( ^ω^)ねがいじぞうとくろねこのようです(ΦωΦ )
-
393 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:07:48.97 ID:5kwZ98dxO
- 樹海さんおつかれさまでした!
それでは、平仮名ばっかのゆるゆる作品始まるよ!
-
398 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:10:29.72 ID:5kwZ98dxO
- ( ^ω^)ねがいじぞうとくろねこのようです(ΦωΦ )
-
400 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:12:40.90 ID:5kwZ98dxO
- むかしむかし、あるところにおじいさんがいました。
( ^ω^)「よっこらお、こんなもんでいいじゃお」
おじいさんのなまえは『ブーン』といい、村でもやさしいおじいさんとゆうめいでした。
おじいさんは畑をたがやすしごとをおわりにして、お昼ごはんをたべることにしました。
( ^ω^)「うん、今日のごはんもおいしそうじゃお」
はっぱのつつみからでてきたのは二つのおむすび。なかみのないおむすびを、おじいさんは一つたいらげました。
-
403 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:15:03.54 ID:5kwZ98dxO
- ( ^ω^)「さて、おなかもふくれたことじゃしおじぞうさまのところにいくかお」
おじいさんはまいにちの畑しごとをおえると、いつもおじぞうさまのところにいきます。
( ^ω^)「おや?あれはドクじいじゃないかお?」
おじいさんが歩いていると、畑をたがやすおじいさんがいました。
( ^ω^)「ドクじい、今日もおてんとさまが元気じゃのお」
('A`)「そうじゃな、ブーンはまたじぞうにおそなえか?」
( ^ω^)「じゃお、ドクじいもいくかお?」
('A`)「いってそなえたところではらもふくれんわい、むだなことはせんほうがええ」
-
411 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:17:43.98 ID:5kwZ98dxO
- 『ドクじい』とよばれたおじいさんは、へんくつじいさんと言われていて、あまり村の人たちにすかれていませんでした。
( ^ω^)「そんなことはないお、おじぞうさまだってよろこんでくださるお」
('A`)「あんな石のかたまりがよろこぶはずないじゃろ、
むすびがあまってるならワシによこしたほうがまだましじゃよ」
( ^ω^)「だめじゃお、ドクじいもあまりはたらきすぎるとけがするお」
('A`)「けっ、わかっとるわい!さっさといけ!」
( ^ω^)ノシ「じゃあのー」
おじいさんは手をふり、おじぞうさまのいるほうへあるいていきました。
-
413 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:20:02.21 ID:5kwZ98dxO
- おじいさんがあるいていると、こんどはかおのそっくりな男の人たちがいました。
( ´_ゝ`)「おや、ブーンじいさんではないですか」
(´<_` )「今日もおそなえですか?」
若い二人のだんせいは『あにじゃ』と『おとじゃ』といい、ふたごでやさしいきょうだいでした。
( ^ω^)「じゃおじゃお、あにじゃさんもしごとがうまくなってきたおね」
(´<_`;)「ときにおちつきましょう、わたしはおとじゃです」
村はへいわそのものでした。
-
419 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:22:04.62 ID:5kwZ98dxO
- おじいさんは二人とわかれ、またあるきだしました。
とちゅうに会った村の人たちにもあいさつをしつつあるいていると、やがておじぞうさんが見えてきました。
( ^ω^)「おじぞうさまこんにちはですお、今日もおむすびをもってきましたお」
( ∵ )
そういうと、おじいさんはつつみからおむすびを取り出し、おじぞうさんのあしもとへおきました。
( ^ω^)「すこしとなりをおかりしますお」
おじいさんはおじぞうさんのよこの石にこしかけ、すこしきゅうけいをとりました。
-
421 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:24:40.01 ID:5kwZ98dxO
- ( ^ω^)「おじぞうさま、今日もおてんとさまが元気ですじゃお」
おじいさんはまいにち、おじぞうさんのよこにこしかけ、お話をしていました。
