( ^ω^)ブーンは装術士のようです 四話
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第四話「理想と現実」
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:00:18.69 ID:utcga90vO
- 川 ゚ -゚)「そっちに行ったぞ、ブーン君!」
(#^ω^)「わかりましたお!……とらえたおっ!」
そう言って路地から出てきた影に飛びかかるブーン。
影の主をとらえたと思いきや、反撃を受けてしまった。
(;^ωメ)「痛い痛い痛いお!」
影の主にひっかかれ、顔に傷ができる。
二人は今、猫を捕まえる仕事を受けていた。
川 ゚ -゚)「お疲れ様。なんとか捕まえる事が出来たな。……よしよし、いい子だ」
( ´ωメ)「お……なんで僕にほとんどなつかないのにクーさんには甘えるんだお……」
川 ゚ー゚)「この子がオスだからかもしれんな」
そんな風に話しながら二人はギルドに着き、猫を預ける。
ブーン達はガイドラインを出て、街道沿いにある町に来ていた。
川 ゚ -゚)「フォックスの手がかりはここにもなさそうだな……」
( ^ω^)「そうですおね」
川 ゚ -゚)「ここでの仕事を片付けたらすぐにでも先へ進もう」
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:02:08.44 ID:utcga90vO
- 受付嬢「はい、これでこの仕事は終了しました。報酬は後ほど最寄りのギルドでお受け取りくださいね」
川 ゚ -゚)「ここでの仕事はあとどれだけありますか?」
受付嬢「少々お待ち下さい……えーと、今の仕事で最後ですね。お疲れ様でした」
川 ゚ -゚)「そうですか、ありがとうございました」
とりあえずこれでひとまずは終わりのようだ。ブーンはほっとして体の力を抜く。
川 ゚ -゚)「なんだかんだで二日かかってしまったな」
そう言われてここ二日の仕事を思い返す。
危険な仕事は思ったより少なかったが、中には怪物と戦う仕事もあった。
とはいえ、最初に戦った熊ほど強い怪物はいなかったので大した怪我もなく終えることができた。
ふと、クーに聞いていなかった事を思い出した。
( ^ω^)「そういえばなんで装術を使うと攻撃に耐えられるようになったんですかお?」
何度かの怪物との対峙で強烈な攻撃を受けたブーンだが、
そのつど装術を使う事により明らかにダメージが減っていると感じたことを話した。
川 ゚ -゚)「ああ、その事か。――前に魔法に八つの性質があることは話したな?」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:04:42.13 ID:utcga90vO
- うなずくブーン。
川 ゚ -゚)「装術では副次的な効果としてその性質のマナの恩恵を受ける事ができる」
装術は通常、武器や体の一部に魔法の力を宿らせるのだが、
彼女の言う通り使用者もその力の一部を得る事ができる。
例えば土属性ならば体が頑丈になる、というように。
(*^ω^)「おお、なるほど!」
川 ゚ -゚)「魔術だと一撃の威力は高いがマナによる身体能力強化が出来ないし、なにより時間がかかるからな」
接近戦なら装術に分がある、ということだ。
川 ゚ -゚)「しかし、私が装術を教えるのにも限界があるな……」
魔術と装術ではその使い方が大きく異なり、
魔術師では装術について基本的な事が教えられても応用の仕方までは教える事が出来ない。
これは逆も同じ事である。
川 ゚ -゚)「装術の先生がいればいいんだが……『彼女』はここにはいないしな」
( ^ω^)「『彼女』ですかお?いったい誰なんだお?」
- 9 名前: ◆mQ1YeC6SbE :2010/12/12(日) 22:08:33.41 ID:utcga90vO
- 川 ゚ -゚)「数少ない私の友人の一人で、名前はヒートという。後は、まあ、会えばわかるさ」
会えばわかるということはよっぽど個性的な女性なのだろうか。
川 ゚ -゚)「若いが装術の腕はかなりのものだ。ただ、少々問題はあるがな……」
( ^ω^)「?」
川 ゚ -゚)「とりあえず連絡はしておく。一週間後にはこの先の町で会えるはず……だと思う」
( ^ω^)「そんなに会いにくい人なんですかお?」
川 ゚ -゚)「いや、違う。彼女にもフォックスを追ってもらっているんだ。
彼女は一つのことに集中するタイプだから随分と先に行ってしまっているかもしれないと思ってな」
それを聞いてなるほどと思うブーン。
川 ゚ -゚)「とりあえず言付けを頼んでおくよ」
受付嬢「VIP国アンカスレギルド所属ランクBのヒートさんに、ですね。伝えておきます」
