从'ー'从 オトナの階段を上るようです(-_-)2日目-3
从'ー'从渡辺の過去
从'-'从「おとーさん」
「おお、どうした」
从'-'从「おかーさんは?」
私がまだ幼少期の頃、お母さんが入院した。そう、私は教えられていた。
原因は教えてもらってない。何が原因で倒れて、入院したのかってのはさっぱりで、すぐ戻ってくるとばかり思ってた。
でも、お母さんは帰ってこなかった。でも、馬鹿みたいに私は信じてて、帰って来る。って。
「・・・・・・そうだ、お父さんと一緒にコイツをいじろう」
从'-'从「・・・・・・これ?」
「そうだ、これだ」
目の前にあるものは、小さな箱型の機械。
四角形で、中には色々な機材が入っていて、大きな板や、扇風機が小さくなったようなものが入っている。
でも、私は、機械なんかに興味はなくて、お母さんが帰ってきて欲しくて
从'-'从「・・・・・・おかーさんは?」
「・・・・・・」
从'-'从「おかーさんは?」
「この機材はな―――――」
从#'-'从「おかーさんは!?」
馬鹿だから、私は目の前にあった機械に当たった。箱を外側から思いっきり蹴飛ばして、父親に詰め寄った。
「・・・・・・お母さんは、帰って来る」
从#'-'从「嘘っ! ずっと待ってるのに、どうして帰ってこないの!?」
帰って来ると信じている面もあれば、逆に、何故かは分からずに帰ってこないかもしれない。とも思っていた。
「お母さんは『戻ってくる』さ! お父さんが、『戻して』みせる! 」
从'-'从「・・・・・・ほんとに?」
「ほんとさ! お父さんは科学者なんだぞ! 」
幼少期の感情の波というのは激しいもので、怒っていたはずなのに、気がつけば
从'ー'从「・・・・・・うんっ! お父さん、しんじる!」
「おお! 任しとけ! 」
満面の笑みの私がいた。
その私の笑顔に対して、子供みたいな真っ直ぐな笑顔を父親は見せてきた。
あっさりと、信じ込んでしまった。
しかし、それは当然のことだったかもしれない。
当時の私には、ううん。今も昔も、私には身寄りが父親しかいなかったのだから。
信じるしか、なかったのだから。
そしてある日、私は知ってしまう。お母さんはこの世に居ないということを。
些細な、ことだった。
病院にいる。そう聞いていたから、私は都内の病院へと向かった。
お母さんがいる。そう信じて。
从'-'从「おかーさん・・・・・・」
「・・・・・・あら?どうしたの?」
院内に入り、あたりをうろうろしている私を見つけたナースさんが腰を下ろして私と同じ目線に立って話しかけてくる。
从'-'从「おかーさん、探しに来たの」
「おかあさん? んー、名前は?」
从'-'从「・・・・・・渡辺」
「渡辺、さん?」
从*'-'从「うんっ!」
お母さんがいる。そう思った。やっと会える。ようやく話せる。
ナースさんが「ここで待っててね」と笑顔で言った後、何処かに行ってしまった。
でも、私は大人しくその場で待った。お母さんに会えるのだから、当然だ。
そして、数分と経ってから、ナースさんは帰ってきた。
「xxx号室ね。 一人でいける?」
从'-'从「・・・・・・うん!いける!」
「偉いわね渡辺ちゃんは。じゃ、お姉さんはお仕事があるから行くね?」
从*'-'从「うんっ!ありがとう!おばちゃん!」
「おばっ・・・・・・」
从*'-'从「ばいばい、ありがとう!」
わたしは、教えられた部屋へと駆け出した。
エレベータを使い、上へ昇り、その部屋へ辿り着く。
でも、いなかった。
お母さんはどこにも。
教えられた人には同じ苗字の人がいて、お母さんかと思った。でも、違った。お母さんじゃなかった。