( ^ω^)「それではワシはそろそろかえるとしますじゃお」
おじいさんはしばらく休んだあと、家にむかってあるいていきました。
すると、おじいさんはかえるとちゅうに先ほどのきょうだいによびとめられました。
( ´_ゝ`)「ブーンじいさん、今日はもうおかえりですか?」
( ^ω^)「じゃおじゃお、今日のばんご飯はほしにくぞうすいにするんじゃお」
おじいさんはとてもうれしそうにこたえました。
-
426 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:26:30.68 ID:5kwZ98dxO
- (´<_` )「それはずいぶんとごうせいですね、ではこれをもっていってください」
おとじゃは畑からいっぽんのねぎをとりだし、おじいさんにわたしました。
(;^ω^)「えっ?いいのじゃお?」
(´<_` )「きにすることはありませんよ」
( ´_ゝ`)「そのかわりにごちそうになろうなんて思ってませんよ」
おじいさんはあにじゃをむししてねぎをうけとりました。
( ^ω^)「あにじゃさん、ほんとうにありがとうじゃお」
(´<_` )「・・・」
おじいさんはおじぎをして、家にかえっていきました。
-
430 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:29:49.33 ID:5kwZ98dxO
- おじいさんが家につくころには日もすっかりおちてきていました。
( ^ω^)「さっそくご飯をつくるじゃお」
おじいさんはなべに火をおこし、中にみずとおこめをいれました。
ぐつぐつ
ぐつぐつ
( ^ω^)「あにじゃさんにかんしゃしなきゃじゃお」
おじいさんはつぎに、おとじゃからもらったねぎをいれ、次にほしにくをいれました。
( ^ω^)「そろそろじゃお」
おじいさんはおわんになかみをうつしました。
-
432 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:32:09.36 ID:5kwZ98dxO
- おじいさんはご飯をひとくち口にいれました。
( ^ω^)「うまいお!」
ふんわりとしたごはんに、はごたえのあるねぎ。
やわらかいにくをかむと、ぎゅっとしたかんしょくの中からほどよいしおけが口の中に広がります。
ひとくち、またひとくちとおじいさんは食べていきます。
気がつくと、おなべのなかみはきれいになくなっていました。
( ^ω^)「ごちそうさまじゃお」
おなかがいっぱいになると、おじいさんは大きなあくびをしました。
( うω^)「ふわぁ〜、そろそろねるとするじゃお」
-
434 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:34:20.34 ID:5kwZ98dxO
- おじいさんは火をけして、わらのふとんにもぐりこむとすぐにねむってしまいました。
( -ω-)「ぐぅ、ぐぅ」
お月さまはぼんやりとかがやき、むらぜんたいをしずかにねかしつけました。
あしたもおてんきになるのじゃお?
むらのよるはゆっくりと、しずかにふけていきました。
-
437 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:36:01.46 ID:5kwZ98dxO
- ちゅん、ちゅんちゅん
( うω^)「おっ、もう朝じゃお」
ことりのなきごえでおじいさんが目をさますと、外はお日さまがさんさんとかがやいていました。
( ^ω^)「おてんとさま、おはようございますじゃお」
お日さまにあいさつをしたおじいさんはみずでかおをあらい、あさご飯をたべました。
( ^ω^)「もぐもぐ」
あさご飯をたべおわると、おじいさんはおむすびをふたつもち、いつものように畑しごとにむかいました。
-
439 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:37:56.92 ID:5kwZ98dxO
- ( ^ω^)「よっこらお、げんきにそだってるお」
すくすくとそだつやさいを見て、おじいさんはにこにことわらっていました。
( ^ω^)「さて、おひるにするじゃお」
おじいさんはつつみからおむすびをひとつとりだし、ゆっくりと食べました。
( ^ω^)「そろそろいくとするじゃお」
しごとをおわらせたおじいさんは、いつものようにおじぞうさんのところへあるいていきました。
-
444 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:39:47.77 ID:5kwZ98dxO
- ( ^ω^)「・・・お?あれはなんじゃお?」
おじぞうさんが見えてきたころ、おじいさんはいつもとようすがちがうことに気がつきました。
