('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです4-終幕 前のページへ] 戻る [5話へ

409 :終幕:2011/06/02(木) 19:27:24 ID:OeLLN6Qs0

( ^Д^)「私はフォックス騎士長から全権を預かった代理として来ています。  私の発言は【騎士派】全ての発言であると思ってください」

/ ,' 3「………」

化かし合い、騙し合い、この空間で繰り広げられるのは、狩りとは全く無縁の、もっと薄暗く陰湿な物。

/ ,' 3「それで、【騎士派】のボンボンが何の用かいのぉ?」

( ^Д^)「嘘を吐くのも、回りくどいのも、私は好きではないので率直に言いましょう」

嘘つけぇい、と【ギルドマスター】アラマキは聞こえるように言ったが

当の本人は、気にもしないように咳を一つして続けた。

( ^Д^)「率直に言いましょう。あの積乱雲、アレはなんですか」

/ ,' 3「はて、なんの事じゃあ?」

( ^Д^)「誤魔化さないで頂きたい。あの積乱雲、あれはユクモの守り神の出現以外の何物でもないでしょう」

少し苛ついた様子で、口元に常に厭らしい笑みを浮かべた男は言った。

/ ,' 3「なんじゃ、分かっとるじゃないかー」

( ^Д^)「そんな揚げ足の取り合いをしに、ここまで来た訳ではないんですがね」

/ ,' 3「なら、さっさと要求を言わんか小僧」

ここでスカルチノフの雰囲気が変わる。

確かな怒りを、男に向けてぶつける。

しかし男の方も、全く動じない。竜人の怒気に当てられても、だ。


410 :終幕:2011/06/02(木) 19:28:54 ID:OeLLN6Qs0

( ^Д^)「要求は一つです。【雷狼竜】ジンオウガは、我々【騎士派】が狩ります」

/ ,' 3「はてぇ、今おかしな言葉が聞こえたのぉ。騎士様の仕事は、確か姫さんを護る事ではなかったかのぉ」

( ^Д^)「………」

/ ,' 3「それが、たかだか一匹のモンスターを狩りたい、などと。一体どういう風の吹き回しじゃろぉなぁー」

騎士派が狩りに出る事は、ない。

騎士は、ただ姫の傍らで彼女を護る事だけが、その役割なのだから。

( ^Д^)「いえ、ロマネスクやベーンが健在だった時代ならばいざ知らず。  今、このギルドにはHR6が、ただの一人もいない。そんな貧弱な狩人の皆さんに、ジンオウガは荷の重い話でしょう」

