110 :祭り8l从・∀・ノ!リ人「八月、いつかの夏祭りで」のようです





l从・∀・ノ!リ人「おまつりなのじゃー!妹者おまつり初めてなのじゃー!」

( ´_ゝ`)「いいか妹者、ちょっとだぞ。
       ちょっと出店を見たらすぐ母者のとこ行くからな」

l从・д・ノ!リ人「えー・・・」

( ´_ゝ`)「父者達は一足先に病院に行ってるんだから、俺らもすぐ向かうぞ」

l从・д・ノ!リ人「・・・むう」

( ´_ゝ`)(本当は祭りに寄ってる時間などないんだが・・・
       可愛い妹の頼みなら仕方あるまい)

( ´_ゝ`)(それにしても人が多い)

( ´_ゝ`)つ「ほら妹者、迷子になるからしっかりと俺の手を握ってるんだぞ。
        兄との約束だ」

⊂l从・∀・ノ!リ人「やくそくなのじゃ!」

( ´_ゝ`)つ⊂l从・∀・ノ!リ人 ギュ

l从・∀・ノ!リ人「・・・のじゃ?」

ξ゚听)ξ
从 ゚∀从
(*゚∀゚)



l从・∀・ノ!リ人「・・・」

( ´_ゝ`)「どうした?何故兄の後ろに隠れる」

l从・∀・ノ!リ人「ツンちゃんたちがいるのじゃ」

( ´_ゝ`)「ツンちゃん?
       あー妹者のクラスメイトで抱き着いたら俺の息子に蹴り入れたツンデレ属性の縦ロールちゃんか」

( ´_ゝ`)「ケンカでもしたのか?」

l从・∀・ノ!リ人「・・・のじゃ」

( ´_ゝ`)「妹者が悪いと思ってるなら仲直りしておいで」

l从・∀・ノ!リ人「ヤなのじゃ。妹者わるくないのじゃ」

( ´_ゝ`)「妹者が仲直りしたいと思ってるなら、」

l从・∀・ノ!リ人「そんなことより兄者ー!お店がいっぱいなのじゃー!
       金魚すくいするのじゃー!」タタタッ

(;´_ゝ`)「あっこら、勝手に出歩くな!」

l从・∀・ノ!リ人「みてみて!金魚さんをおたすけしたのじゃ!」

(*´_ゝ`)「おお、二匹も掬えたのか。よくやった、流石だぞ妹者」

l从・∀・ノ!リ人「わたあめも買ったのじゃ!」

(*´_ゝ`)「さっきの短時間でそこまでやってのけるとは、流石すぎるぞ妹者」

l从*・∀・ノ!リ人「えへへー!」



( ´_ゝ`)「っと、もうこんな時間か。そろそろ病院に行くぞ妹者」

l从・∀・ノ!リ人「ヤなのじゃ!」

l从・∀・ノ!リ人「あいたくないのじゃ!妹者はいかないのじゃ!」

( ´_ゝ`)「それ、母者が聞いたら悲しむぞ」

l从・∀・ノ!リ人「だって・・・だってぇ・・・」

l从 ∀ ノ!リ人「・・・」

l从 ∀ ノ!リ人「・・・みんなダイッキライなのじゃ」

( ´_ゝ`)「妹者?」

(;´_ゝ`)「おーい妹者ー!どこ行ったー!?」

l从・∀・ノ!リ人

l从・∀・ノ!リ人「・・・兄者?」

l从・∀・ノ!リ人「兄者がいないのじゃ。妹者が手はなしたから、はぐれちゃったのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「父者たちだって、わるい子な妹者のことなんてどうでもいいのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「ひとりぼっちになっちゃったのじゃ・・・」

「ひとりなんかじゃないよ」

l从・∀・ノ!リ人「?」

(´<_` )



l从・∀・ノ!リ人y「・・・兄者?」

(´<_` )「・・・だ・・・・・・」

l从・∀・ノ!リ人「のじゃ?とおくてなに言ってるか聞こえないのじゃ!」

l从・∀・ノ!リ人「いまそっちいくのじゃ!兄者ー!」タタタッ

(´<_` )

―――ぐにゃり・・・

l从・∀・ノ!リ人「!?」

l从・∀・ノ!リ人(・・・え?)

l从・∀・ノ!リ人(どうなってるのじゃ?ここ、どこなのじゃ?)

l从・∀・ノ!リ人(さっきの神社?でも、まっくらなのじゃ)

(´<_` )

l从・∀・ノ!リ人「あ、兄者!いきなりまわりがまっくらになっちゃったのじゃ!
       お店もちょうちんも、まっくらなのじゃ!」

l从・∀・ノ!リ人「それに妹者たちしかいないのじゃ!みんなどこいっちゃったのじゃ?」

(´<_` )「・・・」

l从・∀・ノ!リ人「兄者?」

(´<_` )「俺はお前の兄者じゃないよ」



l从・∀・ノ!リ人「のじゃ?そういえば兄者よりちっちゃいのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「ちっちゃい兄者?」