( ^ω^)「とりたちがなにかしてるお」
おじいさんがちかよってみると、何匹ものとりたちがねこをいじめていました。
(メメΦωΦ)「・・ニャ・」
(# ^ω^)「こりゃ!やめるんじゃお!」
おじいさんはとりたちをおいはらうと、とりたちはいっせいににげていきました。
-
447 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:45:53.21 ID:5kwZ98dxO
- (メメΦωΦ)「ニャア・・・」
(;^ω^)「これはひどいけがじゃお」
そこにいたのは体じゅうきずついた一ぴきのしろねこ。しろねこはひどくよわっていました。
(;^ω^)「はやくてあてをしないと」
(;^ω^)「おじぞうさま、きょうはもうかえらせてもらいますお」
おじいさんはおむすびをおき、ねこをだきかかえていそいであるいていきました。
それから少したったころ、おじいさんはあにじゃとおとじゃのすむいえにつきました。
いきなりやってきたおじいさんにふたりはおどろいていました。
(´<_`;)「ブーンじいさん、どうしたのですか?」
(;^ω^)「あにじゃさん、やくそうはありますじゃお?」
( ´_ゝ`)「あにじゃはわたしです。やくそうならここにありますが」
あにじゃはすぐにやくそうをとりだしました。
-
449 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:48:18.39 ID:5kwZ98dxO
- (;^ω^)「そのやくそうをいますぐこのねこにぬってあげてくれないじゃお?」
(;´_ゝ`)「これはひどいけがですね」
(´<_`;)「あにじゃ、すぐにやくそうを」
おじいさんはねこをゆかにねかすと、あにじゃはすぐにやくそうをぬっていきます。
(メメΦωΦ)「ニャッ!」
やくそうをぬるたび、ねこはあばれていました。
(メメ´_ゝ`)「たのむからおとなしくしていてくれ」
あにじゃのきずはふえていくばかりでした。
-
451 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:50:31.64 ID:5kwZ98dxO
- (メメノゝメメメ)「よし、ぬりおわりましたよ」
(;^ω^)「ほんとうにありがとうございますじゃお」
(´<_` )「れいにはおよびませんよ」
(メメノゝメメメ)「・・・」
おじいさんはふたりにふかくおじぎをして、ねこをいえまでつれていきました。
( ^ω^)「ここでしばらくやすむといいお」
(メメΦωΦ)「ニャア」
-
453 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:52:20.28 ID:5kwZ98dxO
- それからおじいさんはなんにちもなんにちもねこをかんびょうしました。
( ^ω^)「おっ、うごけるようになったのかお」
(メ ΦωΦ)「ニャア」
おじいさんのねっしんなかんびょうもあり、ねこは日に日に元気になっていきました。
(* ^ω^)「おっ、くすぐったいお」
ねこはおじいさんのもとにより、すりすりとかおをこすりつけていました。
(* ^ω^)「かわいいやつじゃお」
(メ ΦωΦ)「ニャア」
-
455 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:53:58.94 ID:5kwZ98dxO
- やがて、ねこのうけたきずはかんぜんにかいふくして、外でもあるけるようになりました。
( ^ω^)「う〜ん・・・」
おじいさんはなやんでいました。このままねこをかいつづけるかどうか。
( ΦωΦ)「ニャア」
( ^ω^)「ははは、こやつめ!」
でも、そんななやみはかおをなすりつけてくるねこにふきとばされてしまいました。
おじいさんはねこをかうことにしました。
( ^ω^)「よし、じゃあ名まえをつけるじゃお」
-
458 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:56:48.44 ID:5kwZ98dxO
- ( ^ω^)「きょうからおまえの名まえは『ろま』じゃお!」
おじいさんはねこの名まえを『ろま』とつけました。
( ΦωΦ)「ニャッ!」
ねこも自ぶんの名まえがきにいったようです。
( ^ω^)「じゃああしたはいっしょにはたしごとにいくじゃお」
( ^ω^)「ろま、いっしょにねるお」
( ΦωΦ)「ニャ」
おじいさんとねこは、いっしょのふとんでねむりました。
-
460 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 01:59:04.78 ID:5kwZ98dxO