しれっと、「あなたのことなんて知らないわよ私」と言われてしまった。
そして、そこでまた知ってしまった。
私は、母親の本当の名前すらを知らないということを。
家に帰り、私は寝ずに父親が帰って来るのをひたすらに待った。
納得がいかなかった。おかーさんは帰って来る。そういっていた父親が嘘をついていたのだ。
それも、ずっとだ。
「ふぅ、ただいま。・・・・・・っても、寝てるんだろうが」
从#'-'从「おかえり」
「おお!?どうしたこんな夜更けまで・・・・・・」
从#'-'从「おかーさん。いなかった。病院行ったけど、いなかった」
「・・・・・・」
やっちまった。という感じに取れた父親の表情だ。
焦っているようだけど、焦っていないフリをしている。
その変な気遣いが、私の神経を逆撫でした。
从#'-'从「おとーさんのうそつき! 馬鹿! 大嫌い! 」
このときばかりは、感情を押さえつけることなんて出来なかった。
心から、父親がにくいと思ってしまったから。
「すまない」
从#'-'从「ばか! だいきらい! だいきらいだからあ!」
「・・・・・・すまない」
下手に出る父親を相手に、怒鳴り続けた。
しかし、幼さ故に感情はすぐに左右される。怒りというのも、すぐに沈静化した。
落ち着き始めたころあいを見計らったのだろう。
「・・・・・・おかーさんはな」
从'-'从「・・・・・・」
怒っていた私は、いつの間にか落ち着いていた。
でも、何か意地みたいな何かが父親に対して言葉を放つことを否定していた。
だから、静かに言葉を待った。
「お前の小さい時に既に居なかったんだ」
从'-'从「え・・・・・・」
「おかーさんは、昔から体力がなくてなぁ・・・・・・すごく、病弱でもあった」
从'-'从「・・・・・・」
実の母親のことを、何一つ知らなかった私にとって、この話はありがたくて、とても、興味をそそる話で、ついつい聞き入ってしまう。
「風邪なんかひいた時には急いで病院に行かないと危ないくらいでなあ」
しみじみと、感傷に浸る父親を止められず
私はただだんまりと、耳を傾けた。
「初めてのデートの時だ。あの時だって、転んでひざをすりむいて、いろいろ大変だったんだぞ」
「それで、ここが重要な話だ。よく聞け。今はわからなくてもいい。
それでもいつか、お前が分かる時が来る日まで、ずっと覚えておけ」
珍しく、父親は真顔だった。今でも鮮明に、その表情が記憶にある。
「お母さんはな、お前を孕んだ時にすでに医者に言われてたんだ
『あなたの体力では、この子を産めない。下手すれば、命すらも』と
それでも、おかーさんは言った」
「『私は、これからあるこの子の人生を、作った私が奪うわけにはいかない』」
その頃の私は、何のことか、さっぱりだった。でも、何故だか、胸が痛んで、締め付けられて、鼻から何かが突き抜けて。
気がつけば、目から一筋、涙が流れてた。
「『だから産む。私の命に代えてでも! この子は絶対に産みます! 』」
母親の放っていたというその一言一言が、胸を打っていた。
脳内で、誰かわからない声で、しっかりと刻み込まれていた。
「おかーさんは、優しかった。そりゃあもう、世界一美人で、世界一優しい人だった。
世界、か。違うな、もっと、もっと凄かった。
それだけじゃない。おかーさんは、産む前に、産むまでの間に途方もない苦労をしてたんだぞ?」
事務所を設立して、かれこれ三ヶ月は経っていた。
ここの生活にも慣れてきて、私も探偵の仕事にも慣れてきつつあった。
ヒッキーのやり方、考え方を真似して、色々と考えて場数を踏んで、気がついたらおよそ二ヶ月でヒッキーと並ぶくらいに探偵としてはやっていけた。