川 ゚ -゚)「はい、お願いします」
( ^ω^)「ランク?ランクってなんだお?」
川 ゚ -゚)「ランクというのはだな……」
受付嬢「えー、おほん。ランクというのはですね」
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:11:30.46 ID:utcga90vO
- 説明をしようとしたクーを遮り受付嬢がかわりに話し始めた。
川 ゚ -゚)「…………」
受付嬢「傭兵がどれだけ優れているかどうかという指標みたいなもので、
ランク毎に受けられる仕事が増えて行くんですよ」
受付嬢「SA、A、B、C、D、Eの六つのランクがあって基本的には上のランクの仕事ほど報酬も増える傾向にあります」
川 ゚ -゚)「勿論その分難しい仕事になるがな」
受付嬢「上のランクの傭兵さんも下のランクの仕事を受ける事は可能です。
当たり前ですがその場合報酬はその仕事のランクに見合ったものとなります」
受付嬢「そしてなんと!クールさんのランクは最高位のSAなんです!」
(*^ω^)「マジすか!すっげぇお!」
川;゚ -゚)「すみません、あまり大きな声では……」
受付嬢「あ、そうですね。すみません」
傭兵も最高位となると羨望と嫉妬を一身に集める。それにより命を脅かされることも少なくはない。
更に今の彼女はその魔力の大半を失っている。AランクやBランクの傭兵を相手にして無事でいられる保証はない。
( ^ω^)「うーん。有名になるって良いことばっかりじゃないんだおね」
川 ゚ -゚)「そういうことだ。だからあまり知れわたるのは良くない」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:13:21.96 ID:utcga90vO
- 更にクーはブーンにこう告げる。
川 ゚ -゚)(特に私が魔力を失っている事は絶対に知られてはいけない。抑止力がなくなるからな)
( ^ω^)(わかりましたお)
受付嬢「ところで、クーさんに決闘の申し出があったんですが」
川 ゚ -゚)「……相手は?」
受付嬢「『アヒャ』と書いてありますね。……これが申し込み状です」
アヒャ、という名に覚えがある。先日、クーと戦ったあの傭兵だ。
川 ゚ -゚)「確かにあの傭兵みたいだな。だが受けるつもりはない」
そう言って決闘を拒否しようとするクーだが、申し込み状を読んでいたブーンが驚愕の表情をする。
川 ゚ -゚)「どうした?」
(;^ω^)「く、クーさん、これ……!」
そういってブーンが指し示した箇所にはおそらくアヒャのものであろう字で、
『逃げるなら逃げても良いぜ。この町がどうなっても良いならな』
と書かれていた。
川;゚ -゚)「なんだと……!」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:18:14.57 ID:utcga90vO
- すみませんどなたかアヒャのAAを貼っては下さいませんか
ちょっと探したけど見つからなくて……
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:19:56.33 ID:utcga90vO
- だが、と疑問に思う。
奴は魔力を失っている自分に一対一で負ける程度の力しかなかった。
こんな脅迫まがいの事をしてまで決闘をしたところで負けるとは思えない。
川;゚ -゚)(人質でも取っているのか?だとしたら内密にしなければならんが……)
受付嬢「どうかなさったんですか?」
川 ゚ -゚)「いえ、なんでもないです。……やはりこの決闘受けることにします」
受付嬢「え、あ、はい。そうですか」
川 ゚ -゚)「すみません」
ギルドを出たクーは、ブーンに自分の考えを話した。
(;^ω^)「うーん、もし人質が取られてるとしたら……」
このままのこのこ決闘に出ていけば一方的にやられる可能性がある。
無策でいくのはあまりにも危険だ。
川 ゚ -゚)「ああ。だから君にはもし人質が取られていた場合のフォローをお願いしたい」
( ^ω^)「わかりましたお」
人質を取っていないと考えても恐らく何らかの勝つ算段がある。
その場合の援護もブーンに頼む、ということになった。
- 17 名前:>>16ありがとうございます:2010/12/12(日) 22:28:03.46 ID:utcga90vO
- ( ゚∀゚ )「来やがったな、女ァ……」
指定された場所にたどり着いたが、アヒャは人質を取るどころか罠すら仕掛けていないようだった。
何故ならアヒャの居た場所は街の外にある平野で、目立つ遮蔽物は見渡す限りなかったからである。
川 ゚ -゚)(どういうことだ……?)