- つぎの日のあさ、おじいさんとねこが畑にいくと、ドクじいとあにじゃ、おとじゃがあつまっていました。
( ^ω^)「みなさん、おはようございますじゃお。なにかありましたじゃお?」
(´<_` )「おはようございます、とりあえずはたけを見てもらえますか?」
(;^ω^)「やせいのけものたちのしわざじゃお?」
おじいさんが畑を見ると、だいじにそだてたやさいは食いちらかされていて、畑はめちゃくちゃになっていました。
( ´_ゝ`)「そのようですね、また一からそだてなおさないといけませんね」
( ´ω`)「そのようじゃお、ろま、きょうははたしごとは無しにするお・・・」
( ΦωΦ)「・・・」
おじいさんは、がっくりとかたをおとしながら言いました。
-
461 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:01:01.18 ID:5kwZ98dxO
- ('A`)「やれやれ、ワシのはたけじゃなくてよかったわい」
(´<_`;)「ドクじい、その言いかたはないですよ!」
( ´_ゝ`)「そう気をおとさないでください、わたしたちもひまを作っててつだいますから」
そう言うと、あにじゃはおじいさんにやさいを手わたしました。
( ´ω`)「ありがとうじゃお、あしたからつくりなおすお」
おじいさんはうなだれたままあるいていきました。
-
464 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:02:35.99 ID:5kwZ98dxO
- おじいさんとねこはおじぞうさんのところへいくと、すぐにおそなえものをしました。
( ^ω^)「おじぞうさま、このあいだのねこも今ではげんきになりましたお」
( ΦωΦ)「ニャ?」
おじいさんがねこを見ると、ねこはかまきりをふしぎそうに見ていました。
( ´ω`)「ですが、きょうは畑があらされてあまりいい気ぶんじゃないですお」
(ΦωΦ )「・・・ニャッ!」
じぃっとかまきりを見つめていたねこは、はなをひっかかれてびっくりしていました。
( ´ω`)「それではきょうはしつれいしますお」
( ∵ )・・・
おじいさんとねこは、家にかえっていきました。
-
466 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:05:00.62 ID:5kwZ98dxO
- おじいさんとねこは家にもどり、よるごはんを食べていました。
( ´ω`)「ろま、あしたからいっしょにがんばるじゃお」
( ΦωΦ)「・・・」
おじいさんはあまりげんきがありませんでした。
( ´ω`)「ごちそうさまじゃお、ろま、おいで」
おじいさんはねこをふとんにいれると、すぐにねむってしまいました。
-
467 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:06:44.29 ID:5kwZ98dxO
- つぎの日のあさ、おじいさんがおきるとおかしなことがおこっていました。
(;^ω^)「ろま、どうしたんじゃお?」
( ΦωΦ)「ニャア」
おじいさんがねこを見ると、そのしっぽはまっ黒にそまっていました。
(;^ω^)「まぁげんきそうだしだいじょうぶじゃお」
おじいさんはあまり気にせずにはたけにむかうことにしました。
おじいさんがはたけにつくころ、はたけではまたきのうのさんにんがいました。
(;^ω^)「おはようございますじゃお、どうかしましたじゃお?」
(´<_`;)「おはようございます!それよりこれを見てください!」
-
471 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:08:02.10 ID:5kwZ98dxO
- (;^ω^)「これは・・・」
おじいさんがはたけを見ると、そこにはあらされたやさいのすがたはありませんでした。
そのかわりにあったのは、げんきにお日さまをあびているやさいたち。
(;^ω^)「どういうことじゃお?あらされるまえのじょうたいじゃお」
(;´_ゝ`)「わたしたちにもよくわかりません、ふしぎなことです」
おじいさんたちは、ふしぎそうにはたけを見るだけでした。
-
472 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:09:18.58 ID:5kwZ98dxO
- ( ^ω^)「おじぞうさま、きょうはおかしなはなしがありますお」
( ∵ )・・・・
おじいさんは、きょうあったできごとをせつめいしました。
( ^ω^)「というわけなんですお、ではまたきますお」
おじいさんは、ねこといっしょにかえっていきました。
