('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです6−1 前のページへ] 戻る [6−2幕間へ

9 :ハンター:2011/12/18(日) 00:26:56 ID:88pYr5WMO
●('A`) ドクオ=ウェイツー
人間
26歳 【称号:ドンドルマの英雄】
HR:6 
所属猟団:無所属
使用武器:コウリュウノツガイ(双剣)
防具:ナルガXシリーズ
現在地:ユクモ村


●(,,゚Д゚) ギコ=ストッドウッド
人間
26歳 【称号:Stubborn】
HR:6
所属猟団:荒鷲団
使用武器:ハイジークムント(大剣)
防具:レウスSシリーズ
現在地:ユクモ村


●ζ(゚ー゚*ζ デレ=ツンデレート
人間
21歳 【称号:無し】
HR:4
所属猟団:ユクモギルド
使用武器:フロギィリボルバーV(弓)
防具:マギュルSシリーズ
現在地:ユクモ村


10 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:29:05 ID:88pYr5WMO
●( ^ω^) ブーン=ホライゾン
人間
19歳 【称号:無し】
HR:2
所属猟団:無所属
使用武器:デッドリボルバー(鎚)
防具:アロイシリーズ
現在地:ユクモ村


●ξ゚听)ξ ツン=ツンデレート
人間
19歳 【称号:無し】
HR:2
所属猟団:無所属
使用武器:ジャギットファイア
防具:ジャギィシリーズ
現在地:ユクモ村


●( ・∀・) モララー=ケーニッヒ
人間
26歳 【称号:無し】
HR:5
所属猟団:【騎士派】
使用武器:???
防具:???
現在地:???


11 :オトモ:2011/12/18(日) 00:30:03 ID:88pYr5WMO
●(*゚∀゚) ツー
獣人族(アイルー)
?歳 【称号:???】
使用武器:【旗本】ネコ合戦旗(剣斧)
兜:旗本ネコ【陣笠】覇
鎧:旗本ネコ【胴当て】覇
現在地:ユクモ村

