盛んっていっても、駄目だろドクオ」
('A`)「俺はやってない!俺はやってないんだ!」
川 ゚ -゚)「見苦しいぞドクオ」
('A`)「先生が!先生がやれっていったんだ!俺は何も悪くない!」
_
(;-∀-)「ここにいると馬鹿な発言に苛々させられる・・・・・・」
川 ゚ -゚)「・・・・・・あんまり私を失望させないでくれよ」
('A`)「違う!先生が!先生がぁ・・・・・・っ」
_
( ゚∀゚)「まあ、それはいいとしてだ。後ろの二人は誰だ?見かけない顔だが・・・・・・」
髪を切れば何でも許されると思ってる子の真似はあれとして。
まあ、説明しなきゃ駄目だよな。
('A`)「ネカフェ難民で、可哀相だったから拾ってきた」
川 ゚ -゚)「うちで仕事がしたいそうだ」
_
( ゚∀゚)「ほんとは?」
('A`)「異世界から来た」
从;'ー'从「あっ・・・・・・」
(;-_-)「ドクオさん・・・・・・!」
('A`)「何、心配するなって。この人は大丈夫だ。一番信頼できる人だ」
まあ、なんせ・・・・・・命の恩人だしな。
―――――――
_
( ゚∀゚)「『あの子達は幸せになって欲しいなあ』ってな……」
(#゚∀゚)「なんだって死を急ぐ!?今生きたいと思ってる人間がどれだけいてどれだけ必死に生きようとしてるか……!!
それなのに……それなのに逝ってしまう人間だっているんだぞ!?」
( 'A`)「……はい」
_
(#゚∀゚)「『はい』じゃねぇ!!高岡の野朗だって生きたかったんだ!もっともっと生きて遊びたかった!!
笑っていたかった!話をしたかった!!お前等は死ぬ理由なんてないだろうが!!」
( 'A`)「……俺たちだって……」
_
(#゚∀゚)「ああ!?」
(#'A`)「俺たちだって死にたくなんてないですよ!!」
_
(#゚∀゚)「じゃあなんだって死のうとしてやがる!!」
(#'A`)「騙されたんですよ。一番信頼をおいてた友人に!!莫大な借金を与えられて!!」
ブーンはそんなことをする奴と思っていなかった。
むしろアイツは、人を騙すことなんて不可能なくらい頭が悪くて、それで人が良い奴だ。
だから俺は信じた。 ブーンを信じた。 信じられる限り、信じ続けた。
でも……裏切られたんだ。 アイツは、裏切ったんだ。
_
(#゚∀゚)「借金だあ!?莫大だ!?知らねぇよそんなこと!!」
いつだってアンタ等大人はそうだ。
こっちの都合なんてまるで無視。 自分の都合ばかりを押し付けてくる。
そんなアンタ等のよまいごとなんてどうだって……
_
(#゚∀゚)「お前等はまだ生きられるんだろうが!!
死ぬわけでもないんだろうが!!それに一番信頼をおいてた友人に騙された!?
本当に信頼してるんなら騙されたなんて思わないだろうが!!だったら信じろよ!!その友人を信じろよ!!」
( 'A`)「……」
_
(#゚∀゚)「高岡は倒れてから俺にいつも言ってた『どうしてみんな死を急ぐのかな。生きていればやれないことなんてないのに』ってな。
借金?死ぬ気になれば人間はなんでも出来るんだよ!!でもな、死んだら何も出来ない!!何も残らない!!だったら……」
長岡さんの声は徐々に弱くなっていき……
涙を、流していた。
_
(#;∀;)「どうして生きようとしない……!!