( ^ω^)「ふしぎなこともあるものじゃお、なぁ?ろま」
( ΦωΦ)「ニャア」
-
474 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:11:44.63 ID:5kwZ98dxO
- 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それからなん日かたったころ、おじいさんのいえにおとじゃがらんぼうに入ってきました。
(´<_`;)「ブーンじいさん!あにじゃが!」
(;^ω^)「あにじゃさん、おちつくお」
(´<_`;)「すいません、あにじゃがおおけがをしてしまったのです」
(;^ω^)「なんと、いますぐいくお!」
ふたりはいそいでいえをとびだしました。
ふたりがおとじゃたちのいえにつくと、そこにはいきもあらく、ぜんしん傷だらけのあにじゃがいました。
(; _ゝ )「ぐっ・・・あっ・・・」
(´<_`;)「あにじゃ!だいじょうぶか!」
(;^ω^)「ひどいけがじゃお」
-
477 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:15:28.80 ID:5kwZ98dxO
- おじいさんがことのはなしをきくと、ふたりで山へさんさいをとりにいったかえり道に、
あにじゃが足をすべらせてきゅうなさかをころげてしまったようです。
そのときあにじゃはするどい木のえだや、大きな岩につよくからだをうちつけてしまったようなのです。
(;<_; )「あにじゃ!しっかりしろ!」
(;^ω^)「おとじゃさん!しっかりするお!」
(; _ゝ )「げっ・・・ゴブッ・・・」
あにじゃの口からはきだされたのは、大りょうの血でした。
-
478 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:18:39.20 ID:5kwZ98dxO
- あにじゃのうけたきずは重く、うちどころもわるかったため、ないぞうに大きなそんしょうをおっていました。
(;<_; )「あにじゃ!こんなところでおれをおいていく気か!」
(;<_; )「なぁ?こたえてくれよ!」
(;<_; )「ふたりでむら一ばん大きなはたけをつくるんだろう?」
( ΦωΦ)「・・・」
(; _ゝ )「・・・」
(; _ゝ )「・・」
(;<_; )「なぁ!!」
(; _ゝ )「・」
( ω )「・・・」
( _ゝ )
あにじゃがうごくことは、二どとありませんでした。
-
479 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:20:13.58 ID:5kwZ98dxO
- ( ω )「おとじゃさん、ワシのいえにきれいなお花があるお、いっしょにとりにいくじゃお」
(;<_; )「・・・はい」
ふたりはあにじゃにわらのふとんをかけ、おじいさんのいえにむかっていきました。
( ω )「おとじゃさん、これからさきも、ずっとあにをうやまうこころをもつんじゃお」
(;<_; )「はい・・・」
ふたりはりょう手いっぱいにはなをかかえ、おとじゃのいえへともどっていきました。
-
482 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:28:47.66 ID:5kwZ98dxO
- ふたりはおとじゃのいえのまえにつき、おとじゃが戸をあけました。すると。
( ´_ゝ`)ノ「おかえりー」
(;^ω^)(´<_`;)「・・・は?」
そこにいたのは、さきほどいきをひきとったはずのあにじゃがいました。
( ´_ゝ`)「ん?どうしたんだふたりして」
あにじゃのからだにはきずひとつありませんでした。
-
485 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:33:27.32 ID:5kwZ98dxO
- (´<_`;)「どうしたもこうしたもないぞ!あにじゃはさっき」
(;^ω^)「なくなったはずじゃお」
( ´_ゝ`)「そんなこといわれてもなぁ・・・」
(´<_`;)「とにかくぶじでなによりだ・・・?」
おとじゃがまわりをよく見ると、あにじゃにはきず一つなく、ゆかにこぼれていた血もありませんでした。
(;^ω^)「なんともふしぎじゃお、そういえば・・・ろま〜どこじゃお〜」
おじいさんがねこをよぶと、うしろからねこがあるいてきました。
( ΦωΦ)「・・・ニャ」
-
487 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:34:43.32 ID:5kwZ98dxO
- (;^ω^)「いたいた、ろま・・・って」
( ゚ω゚)「じゃおぉぉぉぉぉぉ」
