130 :祭り10(-_-)ホタルのようです川д川
ほ、ほ、ほーたるこい。
こっちの水はあーまいぞ
ぞいがーには水のちっあ
ほ、ほ、ほーたるこい。
川д川「ほ、ほ、ほーたるこい。」
(-_-)「…何小学生と一緒になって歌ってんの、いい歳して。」
川;д川「いい歳って…私は永遠の高校生だよ?!」
(-_-)「どっちにしろ童謡歌うような年齢ではないでしょ…。」
川;д川「別にいいじゃない…、夏祭りぐらい。」
(-_-)ホタルのようです川д川
川*д川「それにしても、今年もホタル一杯いるね、ヒッキー君。」
(-_-)「そりゃそうでしょ、ホタルがメインの祭りなんだから。」
川;д川「…もうちょっとロマンとか無いの?ホタル綺麗だね、とか。」
(-_-)「ホタル嫌いなんだよ。」
川д川「なんで?こんなにきれいなのに。」
(-_-)「…ホタルってのは、じゃんけんで負けた奴がなるんだよ。」
川;д川「え?どういうこと?」
(-_-)「『じゃんけんで
負けて蛍に生まれたの』って言う俳句があるんだよ…。」
川д川「へぇ〜…。でも、じゃんけんで負けてこんなに綺麗に生まれて来れるなんていいなぁ。勝ち組だよね」
(-_-)「何処がだよ。あの光は別に綺麗だから光らせてる訳じゃないんだぞ、生殖活動のためだ。」
川;д川「もー!ロマンチックな事言えないならこの林檎飴でも食べてお口チャックしてて!」
(-_-)「本当のこといっただけだぞ…モグモグ」
川д川「全くもう…、そんなんだからお祭りに一緒に来てくれる女の子がいないんだよ…。」
(-_-)「…モグモグ」
川д川「…ヒッキー君って、お祭り何のために来てるの?」
(-_-)「食べ物食べに。綿飴とかチョコバナナとかうますぎる。」
川д川「だと思ったよ…。」
ほ、ほ、ほーたるこい。
こっちの水はあーまいぞ
ぞいがーには水のちっあ
ほ、ほ、ほーたるこい。
川д川「…私、生まれ変わるならホタルがいいなぁ。」
(-_-)「…止めとけよ。」
川д川「なんと言われても綺麗だもん、ホタル。」
(-_-)「…ホタルになんて生まれ変わったら夏が終わったら会えなくなるだろうが。」
川д川「今だって、変わらなくない?夏祭りの日にしか会えないし。」
(-_-)「…お前がいない夏祭りなんか意味ないだろ。」
川д川「食べ物があるじゃない」
(-_-)「お前と食うからうまいだけだ。」
川д川「…私は食べれないけどね?」
(-_-)「まぁ、うん。」
川д川「あーぁ、こんな話してたらもうこんな時間かぁ。今年も夏祭り終わっちゃうね。」
(-_-)「…そうだな。」
川д川「ねぇねぇ、ヒッキー君がホタル嫌いなのって、私ににてるから?」
(-_-)「あー…そうかもな。どっちも俺を置いて死んじゃうからな。」
川д川「ごめんね、まだ怒ってる?私が死んだこと」
(-_-)「当たり前だろばか。」
川д川「ひどいなぁ、毎年夏祭りにちゃんと会いに来てるのに。すごくロマンチックでしょ?」
(-_-)「…ロマンチックなんていらないから、毎日一緒にいたかった。」
川д川「…あぁ、だからロマンチックなの嫌いなのかな?」
(-_-)「うるさい。」
川д川「…ヒッキー君、私、生まれ変わったらやっぱりホタルがいいや。じゃんけんで勝っても負けてもホタルに生まれたい。」
(-_-)「…俺が寿命で死んだら、一緒に生まれ変わればいいだろ。それまでは待ってろ。」
川д川「結構待つよね、それ。でも、ヒッキー君のお嫁さんとか子供も見れるってことかぁ」
(-_-)「…俺はホタルと違って生殖活動をする気はないけどな。」
川;д川「生々しい言い方しないでよ!」
(-_-)「……君が生きていたら、俺も頑張って光ってたかもね。」
川д川「…なんか、それってどうなんだろ、微妙だよね。」
(-_-)「…来年は少しぐらいロマンチックなセリフ言えるようしとく。」
川ー川「期待しないで待ってるよ。、じゃあ、ヒッキー君。また、来年の夏祭りに。」
(-_-)「ん、また来年。」
彼女が座っていた場所に、一匹のホタルが死んでいた。
やっぱりホタルってのは、じゃんけんで負けて生まれてくるんだろうと、俺は思った。
終わり
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