やろうと思えばそれこそ卑怯でもやれるだろうが……!!」
俺はふとある言葉を思い出した。
『お前達が生きているこの今日は
昨日死んだ人達が死ぬほど生きたかった今日なんだよ』
―――――――――
('A`)「・・・・・・忘れもしねーよ」
_
( ゚∀゚)「ん?」
(;'A`)「や、何でもねーでやんす」
川 ゚ -゚)「お前はどこの矢部君だ」
_
( ゚∀゚)「まあいいや。で、この子達は何者なんだ?異世界って・・・・・・」
('A`)「話せば長くなると思う。俺達もまだ全部把握しきれてない。だから色々と聞かなきゃならないし」
_
( ゚∀゚)「・・・・・・」
从;'ー'从「・・・・・・」
(;-_-)「・・・・・・」
ジョルジュは黙ったまま、二人を見つめている。どちらかというと、目を見ている?そんな感じだ。
数十秒、いやもしかしたら一分?二分くらい経ったかもしれない。それくらいに時間が流れた気がする。
そして、口を開いた。
_
( ゚∀゚)「うん。信じよう」
信じたみたいだ。
('A`)「目を見て、何を思ったんだ?」
_
( ゚∀゚)「悪い奴じゃない。悪人の目をしていない。ただそれだけさ」
_
( ゚∀゚)「じゃあ、聞こうか君達の話を」
('A`)「それじゃ、部屋に行こう」
从;'ー'从「え?あ、はい〜」
俺と、クーの住む部屋へとジョルジュさんも含め、移動する。
暗い暗い部屋。そりゃそうだ。こんな時間だってのに電灯一つ点けていないのだから。
とりあえず、外で四人を待機させて、部屋の電気を点ける。
さて、リビングを見る限りそこまで汚れてないから大丈夫か。
そりゃまあ、地元に戻る時にあらかた掃除をしたからな。
なら、これくらいで呼び寄せればいいのだが、そうはいかない。
なぜなら、今俺の部屋には無残に放り出されているはずのエロ同人誌があるのだから。
これを見られては不味い。
と、なるとだ。隠さなきゃならないのだ。
どうする俺。時間はあまりない。隠す場所は三つ。一つはゴミ箱、二つは机の下、最後は押入れだ。
ゴミ箱は・・・・・ないな。誤って捨てられてしまえば隠した意味がない。それに見つかる可能性すら大だ。リスクが高すぎる。
なら次点で机の下・・・・・・これもない。これは見つかる可能性そのものは低いが大事な同人誌が汚れを被ってしまう。
となると、やはりここは押入れしかないだろう。
ここにぶち込んでおけばなんとかなる。
別に普通の同人誌くらいなら問題はないんだが、内容が内容だからな。うん。
流石に触手物三点セットはいささか問題があるもんな・・・・・・いえない。触手好きだなんていえない。
と、あまり時間を食ってる暇はない。疑われてしまえばそれでおしまいだ。
そろそろみんなを呼ぶか。
('A`)「いいぞ入ってー」
川 ゚ -゚)「残念だったな。私だけ既に入っている」
(;'A`)「うそん!?」
背後霊と呼んでも全く問題ないくらいに俺の背中にいつの間にやら張り付いていたクー。
いやいやいやいや。ということは、あの本を、あの触手ものを見られたということか・・・・・・?
不味い。クーはこういった男の浪漫は分かってくれない。いや、まあ普通誰でもそうだろうけどさ。
どうにか切り抜けなくては・・・・・・燃やされるっ!
川 ゚ -゚)「んー?さっき押し入れに入れたのはなんだ?」
('A`)「いや、これはですね。ひひ、ちょっと待ってくださいよ。そんな慌てなくてもいいじゃないですか。
あっ、ちょっと待ってクーさん。押入れは、その押入れはらめえええ!!」
そして、悪魔の手は、無情にも俺の宝物庫を開いてしまう。いや、ほんとヤバイ、ならどうして止めに入らないか。単純に
体が動かない!これから訪れる未来への恐怖で!
川 ゚ -゚)「・・・・・・淫妖蟲 蝕。聖騎士産卵記。ななみワンダーランド・・・・・・」
・・・・・・終わった。いろんな意味で終わった。ボコられる。これは確実にボコられる。
絶対怒ってるだろうな。いやだって、クーというものがありながら、俺は・・・・・・
これはフルボッコを覚悟しないと不味い・・・・・・しかしながらクーさん容赦ないからなぁ。
嫌だなあ。・・・・・・あ
待てよ。
そうだそうだ。
やられる前に、やればいいんだ。
謝罪。そうだ、これしかない。全身全霊を込めた謝罪。それをすれば、少しは容赦してくれると思う。
となると実行あるのみか!
よしっ!
('A`)「クー!」
川 ゚ -゚)「ああん?」
('A`)「ひっ・・・・・・」
川 ゚ -゚)「・・・・・・」
ひるむな俺!ここで言わなけりゃ、ここで行動しなけりゃ終わってしまう。
いけ、燃え上がれ!
