( ^ω^)ブーンは装術士のようです 九話前編
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九話「歌姫とマネージャーと怪しい兄弟」(前編)
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:25:46.19 ID:aryxcyru0
川д川「――あなた、ボディガード探した方がいいわ」
('A`)「へ?」
ブーンと同じように適正を見てもらっていたドクオは、貞子から思いもよらないアドバイスを受ける。
('A`)「そりゃどういう……?」
川д川「どういうってそのままの意味よ……一人旅じゃ大変だからボディガード雇えってこと」
それはわかる。意味はわかるが理由がわからないのだ。
そう言いたい気持ちを抑えて冷静に質問する。
(;'A`)「俺、なんかまずかったですか?魔法の才能がないとか」
川д川「いいえ、あなたの適正は風の魔術師。魔法が使えない訳ではないわ」
('A`)「それじゃ、」
川д川「でも見たところあなたはあまり戦うのが得意ではなさそうだしね……
魔術も初心者では怪物の餌になってしまうのがオチよ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:28:05.37 ID:aryxcyru0
('A`)「要するに弱い奴が一人じゃ旅をするのはきついと」
川д川「ま、かいつまんで言うとそんな感じよね……」
なめるな。
そんな言葉が脳裏に浮かんだものの口に出す事はできない。
実際にドクオは弱いのだ。
('A`)「はぁ、まあ、考えてみます」
そうは言ったものの実際にそうするつもりはない。
とりあえず話を終わらせようと取り繕っただけの言葉だ。
が、
川д川「……あなたがどう考えようが実際に危険なのは間違いないわ」
これは脅しじゃなく忠告、と付け加える。
ドクオは内心を見透かされたような気がして居心地が悪かった。
川д川「これはあなただけじゃなくほとんどの新人さんに当てはまることだから」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:29:50.71 ID:aryxcyru0
その後2、3点説明を受けてテントから出た。
(;'A`)(流石にあんなこと言われたら不安になるぜ、まったく)
前途ある新人をびびらせるようなことをしてどうすんだと思ったものの、
彼女なりに考えての事だと思うと文句も言えない。
('A`)「……探すか」
結局はボディガードを雇うことを前向きに考えたドクオは、とりあえず人の集まる所に行ってみようと思い至るのであった。
――――――――――
('A`)「……っても、どんな人を雇えば良いのやら」
手続きを済ませ、国境を越えたドクオ。
賑やかな方がいいと酒場にやって来たのだがどうやって話をつければいいのかがわからない。
('A`)(強くて……優しい傭兵?)
ドクオの所持金はジョルジュに貰った分を合わせればそれなりの額にはなるが、
期間限定とはいえ傭兵を雇うのには少々頼りないと感じる。
('A`)(仕事を受けるのにもいろいろ準備がいるってのにどうすりゃいいんだ)
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:32:07.51 ID:aryxcyru0
現在の軽装では怪物を倒すどころかまともに戦うのすら難しい。
当然防具やらなんやらで金が飛んでいくことを考えると差し引きでは完全に赤字になるだろう。
('A`)(あ゛ー)
出世払いにしてジョルジュに金を借りに戻ろうかそもそもこんなことならクールについていくべきだったなどと後悔している内にだんだんお腹がすいてきた。
('A`)「とにかくなんか食おう……すいませーん」
店員「……以上でよろしかったですか?」
('A`)「はい、お願いします」
注文を待つ間もそれとなく傭兵らしき人間を探してみるが安く雇えそうなものは見つからない。
('A`)(この際新人を何人か集めて皆でカバーしあった方がいいのかもしれない)
それには新人を探す必要があり、その為にギルドにくる人に声をかけて回らないといけない。
とにかく明日一度行ってみようという事に決めたところでちょうどよく食事が運ばれてくる。
(*'A`)「おほっ」
(*'A`)(さっすがVIP。こんなステーキが安く食えるなんて)
ドクオの目の前には肉汁滴る牛肉のステーキが置かれている。
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:37:34.02 ID:aryxcyru0
シベリアでも畜産はそれなりに盛んではあるのだが、こと肉牛に関してはやはりVIPには及ばず、輸入に頼るところが大きい。