( ゚∀゚ )「アヒャ、どうやら不思議でたまらねえみたいだな。俺がなんの策もなく戦いを挑んだ事に」
( ゚∀゚ )「安心しな、人質も罠もねえ。なんだったら隠れてる小僧も一緒に戦ってもいいんだぜ?」
(;^ω^)(えっ……!?)
念のため離れた場所に隠れて待機していたブーンの居場所をいとも簡単に看破されてしまう。
自分が何か間違いをしてしまったのか、と思ったがどうもそんなことはないらしい。
( ゚∀゚ )「アヒャヒャ、俺がこの間までの俺だと思ったら大間違いだぜ。勘が冴えて冴えてしかたねーのよ」
アヒャ自身の言う通り、この間戦った時とは様子がまるで違う。奴自身から発せられる気迫など、全てが研ぎ澄まされていた。
それになにより、
川;゚ -゚)(内包している魔力が段違いだ……!)
どんな方法を使ったのかはまったく検討がつかないが、奴がこの短期間で別人のように強くなったことは間違いなかった。
これならば人質を取る必要もなく、罠すら仕掛けないのも理解できる。
川;゚ -゚)(今の奴は私達二人がかりで戦っても勝てるかどうか怪しい……!)
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:29:43.75 ID:utcga90vO
- ( ゚∀゚ )「なんでこんな殺風景な場所を選んだかわかるか?」
川 ゚ -゚)「何?」
( ゚∀゚ )「後で『町中だったから本気を出せずに負けた』なんて言い訳されたら殺す時にスカッとしねえからよ。
全力を出せるようにしてやったぜ、感謝しろよ。アヒャ」
あの時とは逆に、アヒャの方が余裕を見せ、クーを挑発していた。
川;゚ -゚)「余裕だな。だがその余裕が命とりになるかもしれんぞ……!」
喋りながら魔術使用の準備を始めるクー。
少しでもアヒャの隙をつきたいと考えての事だが、
川;゚ -゚)(効き目は薄いはずだ……)
恐らく火の装術をあれだけの魔力で使用されてしまえば少なくとも『火の玉(ファイア・ボール)』ではダメージすら与える事は出来ないだろう。
川;゚ -゚)(どうする…………ブーン君を逃がして他の傭兵を呼んで貰うか?)
だが、そう考えるクーにアヒャから声がかかる。
( ゚∀゚ )「アヒャ。援軍を呼んだって無駄無駄。今ギルドに居るのはてめーより弱い雑魚ばっかりだぜ」
( ゚∀゚ )「それによ、ランクSAのあんたが援軍なんて呼んだらばれちまうだろ?『魔力が奪われたこと』が」
川;゚ -゚)「っ!?」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:34:03.75 ID:utcga90vO
- ( ゚∀゚ )「『何故そんなことを知ってるんだ』って顔だな。“ある人”が教えてくれたのさ」
( ゚∀゚ )「そしてこの力も与えてもらった……もう誰にも負ける気がしねえ……」
川 ゚ -゚)(私の魔力が失われた事を知っていて、奴にあの力を与えた……)
そこから導かれる答えは、奴が間接的にでもフォックスと関わったということ。
川#゚ -゚)(ならば、何がなんでも勝たなければなるまい……!)