/ ,' 3「ふぉふぉ、チミたちならあの化け物を狩れるとでも言うのかのぉ。こりゃけっさくじゃ」

( ^Д^)「少なくとも、貴方達よりは可能性があると思いますよ。HR6のいないギルドなんて、ただの野蛮な酒飲みの集まりですからね」

/ ,' 3「ほぉ、しかし今はドンドルマから、かのG級を預かっているんじゃが?」

( ^Д^)「……彼はユクモの狩人ではないでしょう」

/ ,' 3「まぁ、そうじゃの」

( ^Д^)「というわけで、アイツは私達が狩ります。あなた方は手出し無用でお願いします」

これはギルドマスターであるスカルチノフの責任だ。

今まで無理やりにでもHR5の狩人を昇格させてこなかった。だからこそ【騎士派】につけいられる隙を作ってしまった。


411 :終幕:2011/06/02(木) 19:29:54 ID:OeLLN6Qs0

/ ,' 3「まぁ、待てよい」

( ^Д^)「まだ何か?」

/ ,' 3「言い忘れておったわい、ちょっと今から息子の昇級を祝って宴があるんじゃ。小僧も参加していかんか?」

ありありと、男の顔に怒りが表れる。 この竜人は、いつも突然訳の分からないことを言う。
正直言って、男はスカルチノフが苦手だった。

敬愛するフォックス騎士団長の命令でなければ、絶対に断っていただろう。

昇級というのは、以前に聞いていたベーンの息子であるブーンとかいった狩人の祝いか。

( ^Д^)「すいませんが、我々も忙しいのでね。それなら今日のところは挨拶だけして帰らせていただきます」

/ ,' 3「ふぉふぉ。そうか、挨拶してくれるか。では、紹介しようかの」

は?  という疑問符が男の頭の中に湧いてきた。ただの宴ではないのか。

『おーい、騎士派の方に挨拶しろーい』

『わかったぞゴルァ!!!!』

そして二人の男が入ってくる。

一人はよく見知った顔、均整の取れた筋肉に、すらっと伸びた長身。妬ましいほどに整った顔。

もう一人は独特、陰鬱そうで、ひょろっとした男。

(,,゚Д゚)「久しぶりだな、プギャー」

('A`)「……」


412 :終幕:2011/06/02(木) 19:30:43 ID:OeLLN6Qs0

/ ,' 3「紹介しようかのぉ、先の検定で晴れて“G”となったギコ=ストッドウッドじゃ」

プギャーの頭は混乱に陥る。今、竜人はなんと言った。Gだと。

HR6にもなっていなかったギコが伝説に唄われるG級になっただと。

(#^Д^)「なっ、何言ってやがる!!! そんな飛び級、認められるわけがないだろーが!!!!!!」

/ ,' 3「ふぉふぉ、これは正当な昇格じゃよ。本来、HR6の狩人に認められて初めて昇級できるものじゃが、今回はこの男。ドクオにそれを依頼した」

('A`)「あぁ、俺は許可したぞ。ギコには十分な素養もあり、向上心がある。いつまでも既存のHRに縛り付けていては、成長を損ねるからな」

そうか、この男が噂に聞いていたG級。ドクオ=ウェイツーか。

/ ,' 3「ふぉふぉ、それを儂が了承したのじゃ。文句あるまいに」

つくづく憎憎しいジジイだ。

(#^Д^)「だが、HR6になるにはフォックス卿の了承も必要になるはずだ!!!!!」

/ ,' 3「ふぉふぉふぉ、なにを寝ぼけたことを言うておるんじゃ。もう貰ったわい」

(#^Д^)「なに!?」

スカルチノフは、口角を吊り上げ嘲笑うかの如く言った。

/ ,' 3「祝ってくれるんじゃろ? “フォックスから全権を受けた”チミがのぉ」

(;^Д^)「!?」


413 :終幕:2011/06/02(木) 19:31:13 ID:OeLLN6Qs0












            / ,' 3「竜人を舐めるなよ、小僧」


414 :終幕:2011/06/02(木) 19:31:46 ID:OeLLN6Qs0

(,,゚Д゚)「じじい、本当によかったのか?」


/ ,' 3「ふぉふぉ、問題あるまい。ドンドルマのGからお墨付きまでもらっとるんじゃからのぉー」


ギコ自身、思うところはあった。事情が事情なだけにHR6には早急になりたいと思っていたが、まさか“G”になるとは思ってもみなかったのだ。


/ ,' 3「形式なんぞない、前例がないからのぉ。ドクオ、“誓いの儀”は任せたぞい」


('A`)「あぁ、俺の時も適当だったからな。さてギコ、覚悟は良いな」


(,,゚Д゚)「おう」


415 :終幕:2011/06/02(木) 19:32:28 ID:OeLLN6Qs0

−−−−汝 人を護る盾として その身尽きるまで 命を燃やすと誓うか

『誓うぞゴルァ』

−−−−汝 和を以って 人を愛すると誓うか

『誓うぞゴルァ』

−−−−汝 この誓いも以って 自分を愛すると誓うか

『・・・・・・誓うぞゴルァ』

('A`)「その誓い、確かに聞き届けた。 今日、今より 我ドンドルマの狩人ドクオ=ウェイツーの名に於いてギコ=ストッドウッドをGへと謹んで推薦する」

/ ,' 3「了承したぞい。精進せい“Stubborn”ギコ=ストッドウッド」






('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです 4話 END


To be Continue……


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