ガイドラインはVIP側シベリア側両方で一つの町であるが、当然法などはそれぞれの国に準ずる。
となるとVIPから牛肉を輸入する際に関税がかかり高額となる訳で、なかなか「カーチャンち」では口にできなかった。
(*'A`)「しあわせぇ〜〜〜〜っ……!」
ドクオが舌鼓を打っていると、まわりが騒がしくなってきた。
('A`)「……あれ、どうしたんですか?」
店員「なんか可愛い女の子が歌唄うみたいすよ」
('A`)「ふーん……大丈夫なのかね」
ブーンは知らなかったが、ドクオはVIP側の環境は知識としては知っていたために、
見た目の良い女性が酒場で求められる事について大まかには把握していた。
彼女が「歌を唄う」だけですまされるかどうかについて心配したのだが、
从'ー'从「よろしくお願いしますー」
その心配は杞憂に終わる事となる。
从'ー'从「♪〜♪〜」
何故なら彼女の歌は、それまで思い思いに行動していた酒場の客達の意識を一気に引き寄せる物であったからだ。
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:39:21.69 ID:aryxcyru0
とうぜんドクオも例外ではなく、ステーキを食べるのも忘れて聞き入ってしまった。
('A`)(歌うのが凄く上手いわけじゃない。なのになんでこんなにほっとするんだろう)
从'ー'从「ありがとうございました〜」
歌い終えた彼女に多くの拍手とチップがもたらされる。
が、最後に一つお辞儀をして何も拾わずに退出した。
('A`)「……?、あれ、誰かが後から拾うんですか?」
店員「……そういやそんな話聞いてないし、そういう役目の付き人もいなさそうっすねー」
(;'A`)「ええー?」
お金に困っている訳ではないのだろうか。
('A`)(だとしたらうらやましい話だぜ、まったく)
金持ちの道楽か、なんて事を考えながら食事の残りを片付ける。
少し冷めてしまってはいたがまだまだ美味しかった。
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:42:32.34 ID:aryxcyru0
('A`)(――――いやいや、待て待て、そんなはずないだろ)
腹が満たされて冷静になってみると、女の子の一人旅で資金が潤沢な訳がないではないか。
金に困っていないならそもそもこんな町でパフォーマンスなどしないだろう。
('A`)(そう考えたらなんか心配になってきた)
元来ドクオはあまり積極的に人と関わりたがる性格ではないのだが、
孤児院での経験のせいかこういう事態になるとどうしても放っておけなくなってしまったようだ。
('A`)「ごちそうさまでした。あの……」
店員「わーってますって。ちゃんととっておきます」
('A`)「ありがとうございます。なんとかして連れてきます」
店員「変態と間違われちまっても俺ぁ助けませんよ」
(;'A`)「はは……まあ行ってきます」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:44:15.88 ID:aryxcyru0
酒場を出た少女は歌が客に受けたためか、うかれた気分で街を歩いていた。
が、そこで気付く。
从'ー'从「あれれ〜、私の貰ったお金がないよ〜」
荷物の中を探ってみるが見つからない。
そもそも拾っていないのだからとうぜん見つかる筈はないのだが。
从;'ー'从「ふええ、どうしよう……」
しばらく悩んだ彼女はようやく酒場に足を向ける事にしたようだ。
そんな彼女に声をかける者がいた。
若者「そこの君、どしたの?」
从'ー'从「お金を落としたかもしれないんです……」
若者「そりゃ困ったね、いっしょに探したげるよ。へへ……」
从*'ー'从「ありがとうございます〜」
若者は下心丸出しなのが誰の目にも明らかであろう態度だったが、少女は気付かない。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:45:45.37 ID:aryxcyru0
若者「んで、心当たりとかあんの?」
从'ー'从「えーっと……あ、酒場に忘れたのかも」
若者「それじゃ行こうか」
そう言って少女の手を握り、引っ張って連れていこうとする。
从'ー'从「あ、はい……ちょっと痛いです」
若者「あ、ごめんね」
引っ張る力は弱くなったが、手を離すことはしない。
ここまで露骨だと少女が怪しんでもよさそうなものだが、
从*'ー'从(親切な人だなあ)
よほど鈍いのかちっとも気付く事はない。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:47:26.24 ID:aryxcyru0
そんな彼女達をようやくドクオが見つけるのだが、
('A`)(あれ?付き人がいたのか?)