勝って、フォックスに関する情報を引き出す。
準備しておいた二つの『火の玉』をアヒャめがけて放つ。
だが――――
( ゚∀゚ )「アーッ火ャッ火ャッ火ャ火ャ火ャ火ャッ!効かねえなあ!」
一瞬で装術を発動させたアヒャの身体には焦げ跡一つつけることも叶わない。
川;#゚ -゚)「やはりか、くそっ!」
悪態を突きつつ後退してなんとかアヒャの間合いから逃れようとする。
しかし赤い光を纏った剣は、刀身の長さなど関係ないといった具合に熱風を四方に飛ばす。
(;^ω^)「クーさん!」
ここでクーの元に駆けつけたブーンがクーの盾になるべくアヒャの前に立ち塞がる。
川;゚ -゚)「ブーン君、危険だ!奴の力はこの間とは比較にならない!」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:37:44.81 ID:utcga90vO
- (#^ω^)「僕が危険だって言うならクーさんも危険ですお!」
いくら自分より遥かに強いといえども女性が危ない目に会おうとしているのを黙って見過ごす訳にはいかない、
そう考えてブーンはクーの援護にまわった。
( ゚∀゚ )「俺を目の前にしていちゃつくたぁ余裕だなぁ!ア火ャ火ャ!」
そう言いながらアヒャは剣を振り下ろす。
剣が地面に突き刺さった瞬間、炎が地面を走り、ブーンに命中する。
(;゚ω゚)「あっちいいいいいいいいいいい!」
装術と耐火装備のおかげで火傷こそしなかったものの、
とても耐えられる温度ではなく、なんとか地面を転がり回って火を消す。
川;゚ -゚)(剣だけで火を起こせる程のマナを扱えるのか!?)
剣が地面と激突する際に発生する火花を装術で操り、強化して炎を発生させたようだ。
どうやら予想以上に厄介な相手らしい。
川;゚ -゚)(しかし……!)
ここで逃げてしまえば町がどうなるかわからない。それにフォックスの事も聞き出すことができなくなる。
仕方ないが、ブーンには付き合って貰うしかない。
川;゚ -゚)(いざとなれば私の命を捨ててでも……!)
奴と相討ちになってでもブーンと町は守ってみせる。そう決意した。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:40:49.96 ID:utcga90vO
- とにかくひとところに固まっていては始まらない。
分散して武器攻撃でダメージを与えにいく。
(#^ω^)「っ!」
使える物はなんでも使うと言わんばかりに石を投げつけるブーン。
もちろん通用する訳がなくかわされる。
しかしその横面にクーが棒を叩き込む。
そちらに気を取られたアヒャの肩にナイフが襲いかかるも、防刃装備に阻まれ突き刺さるには到らなかった。
その隙にクーは剣の間合いから逃れるが、
( ゚∀゚ )「ア火ャ火ャ!邪魔くせえなぁ!」
アヒャが地面に剣を突き刺して自分を中心に剣で半円を描くように回転する。
それだけでアヒャの周りから軽い爆発が起こり炎が燃え盛る。
二人は爆発の衝撃で転倒してしまった。
だがそんな事を気にするでもなく、
アヒャはゆっくりと自分がつけた炎を確かめるように剣を炎の中に入れる。
すると赤い光の更に外側に沿うようにして刀身に炎が宿る。
(* ゚∀゚ )「ア火ャ火ャ、これで炎の剣の出来上がりだ。綺麗だろ?」
自らの力に酔っているのか、炎の剣を見てうっとりとした表情をしながら笑みを更に深くする。
(* ゚∀゚ )「お前ら勝ち目ねえよ。ア火ャ火ャ火ャ火ャ火ャ火ャ!!」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:46:47.02 ID:utcga90vO
- すみません>>24と>>25の間にこれが入ります
川;゚ -゚)(しかしどうすれば!?)