(´<_` )「妹者、神社だ」

(´<_` )「あそこの神社に行こう」

l从・∀・ノ!リ人「?」

⊂(´<_` )「手」

⊂(´<_` )「はぐれないように」

l从・∀・ノ!リ人「!」

l从・∀・ノ!リ人つ「やくそくじゃね!」

l从・∀・ノ!リ人つ⊂(´<_` ) ギュ



(´<_` ) テクテク

l从・∀・ノ!リ人 テクテク

(´<_` )「・・・それ」

l从・∀・ノ!リ人「?」

(´<_` )「その手に持ってる物、何?」

l从・∀・ノ!リ人「これ?金魚さんさんと、わたあめと、リンゴアメなのじゃ!」

l从・∀・ノ!リ人「そうだ。ちっちゃい兄者にわたあめあげるのじゃ」

(´<_` )「何それ?」

l从・∀・ノ!リ人「食べものなのじゃ!ふわふわで甘くっておいしいのじゃよ」

(´<_` )「食べ物?」

(´<_` ) モグモグ

(´<_` )「・・・美味しい」

l从・∀・ノ!リ人「妹者もわたあめだいすきなのじゃ!」



(´<_` )「それは?」

l从・∀・ノ!リ人「金魚さんなのじゃ!」

(´<_` )「それも美味しいのか?」

l从;・∀・ノ!リ人「食べちゃダメなのじゃ!!食べものじゃないのじゃ!」

(´<_` )「食べ物じゃないのか」

l从・∀・ノ!リ人「ねーねー、おまつりおわっちゃったのじゃ?まっくらなのじゃ」

(´<_` )「おまつり?」

l从・∀・ノ!リ人「きょうは神社で夏まつりなのじゃ!
       お店がいーっぱい出て、はなびも上がるのじゃ!」

(´<_` )「夏まつり。楽しそうだ、俺も行きたい」

l从・∀・ノ!リ人「うん!ちっちゃい兄者も、次はいっしょに夏まつり行くのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「妹者といっしょにわたあめ食べるのじゃ!やくそくなのじゃ!」

(´<_` )「・・・残念だがそれは約束出来ない」

l从・∀・ノ!リ人「どうしてなのじゃ?」

(´<_` )

( <_  )「神社についた」



―――バタン!!

l从・∀・ノ!リ人「!!」

l从;・∀・ノ!リ人(神社のとびらがひらいて中に・・・すいこまれちゃうのじゃ!!)

l从;∀;ノ!リ人「こわいのじゃー!ちっちゃい兄者ー!たすけてなのじゃー!」

( <_  )「・・・」

l从;д;ノ!リ人「うわーん!!」

「妹者ちゃん!!」

l从;∀;ノ!リ人「のじゃ?」グイッ

ζ(゚ー゚*ζ「妹者ちゃん!間に合ってよかった!」

l从・∀・ノ!リ人「ツンちゃん?」

从'ー'从「あぶないところだったねぇ」

(#゚;;-゚)「いっしょにあそぼ?」

l从・∀・ノ!リ人「ハインちゃんにつーちゃんも!」

l从・∀・ノ!リ人(でもやっぱりみんな妹者の知ってるみんなと、ちょっとちがうのじゃ)



ζ(゚ー゚*ζ「妹者ちゃん、ごめんね」

从'ー'从「これからずぅーっといっしょだよぉ」

(#゚;;-゚)「ずっといっしょ。ずっといっしょ」

l从*・∀・ノ!リ人「うん!」

(´<_` )「妹者、帰らなくていいのか?」

l从・∀・ノ!リ人「・・・ぁ」

ζ(゚ー゚*ζ「かえるの?どうして?」

l从・∀・ノ!リ人「えっとね、みんなが病院で妹者のことまってるのじゃ」

从'ー'从「ほんとはみんないっしょにおまつり来るはずだったんだよねぇ?
     でもみんなは妹者ちゃんとの約束、やぶったんでしょ?」

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ。父者たちもいっしょにおまつりに来るはずだったけど、母者が・・・
       でもヤだったから、病院にいきたくなかったから、兄者にわがまま言ったのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「ほんとはね、夏まつり、来ちゃダメだったのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人「妹者はわるい子なのじゃ」