遠目でみた時はそう思えたのだが近づいてみると少し様子がおかしい。
('A`)(えらいベタベタしてんな。しかも一方的に)
あやしくは思ったが少女は別に嫌そうな様子を見せていなかったため声をかけるのを躊躇った。
が、
从;'ー'从「あ、あの、酒場はあっちです〜」
若者「あれ、ごめんごめん。俺ちょっと酔っててさ」
いわゆる“いかがわしい”店の方へ少女を連れて行こうとしていた。
挙句酔ったふりをして彼女の身体にベタベタと触っている。
('A`)「酔っ払っちまってるなら俺が酒場まで連れてってあげましょうか?なんなら水もごちそうしますよ」
そう言いながら持っていた水筒の水を若者の頭にぶちまけるドクオ。
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:50:45.21 ID:aryxcyru0
若者「い、いきなり何しやがんだてめえ!」
('A`)「ちったあ酔いが覚めましたか?……といっても年中酔っ払ってそうな顔してますけどね」
更に若者を挑発するドクオ。
若者「何だとてめえ……!」
若者もここまでコケにされて黙っていられる訳がなく、殴りかかろうと拳を握る。
ドクオも臨戦態勢を取り、まさに一触即発の状況になった。
从;'ー'从「や、やめてくださいよぅ〜、いきなり喧嘩なんて」
少女にとってはいっしょにお金を探してくれている若者。
そんな親切な人にいきなり現れて喧嘩を売るドクオは少女からしてみれば悪者にうつったとしても仕方ない。
だが、少女はドクオが何故そんな事をするのかがわからずに戸惑っているようだ。
若者「ちっ!!……もういいや、行こう?」
少女の手を掴み、歩き出そうとする若者。
('A`)「まあまあそう言わずに。俺あの酒場の人に頼まれたんですよ。そこの女の子を呼んできてくれって」
若者「でまかせ言ってんじゃ从'ー'从「え〜、ほんとですか〜?」」
('A`)「ほんとほんと、だからいっしょに行こう。そこのお兄さんも」
若者はドクオに文句を言おうとしたが少女が信じてしまった為にいっしょにに行かざるをえなくなってしまった。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:52:34.54 ID:aryxcyru0
若者「ちっ……その娘に変な事したらただじゃおかねえからな」
('A`)「(どっちがだよ……)わかってます。それと先ほどは失礼しました」
若者「けっ…………」
从;'ー'从「仲良くしてくださいよぅ」
険悪な雰囲気のまま酒場まで向かう。
――――――――――
店員「おー、きましたね。……そっちの人は?」
从'ー'从「わたしといっしょにお金探してくれた人なんです〜」
店員がドクオに視線を送るとドクオも頷いたため、とりあえず中に案内する。
店員「水飲んで待っててくださいよ」
既にお金を片付けておいたようで、店の奥に下がり取ってきてくれるらしい。
三人は席につき、言われたとおり水をいただく事にする。
だが、若者の様子がおかしい。落ち着きがない感じでキョロキョロしている。
从'ー'从「どうしたんですか?おトイレならあっちですけど……」
若者「い、いや、なんでもないんだ。ありがとう……」
38 名前:>>34マジですかすみません:2011/07/20(水) 21:55:05.77 ID:aryxcyru0
从'ー'从「?」
明らかに動揺がみてとれる態度だ。