おじいさんのもとにかけてきたねこは、ぜんしんをまっくろにしたねこでした。
( ΦωΦ)「・・フニャ・・・」
ぜんしんの毛をくろくそめたねこは、あまりげんきがありません。
(;^ω^)「どういうことじゃお?」
おじいさんや、あにじゃ、おとじゃもふしぎなこうけいにただただぼうぜんとしているだけでした。
-
491 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:38:10.43 ID:5kwZ98dxO
- あにじゃたちとわかれ、いえにもどったおじいさんはかんがえていました。
( ^ω^)(なんでこんなにいいことがおこるんじゃお、あにじゃさんのねがいがかなったり)
おじいさんは一つきになったことがありました。
( ^ω^)(それもこれも、ろまがきてからなんじゃお)
( ΦωΦ)「・・・」
おじいさんがねこをみると、ねこはちからなくぐったりとしていました。
( ^ω^)「ろま・・・きみがやったのじゃお?」
まさか、とおじいさんはかんがえていました。
( ^ω^)「ろま、きょうはつかれたからそろそろねるお」
おじいさんはねこをだきかかえるようにして、ねむりにつきました。
-
492 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:39:45.76 ID:5kwZ98dxO
- つぎの日のあさ、そらからふる雨のおとでおじいさんはめをさましました。
( ^ω^)「ひどいあめじゃお」
そこでおじいさんはおかしなことにきがつきました。
(;^ω^)「ありゃ?ろま、どこじゃお?」
おじいさんのいえには、ねこがいなくなっていたのです。
(;^ω^)「ろま、このあめのなかどこにいったんじゃお」
おじいさんはねこがしんぱいになり、いそいでそとにでていきました。
-
495 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:41:29.92 ID:5kwZ98dxO
- そとはつよいかぜとあめで、ひとのすがたはありませんでした。
(;^ω^)「ろま〜ろま〜」
いくらよんでもへんじはありません。おじいさんは、あにじゃたちのいえにいくことにしました。
(;^ω^)「あにじゃさん、ろまをみませんでしたじゃお?」
(´<_`;)「あさからつっこむのもつかれます」
(;´_ゝ`)「こころあたりがありません」
(;^ω^)「きっとろまは、ふしぎなちからをつかいすぎたんじゃお」
おじいさんはすぐにドクじいのもとへむかっていきました。
(´<_`;)「あのねこが・・・?」
(;´_ゝ`)「ブーンじいさんもボケがはじまったのか?」
-
496 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:43:52.19 ID:5kwZ98dxO
- (;^ω^)「ドクじい!ろまをみなかったじゃお?」
(;'A`)「どうしたんじゃいきなり、いみがわからんわい」
(;^ω^)「ろまはねがいをかなえるちからをつかいすぎていなくなってしまったんじゃお」
('A`)「は?そんなことがあるわけないじゃろ」
('A`)「あんなねこ一ぴきがねがいをかなえる?わらわせるのもほどほどにしてくれ」
ドクじいは、いやみをこめていいました。
(# ゚ω゚)「ろまをばかにするなお!!」
(;'A`)「・・・」
おじいさんはおこってあるいていってしまいました。
-
498 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:46:29.73 ID:5kwZ98dxO
- それから、あめのふるなかいろんなばしょをさがしても、ねこはみつかりませんでした。
(;´ω`)「ろま、どこにいってしまったんじゃお」
おじいさんがふらふらとたどりついたのは、おじぞうさんのところでした。
(;´ω`)「おじぞうさま、ろまがいなくなってしまいましたお」
( ∵ )・・・・
( ;ω;)「ろまは、きっとふしぎなちからをつかいすぎてしまったんですお」
( ;ω;)「わしのだいじな子なんじゃお!」
( ;ω;)「どうか、どうかろまにあわせてくださいお!また、いっしょにくらしたいんですお!」
なみだをながすおじいさんのもとへ、あにじゃとおとじゃがやってきました。
-
502 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:48:07.04 ID:5kwZ98dxO
- (;´_ゝ`)「ブーンじいさん!からだをこわします!」
(´<_`;)「もういえにおかえりください!」
( ;ω;)「いやじゃお!ろまがみつかるまではかえらんお!」