よしっ!行くぜ!!
○ ○
 ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄\
/ ̄ ̄ \
_| ○\
|_
○
\○
○ /|/
ズザァーッ /\
○| ̄|_≡≡3 ∠
('A`)「すみませんでしたあああああああああああああああああああああああああ!!!」
川 ゚ -゚)「・・・・・・」
ジャンピング土下座。まさにそれが正しい言葉だろう。
大きく飛び上がり、そこからすかさず土下座の体制へと持っていく。我ながら情けない。百も承知だ。
しかしこれは俺ならではの、俺にしか会得できない恥も何もかもを捨てた馬鹿のみぞ知るこの必殺技。
これならば・・・・・・!
川 ゚ -゚)「・・・・・・もういい。はやく立て」
('A`)「え、ちょ」
川 ゚ -゚)「呆れてモノも言えんよ。私というものがありながら」
・・・・・・そうか。そっちすか。
_
( ゚∀゚)「ちーす。もう入っていいんだよn・・・・・・」
そして目が合う。
土下座している俺と、腕を組んで呆れ顔のクーと、唖然と目と口を開いたままのジョルジュ。
この状況下で、あの二人が見たらどういう気持ちになるのだろうか。いや、待て。それは、それだけは避けなくてはならな――――いい!?
从;'ー'从「ドクオ、さん?」
(;-_-)「なに、やってるんですか?」
見られた。終わった。人生オワタ。
というか、本当に何やってんだ俺。初対面でさらっとセクハラ発言。及び土下座を見られる。
あくまで土下座しても問題なかったのはクーだったからだ。次点でジョルジュは許せる。
しかし・・・・・・
初対面は不味いだろ・・・・・・
('A`)「あ、いやこれは、この世界の風習でね。
自分の立場が悪くなったらすぐに土下座するっていうね?うん。ほんとだから。うん。マジマジ」
从;'ー'从「・・・・・・え〜」
_
( ゚∀゚)「まあまあ、引かないでやってくれ。こいつはこいつなりに良いとこも少しはあるから」
('A`)「少しなんだ・・・・・・」
川 ゚ -゚)「いまさらどうやってこの状況を打破する気だ。お前の評価は地の底だろう」
(;A;)「全くもってその通りでございます・・・・・・」
俺の立場は、男の浪漫、触手によって見事にぶち壊されてしまった。俺、性癖見直すよ・・・・・・
川 ゚ -゚)「まあいい。ドクオ、お茶でも淹れてきてくれ」
('A`)「うい」
_
( ゚∀゚)「俺コーヒーがいいな」
('A`)「へーへー」
とりあえず、話の場を設けるためにお茶をコーヒーを淹れるために部屋の奥へ。
確か整理した場所はここの棚だよな。・・・・・・あったあった。
ちゃっちゃと淹れて行くか。
お茶とコーヒーをお膳の上に乗せて、随分と使い古された丸い机の上へと運ぶ。
ことん、と音を立てて皆の眼下へと置く。
何故か、場は静まり返っていた。真面目な雰囲気だ。
('A`)「よいしょっと・・・・・・」
_
( ゚∀゚)「ご苦労さん」
('A`)「ゆとり乙」
_
( ゚∀゚)「飲食店アルバイト乙」
('A`)「おっぱい狂め・・・・・・」
_
( ゚∀゚)「なにおう貴様やるか」
('A`)「んだと?やんのかてめぇ」
_
( ゚∀゚)「ぼこぼこにしてやんよ。表に出な」
('A`)「上等だ!」
川 ゚ -゚)「そういうのはいいから座れ馬鹿」
('A`)「いて」
こつんと、頭部を小突かれ、大人しく俺とジョルジュは座る。
少し、空気は和んだだろうか。そんなことを思いながら、俺は目の前の二人に視線を向ける。
異世界の人間、か。
('A`)「それじゃ、色々教えて貰おうかDATとか、そういうのについて」
从'ー'从「だが断る」
(;'A`)「え?」
从'ー'从「なんでもないよ〜聞きたいことがあったら言って〜」
気のせいか?気のせいなのか?今一瞬ものすごい顔がこわばってた気がするぞ?