(#゚;;-゚)「妹者、わるい子」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。わるい子だね」

从'ー'从「妹者ちゃんわるい子だから、みんな妹者ちゃんのこと、どうでもよくなっちゃうんじゃない?」

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ。みんな妹者のこと、どうでもいいのじゃ」

ζ(゚ー゚*ζ「みんなひどい人ね」

(#゚;;-゚)「妹者、かわいそう」

(´<_` )「だったら、ずっとここにいる?」

l从・∀・ノ!リ人「えっ・・・」

(´<_` )「妹者は望んでここに来た、俺の来ちゃダメだって声に耳を塞いで。
       現実から逃げたくて、このあべこべの世界に来た」

(´<_` )「ずっとここにいる?
       理想の友達がいる、この偽物の世界に」

l从;・∀・ノ!リ人「そ、そんなのイヤなのじゃ!!ほんと家族に会いたいのじゃ!
       もしみんなが今までみたいに妹者のこと見てくれなくっても、それでもいいのじゃ!」

l从;・∀・ノ!リ人「ほんとのツンちゃんたちにだって、ごめんなさいしたいのじゃ!!」



(´<_` )「ほら。やっぱり妹者は良い子だ」

l从・∀・ノ!リ人「いい子・・・?」

(´<_` )「うん。妹者は優しい子だよ」

l从・∀・ノ!リ人「妹者、いい子じゃない・・・でも、いい子になるのじゃ!
       みんな大好きなのじゃ!だから、だからっ・・・」

l从 ∀ ノ!リ人「みんなにも、妹者のこと好きになってほしいのじゃ・・・」

(´<_` )「俺は妹者が大好きだよ」

(´<_` )「覚えてるかな。ずっと前、妹者が俺の事撫でてくれたんだ。
       すごく嬉しかった。妹者はもう覚えてないかも知れないが」

(´<_` )「父者達だって、ツンちゃん達だって、お前の事が大好きなんだよ。
       なのにどうでもいいなんて、そんな悲しい事言わないでくれ」

l从・∀・ノ!リ人「・・・ごめんなさいなのじゃ」

⊂(´<_` )「さあ、行こう。もう帰らないと」

l从・∀・ノ!リ人つ「うん!」ギュ



(´<_` )「この神社の扉の向こうに行けば、元の世界に戻れる」

l从・∀・ノ!リ人(とびらにすいこまれるのじゃ・・・)

(´<_` )「手を、離すよ」

l从;・∀・ノ!リ人「ダメなのじゃ!!ちっちゃい兄者もいっしょに来るのじゃ!
       こんなまっくらでなんにもないとこにいちゃダメなのじゃ!」

(´<_` )「きっとまた会える。八月・・・いつかの夏祭りで、また俺にわたあめ食べさせてよ」

l从;・∀・ノ!リ人「ヤなのじゃ!はなさないってやくそくしたのじゃ!
       妹者はちっちゃい兄者ともいっしょにいたいのじゃ!!」

(´<_` )「・・・」

(´<_` )「・・・俺は、お前の兄者じゃないよ」

l从;・д・ノ!リ人「そんなことないのじゃ!!ちっちゃい兄者だって、妹者の・・・っ」

l从; д ノ!リ人(ああっ・・・とびらがとじちゃう・・・)

―――パタン・・・

l从 ∀ ノ!リ人

l从 ∀。ノ!リ人「・・・妹者の、お兄ちゃんなのじゃあ・・・」

「妹者!!やっと見つけた!」

l从・∀・ノ!リ人「兄者・・・ほんとの兄者なのじゃ・・・」

(;´_ゝ`)「早く病院に行くぞ!母者が・・・母者が・・・!!」

l从;・∀・ノ!リ人「!!」



バタン!!

l从;・∀・ノ!リ人「母者ー!!」

(;´_ゝ`)「すまない遅くなった」

∬ _ゝ )「あんた達・・・遅かったわね・・・」

l从・∀・ノ!リ人「!!」

( ´_ゝ`)「・・・どうやら、間に合わなかったようだな」

 彡⌒ミ
(  _ゝ )「ああ・・・」




 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「もう産まれてしまったよ」

(;<_; ) ピギャー!ピギャー!

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「おや、妹者も来てくれたのかい。あんなに弟が生まれるの嫌がってたのに、嬉しいよ」



(;<_; ) ピギャー!ピギャー!

(*´_ゝ`)「おお、俺に似てイケメンだな。将来が楽しみだ」

∬´_ゝ`)「ほんと兄者の生まれた頃そっくり。心の底から同情するわ」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「さっきからなんでか泣き止まないねぇ」

 彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「きっと名前が欲しくて泣いてるんだよ。四兄弟の末っ子だから末者にしよう」

(*´_ゝ`)「ほーら末者ー、お兄ちゃんだぞー」

(;<_; ) ギャアアアアアアアアアアン!!

∬´_ゝ`)「兄者のドアップがそんなに衝撃的だったのかしら」

(iii´_ゝ`) ガーン

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「名前が嫌なんじゃないかい?」



l从・∀・ノ!リ人

l从-∀-ノ!リ人

               『俺は、お前の兄者じゃないよ』

l从・∀・ノ!リ人
           
l从・∀・ノ!リ人「・・・この子は妹者の弟なのじゃ」

l从・∀・ノ!リ人

l从・∀・ノ!リ人「この子は弟者。流石弟者なのじゃ!」

(;<_; )「ぎゃ・・・」ピタッ

(・<_・。)

(・<_・*) キャッキャッ





「あ、笑った・・・」



l从・∀・ノ!リ人「八月、いつかの夏祭りで」のようです 終

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