●(*゚ー゚) しぃ
獣人族(アイルー)
?歳 【称号:???】
使用武器:???
兜:???
鎧:???
現在地:ユクモ村


13 :6―1:2011/12/18(日) 00:31:46 ID:88pYr5WMO

【名無しの丘】

誰も名を知らない未開の地。

そこに二人の男の影があった。

( ゚∀゚)「………」

(´・ω・`)「………」

1人は小柄な男。しかし身体の線は決して細くなく、服の上からでもはっきりと分かる筋肉は、幾年もの間、鍛え上げられてきた物だと分かる。

もう1人は大柄。山のような男だ。

少し太めの眉に、大きな瞳。前の男と比べると理知的な顔をしている。

大きな荷車を押しながら、今日も今日とて二人は歩く。


14 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:32:59 ID:88pYr5WMO

( ゚∀゚)「……ショボン、腹へったー」

(´・ω・`)「全く、さっき食べたばっかりだろう。君は相変わらず燃費の悪い身体をしてるね」

( ゚∀゚)「はぁー。ドクオが居てくれりゃァ、こんなひもじい思いしなくて済むのによォー」

(´・ω・`)「それには同意するね。ドクオと狩りに行くときは本当に楽をさせてもらったから」

思い浮べているのはかつての仲間。

いつも陰鬱そうな顔をしていて、それなのに飛竜達と戦う時は誰よりも率先して突っ込んでいった男。

誰よりも死に近い道を、悠然と闊歩する姿は、彼と別れてから数年経った今でも、強く二人の心に残っていた。


15 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:33:39 ID:88pYr5WMO

(´・ω・`)「ドクオ……変われたと思うかい?」

( ゚∀゚)「……さァーな。だがあのままじゃア、アイツは危ういだろ。だからこそ、ババァもドクオをドンドルマから遠ざけたんだろさァ」

二人の知っているドクオは、誰よりも仲間を大切に思い、そしてそれ以上に自分を大切に思う男だ。

どんな飛竜よりも迅く、どんな狩人よりも冷静だった。

“あの出来事”があるまでは。

(´・ω・`)「だが、ドクオがドンドルマを旅立ってもう四年と少しになる。人が変わるには充分な期間にも思える」

( ゚∀゚)「ケッ、そんな器用な奴じゃねーよ」

ショボンが述べた希望を、ジョルジュはバッサリと切り捨てた。

だが、それはジョルジュが充分にドクオの本質を理解しているが故の言葉でもある。

(´・ω・`)「ドンドルマは、僕達が居なくなって大丈夫なのかな?」

( ゚∀゚)「ハッ、それこそいらねェ心配だよ。向こうにはペニサス達が残ってんだ。俺達二人が抜けただけで揺らぐヤワな砦じゃねェーだろーがよォー」

ドンドルマが誇るG級は、今全てが外に出ている状態だ。

最高戦力であるG級が、揃って居なくなったとあれば、浮き足立つのも無理からぬ事。

だが、共に街を守り、飛竜と戦ってきた。

その仲間達は、今尚健在だ。


17 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:34:11 ID:88pYr5WMO

( ゚∀゚)「ペニサスやシャキンさん、でぃ婆が居るんだ。飛竜如きに何かできるわけないだろ」

(´・ω・`)「そうだね。要らない心配だったね、だからこそ僕達二人がユクモに出てこられたんだから」

二人は、少し足を速めた。

肌を刺すような冷たい風がが吹く。山を越える毎に、寒さは増している。そろそろ雪が降り出す頃か。

( ゚∀゚)「それにしても、この辺りは何もねーなー。ユクモまではまだまだ遠いか」

(´・ω・`)「さぁ。ドクオは、もう着いたのかな」

( ゚∀゚)「途中で野垂れ死んでなきゃ良いんだがなァ」

二人の旅は、まだまだ続く。

終わりの見えない道程だが、先に進んだ友がいる。

だからこそ、二人の歩みが止まる事はない。


18 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:35:32 ID:88pYr5WMO

(´・ω・`)(ドクオ……あれから四年経った。新しい大切なモノを、君は見付ける事が出来たのかな?)

( ゚∀゚)(クー。お前が今でも居てくれりャ、ドクオを救う事も出来たんだろうになァ)