いや、そんなことよりだ。今は聞かなきゃならない。こんなこと思ってる場合じゃない。
まず、聞きそびれてたことだ。
('A`)「・・・・・・君達は『何者』だ?それに、DATってのは一体なんだ?」
(-_-)「・・・・・・禁則事項です」
('A`)「嘘こけ」
(-_-)「・・・・・・冗談です」
(;'A`)「あのなぁ・・・・・・」
从'ー'从「私のセリフだと思うんだけどなあ今の・・・・・・」
川 ゚ -゚)「そうだな。渡辺くんにはぴったりのセリフだと思うぞ」
(;'A`)「なんだこの空気は」
(-_-)「話しますね」
('A`)「あれ?俺は無視?」
川 ゚ -゚)「ああ、ヒッキー君。頼む」
('A`)「(あーあー。なんで俺ってこんなポジションばっかりなんだろ)」
そんなことを思ってる俺を他所に、話は始まった。
(-_-)「電車内で言ったように、僕達はこの『世界』の人間じゃありません。
そこはわかりますよね?」
_
(;゚∀゚)「え?この世界の人間じゃない?電波じゃなくて?ほんとに?」
(;-_-)「電波・・・・・・」
(;'A`)「なかなかに酷いなジョルジュ」
_
(;゚∀゚)「や、だって普通信じられないだろ。この世界はどっかの憂鬱なヒロインが出てくるオカルトなもんじゃねーし
もっとシビアで、そんな子供の夢みたいな話は有り得ないんだから」
从'−'从「・・・・・・」
(-_-)「どうすれば、いいですか?」
_
( ゚∀゚)「んー・・・・・・ そうだな。何か異世界から来たって『証拠』みたいなものはあるかな」
なるほど。
確かに考えてみれば俺等はなんとなくで行くあてのなさそうな子を善意・・・・・・いや、偽善か?
兎に角なんとなくという薄っぺらい気持ちで誘ったからこそ
すぐさま信じたけど、そういえば『証拠』なるものは見ていない気がする。
从'ー'从「残念だけど、証拠はないの」
(-_-)「(確かに、ドライブを使うことで移動すれば納得するかもしれないけど戻ってこれる保障がない限り駄目だもんな・・・・・・)」
_
(;゚∀゚)「ないって・・・・・・それじゃますます電波説が正しい臭いぞ?」
从'ー'从「信用してもらえないと思う。でも、信じてもらえないならそれでいいよ
無理に信じろって方が無理だと思う。電波ちゃんと思うなら思って貰っても結構だもん。
ただ、嫌でもあなたは私達が来た理由、異世界から来たということを知ることになる」
_
( ゚∀゚)「・・・・・・どうゆーことだ」
从'ー'从「今は知らなくていいの」
_
( ゚∀゚)「・・・・・・」
重く、苦しい雰囲気。体中に重りをつけられたかのように、金縛りにあったかのように、体が重い。
上手く口が開けない。なんとか、空気を変えないと、この子達が、危ない。
川 ゚ -゚)「それはあとにしよう。それより、DATついて教えてくれないか?