ドクオはもちろん少女もこの態度を不審がる。
('A`)(なんか都合わりい事でも……)
店員「おまたせーす」
その理由について考えようとしたドクオの思考を打ち切るように店員があらわれる。
店員「はい、これお嬢さんのお金っす」
今度は忘れていかないように、と付け加えて少女に渡す。
从*'ー'从「わあ〜、ありがとうございます」
店員「お二人もお疲れさんでした」
若者「あ、ああ。……じゃあ俺はこれで」
いよいよもって怪しさを増す若者の挙動。
ここまでくるとドクオにも確信が持ててくる。
「彼がこの店にいるのは都合が悪い」と。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 21:58:39.53 ID:aryxcyru0
それを裏付けるようにさっきまで執着していた少女に目もくれず店から出ようとする。
少女がひきとめようとしたとき、店員が若者の肩を掴む。
店員「もう少しゆっくりしてって下さいよ。お兄さんのお陰でそこの女の子にお金返せたんですから」
若者「いや、俺は、いいんだ、もう」
振り切って逃げようとする若者に声をかける。
店員「そういや俺お兄さんの顔見たことあります。初めてじゃないっすよね?」
若者の顔面からさっと血の気が引く。
必死でそれを気取られぬように隠すが、店員には通用しないであろう事は若者もわかっているだろう。
店員(常連さんほとんどあんたの顔覚えてると思いますよ。オーナー来る前に帰った方がいっすね)
若者「ひっ……」
おびえきった彼に追い打ちをかけるように更に言葉を続ける。
店員(悪いことは言わないからこの辺で女の子ひっかけるのはやめといた方がいいっすよ。
色んな人に怒られっから)
若者「わかった、わかったから!俺はもう行きます!」
彼は店から出ていく。
その様子は「一目散に逃げる」という言葉がぴったり当てはまっていた。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 22:01:34.44 ID:aryxcyru0
それを見ていた少女はまったく訳がわからないといった表情でしばし呆然としている。
店員「あのお兄さんにもいろいろあんすよ。人待たせてたんじゃないっすかね」
从;'ー'从「そうなんですか〜。だったらわたし迷惑かけちゃったなあ」
そんな様子には見えなかったが少女は納得したようだ。
('A`)「じゃ、俺ももう行きます」
いい頃合いだと席を立つ。
ボディガードは見つからなかったが旅をしながら探すしかあるまい。
そう思って今晩の宿を探しに行こうとしたのだが、
(;'A`)「な、何してんの君?」
少女がドクオの腕をしかと握ってはなさない。
こういう行為になれていない為に声が上ずってしまった。
从;'ー'从「ちょっと待ってください〜……」
(;'A`)「いやいや、俺、もう行くって言ったでしょ」
手を振り払おうとするがなかなか動かない。
少女は見た目より遥かに腕力があるようだ。
从'―'从「いやです。離しません」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 22:03:59.00 ID:aryxcyru0
少女の行動の理由がまったくわからないドクオ。
疑問を投げかけてみる。
('A`)「ひょっとしてあれか、さっきの兄ちゃんに水ぶちまけたのが悪かったのか?