19 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:37:07 ID:88pYr5WMO

悲しまないでくれ。

これは私にしか出来ない仕事だ。

お前でも、あの二人でも出来ない。

だから、そんな哀しい顔をしないでくれ。

私は、嘗て無い程に喜び震えているんだ。

この道を、誰にも邪魔立てさせはしない。


―――Elven Arrow クー 最期の言葉―――


20 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:37:57 ID:88pYr5WMO

( ^ω^)「凄いおっ!!ツン!!ナルガクルガを討伐するなんてっ!!」

ξ////)ξ「ちょっと!そんなに引っ張らないでよっ!!」

ユクモへの帰り道。案の定、ブーンとデレが息を切らせながら走ってきていた。

('A`)「全く、緊張感の欠片もないな」

ζ(゚ー゚*ζ「―――♪」

ツンとブーン、ドクオとデレ、二列にに並びながら、ゆっくりとユクモに帰る。

狩りを始めた頃は山の向こうに姿を隠していた太陽だったが、今は頭の上で燦々と輝いていた。

('A`)「嬉しそうだな、デレ」

ζ(゚ー゚*ζ「はい!ツンちゃんが、あんなに嬉しそうだからっ!」

HR2の狩人が、ナルガクルガを討伐。

それはユクモの歴史の中でも異例の事だ。


21 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:39:06 ID:88pYr5WMO

('A`)「ツンにとって、良い切っ掛けにもなっただろうな。素養もあったし、彼女の眼は、ガンナーであれば誰もが羨む物だ」

ζ(゚ー゚*ζ「それに負けず嫌いの性格をしてますから。私も、うかうかしてられませんね」

楽しそうに家路を辿る四人。

その雰囲気を一変させる事件が、ユクモで待ち受けているとも知らずに。


―――

――




22 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:40:54 ID:88pYr5WMO

ユクモに帰ったドクオは、一先ず事の顛末を説明するために、ギルドへと向かった。

ツーからはある程度の説明を受けているはずだが、結果を伝えなければクエストは完了しない。

('A`)「ミセリ、報告に来たんだが」

そこでドクオが見たのは、普段以上にてんてこ舞いしている受付嬢の姿だった。

ミセ;゚Д゚)リ「あっ、ドクオさん……」

(;'A`)「大丈夫か?忙しいなら、また後で出直すぞ?」

汗を滲ませて、忙しなく手元の書類を処理していくミセリ。普段は、落ち着いた様子で狩人達の報告に耳を傾けている彼女だが今日は様子が違う。

ミセ*゚ -゚)リ「いえ、大丈夫です。ツー様から大体の事情は聞いてますから、すぐに済ませます。
それにドクオさん……」

真剣な顔でドクオに目配せするミセリ。

ドクオも雰囲気を察し、顔を寄せた。

('A`)「……何かあったのか?」

ミセ*゚ -゚)リ「私からは詳しく話せませんが、騎士派から独断専行した者が出たようです」


23 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:41:31 ID:88pYr5WMO

('A`)「独断専行?どういう事だ?」

ミセ*゚ -゚)リ「詳しくは、あの人達から聞いてください。残りの手続きは私がしておきますから」

ミセリが指差した先にいたのはギコ。

そして見覚えのない若い女だった。

(,,゚Д゚)「ご苦労さんだぞゴルァ」

(゚、゚トソン「こんにちは」

('A`)「よぉ、ギコ。それともう一人の君は、初めましてになるのかな。ドクオだ」

以前共に狩りをした時から、また一回り大きくなっているギコ。それは何より、G級に慢る事なく、努力をしているという証拠だ。

背には【焔剣】リオレウス。先のリオレウス討伐で得た素材で作ったのだろう。

('A`)「ミセリの雰囲気から察するに、何か良くない事でも起こったのか?」

(#,,゚Д゚)「その通りだぞゴルァ!!騎士派の連中がギルドへの届け出も無しに、ユクモ山に登りやがったんだ!!」

“ユクモ山”狩場を基準に考えれば渓流エリアに流れる川の源泉付近の事だ。

('A`)「それは確かに由々しき事態だが……ここまで大騒ぎする事なのか?」

(,,゚Д゚)「!! あぁ、そうだな。ドクオは、ユクモに来て日も浅い。この村に残る伝説を知らないな」


24 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:43:49 ID:88pYr5WMO

―――伝説

その言葉にドクオの瞳に真剣みが増した。

伝説の裏には、必ずと言って良い程、その裏には強大な存在が隠れている物なのだ。

ドクオに伝説を教えようとギコが話し始める。

(,,゚Д゚)「この村には……」

(゚、゚トソン「ギコ君、そこから先は私が話します」

だが、それを一緒にいた女が制した。

(,,゚Д゚)「ゴルァ、了解です。確かに先輩の方がこういう話には詳しいでしょうし」

大人しく口を閉じ、ドクオと同じく聞く態勢に入ったギコに彼女は『ありがとう』と微笑んで話を続けた。

(゚、゚トソン「改めて名乗らせて頂きます。私の名前はトソン。トソン=アデアと申します」

('A`)「こちらこそ。先程も名乗ったがドクオだ。ドクオ=ウェイツーという。以後、宜しく頼む」

立ち話もなんですから、とトソンをドクオに座るよう促した。

(゚、゚トソン「さて、先程ギコ君が話そうとした伝説。それを今からお話させて頂きます」


25 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:45:53 ID:88pYr5WMO



―――

―――――


それはそれは昔の話です。何十年前か、何百年前か、正確な記録は竜人であられるギルドマスター様でもご存知ありません。

ただそれが“昔から在った”という事さえ、ご理解頂ければ何も問題ありません。

ユクモ村が出来るずっと前の話。ここは多くの生物達の楽園でありました。

ユクモの土地を長く育んできた大火山。その恩恵の一つである“温泉”。それがその理由です。

ユクモの湯は傷に良く、病に良い。

野生の中で傷を負った生き物達にとって、ユクモの湯は掛け替えのない物でした。

だからこそ、この地は狩人の村としての基盤を築けたのです。

周囲を火山と凍土に囲まれてなお、気候は温暖。

そんな恵まれたユクモの地には、一つだけ問題がありました。


26 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:46:23 ID:88pYr5WMO

【何十年に一度現れる大積乱雲】

私やギコ。いえ、この村に住む全ての者達が、幼い頃口酸っぱく教えられてきた事。

『雷が鳴ったら決して外に出てはいけないよ。もしこれを破って外に出たらユクモ神様がお前たちを連れて行ってしまうからね』

(゚、゚トソン「ドクオさん、見えますか?あの山に掛かる不気味な黒い雲が」





『あれが【雷狼竜】ジンオウガなのです』


27 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:46:57 ID:88pYr5WMO

('A`)「………」

ドクオの視線の先には真っ黒い雲。

(゚、゚トソン「今までユクモギルドは、ジンオウガと二度戦いました。一度目は何も知らない新米狩人達が。結果、四人全員が壊れた状態で見付かりました」

(,,゚Д゚)「………」

(゚、゚トソン「二度目は満を持して、ユクモが誇る凄腕の狩人達が。結果、ジンオウガの撃退には成功しますが、討伐には至らず。更に二人の犠牲者を出すという始末」

('A`)「そして、今日が三度目だったのか」

トソンはドクオの言葉に静かに頷いた。

(゚、゚トソン「ギルドマスターの忠告を無視し、山を登った騎士派の狩人達四人が、今朝渓流エリアで見付かりました。生きていた者は居ません」

ドクオとギコ、二人の視線が交差する。何かを確認するかの様に。

(゚、゚トソン「一度目に四人、二度目に二人、そしてまた四人。計十人の犠牲者を生んだ【雷狼竜】ジンオウガ。件のモンスターは、今日現時点を以て災害指定級モンスター“G”と認定されました」