あとは、情報網が足りないくらいで、その辺はじょじょに増えていく。そう考えて今は今のことを考えてやってきていた。
そんなことを考えながら、のんびりと依頼が入るのを待っていると
父親がこの事務所を訪ねてきた。
それも、かなりあわてた口調でだ
「う、うちの娘を探してくれ!」
从'ー'从「・・・・・・」
そのとき、私は思わず吹きそうになった。
同時に、バカが来た。とも思ってしまって、余計に笑いそうになった。
(-_-)「・・・・・・初めまして」
「なんつってな。元気でやってるか?」
从'ー'从「うん〜。元気でやってるよ〜」
「やりたいことが見つかったみたいで、お父さん良かったよ」
ハンカチを出しながら「うっ、うっ」と泣きまねをして喜んでいた。
「ああそうだ。君は、ヒッキー君だったかな? うちの娘をよろしく頼むよ」
(-_-)「あ・・・・・・はい」
从'ー'从「まあ、ちょっとゆっくりしていったら?お茶でも出すよ〜」
「ああ、悪いな。お言葉に甘えて、と言いたいところなんだが
色々と話もしたいんだが、そうも行かない。すまんな」
(-_-)「・・・・・・どこかへ、行かれるのですか?」
「ああ。仕事がある。探偵事務所を設立したってのを知ってとりあえず一目見ておこうと思って立ち寄っただけなんだ。
元気そうな顔を見れただけでもう十分。じゃ、失礼する」
まるで嵐のように、入ってきて、出て行った。
呆然としながら、私とヒッキーは見送った。
元々は、ただ父親を探すためだっていうのに。
父親が居てくれれば、それだけでいいというのに。他に身寄りなんていないのだから。
でも、これは口にはできなかった。出来るわけがなかった。
だから私は、口にはせず、心の中でとどめた。
それから、父親が事務所に来たのは私達の時間軸でいう三年前になる。
そう、この日
あの男は、失踪した。
ざあざあと音を立て、降り続けている雨。
こういう日に仕事の依頼が入ることはまずない。ヒッキーも言っていた。
だから私はぼうっとしながら、曇り空を見ていた。
雷が落ち、雷光が走った。
すさまじい轟音と、爆音が部屋中に響き渡り、思わず目を閉じた時、事務所の扉が勢いよく開かれた。
扉の先には、雨でずぶ濡れの父親の姿があった。
从;'ー'从「お、お父さん!?」
言葉は返ってこなかった。
ただ、表情は、おだやかなもので、私の目をしっかりと見て、
頬の力を抜いて、満面の笑みを浮かべて笑いかけた。
そしてまた、外へと駆け出した。
呼び止める暇もなく、既に居なくなっていた。
それから今にかけて帰ってきていない。
元々、私が探偵になった理由はさっきも言ったように父親を探すためだけだった。
でも、なんだかんだで顔を合わせに来てくれてたから、安心していた。でも、あの雨の日から、一度も見ていない。
それから私はただ淡々と探偵業をしながら、父親を行方を捜していた。
でも、見つからない。
どこを探しても、誰に聞いても、全くというほどに情報がなかった。
だけど
今回のこの事件。DAT、マザーによる、この事件の主犯が、父親だから。
だから、父親を見つけるチャンスがようやく巡って来た。何を考えてこんな研究をしたのか分からない。
それに、あの人は私を呼んでる。私も、あの人を求めてる。だからこそ絶対に見つけ出す。
どうして失踪したのかも聞かなきゃならない。どうして、この機械を作ったのかだって聞いてない。他にもまだまだいっぱい聞きたいことがある。
そのためには、見つけなきゃ駄目なの。
そのためにも、今はDATを壊さなきゃならない。この世界のものも。他の世界のものも。
例えこの命に代えてでも・・・・・・!