謝るよごめん。だから離してくれ」
从'ー'从「あれは良くないと思うけど違います〜……」
じゃあなんで、と聞こうとすると少女の方から理由が話される。
从'ー'从「あなたにわたしのマネージャーになって欲しいんです」
('A`)「ちょっと何言ってるかわかんないです」
从;'ー'从「ちゃんと話聞いて〜!」
どうも話を最後まで聞かないと離してくれなさそうなので観念して再び着席する。
从'ー'从「わたしけっこうドジで、今日みたいにお金貰ったりしても忘れちゃうことが多くて」
だから他に面倒見てくれる人がいないとこれから大変だというのが少女の主張である。
('A`)「……言いたいことはわかった。けど俺じゃなくたって」
从'―'从「あなたじゃないと駄目なんです!」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 22:06:28.81 ID:aryxcyru0
(;'A`)「いっ!?」
女性からいきなりそんな事を言われて動揺しない男がいようか。勿論ドクオも例外ではない。
从;'ー'从「あ、いや、そういう意味じゃなくって〜、なんか予感がするんです。
わたしをちゃんと面倒見てくれそうな雰囲気があるっていうか」
なんだそりゃとがっかりした気分になるドクオだったが、とにかく話を聞く内に抱いた疑問をぶつける。
('A`)「で、マネージャーって具体的には何をするんだ?」
从'ー'从「わたしの体調管理とか、仕事をもらってきてくれたりとか」
('A`)「……で、俺にとってなんかメリットはあるの?」
从'ー'从「えーっと、わたしの歌が一番最初に聞けます」
(;'A`)「却下」
从'ー'从「じゃあわたしがパフォーマンスで貰ったお金を山分けします」
('A`)「うーん……」
悪くはない提案だがドクオが今欲しいのは金ではない。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 22:09:03.73 ID:aryxcyru0
彼女には申し訳ないがこの話はなかったことに、と言い出そうとすると、
从*'ー'从「じゃあ〜……わたしもあなたの手伝いをします!」
持ちつ持たれつってやつです、と得意気な顔で言う。
だがドクオにしてみれば少女にそんなことができるのか、だいいち目的地もあわないではないかと不満ばかりだ。
('A`)「俺が手伝いを探してるなんて君に言ったかい?」
从'ー'从「だって、こんなところぶらぶらしてる旅人さんなんてそんなにいませんよ〜」
('A`)「むっ……」
少女は思ったよりも勘がいいようで、ドクオが旅人であることを見抜いている。
('A`)「……旅人ってわかってるなら、君に俺の手伝いなんてさせられないって事はわかるだろ?」
从'ー'从「なんで〜?そんなことないですよ」
('A`)「まず目的地が違う」
ドクオはクール達に合流する事が目的であり、明確にどこを目指しているという訳ではない。
当然少女の旅をするルートとは高確率でかち合わない筈である。
从'ー'从「大丈夫ですよ〜、わたしも色んな町に行きたいし付き合います」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 22:10:45.27 ID:aryxcyru0
('A`)「……俺、傭兵なんだ。俺に付き合うって事は怪物とかと戦う事になる。
見ず知らずの女の子を危険な目にあわせらんないよ」
自分もまったく戦った事がないのは伏せた上でそう説得する。
しかしそれを聞いた少女は何故か笑顔になる。
从'ー'从「なんだあ。それじゃわたしと一緒ですね」
('A`)「は?」
从'ー'从「わたしも傭兵なんですっ。よろしくね」
(;'A`)「えええええ!?」
ドクオは心底驚いたが、そんな事は気にせずに少女は話を続ける。
从'ー'从「わたしが傭兵としてあなたを助けて、あなたがマネージャーとしてわたしを助けてくれる……これで文句ないですよね」
('A`)「……もうそれでいいです」
从*'ー'从「やったあ!!」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/20(水) 22:16:28.72 ID:aryxcyru0
なし崩し的にドクオのマネージャー就任が決まった頃、怪しげな二人組がガイドラインに辿りついていた。
?「ここがガイドラインけぇ……なんともちんけな街(トコ)だのう!」
?「そうか?俺はそんなに悪くないと思うぞ」
?「KY乙!せっかく人が大物オーラを漂わせていたというのに!」
?「俺たちはこれからビッグになるんだろ?形から入るなんてなしにしようぜ。兄者」
( ´_ゝ`)「それもそうか。この国に“サスガ旋風”を巻き起こしてやろうず!弟者!」
d(´<_` )「おk。流石だな」
( ´_ゝ`)b「俺たち!」
二人はその怪しげな雰囲気にたがわぬ怪しげなやりとりを交わし街に消えて行った。
前編終わり
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