28 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:47:50 ID:88pYr5WMO

ドクオは、ゆったりと自然体のまま立ち上がった。

それに習い、ギコも胸を張り直立する。

(゚、゚トソン「ユクモに在籍するG級狩人は貴方達だけです。追って正式な依頼を承ることとなるでしょう」

トソンは、二人の男の目を見つめた。ユクモの命運を託す事となる二人を。

(,,゚Д゚)「任せて下さい。きっと俺達が狩ってみせます」

('A`)「……狩れというのなら狩るだけだ」

トソンは、ギコを小さい頃からずっと見てきた。幼い頃から、ロマネスクの影響を受け狩人を志し、彼女を見本としてメキメキと力を付けてきた。

独り善がりな部分もあると不安だったが、G級となってからは、それも大分緩和している。

(゚、゚トソン「……ごめんね、ギコ君」

(,,゚Д゚)「うっす」

しかし、そうと分かっていてもトソンの胸から不安は消えない。

彼女の後ろを不安そうに付いてきていた男の子が、今村のために強大な敵と戦おうとしているのだ。


29 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:48:30 ID:88pYr5WMO

('A`)「……トソン」

(゚、゚;トソン「あっ、はい」

そして、もう一人。

ギコと共にジンオウガと戦う事になるであろう男。

陰鬱そうな瞳に、狩人にしては細すぎる身体。

初見の者には、その男が彼のドンドルマが誇るG級であると分からないだろう。

だからこそ、彼がユクモに来てからの実績を見れば誰もが目を疑う。

何の防具も着けず、遭遇した上位のアオアシラを討伐する事なく撃退し、初めて相対したはずのギギネブラを、寄せ付ける事無く討伐。

また【空の王】リオレウスに対し、非戦闘員を二人抱えながらも、大した傷を負うことなく討伐。しかも単独で囮をこなすという離れ業をもって。

しかし、やはり一番大きいのは凍土の洞窟の中でトソン自身の目で彼の動きを見た事だろう。

【毒怪竜】ギギネブラを翻弄したスピード、随所に見せた狩人としての創意工夫。

無謀に見えた単独での突出も、全ては仲間を護るため。


30 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:50:19 ID:88pYr5WMO
凄腕、それも今まで自分が見た事ない程の。そう認めざるをえない。

そんなドクオが、トソンに向かって言い切った。

('A`)「トソン。きっとお前は勘違いしている。俺達は死にに行く訳じゃない」

(゚、゚トソン「……でも、死にに行くような物です。四人でも勝てない相手に、二人でなんて」

それきりトソンは、顔を伏せてしまった。

('A`)「………」

その様子に、ドクオとて何も感じない訳ではない。

今トソンが感じている不安は“あの時”ドクオが抱いていた物と同じだ。

しかし、だからこそ。それ故にドクオは、背の剣を抜き放ち、俯くトソンを真っ直ぐ見つめて言った。


――――覚えておけ――――

('A`)「Gの狩場に敗北はない」

ハッ、とトソンは反射的に顔を上げた。

太陽は雲の向こうに隠れているはずなのに、ドクオが掲げた剣からは何処からか光が映り込んでいた。


31 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:51:30 ID:88pYr5WMO

('A`)「ふぅ。まぁ、何も知らない俺が言ったところで大した意味はないが」

背に剣を収める。

('A`)「とりあえず依頼は承諾だ。俺は少し準備があるので、ここで失礼させてもらう。ギコ、お前も抜かりなく済ませろ」

(,,゚Д゚)「おう」

去っていく二人を、トソンは見送るしか出来なかった。





―――ただ願わくば





(-、-トソン「二人が無事に帰ってこれますように」


32 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:52:15 ID:g6YenBfU0
いらっしゃい&おかえり まってたよー


33 :6―2:2011/12/18(日) 00:52:42 ID:88pYr5WMO

ドクオとトソンと別れたギコは、真っ直ぐある場所へと向っていた。

小高い丘。緑豊かなユクモの地でも、特に花が咲き乱れる場所。そこに広がる無数の墓標。

ギコは、その一つの前で足を止めた。

墓標に刻まれた“挺身の英雄 ロマネスク 此処に眠る”という文字。

三頭のディアブロスと戦い死んだロマネスク。

だが、ディアブロスは草食故に彼の死体が食い散らかされる事はなかった。

(,,ーДー)「ロマネスクさん……」

静かに祈りを捧げるギコ。

(,,゚Д゚)「俺、今ならロマネスクさんの気持ちが少し分かる気がします。ずっとロマネスクさんを追いかけ続けてきた俺だからこそ、あの時のロマネスクさんの気持ちが……」

眼下に広がるユクモ村。

ギコの生まれた場所。ギコの大切な場所。


34 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:53:24 ID:88pYr5WMO

(,,゚Д゚)「ロマネスクさんは……きっとこの景色を守りたかっただけなんだ」

挺身の英雄なんかじゃない。ただロマネスクは、彼自身の為に、ディアブロスとの戦いに臨んだのだ。




―――俺も護ろう




(,,ーДー)(誰の為でもなく、俺の為に)