从'ー'从「ふう。・・・・・・終わりです〜」
(;'A`)「・・・・・・」
_
(;゚∀゚)「・・・・・・」
川 ゚ -゚)「・・・・・・」
こんなに、こんなに小さいのに、色々背負って生きてきたんだな。
幼い頃から、苦労してきたんだな・・・・・・
ただ一つ。これだけは言わなきゃならない。
('A`)「それは、渡辺ちゃんが生きている限り成し遂げたいことか?」
この一言は、あくまで『釣り』 何故なら、最後に言った渡辺ちゃんの
『例えこの命に代えてでも・・・・・・!』
の言葉の真意を掴むためのものなのだから。
从'ー'从「うん。でも、ちょっとドクオさんが言ってることには間違いがあるよ」
('A`)「間違い?」
从'ー'从「成し遂げたいんじゃなくて、成し遂げることなの
あの馬鹿を見つけたら、私にとっての全ては終わる」
('A`)「全て?」
从'ー'从「・・・・・・これまで生きてこれたこと」
('A`)「・・・・・・それは納得できねぇな」
从'ー'从「どうして?」
('A`)「どうしても、こうしてもあったもんじゃねぇ。命は粗末にするもんじゃない。
生きられる限り惨めにでも、情けなくても、醜態を晒してでも生き抜くもんだ」
从'ー'从「簡単に言うけど、それは難しいことなの」
('A`)「まあ、な。でも、俺らはそうやって生きてきた。いや、そうやったからこそ生きているんだ」
俺の隣で座るクーにちょいと視線を向けると、こくりと頷いた。
そうだ。色々と情けないことをやった。醜態を晒した。酷く惨めだった。でも、いや、だからこそ生きているんだ。
从'ー'从「・・・・・・頑張ってみます」
('A`)「ああ。頑張ってくれ」
从'ー'从「(・・・・・・でも、答えがわかってしまえば謎は謎でなくってしまうの。
だから、追い求めるものがなくなって、最終的に行き詰って、自害するの。
もとより、私が死んでも誰も悲しんだりしないから・・・・・・)」
('A`)「もし何か、俺等に出来ることがあったら、遠慮せずに言ってくれ」
从'ー'从「・・・・・・」
('A`)「・・・・・・同情されるのは嫌だと思う。だから、同情とか、そういうの抜きで考えよう。
俺等は、俺等で出来ることをやる。ただDATだのなんだのについては分からん。その辺は君達がやるべきことだ。
とどのつまり、必要最低限。これでいいかな?」
(-_-)「・・・・・・近づき過ぎず、遠ざかり過ぎず、距離を保ちながらってことですか」
(;'A`)「聞こえは悪いがそんな感じだ」
川 ゚ -゚)「出来うる限りのことはやろう」
_
( ゚∀゚)「俺も手伝うぜ」
从'ー'从「皆さん・・・・・・ ありがとう」
('A`)「じゃ、とりあえず君達がこれからしばらく住む場所を教えないとな」
川 ゚ -゚)「おお。そういえばまだ教えてなかったな」
_
( ゚∀゚)「ん?もう決まってるのか?」
('A`)「あー、ジョルジュ。ちょい、こっち来て」
すでに二人の寝床は決まっていた。ただ、あの場所は・・・・・・
_
( ゚∀゚)「ん?」
('A`)「高岡さんの、部屋なんだ」
_
( ゚∀゚)「・・・・・・あいつの、部屋か」
('A`)「駄目かな」
_
( ゚∀゚)「いや、別に構わないが」
('A`)「そっか、ならいいか」
('A`)「よし。じゃ、二人ともついてきてくれ」
从'ー'从(-_-)「「はーい」」
(;'A`)「(鬱蒼としている割に、はーいとかいえるんだなあの少年・・・・・・)」
_
( ゚∀゚)ジョルジュと从 ゚∀从高岡
マンションの三階、隣はまだ番号は3桁にも達していないというのにこの部屋だけ番号が『801』番。
まあ、そんなことはともかくだ。
('A`)「到着!」
川 ゚ -゚)「近所迷惑だぞ」
(;'A`)「・・・・・・すみません」
川 ゚ -゚)「まあ、ドクオは置いといてだ。渡辺君とヒッキー君の部屋ここだ。ドクオ、鍵」
('A`)「はい! こちらです! 」
川 ゚ -゚)「近所迷惑だと何度いえば分かるんだこの馬鹿が」