この世界に共通してることなんだろう?私達にも影響を及ぼすというのなら、知っていて損はない。
それくらいは、教えてくれてもいいと思うのだが」
(-_-)「・・・・・・それは、僕から話します」
川 ゚ -゚)「ああ、頼む」
(-_-)「まず、DATというのは機械みたいなものです」
('A`)「ん?機械ってことは、どこかで作動してる、ってことか?」
(-_-)「そうですね。それは間違いないと思います」
('A`)「続けてくれ」
(-_-)「はい。それで、そのDATの場所は分かりません。この世界のどこかにある・・・・・・
手探りで探すしか他方法はないです」
_
(;゚∀゚)「手探りでって・・・・・・地道にもほどがあるだろ」
(-_-)「そうですね。でも仕方ありません。うだうだ言ってても前には進めませんから。
しかしただ闇雲に探すというわけではありません。何かしら影響があれば、その付近にDATがあるという可能性が強いのです。
となると、ここら周辺にDATがある、と仮定できます。なので多少なり操作は簡単です」
川 ゚ -゚)「前向きには簡単と言えども、やはり手探りか」
(-_-)「・・・・・・まあそうですね」
川 ゚ -゚)「すまない。続けてくれ」
(-_-)「ちなみに形状は特定されていません。これは不規則です」
_
(;゚∀゚)「ん?機械なんだろ?だったら大体決まってるもんじゃねーのか?」
(-_-)「・・・・・・最初に言ったように、機械みたいなもので、起動はしているもの形は不特定です」
_
(;゚∀゚)「気の長い話だなホントに」
(-_-)「すみません・・・・・・」
_
( ゚∀゚)「あ、いや。気を悪くしたならすまねーな。続けてくれ」
(-_-)「いえ、大丈夫です。続けます。
DATの大本の原動力となるのが、不可解なものでして、こればかりは勝手にエネルギーを供給してしまいます」
('A`)「どうゆうことだ?」
(-_-)「・・・・・・この世界にDATがある場合、このDATは、正確にはジェレーターと言うのですが、
これは人の性感を主食としてエネルギーであるエロエナジーを貯めていきます」
ΩΩΩ「「「「なっ、なんだってー!?」」」」
(;-_-)「・・・・・・簡単に言ってしまえば、今こう話している間にも行われている性交や、自慰行為。
これらが動力として働いているので止まることはありません。ましてやこの人口密度。
となるとDATを止めるには、破壊すること以外他方法はありません」
(;'A`)「ってことは、あれか。見つけて、壊す。それしかないわけか」
(-_-)「そうです。それに加えて困ったことに、この吸い上げたエネルギーは人間が呼吸をするのと同じ様に吐き出します。
それはつまり、性欲を吐き出していることになるのです。
となると、その吐き出した性欲を吸ってしまうと、先ほど街中での痴態。あれと全く同じことになってしまうのです」
川;゚ -゚)「無限ループというわけか・・・・・・」
(-_-)「はい。吸い出されては、吐き出され、吐き出したものはまた吸い出され、吐き出す。破壊しない限り、止まることはありません」
なんとも厄介な・・・・・・
しかも加えて場所が特定できないという。
そして形状も不明。不特定。となると、本当にこれは不味い状況かもしれない。
もしクーがDATの影響を受けたら・・・・・・
うん。なんとしてでも、止めなくちゃならない。
自分達のためにも、そしてこの子達のためにも。
いやまて。そういえば大事な、大事なことを聞いていない。
DATも大事だけど、それと同じくらいに大事なことがある。
この子達のこと。というよりかは、この子達が何故やってるのか、って方が正しいのか。
('A`)「少し、聞いていいか?」
(-_-)「はい?」
('A`)「どうして君達はそのDATだかジェレーターだかを破壊しなきゃならないんだ?
何も慈善事業というわけではないだろう?」
从'ー'从「私達は探偵なんですよ〜こう見えても」
川 ゚ -゚)「探偵?」
(-_-)「ええ。こことはまた違う世界で渡辺探偵事務所というのを開いて、稼いでいます」
('A`)「ということはアレか。仕事というわけか」
从'ー'从「う〜ん。仕事、ってのもあるけど私事ってほうが正しいかな」
川 ゚ -゚)「何か、あるのか?」
从'ー'从「・・・・・・」
川 ゚ -゚)「ん。話したくないならいいんだが。出来れば話してくれた方がこっちとしても信用が、親睦が深まると思うんだが」
_
( ゚∀゚)「そうだな。クーのいうとおりだ」
从'ー'从「ちょっと、長い話になりますよ?」
川 ゚ -゚)「構わないさ」
('A`)「話してくれるというのならな」
(-_-)「いいんですか?渡辺さん」
从'ー'从「・・・・・・この人たちはわかんないところが多いし、変なところも多いけど信用できる人だと思うから」
(;'A`)「変か・・・・・・」
川;゚ -゚)「多少なり自覚はしているが、面と向かって言われると結構辛いな」
_
( ゚∀゚)「はっはっは。変人乙」
('A`)「ジョルジュに言われるとは」
川 ゚ -゚)「全くだな」
_
(;゚∀゚)「あれー?」
ジョルジュの間の抜けた声に、軽く笑いが起こる。
俺もクーも思わず、噴出してしまった。
だけど、これから渡辺ちゃんが話す内容は、決して笑えないものなのだと思う。
('A`)「じゃ・・・・・・話してもらっていいかな?」
从'ー'从「あ、うん。昔のことになるんだけどね―――――――」
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