『――――やぁ、ギコ』

突然ギコに掛けられた声。しかし、ギコはこの声に覚えがあった。

多分、家族以外では一番多く耳にした声。

(,,゚Д゚)「モララー」

( ・∀・)「ふむ。確かに私はモララーだが。そういう君は、これから無謀な戦いに挑む可哀想な程バカなギコではないかい?」

いつも飄々とした態度を崩さないモララー。彼の物言いから、これからギコがジンオウガに挑む事も知っているのだろう。

言ってしまえば、モララーは空気が読めない。

ユクモの者は、そんなモララーを煙たがっているのだが、ギコとモララーは驚くほど仲が良かった。


35 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:54:36 ID:88pYr5WMO

(,,゚Д゚)「相変わらず回りくどい喋りをするなぁゴルァ」

( ・∀・)「うふふ、これが“騎士”としての正しい言葉遣いらしいのだよ。諦めてくれたまえ」

幼なじみであり、共に狩人を目指した二人。

【狩人派】と【騎士派】道は違えたが、そんな事は彼らにとって、どうでも良い事であった。

(,,゚Д゚)「もし俺達が失敗すれば、きっと次はお前やトソン先輩、ビロード達の出番だと思う」

( ・∀・)「だろうね。今のユクモは、まだ若樹だ。Gのいる間は良いが、君達が居なくなれば【騎士派】【狩人派】と拘ってはいられなくなるだろう」

二人は揃って溜め息を吐く。

(,,゚Д゚)「……お前には、本当に嫌な役回りを押し付けちまったな」

( ・∀・)「ふふっ、相変わらず君は優しいね。しかし、これは私自身が望んだ事だよ。それに知っての通り私に【騎士派】の自覚なんて物もなければ、歌姫様に払う敬意などこれっぽちも無い」


36 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:55:06 ID:z8KKDA6U0
おいふざけんなどれだけ待たせたと思ってんだこら


37 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:55:36 ID:88pYr5WMO

ふはっ、とギコがその言葉に吹き出した。

(,,゚Д゚)「騎士派の中枢であるお前がそんなんじゃ、あちらさんも随分苦労してるんだろうな」

( ・∀・)「さぁ、どうだろうね。ただトソン嬢は、最近皺が目立つようになってきたし、デミタスに至っては昨晩も血尿を垂れ流していたよ」

(;,,゚Д゚)「それは普通に不味いだろ……」

二人は笑う。いつものように。

そんな温かな雰囲気の中、訪れた静寂。

(,,゚Д゚)「モララー、これは言おうか本当に迷った事だが、聞いてくれるか?」

( ・∀・)「良いだろう、話たまえよ」

ギコは、拳をギュッと堅く握り言葉を繋いだ。

(,,゚Д゚)「もし俺がくたばっちまったら、ユクモを頼む」

( ・∀・)「………」


38 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:56:09 ID:88pYr5WMO

(,,゚Д゚)「お前が、責任感の強い人間だという事も、お節介な人間だという事も、俺は良く知ってる。お前がどれだけ隠していても、知ってるんだ。
俺はそれを知った上で、お前に頼む。卑怯だとは分かってる。だがお前にしか頼めないんだ」

全てを言い切り、ギコは顔を伏せた。

ギコだから知っている。

モララーがどれだけユクモを大切に想っているか。

だからこそ、周りに『騎士派のスパイ』と罵られようと『裏切り者』と蔑まれようと、騎士でありながら狩人を辞めなかった。

そんな人間に『ユクモを頼む』と言えばどうなるか、それをギコは承知で言った。

( ・∀・)「なぁ、ギコ」

弾かれたようにモララーの方を見た。


39 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:57:07 ID:88pYr5WMO

( ・∀・)「俺は変わっちゃいない。俺が騎士として護りたいのは今も昔も、あのお転婆な姉妹だけだよ。その二人が生きる場所。そんな大切な場所を、俺が護らない訳ないだろうが」