(;A;)「すみませんでした……」
川 ゚ -゚)「とりあえず、私達も一旦入ろうと思う。何か不備があったら怖いしな」
从'ー'从「はい。ありがとうございます」
(-_-)「お世話になります」
_
( ゚∀゚)「礼儀の正しい子達だ。ドクオとは大違いだな」
('A`)「(泣かない! 俺もう泣かないから! )」
川 ゚ -゚)「とりあえず、入ろうか」
このままでは埒があかないと思ったのだろう。
こういうキャラって結構辛い部分があるんだぜ?へへ……
とかなんとかぼやきながら部屋の中に入って色々と点検する。
うん。別段これといって問題ないな。
じゃ、あとは風呂場のお湯が恐らく錆び水が出るだろうから、その辺を落とすとして、みんなにはゆっくり待ってもらおう。
('A`)「多分水道の管が錆びてるだろうから落とすわー!」
川 ゚ -゚)「わかったー」
_
( ゚∀゚)「なら茶でも淹れてくれー!」
('A`)「このわがままチキチキ野郎が! べ、別にあんたのために淹れてあげるわけじゃないんだからね!勘違いはしないでよね!」
_
( ゚∀゚)「いいから淹れろよ」
('A`)「はい」
というわけで、なぜかいつも持ち歩いている茶っ葉を入れる専用の筒状の容器を取り出して
風呂場ではなく、台所の水道をひねってみる。こっちは存外問題がないようで、錆び水は出なかった。なら大丈夫か。
ささっと、お湯を小型鍋に移し、ガスコンロに置く。
後はお湯が沸騰するのを待つだけだな。
('A`)「ふんふんふん〜♪」
いや、お茶というのは本当に素晴らしい。
一度でいいから中国にあるあの特産のg辺り1000円以上するものを飲んでみたいもんだ。美味しいんだろうなあ・・・・・・
「ドクオさん」
('A`)「茶菓子とかあったけっか・・・・・・」
お茶には定番として煎餅なんかがあると良いんだが。
あぁ、そういや煎餅の原料となってた団子も合うな。でも、うーん。流石にそこまでは持ち合わせてないか。
残念。
「ドクオさーん」
(;'A`)「ん?」
なんだ?人の声が、聞こえた?
いやいや、そんなはずはない。何せジョルジュもあの二人もクーも違う部屋だ。
だとしたら?おかしいな。・・・・・・泥棒か?
いや、ないな。泥棒が俺の名前を知ってるはずがない。
だとすると・・・・・・
('A`)「誰・・・・・・だああ!?」
从 ゚∀从「ちわー」
(゚A゚)
俺は思わず失禁した。
(;'A`)「ななな、なななななな」
言葉が回らない。
だって、おかしいじゃないか。そこにいたのは、高岡さん、だぞ?
おかしい。だってあの人は、だって、あの人はすでに
死んでいるんだから
_
( ゚∀゚)「ドクオー?おっせー・・・・・・ぞ・・・・・・?」
从 ゚∀从「ジョルジュ!」
ばっ、と様子を見に来たジョルジュさんへ飛びつく高岡さん。
死んでいるのだから触れられるわけはない。そのはずなのに、しっかりと抱きつけていた。
突然飛び出してきたその人物に、目を丸くして、口をぽかんと開いている。
何が起きたんだ。言葉にするならそんな感じだ。
从 ゚∀从「ジョルジュ!ドクオさん!」
('A`)「たか、おかさ、ん?」
_
( ゚∀゚)「たか、おか?」
从 ゚∀从「そうだよ!僕だよ!」
嘘だ。有り得ない。だって、この人は・・・・・・
_
( ゚∀゚)「お前、何で・・・・・・いや、違う。誰だ」
死んだんだ。確かに、死んだ。
忘れるわけもない。ギリギリだったんだ。そもそも、ギリギリで生きていたんだ。
そして、訪れた死。当然といえば、当然だった。だからこそ、目の前に居る人が信じられない。
有り得ない。偽者としか思えない。それもかなり趣味の悪い、
最高に最悪な、偽者。
从;゚∀从「あれ?疑われてる?」
_
( ゚∀゚)「ったりめーだろ。お前は・・・・・・」
从 ゚∀从「死んだよ。ううん、違うね。死んでるよ」
('A`)「え・・・・・・」
『死んだ』ではなく、『死んでる』という言い回し。
それはつまり、自らの死を自覚していることで、目の前にいる人は本当に
高岡さん?