下手に魔術など使おうものなら奴の装術を強化する事になりかねない。
そんなことを考えている間に再びアヒャが攻撃してきた。
川#゚ -゚)「ちぃっ!」
(;^ω^)「おわああああああっ!」
( ゚∀゚ )「おいおい。さっきから俺のこと無視しすぎじゃね?アヒャ」
( ゚∀゚ )「とっとと本気だしたアンタをぶちのめさせてくれよ。なあ?」
川#゚ -゚)「勝手な事を……!」
(;^ω^)(クーさん、この間みたいに僕が注意を引き付けますお。その隙に)
川;゚ -゚)(いや、それは難しい)
この前の怪物とは違い相手は人間だ。そう易々と魔術を使うまで待ってはくれないだろう。
それに加え、今のクーが出せる最高の魔術は『炎の壁』だ。
以前ならともかく現在のアヒャには通用しない。
だからなるべく逃げ回り、アヒャの魔力もしくは体力が切れるのを待つのが得策だ、と考えられる。
川 ゚ -゚)(この手を使ったとしても勝ち目は薄いが、奴の装術が切れるタイミングを狙って『火の玉』をぶち込めばあるいは……)
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:50:59.36 ID:utcga90vO
- 体勢をたてなおした二人にアヒャが放つ炎が襲いかかる。
川;゚ -゚)「くそっ!」
なんとかかわすものの立て続けに炎が飛んでくるために思うように動けない。
(* ゚∀゚ )「アーッ火ャッ火ャッ火ャッ火ャッ火ャ火ャ火ャ火ャ火ャァ!踊れ踊れ踊れぇ!」
川 ゚ -゚)(だが、)
何発も炎を撃ち続ける事は出来ない、必ず息切れをするはず。
そう考えながら必死に炎を避ける。
そして、
( ゚∀゚ )「ア火ャ火ャ、ヒャ?」
剣に灯っていた炎が消え、飛んでくる炎も止む。
川#゚ -゚)(ここだっ!)
その隙を突こうと接近して攻撃を仕掛ける――――
その瞬間鎖骨の辺りに衝撃を受け、一瞬呼吸が止まる。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:55:05.48 ID:utcga90vO
- (;゚ω゚)「クーさん!?」
川; - )「がはっ!……ごほっ、げほっ!」
アヒャに殴られ、地面に倒れ込んでしまったクー。
なんとか呼吸を整えようとするも、その喉をアヒャの手が捕らえる。
川; - )「ぐっ……あっ!?」
( ゚∀゚ )「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャァッ!ざぁんねーん!」
(* ゚∀゚ )「すぐに殺すのもつまんねえからな。少しづつ絞めていってやるから精々足掻きなぁ」
その言葉通りじわじわと手に力を込めていくアヒャ。
火の装術で強化された腕力ならば、首など簡単にへし折れてしまうだろう。
川; - )「…………!」
クーは抜け出そうと懸命にアヒャを攻撃するが、まったく首を締める力はゆるまない。
やがてクーの手足から力が抜け、だらんと垂れ下がる。
( ゚ω゚)「や、やめろぉぉ!!」
距離が離れていた為に直接手を出せないブーン。
なんとかしようと必死でナイフを投げる。
だが、クーに当たらないように投げたせいでアヒャの足元に飛んでいってしまう。
これではダメージどころか気をそらす事すらできない。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 22:57:03.17 ID:utcga90vO
- ( ゚ω゚)
しまった、そう思った時だった。
「黄色の光が宿ったままのナイフ」は地面に突き刺さると、周囲の土を隆起させた。
(; ゚∀゚ )(なにっ……!?)
これにより体勢を崩したアヒャの手からクーが解放される。
(#゚ω゚)「うおおぉぉぉぉぉ!!」
それを見たブーンが全力で走り、クーを担ぎアヒャから離れる。
だが、武器はアヒャの方に転がってしまい、回収することは難しい。
このままでは逃げる事すら叶わないだろう。
( ゚∀゚ )(あいつの装術か……まあいいや、まとめて殺してやらあ)
アヒャの剣に赤い光が灯る。
そして、身動きの取れない二人に向かい炎を――――
アヒャの体に軽い衝撃が走った。
見ればクーがこちらに向けて魔術を放っている。
川;# - )「ハアッ……!ハアッ……!」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/12(日) 23:00:06.03 ID:utcga90vO
- だが装術に護られているアヒャには軽くはたかれた程度のダメージしかない。
再び炎で二人を狙おうと剣を振る。
だが、おかしい。
さっきまで使えたはずの炎が出ない。
それどころか手と足に力が入らなくなっている。
(; ゚∀゚ )(あ?
なんだこりゃ?
あの女が何かしたのか?
目の前もかすんできやがった
あれ?
ていうかおれ、)
(; ∀ )(誰だっけ?)
( ∀ )「あ゙びゃ゙」
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