(,,゚Д゚)「……そう、だな」




―――それに




( ・∀・)「私は騎士だよ。聖下に危害が及ぶとなれば、風のように疾く駆け付けるさ」

モララーは、ユクモを歩く巻き毛の二人の少女を丘の上から見ながら、いたずらっ子の様に笑った。


40 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:58:43 ID:88pYr5WMO

('A`)「………」

ユクモ村を、ドクオは一人で歩いていた。

ジンオウガ襲来の報が伝わったのか、いつもはワイワイと賑やかな行商人達の姿は無く、人影は疎らだ。

('A`)「ふむ」

ユクモに来てから初めてのG級モンスター討伐依頼。加えて見た事のないモンスター。

今まで幾度もG級と戦い勝利してきたドクオだが、緊張がある事は否めない。

だが、たからといって特別にする事もない。

いつもの様に万全の準備をし、いつもの様に帰ってくる。

それだけだ。


41 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 00:59:29 ID:88pYr5WMO

途中、ドクオは自分が装備を預けている鍛冶屋に立ち寄った。

こちらに来てからずっと使い続けていた【夫婦剣】コウリュウノツガイだが【雷狼竜】ジンオウガは、その名の通りならば雷を司るモンスターのはずだ。

ドクオがドンドルマで戦ってきた雷の属性を持つモンスター達の肉質を参考にすれば、その弱点は氷だろう。

('A`)(氷なら、うってつけの奴があるな)

取り出したのは武骨な双剣。柄から刃先まで鈍色をした何の装飾もない双剣だ。それもそのはず、これはある伝説の竜の骨、角、爪を何も加工せずに組み合わせてだけの剣だ。

('A`)「伝説に相対するのなら、やはりこちらも伝説でなくてはな」

他にも、閃光玉や罠といった物も取り出す。

そんなドクオに、後ろから声を掛ける者がいた。

(‘_L’)「何か御入り用ですか?」

('A`)「あぁ、フィレンクトさんか。ご無沙汰ですね」

以前ドクオがギコと共に依頼を受けた行商人、フィレンクトだった。


42 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:00:23 ID:88pYr5WMO

(‘_L’)「ドクオさん、大物を狩りに行かれると聞きました。準備は万全ですか?何かお手伝い出来る事があれば、遠慮なくお申し付け下さい」

('A`)「ありがとうございます。ただ今必要な物は特に無いですね」

フィレンクトは『残念です』と笑うと『少し一緒に歩きませんか?』 とドクオに尋ねた。

('A`)「構いませんよ。まだ正式に依頼を受けた訳ではないので暇を持て余していたところです」

それから、二人でユクモの村をゆっくりと歩いた。

('A`)「ヘリカルは元気にしていますか?」

(‘_L’)「えぇ、少しお転婆が過ぎる程ですがね。最近は、私が仕事から帰ってくるのを待っている様なのですが、いつも途中で眠ってしまうようで。風邪をひいてしまうから、先に布団で寝なさい、と言ってるんですがね」

呆れたような声色のフィレンクトだが、その顔には温かな笑みが浮かんでいた。

(‘_L’)「そういえば、ツンさんとナルガクルガを討伐したそうですね」

('A`)「流石に情報が早いですね」

(‘_L’)「全く、貴方は大した人だ」

今度は本当に呆れた様に言った。


44 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:01:38 ID:88pYr5WMO

(‘_L’)「貴方は自分がどれほどの偉業を成し遂げたのか理解していますか?HR2の新米を連れて、あの【迅竜】を倒したのですよ。それも二人とも無事で、です」

('A`)「確かに、ツンにはまだ早かったかもしれないな。だが、彼女ならやれると判断した。彼女のガンナーとしての腕は、彼女のHR以上の物だったし、加えて素晴らしい素質、そして弛まぬ努力があった。だからこその成功だと思います」