从 ゚∀从「忘れた?今日、いや昨日かな。特別な日であることを」
('A`)「特別な・・・・・・」
从 ゚∀从「恐らくドクオ君は地元へ帰ったはずだよ」
まさか
_
( ゚∀゚)「・・・・・・お盆、ってわけか」
いや、だったら―――――
('A`)「もう時刻は十二時を過ぎてます。普通なら、帰っているはず・・・・・・」
从 ゚∀从「そう、だね。『普通』なら、ね」
ふと、俺は思い出した。あの二人組みのことを。
『異世界』から来た『普通』ではない『二人』のことを。
『異世界』から来れるというのなら、『普通』ではない。
となると、あの『二人』が原因だと考えれば、全ての辻褄が合う。合点する。
川 ゚ -゚)「おい、遅いぞどk―――――」
言葉が止まる。口は開いたまま。
目の前の人、有り得ない状況、光景に対してだろうと思う。
从 ゚∀从「あ、クーさん」
川;゚ -゚)「馬鹿な・・・・・・何故、あなたがここに・・・・・・」
从 ゚∀从「本当に、久しぶりだね。僕、凄く嬉しいよ・・・・・・
でも、今は、それよりも、みんな忘れているけどもっと大事で、気付いて欲しいことがある」
川;゚ -゚)「え?」
_
(;゚∀゚)「なんだと?」
皆が目を丸くし、固唾を呑み発言を待つ。
高岡さんの登場よりも大事なこと。それは一体―――――
从 ゚∀从「ドクオ君が―――――失禁しているということを」
川 ゚ -゚)「・・・・・・」
_
( ゚∀゚)「・・・・・・」
('A`)「・・・・・・てへ☆」
_
( ゚∀゚)「やるぞ」
川 ゚ -゚)「把握した」
(;'A`)「あ。ちょ、待って、俺も悪気があったわけzy――――――――」
その後、俺の行方を知る者は
誰もいなかった――――――
と、まではいかないけども、何があったのか説明するとだな。
・・・・・・やっぱり説明したくない。思い出したくない。
鬼の形相で馬乗りになって殴ってくるクーに横っ腹を容赦なく蹴りつけてくるジョルジュのあの表情だけは。
よく生きてるもんだ。
((#),(#))「ずびばぜんでじだ」
川 ゚ -゚)「黙ってろこのチンカス」
_
( ゚∀゚)「さっさと着替えてこいこのチンカス」
((#),(#))「おごごろづがいびじょおに眼射いだじまず」
川#゚ -゚)「ファッキン」
_
(#゚∀゚)「レッツゴーマイルーム」
((#),(#))「ひっ」
俺は逃げた。それはもうメタルスライムの比ではない。はぐれメタル?甘いな。もはやこれはメタルキング・・・・・・いや、ゴールデンスライムまで達している。
野生で出てくるゴールデンスライム相当だろう。
そういやみんな、なんでメタルスライムがあんなに経験地を持ってるか知ってるか?
あれはな、生きるために培ってきた素早さで得た逃げるという必勝技で数々の修羅場を潜り抜けて来たからなんだ。その経験なんだ。
たまに集団で出てくる時があるだろう?あれは大移動をしている最中なんだ。だから絶対に殺しちゃいけないんだよ。
メタルスライムと、メタルキングと、ゴールデンスライムというBIG3が出てきたらそいつらはきっと家族だから、殺しちゃ駄目だ。お兄さんとの約束だ!
待ってる人がいるから、メタルスライム達は必死に逃げて、逃げることで生きているんだ!だから、駄目、ゼッタイ。
・・・・・・現実逃避はこの辺にして、だ。
('A`)「ドクオちゃん☆復活☆」
顔を洗えば元通り!なんというご都合主義!だがそこがいい。
と、こんなことを言って悠長にしてる場合じゃない。
今考えるべきことは、高岡さんのことだ。何故、あの人が、一体、どうして?
急いで、俺は自室から二人の部屋へと走った。
('A`)「到着!」
川 ゚ -゚)「遅い。何故一分もかかる」
(;'A`)「早いよね?一分って結構早いよね?全力疾走したよ僕?」
_
( ゚∀゚)「さて、丁度良かった。お前のいない空白の一分間だんまりだったしな」
('A`)「・・・・・・どうして」
険悪なムード、って奴だろうか。だとしたら、ある意味俺は救世主、メシアってことになるのか?
調子に乗ってもいいかな?いいとも!
・・・・・・駄目だ。重い。空気が凄い重い。3トンくらい重い。
川 ゚ -゚)「お前の」
_
( ゚∀゚)「失禁が原因」
从;'ー'从「・・・・・・」
(;-_-)「・・・・・・」
('A`)「ですよねーん」
通常ならここで豚箱行きだろうけども、そういうわけにもいかないのだろう。
というかそもそも何で俺は失禁してんだ。や、でも普通のはずだ。幽霊を見て「キャー!」ってなるのは、普通のこと。
・・・・・・そうか!