(# ´_ゝ`)「あなたにもしものことがあってはおそいのです!」
あにじゃはげきどしました。
(;´ω`)「・・・わかりましたお・・・」
( ∵ )・・・・
おじいさんたちは、それぞれのいえにかえっていきました。
-
504 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:50:10.16 ID:5kwZ98dxO
- その日のよるのことです。
おじいさんは、ゆめをみました。
そのないようは、おじぞうさんがねこをだきかかえ、おじいさんのてもとにそっとわたすゆめ。
わたされたねこがげんきにないています。
おじいさんはねこをなんどもなで、ぎゅっとだきしめていました。
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506 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:52:56.22 ID:5kwZ98dxO
- あの日からなんねんたったたったでしょうか。くも一つないかいせいの日のことでした。
(;^ω^)「あちゃ〜」
(;´_ゝ`)「またあらされてますね」
(´<_`;)「ブーンじいさんのそだてたやさいはうまいからなぁ」
そこにはやせいのどうぶつにくいあらされたおじいさんのはたけでした。
('A`)「ワシのはたけじゃなくてよかったわい」
(´<_`;)「そんないいかたしなくても!」
( ^ω^)「いいんじゃお」
( ^ω^)「また一からそだてなおせば、のぉ」
ろま。
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507 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:55:11.43 ID:5kwZ98dxO
( ΦωΦ)「ニャ!」
そこにいたのは、ぜんしんをまっくろにしたねこでした。
( ^ω^)「じゃあみんなでおじぞうさまのところへいくお!」
( ´_ゝ`)「はあくしました!」
(´<_` )「きょうはだいこんをそなえましょう!」
('A`)「ワシもいかなきゃならんのか?」
(# ゚ω゚)「いくんじゃお!」
(;ΦωΦ)(;´_ゝ`)(´<_`;)(;;;'A`)(・・・・・・・・・)
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509 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 02:56:48.30 ID:5kwZ98dxO
- ( ^ω^)「おじぞうさま、きょうのおそなえですじゃお」
( ∵ )・・・・
(;^ω^)「きょうはまたはたけがあらされてしまいましたお」
('A`)「そういえば、むかしいってたねがいをかなえるちからっていうのはどうしたんじゃ?」
( ^ω^)「あの日いらいなにもかなってないお」
( ^ω^)「でも、わしの一ばんのねがいはかなったんじゃお」
( ^ω^)「それは、あらされたはたけをなおしたりすることじゃないお」
(´<_` )「ほぅ、なんですか?」
( ^ω^)「それは・・・」
それは
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513 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 03:00:43.21 ID:5kwZ98dxO
( ∵ )・・・・
( ^ω^)「みんなと平和に、ろまと一しょにいるにちじょうこそが、ワシにとってきせきであり、ねがいであり、一ばんなんじゃお」
( ´_ゝ`)「ははっ」
(´<_` )「そうですね」
('A`)「ま、そうじゃな」
( ΦωΦ)「・・?・・・ニャッ!」
むらは、いつまでも、いつまでもへいわでした。
( ^ω^)ねがいじぞうとくろねこのようです(ΦωΦ )
おしまい。
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515 : ◆aQrp5SsEyk
:2007/12/01(土) 03:06:21.50 ID:5kwZ98dxO
- これにて終了です。こんなじかんまで付き合わせてしまって本当にすみません。
ありがとうございました。
次回のくろねこグループも大変良作なので、どうか参加して、支援や思ったことなど書き込んで楽しんでください。
本当にお疲れさま、そしてありがとうございました。
あとの方々も頑張ってくださいね!
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