ドクオの言う事は、最もな事なのだろう。

しかしフィレンクトは、それだけでは納得出来ない。

確かにツンが弛まぬ努力をしてきたのは知っている。回りの環境にも恵まれ、ガンナーとしての姉を持ち、切磋琢磨できる幼なじみもいる。

だが、視界の効かない夜中に【沈黙の暗殺者】たるナルガクルガを討伐出来るだろうか。

何も知らない者が聞けば、即座に無理だと答えるだろう。


45 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:02:46 ID:88pYr5WMO

だがフィレンクトは、その無理を覆す要因を知っている。

('A`)「………」

ほんの数ヶ月前ユクモにやって来た男、ドクオ=ウェイツー。彼ならば、その無理すらも押し通す。

(‘_L’)「……やはり、大した人だ」

行商人の間では有名な話だが、今ユクモはとても危うい状態なのだ。

狩人の世代交代の失敗、それが大きな失敗。

今、狩人派の頂点に立つギコは二十八歳。まだまだ若い。だが実力は折り紙付き、先日G級に昇格した。

村人達の間では『ロマネスク二世』やら『新たな英雄』などと呼ばれている。

しかし、その下が如何せん育っていない。

ビロード=ラシライアやベルベット=ワカッテマスという、ギルド叩き上げの狩人達も育ってきてはいるが年齢は二十歳を過ぎた辺りと若すぎる。

今回のジンオウガ討伐には、とても出せない。


46 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:03:35 ID:88pYr5WMO

こうなってくると、やはり騎士派の存在がネックとなってくる。

そもそもモララー=ケーニッヒ、トソン=アデアが居れば状況は全く変わってくるのだ。

ギコよりも早くHR5になった天才、モララー=ケーニッヒ。村人は、将来ギコとモララーがHR6となりユクモを支えてくれるのだと信じていた。

だがその希望は叶わず、モララーは騎士としての道を選んだ。

そしてトソン=アデア。ロマネスク、ベーン、フォックスというユクモに名を残す三人の狩人を唯一直接知る彼女は、キュートの侍女をしている。

狩人派と騎士派、この危ういバランスの中、ギコが倒れる事があれば、きっとユクモは今の形を保てなくなるだろう。

だからこそ、フィレンクトはドクオに期待していた。

彼がカンフル剤となって、確実に周りの狩人達は力を付けている。

ブーンやデレ、ツン、そしてギコ。

この危ういバランスを保つキーパーソンが、まだユクモに来て数ヶ月の男なのだ。


47 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:04:05 ID:88pYr5WMO
('A`)「………」

じっと見つめられて照れたのか、ドクオは頬を掻いた。

『おーい、ドクオー』『ドクオさーん!』

('A`)「ん、ブーンか。それにデレも。どうしたんだ、そんなに慌てて」

(;^ω^)「どうしたもこうしたもないおっ!ドクオがユクモ神の討伐に向かうって聞いて、すっ飛んで来たんだお!!」

なんでもツンとデレの三人で、お祝いだと酒場に入ったところで、その噂を聞いたらしい。

('A`)「あぁ、そうらしいな。デレも同じ理由か?」

ζ(゚ー゚*;ζ「はい!まさかジンオウガが現われるなんて!!」

どうやら二人ともドクオを心配して来たようだ。


48 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:04:54 ID:88pYr5WMO
('A`)「心配しなくζ(゚―゚*#ζ『心配しますっ!!』あ……はい」

ζ(゚―゚*#ζ「分かってるんですか!?ジンオウガなんて私達は、ちょっとした伝説くらいに思っていたモンスターです!そんなモンスターとたった二人で戦って来いだなんて!!」

どうやらデレは相当頭に血が昇っているらしい。自分の所属するギルドに対してキレている辺りが、もう末期だ。

ζ(゚、゚*ζ「私、今から抗議してきます」

( ^ω^)(やべぇ、荒巻のじいさん。これは死んだかも分からんね)

(;'A`)「おいおい、デレ。仮にも所属するギルドだぞ」

止めようとするドクオに、デレはなんとも良い笑顔で言い放った。

ζ(^ー^*ζ「大丈夫ですよ、最近じゃ鳥竜種くらいなら一撃で仕留められるようになりました。いくら竜人と言っても少し人間より長生きなだけで不死身じゃないんですから、強撃ビン付きの貫通矢を頭に何発かブチ込めば、きっとくたばるはずです。それが不満なら毒ビンにしましょうか?油断させておいて近距離から拡散させれば流石のギルドマスターでも躱せないでしょう。そこから、じわじわと死んでいく姿を眺めるのも良いですね。でも、まぁ、ドクオさんを危険に晒す命令をしようとした馬鹿にそんな後悔する時間を与えても仕方ありませんよね。ならやっぱり、すぐやりましょう」

((((;'A`))))ガダガタガタ

( ;ω;)コワイオ

(‘_L’)

突っ走る女性は、いつの時代も男を恐怖させるのである。ドクオは震え、ブーンは泣き出し、フィレンクトは立ったまま気絶した。


49 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:05:37 ID:88pYr5WMO

ギルドマスターが言っていた、デレの困った性格。その片鱗が初めて明らかになった。

('A`)「……まぁ、やめておけよ。そんな事じゃ依頼は取り下げられないだろうしな」

ζ(゚、゚*ζ「……ギルドマスターだけじゃ駄目なんですか?流石にギルドのハンター全員とかになっちゃうと私だけではちょっと……それにツンちゃんも居ますし」

(;^ω^)(違うお!この人、盛大に歪んだ方向に話を持って行こうとしてるおっ!!そして殺害対象にナチュラルに入れられるボク(笑))


51 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:07:08 ID:88pYr5WMO

影でソワソワしだしたブーンを無視して、ドクオは軽くデレを小突いて言った。

ζ(>Δ<*ζ「いたっ!」

('A`)「全く、言ってるだろ。俺達はどんなに困難な状況だろうと村人達の為に必要なら狩りに出るんだ。デレも自覚しろ。俺達が居ない間にモンスターが村に近づいて来たなら、お前が出なければいけないかもしれないんだぞ」