俺、男だからだ!
从;゚∀从「・・・・・・」
やべ、もしこの人が本当に高岡さんだとしたら、大分引かれている。
しかし、今はそんなことになりふり構っている場合じゃない。
この状況を見て唖然としている偽者であろう高岡さん。この人の正体を暴くのが先だ。
('A`)「みんな、今はこの人の正体を暴くのが先だ!」
川 ゚ -゚)「お前が先導切るな」
_
( ゚∀゚)「今日は大人しくしとけ」
从'ー'从「・・・・・・救いの言葉も出ないです」
(-_-)「・・・・・・少しでも、あなたがまともな人だと思ってた僕が馬鹿だったのかもしれませんね・・・・・・」
口々に罵られ、俺は泣いた。部屋の隅にひっそりを身を潜めて泣いた。
もう駄目だ。やってられねぇよカーチャン・・・・・・
川 ゚ -゚)「で、あなたは・・・・・・」
从 ゚∀从「・・・・・・」
_
( ゚∀゚)「黙っててもわかんねーだろ。本物って可能性こそ無いが、偽者って可能性は高い。だから吐くまでかえさねーぞ」
从 ゚∀从「ジョルジュは」
_
( ゚∀゚)「あん?」
从 ^∀从「変わらないね」
_
(; ∀ )「―――――!」
高岡さんの笑顔。そう、ただの笑顔。ただの笑顔にしか過ぎない。
でも、親友以上だった仲のジョルジュを止めるには十分過ぎるくらいに、十分だった。
視界が定まってなく、うつろな目をしたまま、電撃が走ったかのようにジョルジュは動かなくなった。
('A`)「ほんとに、あなたは・・・・・・幽霊だというのですか?実体があって、会話が出来て、誰にでも見えるというのに
本当に、幽霊なのですか?」
从 ゚∀从「そうだよ。知ってるでしょ?この世界に起きている異変については」
('A`)「・・・・・・」
从'ー'从「ちょっと待って」
(;-_-)「あ、ぼっ僕からも言いたいことがあります」
('A`)「・・・・・・後にしてくれないか?」
今はこの二人に構っている場合じゃない。
高岡さん。この東京で住む場所を、夢を死して叶えてくれた。・・・・・・望んだ結果ではなかったけども。
その高岡さんがいるのだから。
何が起きているのか、一体何が原因でこういうことが起きたのか。
いや、逆に考えれば良いことに違いはない。何せ、今回のこの幽霊は、俺にとっても、ジョルジュにとっても、クーにとっても
大事で、大好きな人なのだから。
真偽を確かめなくてはならない。
从'ー'从「・・・・・・私達にも、私達なりにやらなきゃならないことがあるんです」
(-_-)「・・・・・・それに、これはあなたたちにとっても、知らなくてはならないことです」
俺達にとっても、知らなくてはならないこと・・・・・・?
何故だか、わからないが、わからないが、どくん、っと胸が高鳴った。
('A`)「なん、だ?」
从'ー'从「高岡さんについてです」
('A`)「え?」
(-_-)「あの人は、確かに幽体です。ですが、実際幽体というのは霊感を持つ者しか見えません。
加えて、触ることなんて不可能なんです」
それは分かってる。それは知ってるんだ。
だから、
どうして見えるんだ。
どうして、触れるんだ。
从'ー'从「あの人は、DATと」
(-_-)「同化しています」
_
(;'A`)「なんだtt(#゚∀゚)「なんだと!?」」
从 ゚∀从「Light... よく分かったね」
(;'A`)「(この場面で・・・・・・)」
_
( ∀ )「・・・・・・」
DATとの同化。
この子達の来た理由。
そして、ここにいる高岡さんは紛れも無く本物。
・・・・・・駄目だ。考えたくない。考えられない。
だってこの子達は、
DATの
DATの・・・・・
破壊が目的なんだから・・・・・・
それはつまり、だって
高岡さんを
壊さなきゃならないってことなんだぞ・・・・・・
こんなことって、あるかよ・・・・・・!
あまりにも、酷い・・・・・・!
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