その言葉にも納得しきれないのか、デレはガルガルと唸りながら俯く。

ζ(゚、゚*ζ「……じゃあ私も連れていって下さい」

ブーンは自分の耳を疑った。

デレは確かに優れた狩人だ。しかし、彼女には幾つかの欠点があった。


彼女は、とてつもなく“生きたがり”なのである。


幼い頃に大好きな祖母を殺されたデレ。
大切な存在を突然モンスターに奪われた彼女だからこそ、自分が死ぬ事で悲しむ人がいる、そしてその悲しみがどれ程の物かを知っている。

だからこそ仲間の為にその身を喜んで差し出すギコが“死にたがり”だとすればデレは、どうしようもなく“生きたがり”なのだ。


狩りは信頼の出来る腕を持った者としか行わない。
デレの性格はユクモの狩人の間でも有名な話である。だからこそ、デレに一緒に狩りに付いてきて貰うという裏HR試験があるとまで言われている。


そのデレが

ζ(゚、゚*ζ「………」

死と隣り合わせの狩りに、自ら付いていきたいと言いだしたのだ。


52 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:09:00 ID:88pYr5WMO

しかし、その申し出を


('A`)「駄目だ」


ドクオはキッパリと断った。

ζ(゚、゚*ζ「……どうしてですか?」

('A`)「聞いていないのか?【雷狼竜】ジンオウガはめでたくユクモ初のG級に認定された。狩りに出れるのはG級の狩人、つまり俺とギコだけなんだ」

そんな、とデレは言葉を詰まらせた。

('A`)「デレ、お前のHRは4。まだまだ経験が足りない。今は、まだお前には荷が重いんだ」

ζ(゚、゚*ζ「………」

この言葉に身体を強張らせたのはデレだけではない。ブーンもまた自分の拳を強く握った。

( ^ω^)「………」

HR4のデレでも経験不足だと言われている。それならHR2の自分なんて足手まとい以外の何物でもない。そう言外に言われた気がした。


53 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:10:04 ID:88pYr5WMO

('A`)「はぁ……そんな顔するな、二人とも。今はまだ、と言っただろ。お前達には間違いなく才がある。今のまま成長すれば、いつか共に戦えるさ」

ドクオの励ましの言葉も、ブーンにはうまく伝わって来ない。


ブーンの父は偉大だった。ユクモを長年支えてきた、たった三人のHR6。村人からの信望も篤く、そんなベーンに憧れ狩人を目指したのは自然な事だった。


狩人を目指す自分に周りの人達は暖かく祝福してくれた。そんな人達の事をブーンは愛していたし、皆の期待に応えたいと感じていた。


狩人になってからも挫折はなく、命の危険に晒されるような事もなかった。
だから、ブーンは今まで壁を感じた事がなかった。そんな彼の世界を一変させたのがドクオだ。
いつしかベーンに、そしてドクオにも、並び立ちたいて、ブーンは夢見ていた。


しかしまだ無理だと言われた。
初めて自分の前に壁が現れたような気がした。


( ^ω^)(……でも)


54 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:10:51 ID:88pYr5WMO

ウジウジと考えている自分が嫌になる。
この状況で一番死に近いのは誰か、それは間違いなくドクオだ。

ジンオウガ、伝説でしか知らないモンスターと戦うなんて。


( ^ω^)「……ドクオ。ドクオは怖くないのかお?ドクオが強いのは知ってるお。
でも相手はドクオの知らないモンスターだお。それも天候を操れるような、とんでもない化け物だお。【雷狼竜】ジンオウガって、ボク達にとっては“神”みたいな存在なんだお。どうしてそんな冷静でいれるんだお?」

優しいブーンだからこその言葉だと感じた。
ドクオだって伊達にブーンの指導をしていた訳じゃない。
ブーンがどんな人間か、ドクオなりに理解していた。


('A`)「……まったく、狩りに出るのに心配されるのなんて何時ぶりだろうな」

だからこそ、ブーンの本心からの心配は心地好い物だった。


('A`)「……ブーン、お前と初めて話した時に俺の二つ名について聞いたことがあったよな」

( ^ω^)「お?」

覚えている。ツンとクルペッコを討伐した時だ。


あの時ドクオにG級だけが許される二つ名について『ドクオにもあるのか?』と尋ねた事がある。
あの時は『忘れてしまった』とお茶を濁されたが。


55 :名も無きAAのようです:2011/12/18(日) 01:11:47 ID:88pYr5WMO

('A`)「二つ名は自分で決められる物じゃないからな。俺はあまり使っていなかったが、今打ち明けようと思う」


―――俺の二つ名は


('A`)「―――だ」


ブーンとデレは言葉を失った。ドクオの二つ名、それが持つ意味を正しく理解したからこそだ。


('A`)「だから心配するな。俺はちゃんとここに帰ってくるさ」


ポンポンとブーンの肩を軽く叩き、デレの頭を撫でてドクオは去っていった。




====('A`)ドクオと飛竜と時々オトモのようです 六話====





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